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2月12日(火) 沖縄・辺野古での新基地をめぐる県民投票でキッパリとした「ノー」の審判を [沖縄]

 明日から17日まで沖縄に行きます。辺野古での新基地建設をめぐる県民投票を支援するためです。
 全国革新懇と沖縄革新懇が運用する宣伝カーに弁士として乗り込み、全力で訴えてくるつもりです。「反対に〇」を付け、新基地建設に対してキッパリとした「ノー」を突きつけようではないかと。

 新しい基地の建設は普天間飛行場の返還のためだとされています。代わりに基地を作ってくれなければ、世界一危険だと言われている普天間飛行場を返すわけにはいかないと。
 しかし、そもそも普天間飛行場は沖縄戦に際して土地を強奪し、銃剣とブルドーザーで住民を追い立てて作ったものです。本来であれば「悪うございました」と、今すぐ熨斗を付けて返すべきものではありませんか。
 新しい基地を作ってくれなければ返さないというのは、「盗人猛々しい態度」だと言うしかありません。これに唯々諾々と従っている日本政府は「盗人に追い銭」とも言うべき誠に情けない対応だと言わなければなりません。

 それでも、日本の安全と抑止力のために沖縄の基地は必要だと思っている人がおられるかもしれません。しかし、沖縄に駐留している米軍は「殴り込み部隊」の海兵隊で、「日本を守るため」の軍隊ではありません。
 基本的には朝鮮半島有事に際しての後方支援や中国に睨みを利かしながら中東への出撃基地としての役割を担ってきました。しかし、これらの役割も、もはや必要なくなりつつあります。
 米朝首脳会談と南北首脳会談によって朝鮮半島情勢は急変して緊張緩和が進み、シリアやアフガニスタンなどの中東から米軍は撤退を始めており、日本と中国との関係も改善と友好促進の方向に舵を切りました。沖縄での米軍基地の存在は(たとえあったとしても)その歴史的な役割を終えたのであり、もはや沖縄に基地を置かなければならない安全保障上の根拠は存在しません。

 辺野古での新しい基地は土壌も軟弱、存在根拠も軟弱なのです。そんな基地など辺野古はもとより沖縄のどこにもいらないということを、沖縄に住む人々の意思として明確に示すことが今回の県民投票の意義です。
 一方で有権者の4分の1以上の多数で示された結果に基づいて県知事は政府と交渉することが義務付けられ、他方で政府は結果がどうあっても基地建設を推進する意向を示しています。新基地建設に反対して県知事に交渉させるためにも、それを尊重させるためにも、辺野古での基地建設に反対だという意思をキッパリと示す必要があります。
 そのためには投票率を上げ、投じられた票の中身でも「反対」が大多数にならなければなりません。沖縄の有権者の過半数以上の反対がはっきりと示されれば、辺野古での基地建設をストップさせる大きな政治力を発揮することができるでしょう。

 決戦の時が近づいてきました。日米両政府による理不尽な押し付けを止めさせるために、及ばずながら私も力を尽くす所存です。
 県民投票が実施される2月24日は、奇しくも私の誕生日で68歳を迎えます。その日を、新しい沖縄と日本が誕生する新生の日として迎えたいものです。

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2月10日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*2月8日付巻頭特集「国民も呆れる異常国会 “さらし者”の「アベ友」無能大臣」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
 「野党からアベノミクス偽装と批判されているのだから、根拠の数値を示して正々堂々と反論すればいい。そうしないのは、数値の正確さを含め て何かやましいことがあるからでしょう。統計不正は単なるデータミスの問題ではなく、政策にも直結する重要な問題。このまま幕引きさせてはいけません」

*2月9日付巻頭特集「麻生大臣以下“類は友を呼ぶ”上から目線 安倍内閣の共通項」
 「そもそも、子どもを産むか産まないか、どんな家庭を築くか、すべて個人の自由のはずです。政治家が口を挟む問題じゃないでしょう。貧困など、経済的な問題から2人目を諦めざるを得ない女性も多い。保育園が足りず、子育てをしながら働ける環境も整っていない。
 本来、政治家は安心して子どもを産める環境を整えることが役割なのに、対策を怠った揚げ句、少子化の責任を女性に押しつけているのだから最悪です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 「人間、誰だって病気になるし、失敗もします。でも、苦労知らずの麻生大臣は、自分が弱者や少数派になるとは夢にも思っていないのでしょう。一番の問題は、庶民の気持ちが分からないことではなく、分かろうとしないことです」(五十嵐仁氏=前出)


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2月9日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*2月4日付記事「安倍政権“賃金偽装”追及に白旗 火消しへ自信という勘違い」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
 「統計不正発覚によって、皮肉にもアベノミクスの失敗が明らかになりました。景気回復の実感がない国民の方が政府発表よりも正しかったことが判明し、安倍首相は追い込まれているのではないか。その証拠に、野党が国民の実感に近い実質賃金のマイナスについて質問しても、名目賃金や雇用情勢などを引き合いに出して、まともに答えようとしません。政府は『いざなみ景気超え』を強調していますが、国民は『いったいどこの国の話だ』と思っているのではないでしょうか」

*2月6日付巻頭特集「大甘の茶番劇 大マスコミと自民党の「統計不正」追及」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
 「統計不正問題が長引けば、4月の統一地方選、7月の参院選に影響する。官邸は責任をすべて厚労省に押し付け、トカゲの尻尾切りで逃げ切ろうとしているのでしょう。ゴマカす、ウソをつく、改ざんする、隠すは安倍政権の常套手段です。疑惑の核心を握る人物を国会審議の場に出さないのは、モリカケ問題から一貫している。森友問題で安倍首相は〈私がお答えする〉と言い張って昭恵夫人を隠し、加計問題では“腹心の友”と呼ぶ加計孝太郎理事長を民間人だからと隠した。厚労官僚の大西氏を隠すには、更迭という手段を選んだということなのでしょう」


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2月7日(木) 沖縄県民投票で3択のカラクリをものともせずに「反対」を多数にしてこそ真の勝利だ [沖縄]

 沖縄の辺野古での新基地建設をめぐる県民投票が注目されています。当初「賛成」と「反対」の二つの選択肢でしたが、これに「どちらでもない」という第3の選択肢が加わって、「3択」になりました。
 その結果、実施しないとしていた宜野湾、宮古島、沖縄、うるま、石垣の5つの市も参加することになり、県民すべての投票する権利が守られることになりました。この意味からすれば、「3択」にしたのは全県での投票実施を可能にするための「やむを得ざる譲歩」だったと思いますが、そこには無視できない「カラクリ」も存在しています。

 この問題について、昨日の新聞朝刊に注目すべき記事が出ました。一つは『東京新聞』2月6日付の「こちら特報部」で、見開き2ページにわたって「辺野古『どちらでもない』って?」「沖縄県民投票 3択」「民意伝わらぬ危うさ 『迷い』の受け皿」「多数派任せ 白票と同じ」「勝手な解釈 許さぬ選択を」という見出しが並んでいます。
 この記事では、「どれほど複雑な思いで『どちらでもない』を選んでも第三者にそれは伝わらない」という坂井豊貴慶応大教授の意見や「三択あっても辺野古を移設するか、しないか二つのうちのどちらかの判断しかない」という武田真一郎成蹊大教授の見解が紹介されています。
 また、『毎日新聞』2月6日付の記事は「辺野古『3択』県民投票」「混乱招く?『どちらでもない』」「政策選択になじまない」という見出しで、「政策選択が目的の住民投票には本来なじまない」「全県で実施できるようになったのは一歩前進だが、賛否の傾向がある程度はっきり出なければ、投票結果の解釈を巡って混乱する可能性もある」という松本正生埼玉大教授の懸念を伝えています。県民投票の会の元山仁士郎代表も、「『どちらでもない』が4分の1以上になった場合、結果を尊重しようがない。県民には賛成か反対か、悩みながらでも選んでほしい」と話しています。

 「その通り」と言いたいと思います。3択式は住民の意見集約のあり方としては適切な方法ではありませんが、その譲歩にはメリットとデメリットの二つの面があります。
 メリットは全県での投票が実現し、判断に迷っている人も投票所に足を運ぶことによって投票率が上がるだろうということ、そしてこの問題が大きく取り上げられ注目されたことによって県民投票への関心が高まったことです。投票率を低めて県民投票を無視しようとしてきた安倍政権の意図を忖度した政府寄りの市長や沖縄自民党からすれば、かえって逆効果になってしまったということです。
 しかし、すでに指摘されているように、3択になったデメリットもあります。このデメリットをしっかりと認識したうえで、その「カラクリ」をものともせずに「反対」の意志を明確にして政府に突きつければ、もはや言い逃れできないところまで追い込むことができるにちがいありません。

 実はこの問題について、私も1月28日付のブログ「戦前の「ポスト真実の日本」を取り戻してしまった安倍首相」で次のように書いています。その趣旨は、これまで紹介した新聞記事とほぼ同じものでした。

 <沖縄での県民投票でも、このような「騙しのテクニック」が用いられようとしています。県民投票での選択が「賛成」「反対」の2択から、「どちらでもない」を加えた3択に変えられたからです。
 この変更によって協力を拒んでいた5市が参加することになり、全県での実施が決まりました。それは良かったと思いますし、3択にしたのは全県での投票実施を実現するためのやむを得ざる譲歩だったと思います。
 しかし、新たに加わった「どちらでもない」という選択肢が多数になった場合、県知事は辺野古での基地建設に反対できなくなるかもしれません。「反対」の意見が多数になった時にだけ、デニー知事はこれまでと同様に新基地建設阻止の行動をとり続けることができるからです。

 つまり、新たな選択肢は3つではありません。「賛成」と「どちらでもない」は新基地の建設に反対ではなく、現状を維持または容認するという点で同じだからです。
 ここには選択肢が2つではなく3つであるように見せかけ、反対意見を少数にするためのカラクリが仕込まれているのです。見事な誤魔化しではありませんか。
 投票に当たっては、このようなカラクリや誤魔化しを県民の皆さんにきちんと説明しなければなりません。実際には3択ではなく2択であるということ、「どちらでもない」は第3の選択肢のように見えるけれど事実上は土砂投入の現実を容認し、基地建設への「反対」を止めさせる意味を持っているということを。>

 このような「カラクリ」を県民の皆さんに説明するために、私も沖縄に行って訴えることにしました。2月13~17日に県民投票の成功を支援するために沖縄を訪問します。
 2月16日(土)午前10 時~正午には那覇教育会館3F ホールで「革新懇交流の集い」も開かれます。これに参加して発言する予定ですので、沢山の方にお会いできるのを楽しみにしております。

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2月6日(水) 『しんぶん赤旗』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『しんぶん赤旗』2月4日付の記事「政治考」に掲載されたものです。〕

 「「自衛隊明記」地方自治制約の危険 改憲・大軍拡 強圧答弁」

 安倍首相の発言について政治学者の五十嵐仁法政大学名誉教授は「改憲の狙いの一つが自衛隊の増強、大軍拡を強めるためであると明瞭にしたものだ。自衛隊を正当化して〝市民権〟を確立し募集をスムーズにすると宣言している」と指弾しました。

 「「改憲反対」世論に首相焦り 参院選向け〝決戦〟」

 こうした自民党の動きに対し五十嵐仁法政大名誉教授は「『安倍政権のもとでの改憲』は危ないという世論の強さへの警戒、焦燥感のあらわれだ。このままでは発議しても勝てないし、発議すら危うくなり、草の根から切り返していかないとまずいと思っている。これは3000万人署名運動の威力であり、参院選へ向けて決戦の様相がますます強まっている」と強調します。

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2月1日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*1月12日付巻頭特集「安倍政権で必ず繰り返される「徴用工」問題」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
 「この問題に限りません。自民党は女性蔑視発言が絶えませんし、LGBTへの対応にしても、セクハラにしても、人権を尊重する意識が決定的に欠けています。多様性を認め、人を尊重し、人としての権利を認める。当たり前のことなのに、意見の違う人を徹底的に排除する安倍政権はそういう立場に立てない。異論を認め、共生をめざす人にトップが交代しなければ、韓国との徴用工問題も解決しないでしょう」

*1月24日付巻頭特集「「近隣叩き」という支持率ゲーム」
 「国外に敵をつくって、国民の関心を失政から逸らすのは権力者の常套手段ですが、安倍首相の場合、度を越しています。いまごろ〝してやったり〟とニンマリしているはずです。テレビを筆頭に、狙い通り〝韓国を許すな〟という報道になりましたからね。もし、レーダー照射問題が大きなニュースになっていなかったら、この1ヵ月、安倍政権への批判が噴出していたはずです。なにしろ、年明けから株価は暴落し、厚労省による勤労統計の不正調査も発覚、沖縄県民の民意を踏みにじって暴力的に辺野古の海に土砂を投入している。どれもこれも看過できないものですが、レーダー照射問題が大きくなり、さほど騒がれなかった。内閣支持率もアップしています」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

*1月30日付巻頭特集「統計不正でも反省ゼロ “冒頭演説”でまたアベノミクス自慢」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。
 「安倍政権は、7年目に突入しましたが、目玉政策はすべて看板倒れ。実現が難しくなると看板の掛け替えでゴマカしてきましたが、ついにネタが切れてしまった。今回の施政方針演説はそれを自ら認めたようなものでした」

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1月29日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*1月27日付巻頭特集「底なし「統計不正」の深刻 消費増税はご破算が当たり前」
 この期に及び、不適切処理が発覚した22統計の所管大臣は「前例に疑問を抱かず整合性のチェックを怠っていた」(石井啓一国交相)、「事務的な確認不足」(柴山昌彦文科相)と全てを役人の怠慢のせいにして問題の矮小化に躍起だが、冗談ではない。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
 「昨年の森友文書の改ざんに続き、これだけ多くの基幹統計の不正が明るみに出たのです。公文書も政府統計も信用できない国は、もはや先進国ではない。国際社会の信頼を失い、海外投資家だって信用のおけない国として投資をためらうでしょう。安倍首相がアベノミクスの成果と称する株高が、それこそ吹っ飛びかねない非常事態です。それなのに、この政権は官僚に全責任を押しつけ、トカゲのしっぽ切りで幕引きを図ろうとする。毎度おなじみのパターンで、政治家は誰ひとり責任を取らない。不正統計のお手盛り報告も、組織的隠蔽のさらなる隠蔽で、この政権では隠す、ゴマカす、平気で嘘をつくのが常態化し、もはや何を信じていいのか分からない。国の土台が揺らぎ、地面が割れるような感覚で、震源地は安倍官邸の政治的大震災です」

 「昨年以来、安倍政権は改ざん、隠蔽、不正、捏造のオンパレード。今回のアベノミクス偽装がトドメで、政治の信頼回復には内閣総辞職以外に道はありません」(五十嵐仁氏=前出)

*1月29日付巻頭特集「「統計不正」など朝飯前 バレなきゃ何でもやる安倍政権」
 ハッキリ分かったのは、この政権は「バレなければなんでもやる」ということだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏が言う。
 「安倍政権の政策づくりはアベコベです。本来は、実態を調べ、データを分析し、事実に即して政策をつくるものです。ところが、安倍政権の場合、まずやりたい政策が先にあり、その方針に合うデータを無理やり用意している。『裁量労働制の拡大』は典型です。厚労省が所管する団体が行った調査では“裁量労働制の労働者の労働時間は長い”となっていたのに、そのデータは採用せず、数字を加工してまで“裁量労働制の労働者の労働時間は短い”というデータをつくり上げている。自分がやりたい政策を実現させるために、数字までいじっているのだからヒド過ぎます」

 「安倍首相の最大の問題は、ファクトに対して謙虚な姿勢がまったくないことです。恐らく、大切なのはファクトではなく、自分の主観なのでしょう。しかし、事実を事実として受け止め、事実に基づいて政治をやらないと、どんな政策もうまくいかない。アベノミクスが失敗し、外交が成果ゼロに終わっているのも、事実を見ずに勝手な思い込みだけで政治をやっているからでしょう。誰が見たって、安倍首相はプーチン大統領に手玉に取られ、カネだけむしり取られているのに、本人は25回も会談したプーチン大統領との友情を信じ込み、北方領土が返還されると思い込んでいる。心配なのは、統計などの事実をネジ曲げると、国が崩壊する危険があることです。旧ソ連だけではありません。戦前の日本が、まさにそうでした。正確な数字に基づいて戦略を立てようとせず、勝てない戦争を続け、国が滅びた。公文書を改ざんするような安倍政権は、非常に心配です」(五十嵐仁氏=前出)

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1月28日(月) 戦前の「ポスト真実の日本」を取り戻してしまった安倍首相 [首相]

 毎月勤労統計の不正調査、誤魔化しが発覚し、大きな批判を招いています。しかし、これは「氷山の一角」にすぎません。
 安倍政権では、事実の軽視、情報の秘匿、ウソと誤魔化しが横行しているからです。とりわけ安倍首相の場合、「隠す、誤魔化す、嘘をつく」と三拍子そろった「騙しのテクニック」が多用されていることに注意しなければなりません。

 沖縄での県民投票でも、このような「騙しのテクニック」が用いられようとしています。県民投票での選択が「賛成」「反対」の2択から、「どちらでもない」を加えた3択に変えられたからです。
 この変更によって協力を拒んでいた5市が参加することになり、全県での実施が決まりました。それは良かったと思いますし、3択にしたのは全県での投票実施を実現するためのやむを得ざる譲歩だったと思います。
 しかし、新たに加わった「どちらでもない」という選択肢が多数になった場合、県知事は辺野古での基地建設に反対できなくなるかもしれません。「反対」の意見が多数になった時にだけ、デニー知事はこれまでと同様に新基地建設阻止の行動をとり続けることができるからです。

 つまり、新たな選択肢は3つではありません。「賛成」と「どちらでもない」は新基地の建設に反対ではなく、現状を維持または容認するという点で同じだからです。
 ここには選択肢が2つではなく3つであるように見せかけ、反対意見を少数にするためのカラクリが仕込まれているのです。見事な誤魔化しではありませんか。
 投票に当たっては、このようなカラクリや誤魔化しを県民の皆さんにきちんと説明しなければなりません。実際には3択ではなく2択であるということ、「どちらでもない」は第3の選択肢のように見えるけれど事実上は土砂投入の現実を容認し、基地建設への「反対」を止めさせる意味を持っているということを。

 このような安倍政権によるウソと誤魔化し、事実の軽視、情報の秘匿は、第2次政権が発足して以来、ずっと続いてきました。その最初の例は特定秘密保護法だったのではないでしょうか。
 国民の共有財産である特定の情報を、法律によって堂々と隠すことができるようにしてしまいました。「隠す」ということで言えば、イラクや南スーダンへの自衛隊派遣に関わる日報隠蔽問題が典型です。
 ウソをつくのも平気で、最高裁の判決を歪曲して集団的自衛権の一部容認を閣議決定し、そのまま安全保障関連法として成立させてしまいました。憲法についても、自衛隊の存在を書き込むだけで自衛隊の役割や機能は何も変わらないとウソをついています。辺野古の埋め立て予定地への土砂投入についてのサンゴ移植発言もウソでした。
 
 安倍政権には、事実を尊重し情報を公開して国民の判断を仰ごうとする態度も、国会での質疑に真摯に対応し丁寧に説明して与野党の合意を図ろうとする姿勢も全く見られません。虚偽をまき散らすトランプ流の「フェイク病」に感染し、「ポスト真実の時代」に特有なねつ造と誤魔化しに終始しています。
 森友学園疑惑では公文書の隠ぺいと改ざん、加計学園問題では情報の秘匿と誤魔化し、裁量労働制に関するデータの捏造、障害者雇用率での数字の誤魔化し、外国人技能実習生からの聞き取り調査のずさんさ、そして今回の毎月勤労統計での調査捏造、おまけに外部有識者による課長・局長級職員への聞き取り調査に定塚由美子官房長が同席して質問もしていたことが隠蔽されていました。基幹統計についても56のうち22で問題があったと報告されています。
 このような問題が次々に明らかになってきたのに、政治家は誰一人として責任を取っていません。処分されたのは「トカゲの尻尾」である官僚だけです。

 統計法は嘘とデタラメの数字や情報によって国民の目を欺いた戦前の間違いを深く反省するところから制定されました。政治的な決定や政策の立案は、厳格な事実と正確な情報に基づかなければ取り返しのつかない過ちを犯してしまうからです。
 そのことを私たちは、戦前・戦中の歴史を通じて痛いほど体験したはずです。それが再び、安倍政権によって繰り返されてきました。
 「日本を取り戻す」と言っていた安倍首相は、「ポスト真実の時代」の原型ともいうべき戦前の日本を取り戻してしまったようです。事実を隠し国民を騙して大きな過ちを犯し、滅亡の淵にまで国を導いてしまった「戦前の日本」を。

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1月26日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*1月17日付記事「百八十度転換経団連・中西会長 原発「ドンドン再稼動すべきだ」」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
 「好意的に見れば、国民に一石を投じようとしたのかも知れません。コソコソと再稼働を進めるのではななくて、正面から〝原発賛成か〟〝原発反対か〟を公開討論すればいいと考えたのかも知れない。ひょっとして原発村の住民である本人は、〝原発賛成〟の方が多いと思っているのかも。しかし、これは自爆行為ですよ。恐らく、〝原発反対〟〝自然エネルギー〟が多いはずです」

*1月25日付巻頭特集「「統計不正」驚くべき幕引き 国民が知りたい景気の実相」
 「監察委は『統計不正に組織的関与はなかった』と結論付けましたが、22人も処分されたのに組織的ではないなんて、理屈が通りません。本来なら、大臣が責任を取って辞めるべき事態です。しかし、安倍政権下では政治家が責任を取らず、官僚に詰め腹を切らせて事件にフタをすることが当たり前になっている。モリカケ疑惑もそうでした。公文書改ざんというあり得ない問題が起きても、麻生財務相は辞めずにデカイ顔をし続けているのです。昨年から今年にかけ、障害者雇用や裁量労働に関するデータ、技能実習生の実態調査、防衛省の日報隠蔽など基本的な情報の不正や捏造が次から次へと発覚していますが、この政権では都合の悪いことは隠す・ゴマカす・ウソをつくが常態化し、もはや何を信用していいのか分からない。日本は完全に虚偽にまみれた“ポスト真実”の世界になってしまいました」(政治学者の五十嵐仁氏)

 「毎月勤労統計はあらゆる経済分析や政策形成の土台になる基幹統計です。それが改ざんされ、04年から11年分までについては元データもないのでは、評価も検証もできない。よく数字は嘘をつかないと言いますが、学者やエコノミストがこれまで毎月勤労統計を参考にして書いてきた論文も、基の数字が嘘ではどうしようもありません。こういうデタラメなデータを前提にして、『賃金が上がっている』『景気がいい』とアベノミクスの成果が喧伝されてきたのです。アベノミクス成功を装うために数字を捏造した疑惑さえある。嘘の数字を前提に、『景気がいいから』と決めた消費税の再増税も、再考する必要があるでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

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1月23日(水) 八方ふさがりどころか十方ふさがり以上に陥ってしまった安倍首相 [首相]

 1月20~21日、箱根に行ってきました。全国革新懇の都道府県革新懇事務室(局)長合宿交流会が開かれたからです。
 私は特に出席を要請されたわけではありませんが、講演などでお世話になっている皆さんにお礼を述べる良い機会であり、しかも選挙イヤーである今年初めの会議の重要性を考え、顔を出させていただくことにしました。

 この会議の様子は『しんぶん赤旗』や全国革新懇FAX ニュース『革新の風』などで伝えられました。その中で、私の発言につても、次のように報じられています。
 「全国革新懇の五十嵐仁代表世話人は、統計不正問題や消費税増税、原発、日ロ領土交渉などを挙げ、安倍政権は『八方ふさがりになっている』と指摘。
『情勢は大きく流動化し、大変動のきざしが表れている。私たちの取り組み次第では、大きな政治的転換を生み出す面白い状況が、参院選に向けて進んでいくのではないか』と語りました」(『しんぶん赤旗』1月22日付)
 「政治学者の五十嵐仁全国革新懇代表世話人は、統計不正問題、沖縄、 消費税など8分野での破たんをあげ、『安倍首相は八方ふさがり』の情勢について発言。参院選で本気の共闘で大激変大激動を起こそう、「安倍よアバよ」と“五十嵐節”で会場を沸かせました」(『革新の風』718号、2019年 1月 22日付)

 ここで書かれているように、私は今の情勢の特徴、改憲をめぐる状況、参院選の捉え方の3点について発言しました。そのなかで特に強調したのは、昨年末から安倍首相が八方ふさがりの状況に陥っているということです。
 もっと言えば、「八方」どころか「十方ふさがり」以上と言っても良いかもしれません。それほど難問山積の状況に安倍首相が追い込まれているのが現在の情勢の特徴です。
 国内外ともに情勢は流動化し、予測不能になっています。「激変の兆しあり」というところですが、私たちの運動次第で大きな政治転換を起こすことができる「面白い」情勢でもあります。

 「十方ふさがり」というのは、毎月勤労統計での不正調査、辺野古新基地建設をめぐる県民投票、「火だるま」となっている消費税再増税、破綻してしまった原発輸出、見通しの立たない改憲、森友学園への値引きの根拠の崩壊、国際情勢に逆行する大軍拡、日米貿易摩擦や北方領土問題、日韓関係などで不透明さを増す外交の八つに加え、日産をめぐるゴーン前会長の不正と起訴、五輪招致のための裏金贈賄事件の表面化を指しています。昨年の臨時国会で成立した改定入管法につても4月施行に向けて多くの課題が指摘されており、年金カットなどの福祉削減、医師や教師の「働き方改革」をめぐっても批判が高まり、年末から年始にかけては株価も乱高下しながら下がってきています。
 まさに天下大乱の兆しありというところで、実際には「十方」以上のふさがり方だと言って良いでしょう。しかし、直近の世論調査では内閣支持率が微増して40%台を維持し、不支持率を上回っています。
 これほどの閉塞状況で問題山積でありながら、内閣支持率低下に結びついていないのは何故でしょうか。高知新聞社が実施した県政世論調査で内閣支持率が26.8%だったという報道がありましたが、全国的にそうなってもおかしくありません。

 そうなっていないのは、この現実がメディアなどによって十分に国民に知らされていないからです。同時に、内政の行き詰まりに追い詰められた安倍首相が外政に逃げ込んでいることも大きいように思われます。
 これまで安倍首相は、3本の矢、新3本の矢、地方創生、女性活躍、一億総活躍社会、人づくり革命、働き方改革など、次々に新しいスローガンを打ち出して国民に期待を持たせ幻想を振りまいてきました。しかし、それらはいずれも「目くらまし」にすぎず、看板倒れに終わっています。
 その結果、「タネ」が尽きてしまい、今年は「戦後外交の総決算」を打ちだしました。「内政がダメなら外政があるさ」というわけです。

 その外政では、対外的な緊張と対立を煽り立てて支持率拡大に利用するというのが、これまでの安倍首相の常套手段でした。そのようなやり方は、今も最大限に駆使されています。
 これまでは北朝鮮の核開発とミサイル発射実験が、このような緊張と対立を煽り立てる手段として利用されてきました。しかし、米朝会談と南北和解の実現以降、このような手段は使えなくなりました。
 その代わりに登場してきているのが、韓国との緊張と対立の激化です。「北がダメなら南があるさ」というわけです。

 内閣支持率の微増には、このような日韓関係を利用した安倍首相の危機煽りが影響しているのではないでしょうか。徴用工問題やレーダー照射をめぐる韓国との対立を利用して反発と危機感を煽り立てることで、国民の支持をつなぎとめようとしている可能性があります。
 このような危機煽りや対立感情に巻き込まれて、安倍首相に騙されてはいけません。きちんと現実を直視する必要があります。
 NHKなど首相の意向に巻き込まれ忖度報道を繰り返しているメデイアの報道をうのみにしてはなりません。何が事実なのか、真実を見極める目を持つ重要性がますます高まっています。

 今年は統一地方選と参院選が同時に実施される「選挙の年」です。主権行使の絶好のチャンスであり、安倍首相を追い詰め断罪する貴重な機会でもあります。
 有権者として真贋を見極める眼を持つことが、今年ほど重要な年はありません。フェイクニュースや間違い報道に流されないように気を付けていただきたいものです。
 ボーっと生きていたのでは、チコちゃんに叱られます。そうならないためにも、八方ふさがりを越えた十方ふさがり以上の情勢をきちんと見据え、選挙で正しい判断を行いたいものです。

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