So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

6月27日(水) 拉致問題などの諸懸案を解決するためにも安倍首相を引きずり降ろさなければならない [国際]

 昨日のブログで、こう書きました。「トランプ大統領によれば、金正恩委員長は拉致問題について『解決済み』とは言及しなかったとされていますが、論評は北朝鮮が従来の立場を変えていないことを示唆するものでした。その後、この問題についての報道はないようですが、北朝鮮の出方が注目されます。」
 今日の『毎日新聞』には、「この問題についての報道」が新たに掲載されていました。その表題は「拉致問題『ない』 北朝鮮がけん制」となっており、記事は以下のようなものです。

 <北朝鮮の国営ラジオ、平壌放送は26日に伝えた論評で、「日本は今日まで過去の犯罪について謝罪し賠償するどころか、逆にありもしない拉致問題をわめきたてて自らを『拉致被害国』に化けさせようと破廉恥に策動している」と非難した。ラヂオプレス(RP)が伝えた。
 拉致問題の解決に向け日朝首脳会談の実現を目指す安倍政権を改めてけん制した。平壌放送は15日にも、拉致問題は『既に解決された』と主張する論評を伝えていた。>

 ここで言及されている15日の放送については昨日のブログでも紹介し、「米朝首脳会談で事態が大きく動くかのような期待は、またも裏切られるのではないでしょうか」と指摘しました。この記事は、このような指摘をさらに裏付けるものとなっています。
 政府もマスコミも、このような事実をなぜきちんと国民に伝えようとしないのでしょうか。安倍首相によって拉致問題の解決に向けて事態が動き始めているような幻想をまき散らすことはやめるべきです。
 お昼のTVニュースでも、国連軍縮会議で北朝鮮代表は非核化について「日本は首を突っ込むべきではない」と批判したと伝えていました。これらの報道が示しているのは、北朝鮮は米朝首脳会談前から示していた安倍首相に対する厳しい姿勢を、首脳会談後も取り続けているということです。

 これらの経緯を見れば、日朝首脳会談の実現はかなり難しいように思われますが、もし実現したとしても、そこで安倍首相は何を主張するのでしょうか。拉致問題は解決済みだという北朝鮮に対して、これまでと同様の主張を繰り返すだけであれば事態が打開される可能性はほとんどありません。
 打開の道は、日朝平壌宣言が示していた拉致、核・ミサイル、植民地支配など過去の清算という両国間の諸懸案を包括的に解決して国交正常化を目指すという方向しかありません。これらの諸懸案を総合的に議論する中で拉致問題についても解決の道が切り開かれるのではないでしょうか。
 しかし、月刊誌『FACTA』の最新号の記事によれば、北朝鮮を非難して国内の人気を高めるために拉致問題を中途半端な状態にしておくよう安倍首相が外務省に圧力をかけたそうです。そのような安倍首相に、日朝平壌宣言に沿った国交正常化交渉と北東アジアの緊張緩和に向けての包括的で総合的な対話が可能でしょうか。

 拉致問題をはじめとした日朝間の諸懸案を解決することも、北東アジアをめぐる平和体制の構築についても、安倍首相では不可能だと言わなければなりません。「必要なのは対話ではない。圧力だ」と言い続けてきたツケが、今、回ってきているということではないでしょうか。
 安倍政権を打倒することは、これらの問題の解決への展望を開くためにも必要になっています。安倍首相がその座を去ることが早ければ早いほど、外交面でも新たな希望と展望が早まるというのが現時点における北東アジア情勢の大きな特徴にほかなりません。

nice!(0) 

6月26日(火) 米朝首脳会談などによる国際情勢の激変についての『日刊ゲンダイ』へのコメントと若干の補足 [国際]

 〔以下の私のコメントは、米朝首脳会談などによる国際情勢の激変についての『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。参考のために、アップさせていただきます。〕

*『日刊ゲンダイ』2018年6月13日付
 「世界のリーダーは、安倍首相に呆れているでしょうね。重要な外交方針を〝圧力〟から〝対話〟にカンタンに変えてしまった。しかも、変更した理由も情けない。ひとつは、トランプ大統領が〝米朝融和〟へカジを切ったから合わせるしかなかった。もうひとつは『このままではバスに乗り遅れる』と慌てて北朝鮮に秋波を送ったのでしょう。関係国の米、中、ロ、韓は北朝鮮との対話に向かっているのに、日本だけは接触できていませんからね。要するに、信念から外交方針を変えたわけではない。国際社会では、口にしたことをころころ変える、こういううトップが一番信用されない。しかも、安倍首相は心の中で米朝会談の〝失敗〟を期待していることも見透かされています。世界のリーダーは、日本の首相を哀れに思っているはずです」(法政大学名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

*『日刊ゲンダイ』2018年6月23日付
 「安倍政権がこの5年間に強引な手法で成立を急いだ特定秘密保護法や安保法、共謀罪などは、いずれも北朝鮮の脅威などを理由にしていましたが、北をとりまく国際情勢が激変した今、エネルギーと時間の無駄遣いだったことがはっきりしました。そして、その間のアベ政治によって、三権分立も民主主義も総崩れになり、経済や外交もメタメタ。アベノミクスは異次元緩和の出口すら見えず、外交では米ロにだまされ、北からは相手にもされず孤立化している。現実に目を向けず、やれW杯だ、東京五輪だと浮かれていると、行き着く先は国民生活の破綻。死屍累々の状況を覚悟した方がいいでしょう」

 ここでも指摘しているように、米朝首脳会談をめぐる安倍首相のトランプ米大統領への追随ぶりは、これまで以上に際立っています。首脳会談を開催すると言えば、「対話のための対話には意味がない」と言い続けてきたこれまでの発言を翻して「支持」を表明し、途中で「開催をやめる」と言った時も直ちにこれを「支持」し、さらにその後、「やめるのをやめる」と言った時にも、安倍首相は直ぐに「支持」を表明しました。
 トランプ大統領のやること、言うことは何でも支持するという無定見ぶりです。どこに、独立国としての判断や主張があるのでしょうか。
 拉致問題でも、首脳会談で取り上げてもらいたいとトランプ大統領にお願いするだけでした。トランプ大統領は首脳会談で拉致問題を取り上げ、北朝鮮の金正恩委員長は「安倍首相と会う可能性がある。オープンだ」と前向きな姿勢を示したと伝えられています。

 しかし、これで拉致問題についての事態が進展するほど、甘くはなかったようです。安倍首相に対する北朝鮮側の評価が厳しく、日朝首脳会談を急ぐ必要はなく、従来の態度を変えたという確証もないからです。
 最近も、北朝鮮の朝鮮中央通信は安倍政権が森友学園の問題をはじめとするスキャンダルで行き詰まるなど安倍政権に批判が集まっていることを紹介しながら、「安倍一味は、彼らに集まる怒りのまなざしをそらして政権の危機を免れるために」 「拉致問題」や「最大の圧力」を持ち出しているなどと主張していました。岡田充共同通信客員論説委員は、北朝鮮との日朝首脳会談の可能性を打診した安倍政権に対し、北朝鮮当局が「一切取り合うな」との指示を出していたことが明らかになったと伝え、4月27日の南北首脳会談と米朝首脳会談など、国際的対話の枠外に置かれる安倍政権は当面、北との対話の契機をつかめないまま孤立を深めることになると報じていました。
 5月12日にも、朝鮮中央通信は安倍政権が「既に解決した拉致問題を再び持ち出して世論を形成している」とし、「朝鮮半島の平和の流れを阻もうとする稚拙で愚かな醜態だ」と非難する論評を配信していました。米朝首脳会談でのやり取りは、このような風向きが変わったのではないかとの期待を高めましたが、そうではなかったようです。

 米朝首脳会談が開かれた2日後の6月14日、外務省の志水史雄アジア大洋州局参事官はモンゴルのウランバートルで開催された国際会議の場で、北朝鮮外務省のシンクタンク、軍縮平和研究所のキム・ヨングク所長と短時間接触し、拉致問題の解決に向けた日本政府の基本的な立場を伝えたと外務省が発表しました。これが首脳会談後の最初の「接触」でした。
 外務省は「非公式に意見交換した」と発表していますが、正式の会談を設定することができず、面と向かっての「意見交換」もできなかったようです。実態は廊下での立ち話、それも行き過ぎる北朝鮮の代表団を追いかけて一方的に話したのではないでしょうか。
 志水氏は、拉致問題は日朝が直接向き合い、解決すべきだとの安倍晋三首相の考えを伝達したとされ、キム氏の発言については明らかにせず、外務省幹部は北朝鮮側の反応について「(従来の姿勢と)大きな変化はなかったようだ」と語っています。モンゴル外務省の関係者によると、北朝鮮代表団の一人は「日本が提起する内容は今の良い流れを阻害しかねない」と語ったということで、拉致問題に対する拒否反応とみられています。

 つまり、これまでと変わらない反応だったということになります。米朝首脳会談で事態が大きく動くかのような期待は、またも裏切られるのではないでしょうか。
 このような見方を裏付けるように、北朝鮮の国営ラジオ「平壌放送」は6月15日に報じた論評で、日本人拉致問題について「既に解決された」と言及しています。トランプ米大統領が米朝首脳会談で拉致問題を提起した後、北朝鮮メディアが拉致問題は解決済みとの従来の主張を表明したのは初めてのことです。
 トランプ大統領によれば、金正恩委員長は拉致問題について「解決済み」とは言及しなかったとされていますが、論評は北朝鮮が従来の立場を変えていないことを示唆するものでした。その後、この問題についての報道はないようですが、北朝鮮の出方が注目されます。

nice!(0) 

6月24日(日) 全国革新懇総会での「開会あいさつ」 [挨拶]

〔以下の「開会あいさつ」は、5月19日に開催された全国革新懇総会で行われたものです。全国革新懇第36回総会記録集『安倍政治を終わらせるときがきた』に収録されています。〕

 いよいよ革新懇の出番がやってまいりました。昨年も同じようなことを言ったような気がしますが、その後の総選挙で、小池百合子東京都知事という〝緑のタヌキ〟にたぶらかされた前原民進党の迷走によって大混乱が生じてしまいました。まさに「小池にはまってさあ大変」。野党のオウンゴールに助けられるような形で、安倍政権は一時的に息を吹き返しました。
 しかし今年に入って、森友・加計学園疑惑が新たな展開を見せて、再びソバ屋は大繁盛。内閣支持率は低下し、「安倍おろしソバ」の注文が 全国から殺到しています。国会はうそとデタラメ、柳瀬証言は「やらせ証言」にすぎず、捏造に次ぐ捏造で、安倍晋三は「安倍ネツゾウ」になってしまいました。「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」による国政の私物化に国民の怒りは爆発寸前になっております。
 このような民意をすくいあげ、安倍政権の打倒に向けて決意を固めあうのが、本総会の第一の課題にほかなりません。最近、私は『打倒安倍政権―9条改憲阻止のために』という本を出版しましたので、そのための「武器」として活用していただければ幸いです。
 本総会の第二の課題は、安倍首相を打倒して、改憲策動を阻止するために、全国の先進的で豊かな経験と教訓を学びあうことにあります。決意だけでは政権は倒せません。「市民と野党との共闘」こそ勝利の方程式ですが、選挙区や地域の実情にあわせた方程式の「解き方」を互いに学びあい、運動の水準を引き上げることが必要です。
 第三の課題は、この総会を「三段跳び戦略」の跳躍台とすることにあります。安倍首相を引きずり下ろすのがホップ、来年の参議院選挙でねじれ状態をつくり出すのがステップ、そして、来るべき解散・総選挙で勝利するのがジャンプです。
 その出発点こそがきょうの総会ではないでしょうか。もちろん、それ以前に解散・総選挙になる可能性も十分にあります。やれるもんなら、やってみろ! 返り討ちだ! そして、みんなでこう叫ぼうではありませんか。「安倍よ、アバヨ!」
 最後に私事ですが、過去1年間での講演回数は約80回になりました。メール一本、即参上。引き続き皆さんの先頭に立って奮闘する決意を表明するとともに、本総会での最後までの熱心な討論と運営へのご協力をお願いする次第です。
 なお、ご発言にあたっては、これから行われます報告・提案に基づいて、それに沿った発言をよろしくお願いしたいと思います。また、本日の座長を杉井静子さんと伊東達也さんの二人の代表世話人にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。ご賛同いただいたと思いますので、さっそく議事を座長さんに引き継ぎたいと思います。ありがとうございました。


nice!(0) 

6月20日(水) 幕引きを狙ったセレモニーにすぎなかった加計学園理事長の記者会見 [スキャンダル]

 加計学園疑惑の幕引きを狙ったセレモニーにすぎないものでした。加計孝太郎理事長の緊急記者会見です。
 また1人、記憶を失った人が姿を現しただけです。「記憶にも記録にもない」のに安倍首相の関与だけはきっぱりと否定するという点では、これまでの構図と全く同じでした。

 そもそも、この会見の設定自体が極めていかがわしいものです。記者会見の連絡が報道機関に伝えられたのは開催された11時の約2時間前の朝9時でした。
 しかも、本来であれば東京の文科省などで行うべき開催場所は岡山市の学園本部で、出席が許されたのは地元の記者だけでした。スペースの余裕があったのに駆けつけた地元以外の記者は出席を拒まれ、会見の時間も予定の30分を5分ほど早く切り上げています。
 そのうえ、大阪北部での地震災害があった直後でサッカーのワールドカップでの日本とコロンビア戦の直前というタイミングです。なるべく目立たないように、多くの報道陣やこれまで取材してきた記者が参加しにくいように、注目を集めづらいタイミングを選んでアリバイ的に開催された記者会見だったというしかありません。

 しかし、この会見で納得した人はどれだけいたでしょうか。ますます疑惑は深まったのではないでしょうか。
 そもそも、このような不誠実なやり方で会見を開いたということ自体が、真相の解明に背を向けて疑惑を裏付けるような対応だったと言うべきではないでしょうか。いかがわしさが匂い立つようなやり取りでした。
 学園からの面会報告は県職員が文書に記録していたもので、それを裏付けるような文書の一部が文科省にも残っており、この面会を起点に当時の柳瀬唯夫首相秘書官が学園と県、市の担当者に会って獣医学部新設に向けた国家戦略特区の手続きが進んで行ったというのが、これまでに明らかにされた経緯でした。学園側の説明通りこの面会が虚偽だったなら、教育機関である加計学園が認可を得るために地元自治体をだまし、93億円もの巨額のお金をせしめたことになります。
 しかも、加計氏は「記憶にも記録にもない」と一方的に断言しただけで、それを裏付ける明確な根拠も示さず、軽い内部処分とおわびで済ませようというわけです。これをまともな説明だと言えるのでしょうか。

 記者会見で明らかになったのは、加計学園疑惑の真相は記者会見では明らかにならないという事実です。疑惑に対して「嘘はついていない」と釈明するのが普通ですが、この件では「嘘をついた」と嘘をついているように見えます。
 加計氏がきちんと誠実に説明しようとしなかったのですから、国会が真相究明に取り組むしかありません。証人喚問について加計氏は「私が決めることではない。お待ちしております」と述べているのですから与党が拒む理由はなく、安倍首相も自らへの疑惑を払拭するために加計氏の喚問を進んで受け入れるべきでしょう。

nice!(1) 

6月16日(土) 戦後政治をぶっこわしてしまった安倍政権の5年間(その3) [論攷]

〔以下の論攷は、全農協労連の機関誌『労農のなかま』No.572、2018年5月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 官僚を堕落させ議会政治の土台を掘り崩してきた

 このように、安倍政権のもとで、防衛省、文科省、内閣府、厚生労働省、財務省と、相次いで公文書や内部文書の隠蔽や改ざんが明らかになりました。それについて、政府は各省庁に責任転嫁しようとしています。しかし、政府の知らないところでこのような隠蔽や改ざんが行われていたとしたら、そちらの方がもっと大きな問題です。自衛隊という実力組織や官僚が勝手に暴走していたということになるのですから。
 この政権は同じようなことをくり返してきました。権力の座にしがみつくための隠蔽や偽りが横行し、存在しない、廃棄したと言っていた文書が次々に見つかっています。ばれなきゃ良いとでも思っているのでしょうか。
 とにかく、いったん決めたら世論による批判も国会での審議も一切無視し、立憲主義なんかクソ食らえと言わんばかりに暴走してきたのが安倍政権です。その結果、市場経済も官僚機構も立憲主義も議会制民主主義も、戦後政治が築き上げてきた土台がすべてくつがえされてしまいました。
 政治家は理念や理想を見失って保身に汲々とし、昨年の総選挙では野党第一党が自壊して生き残りを最優先に信義なき再編が行われました。自民党はスキャンダル続出で、政権党としての責任を忘れ、安倍「一強体制」の下で多くの与党議員は口をつぐんできました。
 官僚は国を支えているという矜持を失い、無責任な「ヒラメ集団」に変わってしまいました。官邸主導で「お友だち」を集めた有識者会議などが政策の大枠を決めて各省庁に丸投げされ、省庁はその「下請け機関」となったばかりか、不都合な公文書を隠蔽しつじつまを合わせるためにデータをねつ造した疑いさえあります。
 そのうえ、自民党議員と文科省による名古屋市の中学校での前川前文科次官の授業への圧力、放送法4条の廃止によるテレビへの介入の動き、おまけに、福田財務事務次官のセクハラ・スキャンダルの発覚と辞任などもありました。議員会館近くで現職の幹部自衛官が民進党の参院議員に「おまえは国民の敵だ」と繰り返し罵倒するという事件まで起きています。地獄の釜のふたが開いたような不祥事の連続です。このような惨状を生み出した張本人こそ、安倍首相その人なのです。

 破綻が明らかになったアベノミクス

 鳴り物入りで安倍首相が始めた「アベノミクス」でした。しかし、そのために市場経済は瓦解寸前になっています。「2年で2%」という物価上昇率を掲げて異次元の大規模金融緩和という「黒田バズーカ」が発射され、年間60兆円をメドに国債が買われてきました。しかし、この目標達成は6回も延期され、いまだに実現していません。
 安倍政権になってから実質賃金の低下が4年連続で止まっていません。「物価が上がれば賃金が上がる」と言っていたのに、実質賃金は第2次安倍政権誕生以前の年間391万円から377万円と14万円も減っています。円安で輸出大企業が儲けて史上最高益を更新していますが、実質賃金は低下し続け、持てる者と持たざる者との分断が強まり、貧困化と格差は拡大し続けています。大企業の利益は内部留保に向かうばかりで、若干の賃上げがあっても下請けや孫請けの中小企業までには回ってきていません。
 この失敗を隠すために、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も動員して年間6兆円規模のETF(上場投資信託)購入を続け、「官製相場」によって株高を演出してきました。しかし、実体経済との乖離は拡大し、米国の利上げやトランプ大統領による鉄鋼・アルミニウムへの関税実施方針などもあって株価は乱高下しています。
 また、2015年の個人消費は実質国内総生産(GDP)ベースで306.5兆円と、安倍内閣が発足した12年の308.0兆円から1.5兆円縮小しました。2年連続で個人消費がマイナスになったわけですが、これは戦後初めてのことです。
 家計消費は15カ月連続のマイナスで、比較可能な2001年以降で過去最長を更新しました。内需は停滞し少子化は止まず、「残業代ゼロ」の高度プロフェッショナル制度の導入などを含む「働き方改革」によって過労死増のリスクが高まろうとしています。安倍政権の愚策によって、日本の経済と生活、労働も大きな危機にさらされているのです。

 むすび

 この5年間、安倍政権は強権的な手法によって経済と国民生活、民主主義をぶっ壊し、政治と行政を歪めてきました。その結果、日本を「戦争できる国」に変え、貧困と経済格差を広げることになりました。この罪は極めて大きく、その責任を取ってもらわなければなりません。
 得意としてきた外交でも破たんが明らかになってきました。日本周辺の国際環境が急変し、南北会談や米朝会談が決まって北朝鮮と中国との首脳会談が行われるなど、朝鮮半島情勢は緊張緩和と非核化、和解と協力の方向にかじを切りつつあります。
 この間、安倍政権は蚊帳の外に置かれたばかりか、頼りにしていたトランプ米大統領によって鉄鋼・アルミの輸入制限措置を課されました。4月の日米首脳会談でも二国間協議を呑まされるなど、蜜月は幕を閉じ「安倍外交」は漂流を始めています。
 通常国会では、過去5年間のうちに蓄積されてきた膿が一気に噴出しました。まるで、底なし沼に落ち込んだような不祥事の連続です。過去の不祥事との違いは、不都合な真実や公文書の隠蔽・改ざん・ねつ造・圧力など、政治がよって立つべき土台が腐ったことによって生じたという点にあります。この土台を取り換えなければ、その上にはどのような建物も建てられません。
 しかも、森友・加計学園疑惑の中心には、安倍首相夫妻が位置しています。この点も、これまでの不祥事とは大きく異なっている特徴です。政治改革による小選挙区制の導入、行政改革による内閣人事局の創設、構造改革による構造改革特区や国家戦略特区の設置など、首相官邸や総理総裁の権限を強化する制度改革が進められてきました。強権的な人格をもつ安倍首相と奔放で暴走する昭恵氏がその中心に座り5年間の長期政権となったために忖度と私物化が横行し、政治の堕落と腐敗が極まってしまいました。
 日本の政治を立て直すために、安倍夫妻にはきちんとした責任を取ってもらわなければなりません。その罪を償うために、安倍首相に大きな代償を払わせる必要があります。そのための最善の策とは何でしょうか。安倍政権の総辞職こそが、その答えにほかなりません。

nice!(0) 

6月15日(金) 戦後政治をぶっこわしてしまった安倍政権の5年間(その2) [論攷]

〔以下の論攷は、全農協労連の機関誌『労農のなかま』No.572、2018年5月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 「戦争できる国」に向けての暴走の連続

 安倍政権によってぶっ壊されてきたのは政治への信頼だけではありません。「専守防衛」という国是にもとづく「平和国家」としてのあり方も掘り崩されてきました。特定秘密保護法の強行成立から始まり、武器輸出を認める「防衛装備移転三原則」の閣議決定、歴代の自民党政権が「憲法違反」としてきた集団的自衛権の一部行使容認、多くの憲法学者や国民の反対を押し切った安保法=戦争法の強行成立などが相次いできました。
 安倍首相がめざす「戦争できる国」を作るためには、システム・ハード・ソフトの各レベルにおける整備が必要とされます。システムというのは戦争準備と遂行のための法律や制度であり、一連の違憲立法とともに日本版NSC(国家安全保障会議)や安全保障局の設置などによっても実施されてきました。9条改憲はこのシステム整備の中核をなし、総仕上げの意味を持っています。
 ハードの整備とは戦争遂行のための「実力組織」の拡充であり、米国との軍事同盟の強化と軍備の増強などがその内容になります。沖縄での地元の意向を無視した辺野古新基地建設の強行や過去最高となった防衛費の増大、オスプレイや巡行ミサイルの購入、ヘリ空母「いづも」の攻撃型空母への改修計画など、他国に脅威を与える敵基地攻撃能力の確保の動きが強まりました。
 ソフトの整備とは「戦争できる国」を支える人材の育成と社会意識の形成を指しています。すでに第1次安倍政権で教育基本法と関連する学校教育法など3法が変えられ、第2次政権になってから教育改革実行会議による道徳の教科化や学習指導要領の改訂、教育への管理・統制の強化、マスメディアに対する懐柔や恫喝による情報の操作などが進められてきました。
 このような「戦争できる国」作りへの動きに対して、これまで憲法は抵抗の拠点であり、異議申し立てのための武器となってきました。しかし、安倍首相がめざす9条改憲によって自衛隊の存在が明記され、憲法上の位置づけが与えられ正当化されれば、その意味は大きく変わるでしょう。抵抗のための武器から戦争へと動員する手段になってしまいます。

 隠され続けてきた「戦場の真実」

 このような形で「戦争できる国」になれば、自衛隊は海外に派兵され「戦闘」に巻き込まれることになります。イラクへの自衛隊の派遣や南スーダンPKOでの自衛隊の活動の実態は、このような「戦場の真実」を赤裸々に示すものでした。それを国民に知られたくないからこそ、日報が隠蔽され続けてきたのではないでしょうか。
 南スーダンPKOの日報問題で「無い」と言っていた陸上自衛隊のイラク派遣時の活動報告(日報)が「発見」されました。イラクに派遣された陸上自衛隊の現地部隊が報告した日報も見つかりましたが2004年から06年にかけてのもので45%にすぎず、ミサイルが撃ち込まれるなど「戦闘」が激化したときのものは見つかっていません。しかも、イラク派遣関連文書にも改ざんの疑いがあります。
 この日報の隠蔽と発見は、この間の安倍政権による情報の隠蔽や改ざんという一連の事案と共通の背景を持っています。知られたくない不都合な情報を廃棄し、隠し、改ざんする。逃れられなくなると渋々存在を確認し公表するというやり方が繰り返されてきました。
 とりわけ、自衛隊の日報隠蔽は知られたくない文書を隠していただけでなく、そのことが防衛大臣に報告されず、事態を全く把握できていませんでした。シビリアンコントロール(文民統制)は機能せず、現場が独走して戦争へと突き進んで行った戦前の過ちや、終戦に当たって公文書を焼き尽くしてしまった間違いが繰り返されているということになります。
 イラク関連の日報隠蔽は「非戦闘地域」に反する実態を隠すためであり、南スーダンでのPKO関連の日報隠蔽は「駆けつけ警護」など戦争法による新任務の付与に影響を与えないためだったのではないかと疑われています。戦争法案はうその説明の下に強行採決されたことになり、これらの日報が当時から明らかになっていればイラクや南スーダンへの自衛隊派兵の正当性の根拠が崩れ、法案が成立しなかったかもしれません。


nice!(2) 

6月14日(木) 戦後政治をぶっこわしてしまった安倍政権の5年間(その1) [論攷]

〔以下の論攷は、全農協労連の機関誌『労農のなかま』No.572、2018年5月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 はじめに

 最近の政治・行政の姿を見て、「全般的危機」という言葉を思い出しました。国有財産の不当廉売と国の根幹を揺るがせるような公文書改竄、「お友達」の優遇と行政の私物化、文民統制に反する自衛隊の日報隠蔽、女性の人権を踏みにじるセクハラ・スキャンダルと財務次官の辞任。これらの大罪を嘘で誤魔化し、言い逃れようとする醜態の数々。
 政治の土台がひび割れてしまったのです。政治への信頼が崩れ、行政の前提となる土台は亀裂だらけになってしまいました。戦後最低最悪の安倍首相が発する毒が、少しずつしみ込んで政治の土壌を汚染させてきたということでもあります。
 森友・加計学園疑惑など安倍夫妻をめぐる疑惑やスキャンダルよりも重要な問題があるのではないか、国会はもっと法案や政策の議論をするべきではないかという意見があります。しかし、土台が安定していなければ、その上にどんな家を建てても崩れてしまいます。土壌が毒に汚染されていれば、どのような作物や花を植えても育ちません。
 国政の重要問題を議論するためには、その土台となっている信頼を取り戻す必要があります。政策という作物を植えるためには、土壌を改良しなければなりません。丈夫に育てて花を咲かせ実らせるためには、まず土から毒を取り除き、立憲主義や民主主義という肥料をやらなければならないのです。
 振り返ってみれば、安倍政権の5年間は憲法を踏みにじる暴走政治の連続でした。「石流れ木の葉沈む」理不尽な日々がつづき、行き着いた先が安倍首相夫妻による政治の私物化であり、それを取り巻く政治家や官僚、「お友達」などによる「忖度政治」でした。世論を恐れず反知性と非常識が大手を振るような時代になってしまいました。
 安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を唱え、「日本を取り戻す」というスローガンを掲げてきました。その主張通り、安倍暴走政治の5年間は、平和憲法に基づく軽武装国家としての「戦後レジーム」を掘り崩し、戦前の「日本を取り戻す」歩みにほかならなかったのではないでしょうか。

 暴走政治の害悪を象徴する森友・加計学園疑惑

 安倍暴走政治の害悪を象徴するのが、森友・加計学園疑惑です。安倍首相だけでなくその妻である昭恵氏の関与が疑われ、首相夫妻の意向を忖度して政治が歪められ私物化されたのではないかとの不信を招きました。これに対して「おかしい」と異議を唱えれば、前川喜平前文科次官のように私生活をリークされ授業にまで介入されてしまいます。
 森友学園疑惑は籠池泰典前理事長の時代錯誤な教育理念と、教育勅語を園児に暗唱させるような国粋主義的な愛国教育の実践に安倍首相夫人の昭恵氏が共感し感銘したことが発端でした。森友学園の小学校新設を応援しようとして100万円を寄付するとともに設立認可と土地取得、建設費用の融資に便宜を図ったというのが真相だったのではないでしょうか。
 2017年2月17日の「私や妻が関係していたら首相も議員も辞める」という安倍答弁の3日後の20日に「口裏合わせ」の電話があり、その2日後の2月22日に、官邸側の関与を全面的に否定している佐川宣寿前理財局長と太田充現局長(当時財務省大臣官房総括審議官)が菅義偉官房長官から官邸に呼ばれ、国有地売却の経緯などについて説明していたこと、ここには国土交通省航空局次長も出席し、国有地から出たごみの撤去処分費用の見積もりなどを説明したことが判明しています。当然、この場でも決裁文書の改ざんなどの善後策が相談されたものと思われます。
 こうして、森友学園への破格の安値での国有地売却、その経緯を書いた決裁文書の改ざんという前代未聞の「国家犯罪」が実行されたのです。その背後には安倍夫妻の存在があり、とりわけ森友学園が経営する塚本幼稚園で3回も講演し、ホームページに推薦文を書き、一時は新設予定の小学校の「名誉校長」まで引き受けていた昭恵氏の関りは極めて大きなものだったと思われます。
 その後、当時の佐川理財局長が「ない」と答弁していた財務省と森友学園との交渉記録が500ページ以上も残っていたことが新たに分かりました。なかには昭恵氏と密接に連絡を取り合っていた記録も残っています。
 昭恵氏の存在と働きかけがなければ、「良い土地ですから進めてください」と昭恵氏が言ったなどと護池氏が圧力をかけることも、建設予定地前で撮った写真を見せることも、それを見た官僚が籠池氏のために便宜を図ることも、慌てて公文書を改ざんすることもなかったはずです。安倍首相夫妻が「関係」していたことは明らかであり、安倍首相は自らの言葉に従って首相も国会議員も辞任するべきでしょう。

 決定的な証拠が出てきた加計学園疑惑

 加計学園疑惑についても決定的な証拠が出てきて、国家戦略特区での獣医学部の新設計画は最初から「加計学園ありき」だったことが明確になりました。というより、安倍首相の親友である加計考太郎氏が経営する岡山理科大に獣医学部を新設するために国家戦略特区が利用され様々な便宜が図られたというのが真相であると思われます。
 愛媛県や今治市の職員、加計学園事務局長らが2015年4月2日に首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会したとする文書には、内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(当時)とも会ったことが書かれていました。柳瀬氏が「本件は、首相案件」と述べ、藤原氏が「内容は総理官邸から聞いている」「国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」「かなりチャンスがあると思っていただいてよい」と発言したなどと記されています。
 すでに昨年のうちに、「総理のご意向」や「官邸の最高レベル」という文言のある文書が発見されていました。これらの異なった性質の文書の全てが偽りでない限り、この問題に安倍首相や官邸が深くかかわっていたことは完全に裏付けられたと言えるでしょう。
 4月10日の中村愛媛県知事の記者会見では、もう一つの重要な事実が語られていました。問題の土地にはサッカースタジアムを作るプランだったのに、途中で内閣府から助言があって獣医学部の新設計画を国家戦略特区に申請することになったというのです。岡山理科大に獣医学部を新設する計画は内閣府から持ち込まれたということであり、初めから「首相案件」だったということになります。
 柳瀬元秘書官の参考人聴取でも、首相官邸で加計学園関係者と3回も面会していたこと、特区関係者で面会したのは加計学園だけだったことなど、「加計ありき」を示す新たな事実が明らかになりました。
 加計学園疑惑はクリスマスイヴにワイングラス片手で相談された安倍首相や加計氏による「男たちの悪だくみ」の一つだったと思われます。そのような形で政治・行政を私物化し国会と国民を欺いてきたというのであれば、許されざる背信であり、安倍首相に国政を担当する資格はなく、ただちにその座を去るべきです。

nice!(0) 

6月11日(月) 大健闘しつつも惜敗した新潟県知事選と県議補選 [選挙]

 惜しかった。勝利まで、もう少しでした。
 昨日、投開票された新潟県知事選と県議補選の結果です。いずれも保革一騎打ちの構図で、大健闘したものの惜敗に終わりました。

 新潟県知事選と県議補選の結果は、以下の通りです。

県知事選挙
 花角英世  546670
 池田ちかこ 509568
 安中さとし  45629

県議補欠選挙・上越市選挙区
 斎京四郎  45718
 平良木哲也 41459

県議補欠選挙・南魚沼市南魚沼郡選挙区
 石坂浩  16267
 樋口秀敏 15637
 
 今回の選挙で、私は5月29~30日に妙高市と長岡市、6月7~8日に上越市に応援に入り、知事選では池田候補、県議補選では平良木(ひららぎ)候補への支持を訴えました。そこでの得票がどうなっているのか、気になりましたので調べたところ、妙高市では7643票対7611票、長岡市では64406票対61348票、上越市では46338票対41398票と、いずれも池田候補の方が多くなっています。
 知事選で獲得していた票がそのまま県議補選での得票になっていれば、平良木さんは当選したはずです。残念ながら、そうはなりませんでした。
 平良木さんは知事選の票を5000票ほど下回ってしまいましたが、相手候補の斎京さんは知事選での票を4000票ほど上乗せしたからです。知事選と県議補選で投票態度を変えた人が5000人前後いたということになります。

 今回の県知事選について、「どの市町村で差がついているのか? 新潟県知事選の得票率と得票数を地図化」という「はる/みらい選挙プロジェクト(情勢分析ノート)」https://note.mu/miraisyakai/n/n7427b6367d55
が分析をしています。詳細はそちらをご覧いただきたいと思いますが、以下のような点が注目されます。

*花角氏の得票率は49.6%、池田氏の得票率は46.2%で、両者の差は3.4ポイント。得票数にして37102票。
*花角氏と池田氏の差のうち17547票が新潟市内の差。特に新潟市中央区で10017票の差がついていることが目を引く。
*12039票の差が佐渡でついている。佐渡は花角氏の出身地で、前回選挙でも森氏がリードしていた。しかし新潟市は米山氏が重点的に得票した地域で、ここで逆転が起きた。
*前回選挙と得票数を比較すると、池田氏の得票数は米山氏を約2万票下回る一方、花角氏は森氏の得票数を8万票ほど上回った。NHKの出口調査によると、前回選挙で米山氏に投票したと答えた人のうち、30%半ばが花角氏を支持した。
*前回と今回の選挙では、長岡と新潟の票の出方が逆になったような感じ。池田氏の出身地にあたる柏崎でも、前回選挙で森氏がリードしていたのが逆転している。
*長岡は票を減らしているが、新潟市内の全域で伸びており、西区、中央区、東区では突出している。

 つまり、池田さんは長岡市と上越市で花角さんを上回ったものの、大票田の新潟市で逆転されたために敗北したということになります。前回の米山票を7割弱しか確保できなかったことがその要因でした。
 原発再稼働への反対票の取り込みも十分ではありませんでした。朝日新聞は「再稼働への賛否に絞った質問でも、反対(65%)が賛成(30%)をダブルスコアで上回ったものの、花角氏は『反対』票のうち37%を取り込んでいた。再稼働問題を争点としない花角氏の戦術が功を奏したことを示している」と指摘しています。
 与党候補が勝利した沖縄の名護市長選と同様の「争点隠し選挙」の「効果」があったということでしょう。またしても、このような卑怯な選挙戦術にしてやられたということになります。

 もう一つの敗因は、脱原発以外の政策が十分ではなかったということかもしれません。これについても、朝日新聞は「投票の際に最も重視した政策は(1)原発への対応(28%)(2)景気・雇用(25%)(3)地域の活性化(18%)(4)医療・福祉(14%)(5)子育て支援(11%)の順だった。 花角氏は『景気・雇用』を選んだ人の70%、『地域の活性化』を選んだ人の63%から得票」していたと報じています。
 また、先に紹介した「はる/みらい選挙プロジェクト(情勢分析ノート)」も、「新しい知事に最も期待する政策を聞いたところ、「景気・雇用対策」が最も多く31%。続いて「原発の安全対策」が24%。「医療福祉の充実」が22%でした」と書いています。
 原発再稼動への態度を曖昧にし、地域振興などを前面に押し出した花角氏の戦術が功を奏したわけです。官僚出身で中央とのパイプを誇り、副知事としての経歴や行政手腕への漠然とした期待があったのかもしれません。

 他方で、両者の差は3.4ポイントという僅差であったことも、同時に見ておく必要があります。県議補選での差も小さく、勝機はあったと思います。
 このような形でほぼ互角の戦いになったのは、市民と野党が共闘したからです。共闘しなければ一騎打ちにはならず、勝機を見出すことは難しかったでしょう。
 適切な争点設定と政策を練り上げれば、与党候補を破ることは可能であること、「活路は共闘にあり」ということは、今回の新潟での知事選と県議補選でも証明されています。現に、同じ日に投開票された東京・中野区長選では、無所属で新人の酒井直人候補(立民・国民・自由・社民推薦、共産支援)が初めて当選し、無所属で現職の田中大輔候補(維新推薦、自民・公明支援)の5選を阻むという大きな成果を上げました。

 新潟県知事選での池田候補も与党支持の候補に肉薄し、安倍首相の心胆を寒からしめるという成果を上げています。当選できなかったのは残念ですが、市民と野党の共闘の力を示すに足る大健闘でした。
 この力をさらに大きく、捲土重来を期すべく前に進んでいきましょう。柏崎刈羽原発をめぐる争点は決着したのではなく、先延ばしされたにすぎないのですから。

nice!(0) 

6月10日(日) 新潟県知事選挙と県議補選での野党統一候補の当選を重ねて訴える [選挙]

 注目の新潟県知事選挙、同時に実施される新潟県上越市と南魚沼市での県議補欠選挙の投票日です。これらの選挙の結果がどうなるかによって、新潟県政の進路はもとより日本の将来が決まります。
 これほど重要な選挙は、そうめったにあるものではありません。県知事選と県議補選の全てで野党統一候補が当選すれば、「選挙革命」が起きて安倍首相の命運を断つことができます。

 これらの選挙の最大の争点は、柏崎刈羽原子力発電所の再稼動をめぐる問題です。すでに原子力規制委員会での審査が終わっていますから、地元の首長がOKを出せば再稼働できる段階になっています。
 自民党・公明党丸抱えの候補は態度を明確にしないことによって、沖縄・名護市長選挙のような「争点隠し」に徹しています。しかし、全国で原発再稼働を狙っている安倍政権・経産省・原子力産業・自民党に支援されている事実は隠せません。
 選挙で応援してもらいながら、いざ当選したら原発の再稼動に反対するなどということは不可能だということは小学生にも分かることです。原発の地元である柏崎に生まれ、ずっと原発に反対し続けてきた野党統一候補こそ、再稼動を阻止できる唯一の候補です。

 もう一つの重要な争点は、農業をめぐる問題です。新潟は農業県ですから放射能汚染は致命的ですが、安倍政権の農業政策もこれに劣らず新潟の農業と農家にとって大きな脅威となっているからです。
 「安倍農業改革」とそのための農協(JA)いじめによって、日本の農業と農家、農村は壊滅の危機を迎えています。兼業と小・零細農家を淘汰することによって農地を放棄させ、それを集約して大規模化し、農産物の生産コストを下げて国際競争力のある農業を育成するというのが「安倍農業改革」の目標ですが、そうなると農村コミュニティは維持できません。安倍首相が「農業を守る」とは言っても「農家を守る」と決して言わないのはそのためです。
 安倍政権が多国籍企業の利益のために種子法の廃止やTPP11を強行したのに対して新潟県は種子を守り育成・改良するための種子条例を制定し、農家と農民を守る県政を推進してきました。政府・自民党丸抱えの県知事に、このような農業と農家を守る県政を引き継ぐことができないのは自明です。

 自民・公明に支援される対立候補は、安倍政権や自民党とのつながりを隠すために「県民党」を名乗っています。しかし、この人は運輸省出身の官僚で自民党の二階幹事長が運輸大臣だった時代に秘書官を務め、自民党の二階派と深くつながっています。
 国交省時代には大阪航空局の局長を務めていましたが、この経歴は選挙公報には載っていません。森友学園の土地不正売却問題との関連を詮索されたくなかったからでしょう。
 新潟県では副知事を務めた経験があり、これが知事候補に担ぎ上げられた大きな理由でした。しかし、その期間は2年5ヵ月にすぎず、しかも泉田元知事が立候補を断念した要因となった3億円の赤字を出したフェリー購入問題の時の副知事です。

 まだ、あります。立候補する直前まで、海上保安庁の次長を務めていたという事実です。
 沖縄県辺野古での米軍新基地建設に反対して連日抗議活動が取り組まれていますが、それを取り締まり弾圧する責任者の立場にありました。沖縄県民にとっては、不倶戴天の「敵」ということになります。
 「華麗な経歴」どころか真っ黒で、ボロボロじゃありませんか。対立候補ながら、こんな人しかいなかったのかと言いたくなるような経歴です。

 これに対して野党統一候補は、新潟県で生まれたというにとどまらず、柏崎で育ち、市役所の職員として働き、農家の嫁となり、柏崎市議、その後は新潟県議としてのキャリアを積んで来た生粋の「新潟っ子」です。
 しかも、新潟県初の女性県知事誕生のチャンスでもあります。「女には任せられない」という女性蔑視の意見もあるようですが、すでに女性の県知事は珍しいわけではなく、隣の山形県は女性知事です。
 「今は混乱しているから女ではだめだ」という声も聴きましたが、その「混乱」を引き起こしたのは男の知事さんではありませんか。女性の知事であれば、「女性スキャンダル」の心配はないでしょう。

 サミットに出席するためにカナダに行っている安倍首相は、ハラハラしながら事態の推移を見守っているにちがいありません。小泉元首相が魚沼市で原発セロを推進する野党統一候補に会って期待を表明したり、息子の小泉進次郎さんが応援に入らなかったりしたことも、選挙の帰趨を左右するかもしれません。
 安倍首相による嘘と偽りの政治、行政の私物化と歪曲、司法による忖度など、日本の政治の現状に対してはっきりと「ノー」を突きつけられるのは新潟県民だけです。その一票を有効に使って県知事選と県議補選での野党統一候補の当選を勝ち取り、安倍首相をギャフンと言わせ政権の座から引きずり下ろしていただきたいものです。
 我が懐かしのふるさと、新潟県民の皆さん、頼みましたよ。

nice!(0) 

6月6日(水) 森友決裁文書改ざん問題の処分発表による幕引きを許さない [スキャンダル]

 これで国民が納得するとでも思っているのでしょうか。政府としてはこれで一件落着として幕引きを図りたいところでしょうが、そうは問屋が卸しません。

 森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざん問題で、財務省は調査結果と関係職員計20人の処分を発表しました。切られた「トカゲの尻尾」は20あったというわけです。
 しかし、その中心人物で「中核的な役割を担った」とされる佐川宣寿前理財局長は「停職3カ月相当」の処分で退職金約500万円の減額にすぎません。トップの麻生太郎財務相は「誠に遺憾。深くおわび申し上げる」と謝罪したものの、閣僚給与1年分(170万円)を自主返納するだけです。
 1年以上にわたって国会を欺き続けて国政の混乱を招き、国民の財産である公文書を改ざんして歴史をねつ造した大罪ではありませんか。こんな大甘の処分で、国民が納得すると考えたら大間違いです。

 改ざんや交渉記録の廃棄は国会審議の紛糾を回避するためだったとしていますが、本当の動機は安倍首相夫妻を守るためだったに決まっているじゃありませんか。これだけの問題を引き起こしたのにトップの麻生さんが責任を取って辞任しないのも、安倍首相を守るためにほかなりません。
 諸悪の根源が「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」にあることは明らかです。これまでの政治スキャンダルとの決定的な違いは、疑惑の中心に最高権力者とその妻が位置しているという点にあります。
 『東京新聞』は「昭恵氏関与踏み込まず」と報じていましたが、安倍首相の責任に直結するために「踏み込めない」のです。『朝日新聞』も「政治責任なぜ果たさぬ」と書いていますが、政権を守るために「果たせない」のです。

 改ざんのきっかけになったのは、安倍首相が昨年2月17日に「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と国会で答弁したことにあります。これを聞いた官僚たちは慌てて首相の妻昭恵氏の名前が入った文書の有無を確認し、政治家関係者に関する記録などもリストにして片っ端から廃棄してしまったのです。
 森友学園への国有地格安売却に昭恵氏が関与していたことは、もはや否定しようもなく明白です。その事実を隠ぺいするために、20人もの財務省の官僚が公文書の改ざんという政治犯罪に手を染めてしまいました。
 これだけの官僚が罪を犯したことを財務省の正式な調査が認定したことになります。それなのに大阪地検によって起訴されず、処分されても大甘で、トップは責任を取っていません。

 国有地格安売却だけでなく、その後の対応や処置も問題だらけだと言うべきでしょう。安倍夫妻を守るために、議会政治の土台までぶっ壊されてしまっということになります。
 結局、改ざんについての真相は解明されませんでした。解明すれば責任が安倍夫妻に及ぶから解明できず、解明したくなかったのです。でも、すでに国民の多くはその「真相」を知っています。
 安倍首相は「膿を出す」と言っていますが、権力の中枢は膿だらけです。「膿を出すため」には、総辞職によって洗い流すしかありません。

 私が沖縄の辺野古の海で見たものは、国民を守るべき公務員が国民を排除する姿でした。そして、森友疑惑で明らかになったのは、国民に奉仕するべき公務員が公文書を隠ぺいしたり廃棄したり改ざんしたりして国民を欺く姿です。
 一方は安保によるもので、他方は安倍によるものです。安保と安倍によって日本の政治・行政と、時には司法も、掘り崩され機能不全に陥っているということになります。

nice!(0)