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6月28日(水) 米・仏・英と同様の「左翼バネ」が都議選でも働くのか [選挙]

 個々の議員や政策より党首や代表者の人気に引き寄せられて投票態度を決めるのがポピュリズム選挙の特徴です。リーダーの人気によって「追い風」が吹けば、どのような候補者であっても当選してしまいます。
 最近行われたアメリカの大統領選挙でのトランプ当選、イギリスのEU離脱の国民投票、フランスの大統領選挙とそれに続く議会選挙がその例です。いずれも、大きな「追い風」が吹いて、選挙結果が大きく左右されました。

 日本も例外ではありません。民主党中心の連立政権から自民党が政権を奪還した2012年の総選挙もこのようなポピュリズム選挙の特徴を帯びていました。
 大阪での橋下徹さんの維新の党や名古屋での河村たかしさんが率いた減税日本などの選挙も、このようなポピュリズム選挙でした。それぞれの政党が掲げている政策や個々の議員に対する個別の人間性や信頼度に対する判断よりも、一時的な「追い風」や人気によって投票態度が決められたからです。
 こうして、一時的なブームが生じます。そのブームに乗りさえすれば、政策らしい政策も何の実績や経験がなくても、人間性や信頼度に多少の問題があったとしても、「追い風」に乗って当選してしまう例が次々と生まれました。

 「追い風」の力は恐ろしいものです。「どうしてこんな人が」と思われるような人もあれよあれよという間に当選し、議員になって議会に送り込まれました。
 それがどのような人であったのか、いかに議員としての資質を欠いていたかは、その後、スキャンダルなどの発覚によって判明することになります。大阪での維新出身議員、名古屋での減税日本に属していた議員の中からこのような例が続出していることは、皆さんご存知の通りです。
 そして、2012年総選挙で当選した自民党の「魔の2回生議員」にも、このような人が続々と現れました。最近では暴言や暴行が問題になった豊田真由子衆院議員の例があります。

 ブームや「追い風」に乗って当選した議員が「玉石混交」で、いかに議員としてだけでなく人間としても社会人としても問題のある「石」が多く混じっていたか。このことを私たちは嫌というほど目にしてきました。
 そして、今またこのようなブームが生じ、「追い風」が吹き始めています。小池百合子都知事が率いる「都民ファーストの会」に対してです。
 そこに、橋下さんの維新の党や河村さんの減税日本が巻き起こしたブームと同じような匂いを感ずるのは私だけでしょうか。それは、冒頭に挙げたアメリカやフランス、イギリスでのポピュリズム選挙に相通ずる香りでもあります。

 「都民ファーストの会」の候補者に問題があるとはかぎりません。しかし、今回も、「それぞれの政党が掲げている政策や個々の議員に対する個別の人間性や信頼度に対する判断よりも、一時的な『追い風』や人気によって投票態度が決められる」ようであれば、「政策らしい政策も何の実績や経験がなくても、人間性や信頼度に多少の問題があったとしても、『追い風』に乗って当選してしま」う例が生ずるかもしれません。
 そうすれば、やはり「「どうしてこんな人が」と思われるような人もあれよあれよという間に当選し、議員になって議会に送り込まれ」ることになるでしょう。大阪や名古屋で見た例が、あるいは自民党の「魔の2回生議員」と同じような問題が繰り返されないとは限りません。
 ポピュリズム選挙の危うさは、ここにあります。それを防ぐためには、それぞれの政党が掲げている政策、個々の候補者の実績や経験、人間性や信頼度をきちんと確かめて判断することが必要です。

 すでに、欧米での選挙ではこのような対応が生まれ、ポピュリズムに対抗する形で「左翼バネ」が作動しました。新自由主義的な規制緩和や緊縮政策、グローバリズムによる貧困と格差の拡大に反対して左翼的な解決策を求める潮流が、若者を中心として生じています。
 アメリカ大統領選挙で「民主的社会主義」を標榜したサンダース、フランス大統領選挙でのメランション候補、そして最近のイギリス総選挙でのコービン労働党党首の善戦です。いずれも、選挙戦最終盤で支持が急速に拡大しました。
 このような支持の急増には、それまで政治に絶望し関心を持たなかった若者の決起と参入が大きな役割を果たしたと見られています。欧米の若者は、自らの未来を切り開くために立ち上がったのです。

 同じような現象が、日本でも起きることを期待したいと思います。「都民ファーストの会」に「追い風」が吹いている一方、都議選でも選挙戦に入ってから「左翼バネ」が働き始めているのではないかという希望を持たせるようなデータが示されているからです。
 それは、JX通信社の代表取締役である米重克洋さんが書かれた「都議選中盤情勢 都民ファーストが第1党の勢い維持=JX通信社 東京都内世論調査第7回 詳報」という記事です。これは「1月から毎月東京都内の有権者を対象とした世論調査」を実施してきたもので、7回目の「調査は24・25日の両日、東京都内の有権者を対象にRDD方式で実施し、788人から回答を得た」そうです。
 記事によれば、「『都民ファーストの会』に投票すると答えた有権者は32.2%(前週比-2.4ポイント)に上り、『自民党』と答えた有権者19.5%(前週比+0.8ポイント)を上回った。都議選投票1週間前の時点で、引き続き第1党の勢いを維持している」とされています。「都民ファーストの会」は若干支持を落としているものの、まだ勢いを保っているというわけです。

 しかし、ここで注目されるのは、「3位以下の投票意向先」です。ここでは「共産党が12.2%(プラス4.2ポイント)とやや大きく上昇」しました。
 前回の8%から12.2%への上昇ですから、支持率が1.5倍になったということです。これについて、米重さんは「豊洲市場への移転に反対する層の一部が共産党に回ったと考えられる」と指摘していますが、小池都知事の中途半端な政策提起が共産党の政策的価値を高めることになったということでしょう。
 これ以外では、「民進党が6.0%(プラス1.3ポイント)、公明党が5.1%(プラス0.5ポイント)などとなっている」そうです。公明党はほとんど変化していませんが、民進党も1ポイント以上、支持率を増やしている点が注目されます。

 このような傾向が、選挙戦最終盤に向けてさらに強まるかどうかが今後の問題です。ぜひ「左翼バネ」を強めて、ポピュリズム選挙の悪弊を断ち切っていただきたいと思います。
 自民党の議席を減らして第1党の座を奪い取るという点で「都民ファーストの会」は一定の役割を果たせるでしょうし、そのことを期待したいと思います。しかし、「どうしてこんな人が」と思われるような人が当選して、その後の都議会が「玉石混交」になっては困ります。
 また、「今回知事が示した『築地再整備案のような豊洲移転案』は、都議選を前に支持層の離反を最小限に留めるという意味では成功している。しかし、選挙後いずれ議会での議論が必要となる、築地再開発の財源や税金投入の有無、市場機能の分担などは必ずしも明確になっていない。今回は知事の決断を『曖昧ながら肯定的に受け止めた層が多い』とすると、選挙後に再燃しかねない火種を残しているとも言える」と米重さんが指摘しているように、問題の根本的解決のためには、豊洲移転に反対し築地再整備を主張する議員が増えることが必要です。そうなれば、「築地ブランド」の維持を願いながらも選挙協力をしている公明党に引きずられて「豊洲移転」を口にせざるを得なかった小池都知事の真意にも沿うことになると思われます。

 選挙戦最終盤で、アメリカやフランス、イギリスなどで生じたような「左翼バネ」現象を、ここ日本でも生み出すことができるかどうか。カギは若者が握っています。
 政治への絶望と諦めを捨て去り、立ち上がって行動に移っていただきたいものです。現実に流されず、自らの未来を切り開くために……。

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6月27日(火) 志位委員長の前座として25日に八王子駅前で行った街頭演説 [選挙]

 今日の『しんぶん赤旗』を開いて驚きました。3面に私の顔写真と25日に八王子駅前で行った演説が掲載されていたからです。
 この記事には「安倍暴走に審判の好機」という見出しがついていました。これは私の演説の一部を編集したものですので、ここに全文を掲載したいと思います。

 皆さん、こんにちは。共謀罪が通り、一般人とはみなされないだろう五十嵐仁でございます。
 私は長い間、法政大学で政治学と労働問題を研究してきました。内外の政治を見てまいりましたが、こんなにひどい状況になったのは初めてです。
 国会は機能せず、政治は劣化し、行政はゆがんでえこひいき。モラルは低下し、ヘイトスピーチが選挙活動の名を借りて堂々と行われる。安倍首相は憲法を変えるための草案を出すと言い出しました。
 安倍暴走政治は今や逆走に転じ、国民不在は極まっています。それに審判を下し、勝負をかけてストップさせる絶好のチャンスが都議選です。首相と自民党にお灸をすえ、安倍内閣打倒ののろしをあげようではありませんか。

 森友学園疑惑と加計学園疑惑が問題になっています。モリの次はカケだなんて、いつから国会は蕎麦屋になったのか。蕎麦屋ならオロシ蕎麦を注文したい。安倍オロシだ。ヤブやザルは願い下げ、キツネやタヌキも結構です。
 疑惑の核心は安倍首相とその夫人の昭恵さん。安倍首相は岩盤規制に穴を開けただけだと言っていますが、問題は穴の開け方です。加計の形に合わせて穴を開けたから、加計しか通れない。
 最近ではなじみのある名前も登場しました。八王子選出の萩生田光一官房副長官です。八王子の恥だ、萩生田じゃない、ハジウダと言うべきです。

 萩生田さんは加計さんのことは良く知らないと言っています。嘘を言うんじゃない。安倍さんの別荘で缶ビール片手にバーベキューをしている写真が報じられているじゃありませんか。安倍、萩生田、加計の3人が写っている。これを「ハギューダ・トライアングル」と言うんです。近づくと、すーっと疑惑が消えてしまう。
 通常国会が終わった時、安倍首相は記者会見で反省を口にしました。反省だけならサルにもできる。サルじゃないというんなら、行動で示しなさい。臨時国会を開いて、約束通り国民に丁寧に説明するべきです。逃げ回ってばかりいたら、高尾山のサルにも笑われますよ。

 先の国会では共謀罪も強行採決され成立しました。心の内を取り締まる新しい法律ができた。ということは、信仰の自由も危うくなるかもしれません。
 公明党はどうして自民党に手を貸したのか。創価学会が治安維持法で弾圧された歴史を知らないのでしょうか。都政では、風向きを見てあっちについたり、こっちにくっついたり、まるでコバンザメではありませんか。
 共謀罪の成立を強行した自民党に天罰を。それと共謀した公明党に仏罰を。
 都議選で対決しているのは自民党対都民ファーストではありません。自民党・公明党対共産党です。安倍逆走をストップするには共産党を伸ばすのが一番です。豊洲移転反対を言っているのも共産党だけですから。

 皆さん、ここ八王子では清水ひで子さんを引き続き都議会に送ってください。都議会に清水を入れ、汚れを流してきれいで誠実な都政を実現しましょう。
 5期20年で試され済み、八王子が誇る女性政治家、お母さんと子供たちの願いが分かる唯一の女性候補、清水ひで子さんの当選を勝ち取り、全都で共産党の議席を大きく増やし、安倍逆走政治にストップをかけようではありませんか。
 このことをお願いいたしまして、私の訴えに代えさせていただきます。

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6月26日(月) 都議選で日本第一党の妨害に屈せず志位委員長の前座を務めた [選挙]

 東京では今、都議選が闘われています。この闘いに、私も参戦しました。
 昨日の八王子駅前の街頭演説で、共産党の志位委員長の前座を務めたからです。その後、八王子で立候補している清水ひで子さんと一緒に市内を周り、4カ所で応援演説をしました。

 6月23日から東京都議選が始まっています。昨日は最初の日曜日であり、7月2日の投票日前に選挙活動ができる最後の日曜日でもありました。
 この日の午後2時半から、JR八王子駅北口に共産党の志位委員長が清水ひで子候補の応援にやってくることになりました。その前座として、応援のスピーチをしてもらえないかという依頼があったというわけです。
 このところ、日曜日はほとんど講演などで予定が入っていましたが、さすがに都議選中は空いています。ということで、この依頼を快諾しました。

 私は昨年の1月、「無党派共同」の候補者として八王子市長選挙に立候補しました。この時、民主党は政党として支援してくれませんでしたが有田芳生参院議員が個人的に応援して下さり、維新の党、日本共産党、社会民主党、生活の党と山本太郎と仲間たち、生活者ネットなどからの支援を得ました。
 八王子の市議さんでは、維新の党、共産党、社民党、生活者ネット、無所属の市民自治の会などの皆さんに応援していただきました。八王子選出の都議では、無所属で都民ファーストの会の主要メンバとなった両角みのるさんにもお会いして支援を要請しましたが断られ、結局、応援して下さった都議さんは共産党の清水ひで子さん1人でした。
 政治はNGOだと、小林節さんは仰っています。Nは人情、Gは義理、Oは恩返し。ということで、今回は「浮世の義理」を果たして恩返しをするために、清水ひで子さんを応援することにしたわけです。

 すでに、これまでにも何回か応援演説をしてきました。しかし、今回は志位委員長がやってくるというわけですから、取り組む構えも、集まってくる人の数も段違いのものとなりました。
 私がJR八王子駅に到着した時には、すでに続々と人が集まり始めていました。宣伝カーの上では衆院選挙区での共産党予定候補である飯田みやこ弁護士(八法亭みややっこさん)が演説をしています。
 その向こうには日の丸を掲げた一団がいて、宣伝カーから大きな声での演説が流れてきています。八王子で立候補している日本第一党の候補者による妨害演説でした。

 この時の街頭演説の様子は、動画https://www.pscp.tv/I_hate_camp/1kvKpQebznDGEでご覧いただくことができます。昨晩の段階で、「妨害にも負けず毅然として演説を続けるが共感を呼び、驚きの8万3000(現時点)再生」ということですが、今ではもっと多くなっていることでしょう。
 まともに政策を訴えず、口汚く相手をののしり、ヘイトスピーチを繰り返すことが、選挙活動と言えるのでしょうか。選挙活動に名を借りた選挙妨害でしかありません。
 30人ほどの小さな集団でしたが、若い人の姿が目立ちました。偽情報を信じ込み憎悪に駆られて自らの未来を閉ざす可哀そうな人たちです。

 この日の街頭演説には1200人の方が集まって下さり、大きな盛り上がりとなって画期的な成功を収めました。これで勢いをつけ、清水さんには勝利を勝ち取っていただきたいと思います。
 地方選挙ではありますが、全国的な意義があります。アベ暴走政治に対する審判を首都で下すことになりますので、この選挙の結果はこれからの日本の進路を左右するでしょう。
 私もできるだけのことをしたいと思っています。全国の皆さんのご支援・ご協力をお願いする次第です。

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10月25日(火) 負けるべくして負けた東京10区と福岡6区の衆院補選 [選挙]

 残念だった、という気も起きないほどの敗北です。力を尽くして負けたのならともかく、指導部の迷走によって敗色濃厚な消耗戦を強いられた挙句の敗北だったのですから。

 「戦犯」ははっきりしています。連合の神津会長とそれに引きずられて迷走を繰り返した野田民進党幹事長です。
 選挙戦の最終盤、東京10区で連合が派遣していた選対幹部を引き上げたと聞いて、「本当なのか?」とわが耳を疑いました。「これから最後の決戦」というときに、その先頭に立つべき幹部がこぞって引き上げたというのですから。
 こんなことをしていて、勝てるわけがありません。先陣をかけている候補者、全力で選挙活動に加わっている支持者、協力してもらっている他の野党などに対して、完全な裏切りです。

 この「敵前逃亡」に対しては、今後、民進党内できちんと責任が追及されるべきです。また、野党協力に対して一貫して消極的だった野田幹事長に対しても、選挙方針や指導の在り方についてきちんとした総括が必要でしょう。
 これは、新潟県知事選挙を含めて反省されなければなりません。勝てる選挙だったにもかかわらず民進党が「自主投票」にとどまったこと、蓮舫代表の応援を阻もうとしたことなど、野田さんの責任は大きいからです。
 衆院補選では、選挙共闘に向けてはっきりとした姿勢を示さず一本化が遅れたこと、その際にも政策協定を結ばず政策的一致点を明確にしなかったこと、他党の推薦を断って共闘候補であることを明確にせず民進党公認にこだわったこと、辞退してもらった候補者を紹介し応援演説してもらうなどの礼を尽くさなかったこと、野党党首クラスの揃い踏み演説にも候補者を出さなかったことなど、数え上げればきりがないほど問題山積でした。

 野田さんは選挙で勝つ気があったのでしょうか。「こんなことをやっていては負けますよ」と誰もが分かるようなことをすべてやって、それで負けてしまいました。
 まさに、負けるべくして負けた補選だったというべきでしょう。その責任は幹事長にあり、その背後で足を引っ張っていた神津連合会長の暗躍にあります。
 どうすれば勝てるのかという視点から選挙戦術を立て直し、本気で野党共闘に取り組む以外に活路はありません。民進党にとって有利か不利か、得か損かなどという利己的な発想ではなく、野党全体の前進によって市民の願いを実現するために誠実に力を尽くすという野党第一党としての責任と矜持を示していただきたいものです。

 昨日開かれた自民党の選挙対策の会議で、下村幹事長代行は次期衆院選の小選挙区では同党の議席が前回よりも86減る可能性があると警告したそうです。その前提は野党の候補者の一本化です。
 自民党ですら、どうすれば野党が勝てるかを知っているということになります。それなのに、野党第一党である民進党がいつまでも迷走を続けているということで良いのでしょうか。

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10月18日(火) 新潟県知事選での米山隆一候補の当選を祝す [選挙]

 やりましたね。新潟県知事選での米山候補の当選、おめでとうございます。
 今回ほど、我が故郷・新潟県を誇らしく思ったことはありません。きっぱりとした選択によって県民の良識をはっきりと示したのですから。

 16日に投開票された知事選の結果は、無所属新人で医師の米山隆一さん(共産、自由、社民推薦)が、前同県長岡市長の森民夫さん(自民、公明推薦)ら3新人を破り、初当選しました。米山さんは現状での東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に反対しています。
 7月の鹿児島県知事選でも九州電力川内原発の一時停止を求める三反園訓さんが当選しています。同じような構図で闘われた知事選挙で、同じような結果になりました。
 このような県民の選択を尊重するのであれば、政府の原発政策を見直すことは避けられません。しかも、投票率は53.05%で前回の43.95%より10ポイント近くも高くなっており、米山さんが52万8000票、森さんが46万5000票と、6万票以上の大差がつきました。

 米山さんの出馬表明は告示6日前とギリギリのタイミングでした。完全に出遅れた形になりましたが、それからの追い上げはすさまじく、一気に追いつき、追い抜いたことになります。
 その原動力となったのは野党共闘の威力であり、これが第1の勝因です。民進党は「自主投票」となり、連合新潟は森候補を応援しましたが、最終盤になって蓮舫代表や前原さんなどの幹部が「自主応援」に駆けつけ、「滑り込みセーフ」のような形になりました。
 民意に沿った対応を行うことができなかった民進党は、今回の選挙を全面的に総括するべきです。その足を引っ張った連合は、きちんと反省して蟄居・謹慎するべきではないでしょうか。

 第2の勝因は、柏崎刈羽原発に対する県民の不安に真正面から向き合ったことです。初当選を決めた米山氏は新潟市内の事務所で、「原発再稼働に関しては、皆さんの命と暮らしを守れない現状で認めることはできないとはっきりと約束します」と述べました。
 この姿勢が大きな支持を得たということでしょう。与党支持者の中にも原発の再稼動に不安を感ずる人が沢山います。
 しかも、新潟は原発事故を起こした福島のとなりで、避難してきている人もいます。県民にとっては、決して「他人事」ではないと受け取られたのではないでしょうか。

 第3の勝因は、TPPなどへの懸念が高まっていたということです。農業県である新潟にとってこの問題は無視できません。
 しかも、臨時国会では改めてTPPについての審議が始まりました。この問題についての賛否が選挙の結果にも微妙な影響を与えていたように思います。
 すでに、先の参院選でもTPPによって大きな影響を受ける東北地方や甲信越では野党の統一候補が当選していました。同じようなトレンドを今回の選挙でも引き継ぐことによって、TPP審議の出鼻をくじこうとしたのかもしれません。

 この勝利を23日(日)投開票の衆院補選に結び付けていくことが必要です。東京10区と福岡6区でも野党共闘の威力を発揮して統一候補を当選させ、「新潟ショック」を受け継いでいかなければなりません。
 原発、TPP、基地など地方での争点を明確化し、市民と野党が力を合わせれば地方の首長選挙でも勝つことができます。このような「勝利の方程式」が確立したところに、今回の新潟県知事選の最大の成果があったのではないでしょうか。

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10月14日(金) 最後の追い上げによる米山隆一新潟県知事候補の勝利を呼びかける [選挙]

 注目の新潟県知事選も最終盤を迎えています。当初、自民党に推薦されている与党系候補が「楽勝」だと見られていたようですが、その後の猛烈な追い上げで「横一線」になってきたと報じられています。
 米山隆一候補が追い付いてきたというわけですが、一気に抜き去っていただきたいと思います。最後の追い上げで、ぜひ米山候補の当選を勝ち取ってください。

 新潟県には7 基の原子炉合計で821.2万kWの発電出力となる世界最大規模の柏崎刈羽原発があります。その再稼働を許すかどうかが、今回の選挙での争点にほかなりません。
 ひとたび放射能漏れの事故が起きれば、人的な被害だけでなく周辺の農業も壊滅するでしょう。新潟県の隣の福島県での原発事故のために避難してきている人々も沢山おられます。
 このような県での知事が原発再稼働を認めるかどうかは、全国の原発の将来にとっても大きな影響を及ぼします。背後に自民党が控えているような知事では、原発の再稼動阻止に向けてきっぱりとした態度をとれるはずがありません。

 今度の選挙では、もう一つ大きな争点があります。それは環太平洋連携協定(TPP)の承認にOKを出すかどうかという問題です。
 TPPが農業の未来と食の安全にとって大きなマイナスをもたらすことは確実です。農業県である新潟にとっては死活を制する重大な選択が問われていることになります。
 たとえ原発事故が起きなくても、TPP協定が承認されて外国から安くていかがわしい農産物や食糧が大量に輸入されるようになれば、新潟の農業は壊滅し農家は疲弊することになるでしょう。国会では今日からTPPについての審議が始まりますが、米山さんの当選でノーを突きつけることができれば、今国会での承認を狙っている安倍政権の出鼻をくじくことができます。

 民進党が「自主投票」となったのは残念でしたが、所属議員の「自主応援」が続いているのは大きな前進です。代表選に立候補した前原さんも応援に駆け付け、私の故郷である上越市で共産党の小池さんと一緒に壇上に立ち、民進党新潟県連会長の黒岩さんや前県連会長の菊田さんも応援弁士になるなど、実質的には全野党と市民の共同で勝利する道が開けています。
 これまでであれば「与野党相乗り」になったり、「自主投票」を決めた段階で選挙運動にかかわらず「静観」したりということだったかもしれませんが、今回はそうなっていません。これも、先の参院選で野党と市民の共同の力が発揮され、野党統一候補だった森さんの当選を勝ち取ったという経験が大きくものを言っているからでしょう。
 参院選と同じ日に投開票を迎え、原発の一時停止を掲げていた三反園候補が当選した鹿児島県知事選の例もあります。保守勢力の強い鹿児島でも当選させられたわけですから、同じような構図で闘っている新潟で米山さんの当選を勝ち取ることは十分に可能でしょう。

 この新潟県知事選の投開票日の1週間後には、衆院の東京10区と福岡6区での補選の投票があります。県知事選の結果はこの補選、ひいては解散・総選挙の動向にも大きな影響を与えるにちがいありません。
 この新潟県知事選は一県知事選にとどまらない大きな政治的な意義を持っているということになります。その意義にふさわしい結果をもたらし、アベ暴走政治をストップさせ、新しい立憲政治に向けての扉を開いていただきたいものです。
 もし原発事故が起きれば、原発に反対していた人々だけでなく賛成していた人々の上にも、等しく放射能はふりかかってくることになります。ひとたび戦争になれば、反対していた人だけでなく賛成していた人に対しても、同じように爆弾は落ちてくるのですから。

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10月6日(木) 衆院補選での野党共闘を歓迎し統一候補の当選を願う [選挙]

 やっと、実現しました。衆院補選での野党共闘です。
 民進・共産・社民・生活の野党4党は昨日幹事長・書記局長会談を開き、衆院東京10区と福岡6区の補選で共産党が候補を取り下げて民進党の公認候補に一本化することで合意しました。この合意を歓迎し、野党統一候補となった民進党公認候補の当選を呼びかけたいと思います。

 ただし、いくつかの問題があります。一つは、政策合意について口頭で確認しただけで文書での協定が結ばれなかったことです。
 もう一つの問題は、他党からの推薦を受けないことになったことです。これについて、『毎日新聞』は「共産の事実上の支援を受けても、独自候補をアピールしたい民進が『共産推薦』の看板は拒否した形だ」と解説しています。
 しかし、本来であれば、きちんと政策協定を結ぶべきだったでしょう。また、他の野3党からの推薦を受けて、統一候補として全力で闘えるようにするべきだったでしょう。

 そうならなかったのは、他の野党支持者の票は欲しいけれど、さりとて民進党としての独自性もなくしたくないという思惑があったからです。何という手前勝手で虫の良い対応なのかと言いたくなります。
 民進党の野田幹事長は5月の4党党首会談で合意された安保関連法の廃止などを引き続き目指す考えを示したものの「民進党の理念、政策をしっかり打ち出していく」と述べたそうです。文書で政策協定を結べば、それがやりにくくなるとでも思ったのでしょうか。
 また、共産党の小池書記局長は民進党の候補について「野党の統一候補だ」と強調したそうですが、当の野田幹事長は「どういう解釈で応援していただくかは各党の立場による」と述べるにとどめました。ここでも民進党の腰の引けた対応が際立っています。

 しかし、不十分な形であるとはいえ参院選の1人区に続いて「野党の統一候補」が実現し、市民と野党4党の共闘が可能になったわけですから、全力で統一候補の当選を目指していただきたいと思います。その条件は十分にあります。
 東京10区での自民党公認で出馬する若狭勝衆院議員は党都連が豊島・練馬両区議計7人に離党勧告を行い除名も検討していることに対して「著しくバランスを欠く」と批判し、もしこれらの区議が除名された場合、補選に当選しても自民党を離党する考えを示しています。若狭さん自身も都知事選で自民党推薦ではなかった小池さんを支援し、二階俊博幹事長から口頭で厳重注意されるなど、自民党内部はギクシャクしています。
 他方、福岡6区でも、自民党福岡県連会長の長男で参院議員秘書の蔵内謙さんと鳩山邦夫さんの次男で前福岡県大川市長の鳩山二郎さんのいずれも公認せず、候補者一本化の調整を断念しました。自民党は当選した方を追加公認する方針ですが、保守分裂選挙となることは避けられません。

 野党の側は統一して候補を立てるのに、与党の側は内部がギクシャクしていたり、分裂していたりという弱みを持っています。チャンスではありませんか。
 ぜひ、このチャンスを生かしていただきたいものです。参院選で示された市民と野党との共闘の威力を補選でも再現することができれば、腰の引けている民進党に活を入れ、来る衆院選での野党共闘実現に大きな弾みをつけることは間違いないのですから。

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10月3日(月) 新潟県知事選で民進党議員は「自主応援」に駆けつけ民進党支持者は米山候補に「自主投票」して欲しい [選挙]

 新潟県知事選が告示されました。結局、民進党は米山隆一候補を支援せず、「自主投票」のままとなっています。
 期待を担って出発した蓮舫執行部ですが、幹事長に野田元首相が就任して、ビックリした人、ガッカリした人、両方合わさってガックリした人もおられたと思います。この新潟県知事選への対応にしても、同じように感じた方は多かったにちがいありません。

 とはいえ、蓮舫新執行部はこれまでの野党共闘路線を維持するとの方針を確認しました。野田幹事長も与党への対決姿勢を示すなど、今のところすり寄るそぶりを示していません。
 これは結構なことだと思います。ぜひ、このままの姿勢を貫いて、「また、裏切るのではないか」との見方を裏切っていただきたいものです。
 蓮舫代表は盛んに「提案型」の党運営を強調していますが、そのことによって安倍首相の術中にはまらないように気を付けていただきたいと思います。なんと言っても、アベ暴走政治にストップをかけるというのが、野党第一党が担うべき最低限の役割なのですから。

 その意味からいっても、新潟県知事選で「自主投票」となったのは残念で仕方がありません。先の参院選では野党共闘の力を発揮して森裕子候補の当選を勝ち取ることができたのですから。
 今回の県知事選でも市民と野党が力を合わせれば、米山さんの当選を勝ち取ることは十分に可能です。それだけに、連合新潟に足を引っ張られて民進党が共闘の枠から脱落してしまったのは返す返すも残念です。
 とはいえ、「自主投票」ですから、「自主」的に応援したり投票したりすることが禁止されているわけではありません。現に、阿部知子民進党衆院議員が米山候補の応援に入って、「民進党は自主投票。でも自主なんです。一致点があれば、他の議員もこれから応援に入ります。私も何度でも来ます」と訴えています。

 このような形で、他の民進党議員もこぞって応援に入ってもらいたいと思います。その数が多ければ多いほど、民進党という政党に対する信頼感も増すことでしょう。
 民進党を支持している皆さんも、米山さんに「自主投票」していただきたいと思います。この新潟県知事選の投票日の1週間後には東京10区と福岡6区での衆院補欠選挙の投票もあり、その結果は補選にも大きく影響するにちがいありません。
 その衆院補選での共産党との候補者調整について、蓮舫代表は「補選は全国で二カ所しかない。野党対与党のシンプルな構図が望ましいと思うが、どういう形が良いか、なお検討している」と語っています。いつまでもこんなことを言っていないで、さっさと結論を出して共闘体制を組んだらよいではありませんか。

 補選での候補者調整について、共産党は民進党に「下ろせ」と言っているのではありません。「下ろしても良い」と言っているのです。
 「どういう形」などというほどの選択肢はありません。参院選での1人区と同じように、一致できる政策を確認して協定を結び、民進党候補を野党の統一候補とするだけの話でしょう。
 そうすれば、「与党対野党のシンプルな構図」ができます。「なお検討」しなければならない問題が、一体どこにあるというのでしょうか。

 野党共闘に向けて指導性を発揮できるかどうか。この点で蓮舫執行部は試されているのだということをしっかりと自覚しなければなりません。
 最初の試験であった新潟県知事選では合格点を取れませんでした。続く衆院補選でこの失点を挽回できなければ、出発したばかりの蓮舫執行部は緒戦でつまずいてしまうことになるでしょう。

 なお、10月の講演の予定は以下のようになっています。関係者の方やお近くの方に足を運んでいただければ幸いです。

10月15日(土)午後2時 青梅霞台9条の会:青梅市民センター
10月16日(日)午後1時半 茨城9条の会:茨城県立青少年会館
10月22日(土)午後1時半 埼玉革新懇:ほまれ会館
10月29日(土)午後2時 見附市9条の会:見附市中央公民館
10月30日(日)午後1時半 寺泊・良寛の里9条の会


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9月24日(土) 新潟県知事選挙での米山隆一候補の当選を願う [選挙]

 告示が29日(10月16日投開票)に迫るなか、注目されていた新潟県知事選挙の構図がようやく整ったようです。民進党の米山隆一さんが離党して無所属での立候補を決意されました。

 現職の泉田知事が「県民の健康、生命、安全、原子力防災など、本来議論すべきことを議論できる環境になってほしい」という理由で立候補を断念したため、無投票になるかもしれないと心配していました。そうなれば、前長岡市長の無所属新人・森民夫さん(自民党・公明党推薦)が当選してしまいます。
 森さんは旧建設省出身で長岡市長を5期務めましたが、67歳と高齢で長岡市以外での知名度は低いとされています。それでも当選すれば、柏崎刈羽原発が再稼動されてしまうかもしれません。
 私の実家はこの原発から30キロほど離れたところにありますから、いったん事故になれば放射能の被害は免れません。新潟県内に沢山の友人や知人がいる私としても、県知事選で原発再稼働にストップをかける選択肢が提起されることになってホッとしています。

 こうなったら、ぜひ米山隆一さんに当選していただきたいと思います。先の参院選では新潟でも野党共闘が実現して無所属で森裕子さんを当選させることができました。
 米山さんを担ぎ出したのは「新潟に新しいリーダーを誕生させる会」で、共産、社民、生活、新社会、緑の5党に市民連合などで構成されています。このような形で、野党と市民が手を結んで闘えば、森さんと同じように米山さんの当選を勝ち取ることは十分に可能です。
 記者会見で、米山さんは「世界最大の柏崎刈羽原発を擁する新潟県として、泉田裕彦知事の『福島原発事故の検証なくして、再稼働の議論はしない』との路線を継承し、県民の安全、安心を確保する」との決意を述べました。再稼働に向けて簡単にはゴーサインを出さないということであり、これが知事選挙での最大の争点になります。

 米山さんはコメどころとして知られている新潟県魚沼市(湯之谷)出身で、東大医学部卒の医師、弁護士です。衆院選の新潟5区に、2005、09年は自民党、12年は日本維新の会から出馬して落選し、13年の参院選新潟選挙区にも日本維新の会から立候補しましたが及ばず、ことし3月に民主党と維新の党が合流してできた民進党に加わって次期衆院選の候補となる5区総支部長を務めてきました。
 ところが、民進党は米山さんの立候補を認めず自主投票にしてしまいました。米山さんが維新系で、原発推進の電力総連を傘下に持つ連合新潟が反対したためだとみられています。
 そのために、米山さんは民進党を離党して無所属で立候補することになり、野党4党による共闘という枠組みにはなりませんでした。おまけに、民進党を支援する連合新潟は森さんの支持を決めたといいますから、呆れかえってしまいます。

 なんだか、私が立候補した八王子市長選挙と似たような構図になっていますが、それでは困ります。民進党が野党共闘に加わるよう、県連に対して党本部から強力な指導を行うべきでしょう。
 今回の知事選挙は新潟だけの問題ではなく、原発のある自治体すべてに関わる重要な争点が争われようとしています。その結果次第では原発再稼動が全国に一気に波及するかどうかの瀬戸際での選挙戦です。
 しかも、衆院の東京と福岡のダブル補選の投開票日は10月23日で、新潟県知事選の翌週に当たります。この補選での勝利のためにも、蓮舫新執行部は新潟県知事選挙で最初の勝利を目指すべきでしょう。

 10月16日の新潟県知事選での勝利、23日の衆院補選での勝利を積み重ね、来るべき解散・総選挙での勝利を目指す。このホップ・ステップ・ジャンプという三段跳び戦術こそ、新生民進党が再生できる大きなチャンスだということが分からないのでしょうか。
 今日の『朝日新聞』には「『年明け解散』想定 自民党大会、来年3月に先送り」という小さな囲み記事が出ていました。安倍首相は年末の日露首脳会談で北方領土問題についての道すじを付け、来年早々にでも解散するのではないかとの見方を裏付けるような記事です。
 決戦の時はそう遠くないかもしれず、グズグズしている暇はありません。新潟県知事選と衆院補選での野党共闘の実現とその勝利こそ民進党の新執行部が全力で取り組むべき最初の活路だということを、蓮舫さんには肝に銘じていただきたいものです。

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8月3日(水) 東京都知事選挙はどのような視点から総括されるべきか [選挙]

 都知事選挙の結果について、ネットなどで様々な意見や総括が飛び交っています。とりわけ野党共闘と市民が擁立した鳥越さんが直前の参院選で得た野党各党の合計票を大きく下回ったために、陣営内部での対立や紛糾が生じているように見えます。
 選挙の総括をめぐって事実認識や見解の相違が生ずるのはやむを得ないことですが、それが対立や分裂を生むことになっては困ります。この点を憂慮しつつ、都知事選挙はどのような視点から総括されるべきかについて、私見を述べさせていただきます。

 まず、基本的な視点です。今回の都知事選挙で有力3候補の1人を擁立して当選を目指し、カヤの外での独自の闘いを避けることができたことを評価したいと思います。
 それが可能だったのは、第1に、鳥越俊太郎という知名度のある素晴らしいジャーナリストが立候補を決断したからであり、第2に、民進党を含む野党と市民との共闘が実現して協力体制を組むことができたからであり、第3に、宇都宮さんの苦渋の決断によって分裂選挙を避けることができたからです。この3つの条件が揃わなかったら、野党共闘を成立させて当選を争う有力候補の一角に食い込むことは難しかったかもしれません。
 もちろん、選挙についてのきちんとした総括が必要であることは当然ですが、個人攻撃や誹謗・中傷にならないように十分に留意するべきです。あくまでも総括は団結を固めて前進するためになされるもので、団結を弱めて後退するような形になっては元も子もありません。

 第1に、今回の野党共闘と市民の統一候補となった鳥越さんは良く立候補したと思います。私も八王子市長選挙に立候補し、候補者活動がいかに過酷なものであるか、身をもって体験しましたから、その決断と勇気を高く評価したいと思いますし、これによって与野党相乗りや民進党の共闘からの離脱を防ぐことができました。
 惜しむらくは、年齢が高く健康面での不安を払しょくできなかったこと、出馬表明が遅かったために準備が不十分で、政策面で練られた対応を行えなかったことです。これらを含めてすさまじい個人攻撃の嵐が吹き荒れ、週刊誌による女性スキャンダルについての報道もありました。
 これらについての事実確認や対応の仕方についての検証は必要だと思います。しかし、その場合でも、より効果的に反撃し、ネガティブキャンペーンの選挙への影響を最小限に抑えるために何が必要だったのか、どう対応すればよかったのかという視点から総括されるべきではないでしょうか。
 
 第2に、野党と市民の共闘による知事選挙が実現したことの意義を高く評価しなければなりません。統一候補の擁立は1983年の社共統一候補だった松岡英夫さん以来のことでしたが、今回は民進党、日本共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの国政4野党に、東京・生活者ネットワーク、新社会党、緑の党グリーンズジャパンを加えた7党の共闘で、しかもこれに市民も結集したものでした。
 とりわけ、この共闘に民進党が加わり、国政レベルでの4野党共闘が維持されたことの意義は極めて大きなものがありました。それを実現するうえで発揮された岡田執行部のリーダーシップを高く評価したいと思います。
 惜しむらくは、連合東京が自由投票ということで組織として動かなかったこともあり、野党の総力が結集される形にはなりませんでした。この点でも問題点や不十分な点を検証することが必要ですが、互いに相手を非難するような総括は避け、より効果的に総力を結集するために何が必要だったのか、どうすれば良かったのかという視点を貫くべきではないでしょうか。

 第3に、宇都宮さんも立候補辞退を良く決断したと思います。立候補を表明したのは告示3日前というギリギリの時点で、その直後に鳥越さんの立候補表明をうけて辞退したために準備してきたポスターやビラなどすべてが無駄になり、多額の損失を出したにちがいありません。
 それにもかかわらず分裂を回避するための苦渋の決断を行ったことを高く評価したいと思います。悔しい思いもあったでしょうし、支援者を説得するのも大変だっただろうと思います。
 惜しむらくは、鳥越・宇都宮がタッグを組んで二人三脚で選挙を闘うことができず、宇都宮さんが最後まで鳥越さんの応援演説に立たなかったことであり、選挙が終わってから経過について微妙な発言を行っていることです。もちろん、すでに終わったことだから口をつぐめというわけではありませんし、宇都宮さんには当事者の一人として事実はどうであったのかを明らかにし、どこに問題があったのかを検証していただきたいと思います。
 その場合でも、鳥越さんの擁立に至る経過を宇都宮さんが「独裁」と発言しているのは残念ですし、橋下さんの番組にまで出て批判することが今後の運動にとっても、宇都宮さん自身にとってもプラスになるとは思えません。支援者間の非難合戦にならないように配慮しつつ、宇都宮さんの決断を生かすためにはどうするべきだったのか、鳥越勝利に貢献するために何をするべきだったのかという視点からの総括が大切なのではないでしょうか。

 これから事実を明らかにして問題点を検証する作業は本格化するでしょう。各方面から様々な意見が出されてくるに違いありません。
 しかし、鳥越さんは立候補するべきではなかった、野党は共闘するべきではなかった、宇都宮さんは辞退するべきではなかったなどという後ろ向きの意見には賛成できません。そのどれ一つが欠けても有力候補の一角を占めることはできなかったでしょうし、当選できると信じて選挙戦を戦うことは難しかったでしょう。
 革新都政の奪還は「夢」に終わりましたが、その「夢」を見せてくれたのは立候補を決断した鳥越さんであり、それを支援した野党と市民の共同であり、分裂を回避するための宇都宮さんの苦渋の決断でした。そのどれ一つが欠けても、「夢」を見ることは不可能だったのではないでしょうか。

 先の参院選での野党共闘は急いで建てた「プレハブ」のようなものでした。今回の野党共闘は突然訪れた嵐から緊急に避難するために建てた「掘っ立て小屋」のようなものだったかもしれません。
 それでも、暴風雨による雨露をしのぐことができました。それがなかったら、激しい雨に打たれて寒さに震え病気になっていたかもしれません。
 急いで建てたことに問題はなかったのですが、結局、グリーン・ポピュリズムの嵐によって吹き飛ばされてしまいました。問題は、もっと早くから準備をしてもっと頑丈な小屋を建てることができなかったという点にあります。

 選挙の総括によって教訓を引き出すことは必要ですが、それはあくまでも団結を強めて前進し勝利するためのものでなければなりません。分裂を引き起こして後退するようなことになれば、選挙での敗北に加えてさらにもう一度敗北することになります。
 選挙が終わっても、都民の手によって都民の手にクリーンな都政を取り戻すための闘いは続きます。選挙の総括はこのような闘いの一環であり、次に勝つための条件を探りそれを生み出すための作業でもあるということを忘れないようにしたいものです。

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