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7月22日(月) 与党が過半数を維持したものの改憲勢力が3分の2を下回った参院選 [参院選]

 注目の参院選の結果が出ました。自民・公明の獲得議席は71議席で、改選の過半数も非改選議席を加えた参院の過半数も維持しましたが、改憲発議のために必要な3分の2議席については、維新を加えても85議席には達せず、下回ることになりました。

 選挙区と比例代表を合わせた改選124議席の獲得議席は、自民党が57となって改選66議席を下回っています。公明党は改選11を上回る14議席を得て、与党は71議席になりました。
 野党は立憲民主党が改選9を上回る17、日本維新の会が改選7を上回る10でした。共産党は改選8を下回る7、国民民主党も改選8より少ない6となっています。
 社民党は改選議席と同じ1、政治団体「れいわ新選組」は比例で2議席を獲得しましたが、代表の山本太郎氏は落選しています。政治団体「NHKから国民を守る党」が比例代表で1議席を初めて獲得しました。

 今回の選挙の結果、さし当り改憲暴走にはストップがかかったことになります。とはいえ、安倍首相は与党が過半数の維持に成功したことで、引き続き改憲に向けての攻勢を強めるにちがいありません。
 事実、21日夜のテレビ番組で、改憲について「議論していけという国民の声を頂いた。国会で議論が進んでいくことを期待したい」と述べています。早期の改憲発議を目指す考えに変わりはありません。
 「国民民主党の中にも議論を進めていくべきだ、という方はたくさんいると思う」と指摘するなど、「議論」を手掛かりに立憲野党にも手を突っ込んで分断し一部を引き込むつもりなのでしょう。安倍首相の改憲暴走をめぐる攻防は、これからも続くことになります。

 注目の1人区ですが、野党共闘の統一候補が10勝し、11勝した前回並みの結果となりました。自民は北陸・中国・九州地方を中心に議席を積み上げ、野党は山形、新潟、愛媛、大分などで勝利しています。
 野党共闘でなければ、これだけの成績を残すことは不可能だったでしょう。この実績と経験に学び、早くから市民と野党の共闘を実現することが必要です。
 次は総選挙で、選挙区は全て1対1の構図になるのですから、参院選以上に市民と野党との共闘と連携、統一候補の擁立が重要になります。この間の経験を生かして、今から準備を始めなければなりません。

 今回の選挙結果についての深い分析は今後の課題となりますが、社会の右傾化とマスメディア、とりわけテレビの「安倍チャンネル化」が大きく影響しているように思われます。投票率は50%を割るなど有権者は選挙への関心を失い、選挙報道は少なく、とりわけNHKテレビは政権寄りの報道に終始しました。
 政治への有権者の不満や批判は「れいわ新選組」への熱狂的な支持などに示されましたが、残念ながらこれも広く報道されることはなく、一部にとどまりました。憲法問題では議論を呼びかけている安倍首相ですが、国会では予算員委員会を開かず議論を避け続け、野党の出番を奪ってきたことも与党に有利に働きました。
 「改元フィーバー」や天皇代替わり、トランプ米大統領へのおもてなし外交などの「目くらまし」によって国民を幻惑することに成功した安倍首相の「作戦勝ち」というところでしょうか。「隠す・ごまかす・嘘をつく」という「安倍3原則」が、今回の参院選での選挙活動でも駆使され、一定の効果を上げたということになるかもしれません。

 今回の選挙の結果、与党は過半数を維持して政権の「安定」を確保しましたが、争点となった問題や課題は何一つとして解決していません。日韓関係の悪化、北方領土交渉や拉致問題の行き詰まりなど外交はいずれも波乱含みで、日米貿易交渉や武器の爆買い、ホルムズ海峡での「有志連合」など、トランプ政権からの無理難題は一挙に押し寄せてくるでしょう。
 内政面でも消費税の10%への引き上げは確実となり、年金不安や消費不況の再発、軽減税率やポイント還元などをめぐる消費の現場での大混乱は避けられません。米中貿易摩擦による景気の下振れリスク、アベノミクスによる異次元金融緩和政策からの「出口戦略」による国債暴落と経済のメルトダウンも大きな懸念です。
 このような中で安倍首相は総裁任期を終え、再来年の秋には衆院議員の任期が切れます。政権は「安定」しても、日本政治と国民生活の「安定」には程遠い疾風怒濤の航海への船出だと言うべきでしょうか。


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7月20日(土) 日本の転落をストップできる「最後のチャンス」かもしれない参院選での投票 [参院選]

 「日本の明日を切り崩す」

 安倍首相が写っているポスターの「日本の明日を切り拓く」という言葉をこのように変えた偽の画像がインターネット上で出回っているそうです。「切り拓く」を「切り崩す」と変えただけで、他は全く同じものです。
 この画像は事実ではない情報だと、ファクトチェックで指摘されています。自民党が出したポスターではないという点では「事実」ではありませんが、安倍首相が「日本の明日を切り崩す」首相だというのは、事実そのものではないでしょうか。
 そうならないように、明日の投票日には必ず投票所に足を運んで投票していただきたいと思います。棄権したり自公の与党や維新に投票したりすることは、現状維持ではなく「転落」への加担であり、「日本の明日を切り崩す」ことに手を貸す結果になるのですから。

 今回の選挙での最大の争点は「隠す・ごまかす・嘘をつく」政治手法を常用してきた安倍首相による政治運営を許すのか、それとも阻止するのかという点にあります。このような安倍政治を許さない、お灸を据えたいとの願いを、一票に込めて投票していただきたいものです。
 安倍首相はデフレ脱却、被災地の復興加速、放射能の制御、北方領土の返還、拉致被害者を取り戻すなどを約束してきました。しかし、全て真っ赤な嘘で、全く実現していないではありませんか。
 だから、「偽造・捏造・安倍晋三」などと言われるのです。もはや「安倍晋三」ではなく「安倍ねつ造」と言うべきで、このような嘘つきには「サヨナラ」してもらうしかありません。

 これまでの安倍政治を支えてきた二つの柱は、外交・安全保障と経済・財政でした。しかし、この両方とも破たんが明確になっています。
 対北朝鮮、対ロシア外交は失敗続き、韓国との関係は戦後最悪で、アメリカの顔色ばかり窺っている「おもてなし」外交では、トランプ大統領が農産品の関税自由化と武器爆買いの「密約」をほのめかしています。対米外交は「表なし」ですから、裏ばかりなのも当然でしょう。
 アベノミクスも2%のインフレ目標は達成できず、6月の短観は2期連続の悪化で景気は悪く消費不況が続いています。アベノミクスは「アホノミス」となり、異次元金融緩和の「黒田バズーカ」は「ズー」が抜けて「黒田バカ」になってしまいました。

 安倍首相は「憲法について議論する政党か、議論さえしない政党かを選んでもらいたい」などと言っていますが、これも嘘です。真の争点は憲法について議論するかどうかではなく、9条改憲を認めるかどうかにあります。
 そもそも国会の予算委員会を3カ月以上も開かず、与野党間の議論から逃げまくったのは一体誰でしょうか。安倍首相その人ではありませんか。
 今回の選挙で急浮上した争点が年金問題です。老後資金として「2000万円貯めろ」ななどと言われても無理だ、そういう前に貯まるだけの給料を払え、金がないなら武器買うな、金があるなら年金に回せ、税金上げずに年金上げろと言おうじゃありませんか。

 秋からの消費税の増税も大きな争点です。税金はお金を持っているものから取ればいいんです。企業の内部留保は446兆円も貯まっているんですから。
 何度も示された県民の意思を無視して進められている沖縄での新基地建設も重要な争点で、土砂を投入すればするほど溝が深まっています。大村湾側の海底は軟弱地盤でマヨネーズのようになっており、こんなところに基地を作れると考えている安倍首相の脳みそもマヨネーズではありませんか。
 公明党のポスターには「小さな声を聞く力」と書いてありますが、消費増税中止や辺野古新基地建設反対という国民や県民の声は届いていないようです。「小さな声」を聞く力はあっても、切実な願いを込めた「大きな声」を聞く力はないということでしょうか。

 これ以外にも、今度の選挙には地方都市と農村地域の存亡がかかっており、一人一人の命と安全が問われています。これまでの生活を変わらず維持するためには、政治を変えなければならないというギリギリの選択に直面しているのです。
 安倍政権の下で小零細兼業農家が淘汰され、TPP11などによって農産物の関税引き下げが進められ、年金不安と消費増税によって生活の基盤が脅かされています。水道民営化、種子法廃止などによって公共の資産が民間にゆだねられ、農地、森林、漁場、医療や介護、労働、教育のような社会的共通資本が企業にさしだされてきました。
 政治による大災害が迫っています。一人一人がその危険性に気づき、自ら「命を守る行動」をとらなければなりません。

 このような政治的大災害の発生を防ぎ、安倍政治を変える力は市民と野党の共闘にあります。32の1人区で共闘が実現し、13項目の政策合意が結ばれるなど共闘の内実は進化してきました。
 選挙区では、1人区なら野党共闘の統一候補に投票していただきたいと思います。複数区では、自民・公明・維新以外の候補に、とりわけ最後の1議席を争っている立憲野党に入れてください。
 なかでも、北海道、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫の選挙区では、最後の1議席を自公維の改憲勢力と共産党が競り合っていると報道されています。これらの選挙区では、共産党候補に1票をお願いいたします。

 かつて改憲論者で論敵であった小林節さんが「70歳の護憲派宣言」をされ「比例は共産党に」と呼びかけておられます。それなのに、政治的な物心ついた時からの「護憲派」だった私が黙っているわけにはいきません。
 小林さんとともに、私も呼びかけたいと思います。「比例は共産党に」と……。

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7月17日(水) 小林節慶応大学名誉教授の共産党への応援ビデオでの演説を聞いた [参院選]

 驚きましたね。小林節慶応大学名誉教授が共産党の応援ビデオに出て「比例は共産党」と訴えているのを見ました。
 安保法制(戦争法)が審議されていたとき、2015年6月4日の衆議院憲法審査会に参考人として国会で証言された小林先生です。あの時も、長谷部恭男、笹田栄司氏とともに集団的自衛権の行使は違憲であると証言して驚かされました。

 私の現役時代、小林さんは改憲派の急先鋒で自民党のブレーンとして有名でした。私にとっては手ごわい論敵だったのです。
 その小林さんは安倍首相の96条改憲論を「裏口入学だ」と批判したころから徐々に変わり始めました。私が八王子市長選挙に立候補した時も、かつての立場の違いを越えて2回も応援に駆けつけてくださいました。
 この時、「かつて向こう側におられた小林先生ですが、気がついたら横にいた。今回は、私の後ろから押し上げて下さろうとしています」と、演説したものです。かつての論敵が心強い味方に変わったことを実感した瞬間でした。

 しかし3年前の参院選で、小林さんは「国民怒りの声」を立ち上げて比例代表に立候補しました。結果的に立憲野党を分断するような形になり、当選者を出すこともできませんでした。
 本人の思いとは裏腹に、市民と野党の共闘から一線を画す形になってしまったのではないでしょうか。その後、政治活動から身を引かれましたが、安倍首相が狙う9条改憲に反対する言論活動を続け、最近になって「70歳の護憲派宣言」を明らかにし、今度の選挙では共産党を応援するビデオに出演するに至ったというわけです。
 ビデオの中では、共産党は企業献金を受け取らず、利権に歪められないので「国民のためになることしか言わない」と語り、「このことに最近気づきました」と仰っています。もっと早く気づいてほしかったと思いますが、しかし気づかないままでいるよりはずっとましです。

 人間はこのようにして、これほど変わることができるのかと、小林さんを見ていてそう思います。このような変化の可能性は、小林さん1人のものではないでしょう。
 事実を知りさえすれば、多くの人が気づき変わっていく可能性を持っているのではないでしょうか。そのような変化の可能性を掘り起こし、多くの有権者に気づいていただくのが選挙運動のもっている大きな意味にほかなりません。
 投票日まであと4日間です。この期間にどれだけ多くの有権者に事実を知らせ、小林さんと同様の「気づき」を呼び起こすことができるかどうかが勝敗を分けるでしょう。

 小林さんは比例代表での共産党支持を訴えていますが、比例だけでなく選挙区でも、北海道、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫などでは、自民・公明の与党や維新の会などの改憲勢力と最後の1議席を争っています。比例代表で議席を伸ばすだけでなく、これらの選挙区でも当選を勝ち取ることが「共産党に勝ってもらうしかない」という小林さんの訴えに応える最善の道ではないでしょうか。

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7月16日(火) 大阪市の存続は辰巳幸太郎候補の当選にかかっている [参院選]

 「今回、これが私の唯一の応援スピーチです。私が野党候補の応援に行くと、勤め先などに『サヨク教員め』といった電話が来ます。私はともかく職員がとても困っているので、今回はすべての応援依頼をお断りしました。でも、たつみさんはどうしても国会に必要な政治家です。応援を決意しました。」

 これは立教大学教授で精神科医の香山リカさんの応援演説です。参院選の大阪選挙区で、共産党の辰巳幸太郎候補の応援スピーチでこのような話をされました。
 私も法政大学の大原社会問題研究所に勤めていましたが、「勤め先などに『サヨク教員め』といった電話が来」ることはありませんでした。もっとも、現役時代に「野党候補の応援」でスピーチするということもなく、香山さんほど「サヨク教員」として知られていなかったのかもしれませんが。
 それにしても、勤め先に電話が来て迷惑をかけることになるから応援依頼を断るという状況になっているというのですから、社会の右傾化が進み不自由な世の中になってしまったものです。それにもかかわらず、香山さんは辰巳候補だけは例外だとして応援に駆け付けました。

 香山さんの前には「れいわ新選組」の山本太郎代表も辰巳候補の応援に駆けつけています。その理由は、香山さんの言う通り「たつみさんはどうしても国会に必要な政治家」だという点にあり、モリカケ疑惑の追及など国会議員としての能力や実績は山本さんも高く評価されていた通りです。
 私も辰巳候補にはぜひ当選していただきたいと思いますが、その理由は「どうしても国会に必要な政治家」だということに加えて、大阪選挙区の選挙情勢にあります。

 時事通信の調査では、大阪選挙区では「維新現職の東、自民現職の太田が先行。残る2議席を維新新人の梅村、公明現職の杉、共産現職の辰巳、立憲新人の亀石が激しく争う」とされています。このままの順番だと、辰巳候補は5番目になります。
 大阪選挙区の定数は4ですから、このままでは維新・自民・維新・公明になりそうだということです。それを阻止するためには、何としても5位につけている辰巳さんを押し上げて当選させなければなりません。

 その結果は、三つの点で重要な意義を持っています。一つは立憲野党の当選者をゼロにしてならないということです。
 もう一つは、改憲派にすべての議席を明け渡すわけにはいかないということです。今回の選挙で安倍首相は憲法問題を主要な争点として提起していますが、その選挙で自公の与党だけでなく維新の会に2議席を与え、改憲派に議席を独占させるようなことがあってはなりません。
 そして第3に、大阪都構想にも大きな影響を与えるということです。4月の統一地方選挙の結果、それまで都構想に反対していた自民党も公明党も、賛成に回るようになってしまったからです。

 大阪都構想をめぐっては、住民投票が予定されています。今回の参院選の結果、維新・自民・維新・公明となれば、当選者は全て都構想に賛成し推進する勢力に占められてしまいます。
 今後の住民投票にも大きく影響し、大阪都構想の実現に勢いがつくことになりかねません。それで良いのでしょうか。大阪市が大阪府に飲み込まれ、市が無くなってしまっても良いのでしょうか。
 今回の参院選大阪選挙区で問われている隠れた重大争点はここにあります。それに対して「ノー」の回答を示すためには、最も当選ラインに近いと見られている5番目の候補者・辰巳さんを当選させなければなりません。

 実は、大阪市の存続は辰巳幸太郎候補の当選にかかっているのです。今回の選挙で問われているこの隠れた重大争点をしっかりと見据えて、大阪の人々にはぜひ賢明な選択を行っていただきたいとの願い、大なるものがあります。

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7月12日(金) 参院選もあと1週間余り、選挙情勢は変わるし変えなければならない [参院選]

 日本の命運を左右する参院選も、あと1週間余りとなりました。以下のように、序盤の情勢では各社とも与党で63議席以上を獲得して、過半数となる見通しを示しています。

朝日「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力2/3は微妙」
毎日「改憲 3分の2割れも 与党、改選過半数は確保」
産経「与党の改選過半数確実 改憲勢力維持か」
日経「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力2/3うかがう」

 いずれも、与党が堅調と報じられています。しかし、これはあくまでも公示直後の7月4~5日の調査にすぎないものです。
 今後の奮闘次第で序盤の情勢は変えられます。7月21日の投票日までに、何としても選挙情勢を大きく変えなければなりません。

 今回の選挙での改選は、6年前に自民党が大勝した選挙での当選者です。したがって自民党のほとんどは現職で、野党の多くは新人ですから知名度の点で大きな差があります。
 特に、統一候補となった32の1人区では長野と佐賀以外は全て新人で、擁立が決まったのも遅く、無所属となっている場合も多くあります。ですから、名前を知らなかったり、どのような候補者か分からなかったりするのも当然です。
 調査の時点で、約半数近くの有権者が投票先を決めていませんでした。今後、投票先を決めていなかった有権者に名前や政策、候補者の人柄などが浸透していけば、情勢が大きく変わる可能性が十分にあります。

 自民党が好調のような報道には、もう一つのカラクリがあります。それは獲得目標との対比での評価であり、その目標が極めて低く設定されているという点です。
 安倍首相は勝敗ラインについて「全体の過半数を維持することが私の使命だ。つまり非改選と合わせ与党で過半数の維持だ」と述べて53議席を目標に掲げました。低い目標を掲げることで、議席を減らしても責任追及が始まらないように予防線を張ったのです。
 しかし、参院選の重大争点として改憲を掲げているのですから、本来であれば改憲発議可能な3分の2議席を目標にするべきでしょう。そうなると改憲派の合計は86議席以上必要で、極めて困難な数字になります。

 序盤の情勢からしても、自民・公明・維新などの改憲勢力で3分の2の獲得は難しいという見方があります。今後の取り組みによって立憲野党の側が自公両党を追い込むことができれば、さらに与党の議席を減らすことができます。
 今回の改選数を維持するためには、前々回13年並みの自公合計で77議席(自民66+公明11)が必要ですが、これはほとんど不可能です。前回の16年並みなら自公合計で70議席(自民56+公明14)ですが、野党からすればこれを下回らせることが目標の一つになります。
 自民党が単独で過半数を維持するためには67議席を獲得しなければなりません。これを下回れば公明党に頭が上がらなくなりますから、与党が過半数を維持しても自民党にとっては「ほろ苦い勝利」ということになります。

 序盤の情勢が調査されてから、すでに1週間が経ちました。この間、野党共闘も浸透し進化しています。
 共同通信が11日までに有権者100人に実施したアンケートで、野党に望むことを尋ねたところ「与党に対抗するための、立場を超えた結束」とした回答が38人で最も多く、「特にない」の36人と拮抗しました。改選1人区で候補者を一本化したことへの期待感が一定程度うかがえます。
 また、共産党公認で唯一の野党共闘候補である福井の山田和雄さんに枝野幸男立憲民主党代表が応援に入り、大阪でも共産党の辰巳幸太郎候補の応援に「れいわ新選組」の山本太郎代表が駆け付けました。いずれも、これまでにない新しい動きとして注目されます。

 情勢は流動的で、これから1週間余りで大きく動く可能性があります。投票率が10%上がれば1000万票増え、その多くが立憲野党に投じられれば自民党大敗の雪崩現象が起きるでしょう。
 立憲野党が結束して波乱を起こし、安倍政権を終わらせることができるかどうかが問われています。国民無視のウソと誤魔化し、デタラメに満ちた安倍政治を「安定」させても、良いことは何一つとしてないのですから。

 なお、来る7月14日(日)午後5時から、八王子駅北口放射線ロードのドンキホーテ前での街頭演説で、共産党の小池晃書記局長と吉良よし子東京選挙区候補の「前座」を務めることになりました。興味と関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

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7月4日(木) 日本の命運をかけ、命とくらしを左右する参院選が公示された [参院選]

 いよいよ参院選が公示されました。7月21日の投開票日に向けて、激しい選挙戦が展開されます。
 この参院選は日本の命運がかかっているだけでなく、私たちの命とくらしが直接左右される重大な意義を持っています。棄権することなく投票所に足を運び、与党ではなく立憲野党の候補者に一票を投じていただきたいと思います。

 参院選の争点は過去6年半にわたって続けられてきた安倍首相による政治運営の総体にあります。この「安倍政治」を受け入れ、その継続を望むのか否かが最大の争点ではないでしょうか。
 アメリカのトランプ大統領と日本の安倍首相によって世界と日本の政治・経済はめちゃくちゃになってきています。この2人こそ世界のかく乱要因であり、それを除去することなしに世界と日本の将来はありません。
 そのためにはまず、この日本で安倍首相を断罪し、その退陣に向けての道すじをつけ、続いて来年のアメリカの大統領選挙でトランプの敗北を実現することが必要です。その最初の関門である参院選が公示され、闘いの幕が開きました。

 トランプ大統領の下で、アメリカは覇権国としての威信を失墜させ、国際社会から尊敬と信頼を受けるどころか、蔑みと警戒心を抱かれるようになりました。世界最強のソフトパワーを失ってしまったのです。
 安倍首相の下で日本も戦後築き上げてきた平和国家としての信頼を失いつつあります。東アジアにおける安定した民主国家としてのイメージは急速に低下し、国際秩序のかく乱者として警戒されるようになってきています。
 トランプ大統領の真似をして力づくの政策に転じ、韓国に対する「貿易戦争」を仕掛けるという過ちを犯してしまったからです。アメリカと日本の2人の指導者は、道義と見識、倫理と節度、慎みと自制などという価値観や生活態度とは無縁な世界に入り込んでしまいました。

 このような安倍首相によって導かれてきた過去6年半の政治運営の総体が、参院選での審判の対象とされなければなりません。自らの利益と政権の安定を最優先に、利用できるものなら何でも利用し、政治の土台を切り崩して信頼を失わせてきた「安倍政治」こそ、今回の選挙の最大の争点なのです。
 だからと言って個々の政策がどうでもよいというわけではありません。何よりもまず、安倍政権への幻想を生み出し長期政権を支えるための武器とされてきた外交と経済の二本柱への審判が必要でしょう。
 7月2日のブログ「G20首脳会議で露呈した『外交の安倍』の無残な姿」で指摘したように、「外交の安倍」は破綻して日本外交は漂流を始めました。経済政策の金看板であったアベノミクスにしても、厚生労働省が7月2日に発表した「国民生活基礎調査」で1世帯当たりの平均所得が2017年に「約551万円」と4年ぶりに前年を下回り「生活が苦しい」と感じている世帯が全体の57%に上ったことが分かったように大失敗しています。この二本柱の破綻は、もはや覆い隠すことができないほど鮮明になりました。

 これ以外の個別課題でも、安倍政権の行き詰まりは明確です。9条改憲の是非を正面から打ち出せずに憲法論議の是非へと争点をずらし、突如として大争点に浮上した年金問題に怯えて言い訳とごまかしに終始し、消費税の再増税という負担増を強いる政策を真正面から問わなければならない羽目に陥りました。
 安全保障問題でも壁にぶつかっています。イージス・アショアでは地元の不信を買い、沖縄辺野古での新基地建設の無理強いには強い反発が示されました。
 同盟相手のアメリカからはトランプ大統領の「日米安保条約破棄」発言という「弾」が背後から飛んでくる始末です。不公平だから破棄するというのなら、米軍は日本から出て行ってくれと言えばいいじゃありませんか。

 これ以外にも、今回の参院選には隠れた重大争点があります。存亡の危機に立たされている地方都市や農山漁村を救うことができるのかという問題です。
 安倍「農業改革」による兼業・小零細農家の淘汰、JAいじめ、種子法の廃止、TPP11や日欧EPA(経済連携協定)による農産品の関税引き下げ、漁業権を地元漁協だけでなく企業にも与えた漁業法改正、山林を荒廃させるリスクの高い森林法改正など、これまでも地方の荒廃をもたらす制度改革が重ねられてきました。郵政民営化による地方の郵便局の整理・廃止や日銀の異次元金融緩和による地方銀行や信用金庫など金融機関の経営不振などもあって、地方の産業と経済、生活と営業は青息吐息の状態になっています。
 これに追い打ちをかけると見られるのが、トランプ大統領が手ぐすねを引いている日米貿易交渉による事実上のFTAであり、農産品関税引き下げの大攻勢です。加えて、下がり続ける年金への不安と消費税の増税が地方の生活と営業にとって大打撃となることでしょう。

 これまでも地方の都市や農山漁村は苦難の連続で、すでにシャッター街は珍しくありません。消滅の危機に瀕した「限界集落」どころか、もう人が住んでいない「無住集落」まで現れています。
 すでに疲弊し崩壊し始めている地方を救うことのできる最後の機会が、今度の参院選なのではないでしょうか。「安倍政治」の方向転換を図るこの機会を逃せば、地方の都市や農山漁村を救う道は閉ざされ、この国に未来はありません。

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7月3日(水) 安倍首相による憲法論議の争点化は9条改憲という真の争点を隠すためのごまかしだ [参院選]

 参議院選挙に向けて、安倍首相は新しいごまかしを画策し始めたようです。それは憲法論議の争点化です。

 通常国会が会期末を迎えた最終日の6月26日、安倍首相は記者会見を開いて「憲法の議論すらしない政党を選ぶのか、国民の皆さまにしっかり考えを示し議論を進めていく政党や候補者を選ぶのか、それを決めていただく選挙でもある」と発言しました。また、 与野党6党首が6月30日にインターネット動画サイトの討論番組に出演して論戦を交わした際、憲法改正について「しっかり議論するのか、しないのかを問うのがこの参院選だ」と述べています。
 こうして安倍首相は、憲法の議論をする政党か、議論すらしない政党か選ぶことを参院選の主要な争点にする考えを打ち出しました。改憲論議の争点化です。
 しかし、果たしてそれが争点になるのでしょうか。別にある真の争点から国民の目を逸らすために、安倍首相がひねり出したごまかしなのではないでしょうか。

 この安倍首相の主張に対して、同じ与党である公明党の山口那津男代表は7月1日の日本経済新聞などのインタビューで「争点としての熟度が浅い。議論しないと公然と主張する政党はあまりない」と述べ。参院選後、改憲に前向きな勢力だけで議論することにも「数の力で押し切るのは良くない」と語ったそうです。その通りではありませんか。
 安倍首相が言う「憲法の議論すらしない政党」は存在していません。与野党6党首が6月30日にインターネット動画サイトの討論番組でも、安倍首相を含めて憲法についての議論がなされたではありませんか。
 「憲法の議論すらしない」ということで、席を立った政党はいませんでした。このような党首も政党も存在しないのに選べと言われても、存在しないものを選ぶことはできません。

 それなのに、「憲法の議論すらしない政党」があたかも存在するかのように強弁しているのは、安倍首相が二つのすり替えとごまかしを行っているからです。改憲問題についても、相変わらずの「隠す、ごまかす、嘘をつく」という3原則が貫かれているということでしょうか。
 一つのすり替えは、憲法論議の場を国会内に限定し、さらにそれを憲法審査会に狭めていることです。憲法論議の場は国会内や憲法審査会だけに限られず、街頭演説やテレビの討論会など沢山ありますが、憲法審査会での議論に参加しなければ「憲法の議論すらしない政党」だというのが安倍首相の言いたいことなのです。
 もう一つのすり替えは、憲法論議の内容を改憲賛成意見だけに限定し、さらにそれを自民党の改憲4項目や9条改憲への賛成に狭めていることです。憲法論議の内容は9条改憲への賛成論だけに限られず、それに反対する議論もありますが、改憲賛成の立場でなければ「憲法の議論すらしない政党」だというのが安倍首相の言いたいことなのです。

 実際には、改憲論を主張する自民党や維新の会以上に、改憲に反対し立憲主義を主張する野党の方が積極的に論陣を張り、9条改憲に反対する3000万人署名をもって国民的な議論を巻き起こしてきました。街頭や各家を回っての署名活動、演説やスタンディング、討論会や学習会などを通じて、草の根での地道な「憲法論議」を巻き起こしてきたからこそ、安倍首相の下での改憲には反対だ、9条を守れと言う声が多数になり世論を変えてきたのではありませんか。
 憲法論議を国会の内外で最も活発に展開してきたのは立憲野党です。自民党改憲4項目を支持する言論活動を行ってきたのは自民党の中でも安倍首相の周辺に限られます。
 安倍首相にしても、これまでの国政選挙では公約に改憲を掲げてあるのに演説ではほとんど触れてきませんでした。2020年改憲志向の表明にしても、国会内での答弁などではなく日本会議関連の改憲団体へのビデオメッセージにすぎなかったではありませんか。

 その安倍首相が今になって突然、憲法論議の是非を争点に押し出してきたのは、自民党改憲4項目にある9条への「自衛隊明記」の評判が悪く、改憲論議の必要性の方が多くの支持を得られると判断したからです。9条改憲の是非を憲法論議の是非にすり替え、9条に自衛隊を書き込むべきか、書き込んではならないかという真の争点を隠し、ごまかすためなのです。
 共同通信社は参院選の立候補予定者を対象に政策アンケートを実施し、6月30日までに269人から回答を得ましたが、9条への自衛隊明記には55.4%が反対し、賛成した30.1%を大幅に上回りました。また、改憲論議の是非については「必要」が62.5%で、「不要」の30.5%の倍以上となり、参院選後に優先すべき政策課題(複数回答)でも最多だったのは社会保障改革の54.6%で、憲法改正は7.1%にとどまっています。
 安倍首相の方針転換の背後には、このような現実があったのです。さし当り、9条改憲を含む改憲そのものより改憲についての議論への賛否を争点にした方が、有権者の支持を得られるという計算が働いたにちがいありません。

 そのために、巧妙なすり替えを行ったというわけです。このようなすり替えやごまかしに騙されてはなりません。
 憲法についての議論の是非は選挙の争点にはならないのです。憲法論議に反対する政党が存在しないのですから。
 真の争点は9条を含む現行憲法を変えるのか否か、特定の立場から自民党改憲4項目を押し付け、9条を無きものとしようと狙っている安倍首相の野望を許すかどうかという点にあります。この真の争点に対する審判をキッパリと下すことによって安倍首相の改憲策動を打ち砕くことこそ、今度の参院選の最大の課題にほかなりません。

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10月11日(水) 来年の参院選で自民党が苦戦する4つの理由 [参院選]

 昨日のブログで、「このような誤算がこれからも続くとすれば、長期政権どころか来年の参院選を乗り切るのも難しいのではないでしょうか」と書きました。「このような誤算」が続かなくても、「来年の参院選を乗り切る」ことは、安倍首相にとってかなり難しい課題だと思われます。
 今のままでも、自民党の苦戦は避けられません。その理由を、とりあえず4点ほど指摘しておきましょう。

 第1は、昨日のブログで指摘したように、自民党役員人事と内閣改造の失敗です。これによって内閣支持率を高め、勢いをつけて臨時国会を乗り切るという「スタートダッシュ」を決められず、国民の不信と自民党関係者の不安を引きずったまま政権運運営を続けなければならなくなりました。
 しかも、安倍首相にとっては最後の任期で先がなく、後継者争いが始まって早晩「死に体(レームダック)」化が避けられません。すでに、禅譲を狙う岸田政調会長が福井で後援会を立ち上げるなどの動きが始まっています。
 改造による政権浮揚に失敗しただけでなく、逆に、失言や暴言、スキャンダルの発覚や答弁の失敗などでいつ「爆発」するかもしれない「地雷」を閣内に敷設するような結果になりました。昨日のブログでも指摘したように、片山さつき地方創生担当相、桜田義孝五輪担当相、平井卓也科学技術担当相、原田義昭環境相などいわくつきの面々が顔をそろえ、当選回数ばかり多くても閣僚として役に立つかどうかわからない初入閣組の「ガラクタ」が7人もいます。大丈夫なのでしょうか。

 第2は、「公明党神話」の崩壊です。これまで自民党は連立相手である公明党、その支持基盤である創価学会に助けられて選挙を闘ってきました。
 しかし、公明党支持者の3割前後がデニー候補に投票した沖縄県知事選挙に見られたように、創価学会に対する締め付けが効かなくなってきています。『週刊ダイヤモンド』編集部の「「最強教団」創価学会の焦燥、進む内部崩壊の実態」というレポートhttps://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181010-00181607-diamond-soci&p=1によれば、「会員の多くは学会の会員であると同時に“池田教”の信者でもある。「絶対平和主義」を掲げた池田氏のかつての言動と、執行部や公明党の方針に齟齬が生じれば、それは会員に「師匠の教えに背く反逆行為」と映る。実は全国各地で今、……幹部から「査問」を受けたり、役職を解かれたりする会員が急増している」といい、池田大作氏の直属の“親衛隊”ともいうべき人材グループで身辺警護や車両の運転に当たる「転輪会」メンバーの男性は、「池田先生がつくった学会は、完全に乗っ取られた。今の学会は宗教法人ではなく、単なる政治集団だ。師匠に反逆する執行部に対し、残されたわれわれ弟子たちが戦わなければならない」と語っているそうです。
 公明党は昨年の総選挙において小選挙区で1人落選させ、比例代表で初めて700万票を下回るなど敗北しました。来年4月の統一地方選挙や参院選を前に安倍首相に追随していると見られれば同様の苦戦は免れませんから改憲問題で距離を取らざるを得ず、自公の選挙協力にも陰りが生じているというわけです。

 第3は、これまでも触れてきた「亥年現象」というジンクスの存在です。12年に一度、統一地方選挙と一緒の年に戦われる参院選挙で、何故か自民党は苦戦するという結果が繰り返されてきました。
 事実、自民党結成後に実施された参院選で、1959年は唯一の例外ですが、71年、83年、95年に自民党は議席を減らしてきました。特に、前回の2007年参院選は第1次安倍政権の下で実施され、自民党の獲得議席は37議席と89年参院選以来の歴史的惨敗となって、60議席と躍進した民主党に初めて参院第1党の座を明け渡しました。
 このときの選挙では自民党と共に公明党も大敗し、神奈川県、埼玉県、愛知県の選挙区で現職議員が落選しています。市民と野党との共闘によってこの07年参院選を再現させることができれば、安倍政権に大打撃を与え安倍首相を政権の座から引きずり下ろすことができるかもしれません。

 第4は、16年参院選の実績です。3年前の参院選では32ある1人区で野党共闘が成立し、11選挙区で勝利することができましたが、これが繰り返されれば与党は3分の2の改憲発議可能な議席を失うことになります。
 この時の成績は、改選121議席のうち自民党が56議席で公明党が14議席と過半数を大きく上回りましたが、改選議席121の57.9%で3分の2を下回りました。自民党は3年前の参院選での当選65を9議席も減らしています。
 来年の参院選でも同じような結果になるとすれば、自民党の議席が減り公明党と合わせた与党全体としても3分の2の改憲発議可能な議席に達せず、この時まで発議できなければ、安倍首相の改憲野望は潰えることになります。前回参院選での野党共闘は2月19日の「5党合意」から始まり、投票日まで2ヵ月もない5月31日に一人区すべてで「1対1の構図」が確立していますから、それよりもずっと早く準備が可能な今回は、さらに強力な野党共闘の力を発揮できるはずです。

 来年7月の参院選まで、まだ10カ月もあります。しかし、もう10カ月しかありません。
 その時間を無駄にしてはなりません。野党間の共闘をどう強め、参院選をどう闘うのか、具体的な協議を始めてもらいたいものです。
 国民民主党を含めて、野党共闘に向けての態勢は整いつつあります。共産党の機関誌『前衛』での座談会や沖縄県の翁長前知事の県民葬での立憲野党代表の勢ぞろいなど、共闘に向けての機運は高まってきています。

 安倍内閣改造の不発と参院選での苦戦の予想が強まる中で、自民党内には来年の参院選で衆院選との「ダブル選挙」を行うべきだという声も出てきているようです。結構じゃ、ありませんか。
 衆参ダブル選挙で一挙に政権交代すれば、手間が省けます。その可能性も視野に入れた準備を、今から始めなけれなりません。

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7月12日(火) 参院選で新たな可能性を切り開いた「野党共闘」の効果と教訓 [参院選]

 今回の参院選では初めてということがいくつかありました。その一つが1人区での「野党共闘」の成立です。
 「果たしてどれほどの効果があるのか」という危惧の声もなかったわけではありません。しかし、実際には予想以上に大きな効果を生み、そこから教訓を汲み取って今後の選挙に生かすことが必要でしょう。

 第1に、議席増の効果がありました。1人区での選挙協力によって、民進党公認15人、共産党公認1人、無所属16人が立候補し、民進党7人、無所属4人が当選しました。
 戦績は11勝21敗での負け越しでしたが、2013年の前回参院選での2勝19敗という惨敗からは大きく盛り返しています。前回との比較で9議席増えたわけですが、このような成果は野党共闘なしには不可能だったしょう。
 とりわけ、福島と沖縄の1人区では現職大臣を落選させることによって安倍政権に一矢報いることができました。その政治的な意味は極めて大きいと言えます。

 第2に、このような共闘の効果は議席増以上に得票の増加によって示されています。共闘によって各政党が獲得している票数の「足し算」以上の効果が上がっていることがはっきりと示されたからです。
 野党4党の比例区での得票合計と選挙区での得票を比べたら、28選挙区で上回っていました。最も多かったのは山形選挙区で、比例区での合計より71%も多くなり無所属共同の舟山候補が当選しています。
 出口調査では、無党派層の8割、自民党支持者の3割の支持があり、公明党支持者も24%が野党共闘の候補者に投票していたと言いますから、共闘の効果は極め大きく1+1=2という「足し算」以上の効果を発揮することが実証されました。

 第3に、投票率も大きく上昇しています。野党4党が統一候補を擁立したため、自民党候補と事実上の一騎打ちとなって有権者の関心が高まったからでしょう。
 合区の2選挙区を除く30選挙区のうち26選挙区で前回より投票率が上昇しました。最も上昇幅が大きかったのは青森で、前回と比べて9ポイントも伸びてまいます。上昇幅が大きい上位10選挙区のうち、静岡を除く9選挙区が1人区でした。
 共闘すれば一騎打ちになるだけでなく、野党側にも勝てるチャンスが生まれ、運動にも力が入り有権者の関心も高まります。接戦になればなるほど相乗効果を生んで投票率を高めるということも、野党共闘の大きなメリットだということが証明されました。

 第4に、このような野党共闘は共闘に加わった各政党にとってもメリットがあったように思われます。民進党は野党共闘の主力となったことによって民主党時代の汚れたイメージを部分的に払拭し、17議席にとどまった3年前よりほぼ倍増して32議席となるなど、反転への手がかりをつかみました。
 野党共闘の推進力となった共産党は、選挙区で議席に関わる選挙に取り組むことができるようになりました。1人区では当選の可能性がないということでカヤの外に置かれ、「独自のたたかい」を強いられてきたこれまでの選挙とは大きく様変わりしています。
 残念ながら比例区で1議席に終わった社民党への恩恵はなかったようですが、生活の党と山本太郎と仲間たちは比例区での1議席獲得に成功し、1人区でも党籍のある候補者を岩手選挙区と新潟選挙区で当選させました。この間、野党共闘を実現するうえで小沢党首は大きな役割を果たしましたが、そのことが評価され功を奏したということでしょう。

 野党共闘は以上にみたような効果を上げました。それを教訓にして更なる前進を図る必要があります。
 そのためには、残った課題を解決しなければなりません。しかし、それは共闘を見直すとか縮小するとかというものではなく、もっと拡大して効果をさらに高めるための課題にほかなりません。
 まず、大阪や兵庫で生じたような共倒れを防ぐために複数区でも野党共闘のあり方を工夫する必要があります。同様に、比例代表でも野党共闘の効果が発揮できるようにすること、鹿児島県知事選挙のように地方選にも野党共闘を拡大していくこと、さらには、来るべき小選挙での勝利を目指して、小選挙区での野党共闘のあり方について今からでも検討を開始することなどが必要でしょう。

 今回の野党共闘の進め方について、それぞれの選挙区での実情を調査して今後の教訓とすることも重要です。たとえば、1人区で唯一、統一候補が共産党公認だった香川では候補者票の方が比例票より15%低くなっていますが、それは民進党が推薦せず自主投票だったためだと思われます。
 このような協力のあり方に問題がなかったのか、事後的な検証が必要でしょう。それによって、勝つためにはどうすべきなのか、どうしてはならないのかを明らかにし、次の選挙に向けての教訓としなければなりません。

 今回の経験によって、新しい政治変革の可能性が開かれました。すぐには大成功ということにはなりませんでしたが、今後の選挙への取り組みに生かされるべき多くの教訓が生まれています。
 その教訓を生かして野党共闘の威力を発揮すべき選挙闘争がただちに訪れようとしています。東京都知事選挙という次なる闘いの場が。
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7月11日(月) 改憲勢力が3分の2を上回った参院選の結果をどう見るか [参院選]

 歴史の曲がり角として注目されていた参院選の投・開票が終了し、結果が出ました。今回の参院選での各党の議席は、以下の通りです。

 自民56、民進32、公明14、共産6、維新7、社民1、生活1、無所属4

 自民党は単独過半数となる57議席に1議席足りない56議席を獲得しました。公明党は14議席を得て、安倍首相が勝敗ラインに設定した与党の改選過半数である61議席を上回り、64議席になりました。
 自民・公明・おおさか維新の3党など改憲勢力の非改選議席は88議席で、参院で憲法改正の発議ができる3分の2(162議席)までには74議席が必要でした。今回の選挙で3党の議席はこれを上回る77議席に達したため、衆参両院で改憲発議が可能になっています。
 参院で27年ぶりに単独過半数を回復することはできませんでしたが、それ以外の目標を安倍首相は達成したことになります。私が注目していた「9年目のジンクス」は不発に終わり、自民党の大敗も首相の辞任も幻にすぎなくなりました。

 このような結果になった理由の一つは、「選挙隠し選挙」とも言うべき自民党の戦術が功を奏したことです。今回の参院選では、選挙についての報道が極めて少なく、選挙が行われていたこと自体、どれだけの国民に知られていたのか疑問に思われるほどです。
 特に、テレビ番組での取り上げ方はひどいものでした。安倍首相が断ったために選挙が公示されてからの党首討論はTBSでの一回しかなく、政策論争は言いっぱなしで深まることはありませんでした。
 選挙への関心も高まらず、2013年参院選から2.09ポイント回復したものの、最終的には54.70%で過去4番目の低さでした。このような投票率の低さは、参院選についてのテレビでの報道などの低調さを反映していると言えるでしょう。

 第2に、「争点隠し選挙」も与党の勝利に貢献しました。安倍首相は選挙前に必ず引き上げると約束していた前言を翻し、「新しい判断」だとして消費増税の先送りを表明しました。
 本来であれば最大の争点になっていたはずの消費再増税の是非という問題を消滅させてしまったわけです。また、改憲についても街頭演説では口を閉ざして争点化を避け、「改憲隠し選挙」を徹底しました。
 アベノミクスを煙幕に使って、国民に評判の悪い争点を「隠す、歪める、嘘をつく」という選挙戦術を駆使したわけですが、しかし、それでも隠し切れなかったところでは自民党が苦杯をなめています。TPPが問われた東北各県の1人区で、秋田を除いて野党共闘が勝利し、原発や震災復興が問われた福島県では現職の岩城光英法務大臣が落選、米軍基地のあり方や新基地建設が問われた沖縄でも現職の島尻安伊子内閣府特命担当相が落選しました。

 第3に、選挙直前の客観的な情勢も与党に有利に働いたように見えます。熊本地震の発生、イギリスのEU離脱をめぐる世界経済の不透明化、バングラデシュでの邦人テロ被害、北朝鮮のミサイル発射や中国の軍事活動など不穏な周辺情勢の推移などは、国民の不安を強めるものでした。
 国際情勢の不安定化の責任は、本来、戦争法の制定によって日米同盟の絆を強めてきた安倍首相自身が負うべきものであったにもかかわらず、ここでも「隠す、歪める、嘘をつく」という選挙戦術が駆使されました。そのために不安感を高めた有権者は事態の背景を理解できず、安心・安全を求めて政権党に対する依存心を強めたのではないでしょうか。
 安定を求めて変化を嫌った結果が、現状の維持を選択することになったと言うわけです。アベノミクスについても、不安定な経済情勢の下で有権者はもう少し様子を見ようという気になったのかもしれません。

 これに対して、野党は32ある1人区で共闘を実現し、改憲勢力の3分の2突破を阻止しようとしました。その結果は、11勝21敗というものです。
 この野党共闘は大きな成果を上げたと評価して良いでしょう。このような共闘がなければ選挙区での接戦は生じず、11の1人区で野党候補が当選することは難しかったでしょうから。
 参院選と同時に実施された鹿児島県知事選で元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓候補が現職の伊藤祐一郎候補を破って初当選しましたが、これは参院選での野党統一候補として県連合事務局長が立候補する代わりに県労連事務局長が県知事選統一候補となった後、川内原発の一時稼働停止などの政策協定を三反園さんと結んで辞退した結果でした。このような形で事実上の野党統一候補となったために三反園さんは当選できたわけで、これからの都知事選や将来の衆院選でも生かされるべき重要な教訓です。

 この選挙の結果、安倍首相は改憲に向けての攻勢を開始するにちがいありません。すでに、憲法審査会での協議を始める意向を明らかにしています。
 いよいよ、憲法をめぐる本格的な対決が始まろうとしています。改憲に反対する野党4党の存在は重要であり、今回の選挙で改選議席を倍増させた共産党の役割はますます大きなものとなるにちがいありません。

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