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12月4日(火)『日刊ゲンダイ』でのコメント [コメント]

 〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*『日刊ゲンダイ』11月20日付巻頭特集「働き方、移民法…詐欺師政権が目論むサラリーマン地獄社会」
 「隠す、ごまかす、嘘をつくが安倍政権の特徴で、議会軽視の改ざん、捏造は朝飯前の感覚です。官邸に人事権を握られ、常に官邸の顔色だけをうかがうヒラメ官僚たちも、新制度導入ありきで突っ走る。しかも“移民法”は『来年4月施行』とお尻を切られているから、なおさらです。捏造常習は意図的で構造的な犯罪行為。起こるべくして起きた確信犯なのです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 前出の五十嵐仁氏は「聞き心地のいい言葉で不都合な真実を覆い隠すのも、この政権の常套手段です」とこう続けた。
 「まず外国人労働者拡大の前に、介護や建設、飲食などキツイ仕事の『労働環境の改善』や『最低賃金の引き上げ』を図るべきです。それなのに、安倍政権は『人手不足』に問題をすり替え、キツイ仕事の低賃金は放置したまま。これでは労働条件は上がらず、外国人労働者との価格競争の激化は必至です」

*12月1日付巻頭特集「防衛費増で財政は火の車 税を巡る“亡国政権”の支離滅裂
 「トランプ大統領の歓心を買うためにアメリカから兵器を大量に買っただけでなく、安倍首相は外遊するたびに現地で経済支援を約束するなど、税金を大盤振る舞いしています。しかし、巨額の借金を抱えている日本に、外国に税金をバラまく余裕はないはずです。そもそも、税金は国民から預かったものです。だから、先進民主国のリーダーは、どうしたら有効に使えるか、神経をとがらせている。しかし、どこまで安倍首相が“税金を使うこと”と“税金を徴収すること”の重みを自覚しているのか疑問です。使うことも、徴収することも、安易に考えているのではないか」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 「税の最大の役割は、所得の再配分です。富裕層から貧困層に富を再配分する。ところが、安倍首相のやろうとしていることは、アベコベです。消費税はただでさえ逆進性が強いのに、ポイント還元は、高い買い物をするほど恩恵が大きくなる金持ち優遇です。そもそも、クレジットカードを作れない貧困層には恩恵がない。恐らく安倍首相は、税の役割が“富の再配分”にあることも知らないのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

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11月14日(水) 『日刊ゲンダイ』11月10日付巻頭特集「入管法改正紛糾 極右の首相が“移民”旗振りのいかがわしさ」へのコメントと若干の補足 [コメント]

 〔以下のコメントは、『日刊ゲンダイ』11月10日付巻頭特集「入管法改正紛糾 極右の首相が“移民”旗振りのいかがわしさ」内に掲載されたものです。〕

 「政府は来年4月から施行させたいと時限を区切り、今国会で必ず成立させる方針です。なぜ、そんなに急ぐ必要があるのか。まずは時間をかけて、外国人労働者の受け入れ体制を整備するべきです。すでに、技能実習生や留学生として来日し、就労している外国人労働者数は128万人に達していますが、その待遇はひどく、毎年、数千人の技能実習生が失踪している。こういう問題を放置したまま、新たな受け入れ制度を設けて、ダブルスタンダードでやっていくのか。制度設計が生煮えのまま、数の力にモノを言わせて強行採決すれば、将来に禍根を残すだけです」(政治学者の五十嵐仁氏)

 昨日から、改正入管法の審議が始まりました。現在、日本にはすでに実習生などとして働いている外国人が128万人おり、その家族などを含めた在留外国人は2倍の256万人に上ります。
 今後、望むと望まないとにかかわらず、これらの在留外国人は増え続けるでしょう。少子化が進んで日本人社会の縮小が避けられず、人手不足も深刻になるなかで現代の「鎖国」は不可能だからです。
 問題は、これらの人々をどのような形で受け入れ、共生していくかという点にあります。この問題を考えるうえで、さし当り以下のような点が重要ではないでしょうか。

 第1に、すでに受け入れてきた技能実習生の賃金や労働条件の改善です。野党による技能実習生を対象にした合同ヒアリングでは低賃金や長時間労働への不満が続出しました。
 この実態解明や待遇改善が、まず優先的になされる必要があります。すでに受け入れている労働者の待遇が貧弱なまま新たに多くの労働者を受け入れれば、問題や不満が拡大するばかりです。
 野党は審議の前提として、すでに就労している実習生や失踪した実習生の実態調査結果を示すよう求めていますが、それは当然の要求です。今回の改正内容が、これまで受け入れてこなかった、いわゆる単純労働者も対象としていますから、なおさら待遇改善に向けての具体的な方策が求められることになります。

 第2に、外国人労働者との共生に向けての制度設計が必要です。外国からやってくる労働者は人間であり、地域社会に居住し生活する構成員となるからです。
 日本で生活するための医療や年金、日本語教育や住環境の整備なども必要になります。入管法をちょっと直して、少し受け入れ枠を拡大するだけだから「移民」ではないと問題を矮小化することで、このような制度設計を回避しようとしてはなりません。
 拙速であってはならないというのは、このような制度設計をきちんと行わないで受け入れてはならないからです。これまでは受け入れ環境の整備を地方自治体やNPO法人などに丸投げしてきましたが、受け入れを大きく拡大する以上、各省庁の対策を総動員して国が責任を負う体制をきちんと整備しなければなりません。

 第3に、ヘイトスピーチやヘイトアクションなどに示されている排外主義の克服です。一方で外国人労働者の受け入れを拡大しながら、他方で「外国人は出ていけ」と叫ぶデモや集会を放置することは許されません。
 多くの外国人を隣人として受け入れ、共に人間とし尊重し助け合うことのできる多文化共生の開かれた社会になっていくことが必要です。そのために、政治がリーダーシップを取らなければなりません。
 ヘイトスピーチやヘイトアクションを取り締まるための法制度の整備だけでなく、排除ではなく共生や多様性を大切にする社会づくりに努力しなければなりません。民族や人種、宗教や文化の違いを尊重し、外国人を敵視したり排斥したりすることのない社会にならなければ、外国の人びとに選ばれる国になることは不可能なのですから。

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11月6日(火) 『日刊ゲンダイ』11月3日付に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』11月3日付巻頭特集「また居直り、スットボケ連発…全員“札付き”内閣の国民愚弄」に掲載されたものです。〕

 「片山大臣は規制改革担当相を兼務しており、安倍首相に直結する加計学園問題にも対応しなければいけません。週刊文春に新たに『消えた献金200万円』疑惑を報じられると、すぐさま政治資金収支報告書を訂正するなど防戦一方で、疑惑はますます深まるばかり。疑惑弁明の対応に追われ、とても本職の地方創生には手が回らないはずです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 前出の五十嵐仁氏が言う。
 「これだけ追及材料に事欠かない閣僚が多いのですから、今後の臨時国会は紛糾必至です。安倍首相も任命責任を問われ続け、閣僚のスキャンダルが続出し、辞任ドミノで内閣崩壊に至った第1次政権に酷似した状況に近づいていく。こんな政権が自衛隊明記の9条改憲の“アベ案”提出で憲法を弄び、庶民に消費増税を押しつけるなんて、もってのほか。安倍首相はレームダック化を避けるため、無理やり背伸びして国内外の“大荷物”を積み込み、求心力を高めたいのでしょうが、新たに元徴用工訴訟の賠償判決で日韓関係に亀裂が生じかねない外交難題も加わり、この政権はオーバーヒート寸前。もはや限界ですよ」

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11月2日(金) 『日刊ゲンダイ』10月31日付に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月31日付巻頭特集「逆回転の官邸主導 安倍政権は臨時国会を乗りきれるのか」に掲載されたものです。〕

 「国会での議論をできるだけ避け、官邸が通したい法案を優先して成立させるという安倍首相の意向をくんだものでしょうが、立法府の役割を何だと思っているのか。猛反発を招くのは当たり前です。それを承知で強気の姿勢に出てきたのは、焦りの裏返しでしょう。会期の短い臨時国会にあれこれ詰め込んで、強行突破でやろうとした。しかし、いきなり腰砕けで、冒頭から国会運営に暗雲が漂っています」(政治学者の五十嵐仁氏)

 「臨時国会は会期も短い。党内にも異論がある改憲案や、外国人労働者受け入れのための入管法改定案をゴリ押しするだけの力が今の安倍官邸にあるのでしょうか。総裁選で圧勝できず、その後の地方選挙でも負けが込んでいることで、求心力の低下は著しい。そんな中で、求心力を高めるために強行突破をしようとすれば、与党内にも反発が広がります。安倍改憲には世論の支持もない。推進力なき船が風雲の中を独り善がりに進もうとしても、難破する可能性が高いと思います」(五十嵐仁氏=前出)


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10月21日(日) 『日刊ゲンダイ』でのコメント [コメント]

 〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*10月18日付寛容特集「やらずブッタクリ 消費増税に庶民の反乱」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
 「国民は『消費増税は社会保障のためだから仕方ない』と思わされてきましたが、これは安倍政権お得意の〝印象操作〟です。消費税は逆進性が強く、庶民から集めた税金が結局、富裕層に逆分配されているのが現実。『全世代型社会保障』にしても、若年層や子供向けの政策を増やす一方で高齢者向け福祉は削減されるわけで、世代間対立を利用したパイの奪い合いです。むしろ『全世代型社会不安』ですよ」

*10月20日付巻頭特集「安倍海造内閣 増税対応と閣僚醜聞で臨時国会は火ダルマ」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。
「世論が最も求める社会保障対策はなおざりにし、増税で国民生活をさらに困窮させ、消費を停滞させ、景気を悪化させようとしているのが安倍政権です。その一方で国民が最も望んでいない改憲に躍起になっている。国民の怒りの炎に対し、平然と油を注いでいるようなものです。野党が増税阻止に向けて一丸となれば、世論はついてくる。安倍政権は臨時国会を乗り切ることすら難しい状況に追い込まれるでしょう」




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10月19日(金) 『日刊ゲンダイ』でのコメント [コメント]

〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*10月16日付巻頭特集「早すぎる「消費増税」表明 1年がかりで国民懐柔の悪だくみ」
 「もし、統一地方選や参院選の直前に消費税増税を決定したら、消費税が一大争点となり、自民党は大敗必至だったはずです。選挙前に“安倍おろし”が勃発した可能性もあった。その危険を回避するために、少しでも統一地方選や参院選と時期を離して消費税増税を決定しようとしたのは間違いないでしょう。かといって、総裁選が終わるまでは口にできなかった。実際、1年前に決定したことで、統一地方選でも参院選でも、消費税は争点にならない可能性が高い。さすがに、この秋の臨時国会では消費税増税の是非が議論になるでしょうが、日本人は新年を迎えると、昨年のことは忘れてしまいますからね。本来、“税”こそ“政治”ですが、このままでは国民は、消費税増税の是非について審判を下すタイミングをそらされる恐れがあります」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

*10月17日付巻頭特集「「消費増税」「小手先対応」何から何までデタラメの極み」
 「消費税を8%に引き上げた時も景気は落ち込みました。何兆円もの購買力を奪うのだから当たり前です。しかも、安倍政権の6年間で実質賃金は下がり、社会保険料の負担増や所得税の控除縮小で可処分所得は減り続けている。家計支出が低下している中で、消費税を上げればどうなるか。庶民生活は破綻してしまいます。どんな対策を講じたところで、小手先対応ではどうにもならない。ただでさえ、世界同時株安などで景気が底割れの懸念もあるのです。今はまだ2020年の東京五輪需要で持っていますが、五輪後の大不況は避けられません。そんな時に消費税を上げるなんて、狂気の沙汰です」(政治学者の五十嵐仁氏)

 「軽減税率と聞くと、税負担が軽くなるように錯覚しそうになりますが、現行8%に据え置くというだけの話で、軽減ではなく“継続税率”です。負担軽減策でも何でもない。生活必需品は非課税にするなら分かりますが、1000円の食料品を買って、支払いが1100円か1080円かの違いしかありません」(五十嵐仁氏=前出)

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10月13日(土) 10月8日 『日刊ゲンダイ』でのコメント [コメント]

 〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*10月11日付巻頭特集「目に余る懇願だけの無策 拉致問題は自国で解決することだ」
 「長期政権の最大の強みは、やはり外交です。1年、2年の短期政権では、なかなか外交の成果は出しづらい。歴代の長期政権も外交実績を残しています。戦後在任期間1位の佐藤栄作は沖縄返還を成し遂げ、2位の吉田茂は講和条約を結び日本を国際社会に復帰させています。4位の小泉純一郎も、訪朝し拉致被害者を帰国させた。9位の田中角栄は、日中国交正常化という難事業を達成しています。ところが、在任期間3位の安倍首相には、これといった外交成果が見当たらない。6年間、なにをしていたのか。外交無策を証明しています」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

*10月13日付巻頭特集「改憲を隠れ蓑に進行 「人生100年」という弱者切り捨て」
 国にすれば年金も医療費も出費が減る一石二鳥だが、庶民はたまらない。75歳まで年金はもらえず、窓口負担も増えれば、オチオチ医者にもかかれなくなる。高額で知られる夢のがん治療薬オプジーボは、まさに「夢のまた夢」の薬となる。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った
 「ただでさえ、安倍政権は社会保障費を散々抑えてきたのに、まだケチるとは恐れ入る。トランプ米大統領に言われるがまま大量の兵器を購入し、防衛費を拡大させる一方で、今年度の社会保障費は自然増分を1300億円もカット。来年度予算は自然増分を従来の5000億円を下回るレベルに抑え込むつもりです。さらに予定通り来年10月には庶民に消費増税を押しつけながら、内部留保を貯め込み大儲けの企業の法人税は引き下げる。豊かな人々を助け、貧しき者からふんだくる。アベコベ政策の数々はデタラメの極みです」

 「全世代型社会保障改革の正体は、全世代型の貧困化です。いくら小泉元首相らに『できっこない』と批判されても、安倍首相が改憲に意欲を燃やしているのも、実は隠れ蓑かもしれません。できもしない改憲を騒ぎ立て、国民の危機感を引き付けているうちに、『本命』の総貧困化による財政支出削減を着々と進めるという目くらましです」(五十嵐仁氏=前出)

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10月8日 『日刊ゲンダイ』でのコメント [コメント]

 〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*10月3日付巻頭特集「沖縄の乱は全国へ 亡国内閣改造で尽きた安倍内閣の命運」
 現地で沖縄県知事選を取材した法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
 「安倍首相が苦戦した“総裁選”と“沖縄県知事選”は、よく似ていると思います。沖縄県民が安倍政権にノーを突きつけたのも、自民党員の45%が石破支持に回ったのも、具体的な政策というより、安倍政治の強権的な手法そのものに反発した結果でしょう。『沖縄の気持ちに寄り添う』と口にしながら、民意を無視して辺野古基地の移設を強行した。総裁選では市議や現職大臣まで恫喝していた。力ずくで批判や不満を封じ込めているのが安倍政治です。逆らう者は脅し、スリ寄る者には褒美を与える。でも、さすがに安倍政治は限界を迎えている。総裁選の苦戦ぶりは、そのことを表している。いずれ“沖縄の乱”は、全国に伝播するはずです」

*10月4日付巻頭特集 「自壊へ一直線 「安倍改造内閣」国民唖然の酷い顔触れ」
 「ここまでヒドい組閣をするのか、と言葉を失いました。沖縄県知事選で突き付けられたアベ強権政治へのNO、総裁選で地方票が示した異議申し立て、モリカケ問題を巡るアベ首相の説明に納得できない7割超の世論はすべて無視。国民に挑戦状を叩きつけた布陣です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 「分かりやすいほどの憲法改正シフトです。盟友の加藤総務会長もそうですが、安倍首相と思想信条が近い下村氏を本部長に据えることで、党内の反発を抑え込み、改憲論議を強引に加速させる思惑がミエミエです」(五十嵐仁氏=前出)

*10月7日付巻頭特集「なぜ庶民は怒らないのか 「死ぬまで働け」という安倍政治」
 労働法制に詳しい法大名誉教授の五十嵐仁氏はこう言った。 
 「過去15年の歴代政権は『100年安心』の年金制度を掲げ、第1次政権時代に安倍首相は『消えた年金』について『最後の1人まで支払う』と約束しました。ところが、第2次政権以降は3党合意の『社会保障と税の一体改革』を棚上げ、消費増税も2度先延ばし。年金財政の逼迫を長年放置した揚げ句、支給開始を遅らせる。その分を雇用延長で民間企業に肩代わりさせるとは、責任放棄も甚だしい。安倍首相は、未来投資会議の関係閣僚に盟友や“茶坊主”を寄せ集め、“やっている感”のアピールに余念がありませんが、ダマされてはいけません」

 「内閣支持率を年代別で見ると、すでに年金を受給している60代以上の“アベ離れ”は進んでいますが、40~50代は依然、支持率が高い。年頃の子どもを抱えて会社人生も長くなった、この世代こそ『死ぬまで働け社会』で最も割を食うのです。この働き盛り世代が、安倍政権にもっと異議を申し立てなければ、いいように痛めつけられるだけです」(五十嵐仁氏=前出)

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9月27日(木) 『日刊ゲンダイ』でのコメント [コメント]

 〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*9月20日付巻頭特集「圧勝予測が一転 安倍首相からどんどん票が逃げている」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
 「今回の総裁選は、5年間のアベ政治を凝縮していると思います。力ずくで批判と不満を封じ込めてきたのが安倍政権です。逆らう者は恫喝して黙らせてきた。安倍周辺はその手法が染みついているのでしょう。だから、自分たちが異常なことをやっていることに気づかない。すべて長期政権のおごりですよ」

*9月22日付巻頭特集 「崩れた圧勝皮算用 安倍3選という「終わりの始まり」」
 「12年に一回、春の統一地方選と、夏の参院選が重なる亥年は、自民党は参院選で大敗するというデータがあります。理由は、集票マシンである地方議員が、自分の選挙が終わった直後なので、積極的に動かないためだといわれています。前回、2007年の参院選の時も、野党に過半数を奪われ、安倍首相は退陣に追い込まれています。しかも、今回、党員票で苦戦したように、地方を中心にアベ政治への不満が渦巻いています。アベノミクスの恩恵もありませんからね。モリカケも忘れていない。総裁選で起こった“地方の反乱”は、参院選敗北の前触れと見ていいと思います」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 「本来、総裁選の争点は『本当にあと3年もアベ政治を続けていいのか』だったはずです。アベノミクスは本当に成功しているのか、安倍外交は本当に成果をあげているのか、一つ一つ、検証するのがジャーナリズムの役割だったはずです。ところが、そうした視点は、ほとんどなかった。選挙日程が短縮されても、異論を唱えなかった。安倍首相が嫌がるからでしょう。大手メディアにまで、忖度が広がっているとしか思えません」(五十嵐仁氏=前出)

*9月23日付巻頭特集 「国民は腰を抜かすほど驚いている 麻生財務相の留任報道」
 「総裁選でモノ申せない国会議員に成り代わり、民意に近い地方党員がモノ申し、安倍1強に不満をぶつけても、安倍首相にはどこ吹く風です。麻生財務相続投の論功人事は国民の批判や政治のスジを通すことよりも、民意無視のお友達優遇政治を3選後も貫くという決意表明。国民への“宣戦布告”です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 「この油断人事がつまずきの元となり、その後、橋本政権は転落の一途。翌年夏の参院選で自民党は大敗を喫し、政権に幕が引かれました。1強に慢心していると、来年夏に参院選を控える安倍政権も同じ道をたどることになりかねません」(五十嵐仁氏=前出)

*9月26日付巻頭特集「強がっても負け惜しみ 安倍政権レームダック化の急加速
 「総裁選の結果は、安倍首相にとって衝撃だったはずです。党員票で<55対45>と石破さんに迫られたのはもちろん、得票が35万にとどまったからです。党員の4割が棄権してしまい、党員票104万のうち3割しか得票できなかった。職域団体などの組織票は、現職総理に入れたはずです。それでも支持はたったの3割。自民党員でもこの数字です。恐らく、一般国民の支持は2割程度でしょう。8割が“反アベ”なのではないか。来年は統一地方選と参院選が行われる。いずれ党内から『安倍首相が選挙の顔では勝てない』という声が噴出するでしょう。“安倍1強”は音を立てて崩れていくはずです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 なお、今日から9月30日まで、東大阪と香川での講演に出かけます。その間、このブログはお休みさせていただきます。
 再開は10月1日以降ということになりますので、ご了承いただければ幸いです。

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9月19日(火) 『日刊ゲンダイ』巻頭特集「相変わらずの口から出まかせ 安倍首相“総裁選”でも嘘八百」でのコメントと若干の補足 [コメント]

 〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』9月19日付の巻頭特集「相変わらずの口から出まかせ 安倍首相“総裁選”でも嘘八百」に掲載されたものです。〕

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
 「アベ政治とはスローガンを掲げ、やっているフリをすること。安倍さんは総裁選でも同じ手法が通じると思っているようですが、残り任期が3年となれば、もはや『道半ば』と言い逃れできないし、これまでの内政、外交の大失敗のツケは必ず自分自身に跳ね返ってくるでしょう。今回の総裁選で、今の自民党は議員一人一人が自らの信念や信条に基づいて発言も行動もできない不自由かつ、民主的でない政党ということがハッキリした。国民から見向きもされなくなるのは時間の問題です」

 安倍首相は何もわざわざ自民党の規約を変えて、3選を目指すことはなかったのではないかと思います。2期6年で後継者に後を任せ、このまま首相の座から去った方が安倍首相にとっても良かったのではないでしょうか。
 破たんが明確になってきているアベノミクスからの出口戦略、漂流を始め孤立の色が濃くなっている外交など、これまで進めてきた政策の失敗の尻拭いを自分でしなければならず、おまけに森友・加計学園疑惑から逃れることもできません。とはいえ、やはり長期政権の魅力と野心には抗しがたかったということなのでしょうか。

 安倍首相が得意とし、政権維持の手段としてきたのは経済と外交でした。その二つの分野で暗雲が漂い始めています。経済では異次元金融緩和策からどのようにして抜け出すのかという頭の痛い問題があるだけでなく、今後、トランプ大統領が仕掛けようとしている「貿易戦争」と先延ばしにしてきた消費税の10%への再引き上げという難題が待ち構えています。
 外交・安保政策では、頼りにしていたトランプ大統領に裏切られ、個人的な関係を強めてきたプーチン大統領には騙され、北朝鮮の金正恩委員長からは相手にされず、韓国の文在寅大統領とは相変わらずギクシャクしたままです。「外交の安倍」だなんて、聞いてあきれます。
 カヤの外で飛び回る一匹の蚊のようになった安倍首相は、中国の習近平主席に助けを求めてすり寄っていますが、それへの極右の反中勢力の反発を抑えるために南シナ海で潜水艦訓練を行うというチグハグぶりです。これまで精力を費やしてきた中国敵視政策と「中国包囲網」づくりによって、安倍首相自身が大きなジレンマに追い込まれてしまいました。

 しかも、来年は統一地方選と参院選が実施される12年に一度の「選挙イヤー」で、安倍首相は選挙の顔としての真価が問われます。秋の臨時国会や来年春の通常国会をうまく乗り切れなければ、途中でお払い箱になる可能性もあります。
 一時、野党でありながら与党の応援団のような動きをしていた国民民主党も、代表選後の新執行部の誕生によって市民と野党との共闘に加わり、安倍政権に対する「超対決路線」を掲げるようになりました。「選挙イヤー」に向けて野党の陣立ても整いつつあります。
 安倍首相は3選されても、暗雲が立ち込め逆風が吹き荒れる海へと船出することになるのではないでしょうか。そんなアブナイ航海への旅立ちを自分から進んで選ぶなんて、気が知れません。

 これから船出する安倍政権が途中で難破するのは一向に構わないのですが、日本という国と国民を道連れにして欲しくはありません。そうならないためにも、一日も早く安倍首相を「船長」の座から引きずり下ろす必要があります。

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