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5月30日(木) 「私益」のために「国益」を売り渡した安倍「幇間外交」のおぞましさ [国際]

 昔は大砲と軍艦による「砲艦外交」でした。今はまるで太鼓持ちのような接待攻勢による「幇間外交」です。
 何と情けなく、おぞましい光景を見せつけられたものか。まるで「へつらう、おもねる、ゴマをする」というのが、安倍「幇間外交」の3原則であるかのようでした。

 トランプ大統領は「ローマの休日」ならぬ「東京の休日」を存分に楽しんで帰ったにちがいありません。安倍首相はまるで旅行の添乗員兼現地ガイドのようでした。
 日本の首相はいつからツァーガイドになったのか、と言いたくなります。それもトランプ大統領を喜ばせ、取り入るための涙ぐましい努力の結果だったのかもしれません。
 そのために大相撲の伝統を踏みにじったり、新天皇を利用したりすることも平気だったようです。元号や天皇、日本の伝統やアメリカの大統領でさえ、自分の利益になると思えば政治利用することをためらわない安倍首相のおぞましさが露呈したということでしょうか。

 しかし、トランプ大統領は「観光旅行」のために日本にやって来たのではありません。新天皇の最初の「国賓」としての来日、桟敷席での大相撲の観戦と大統領賜杯の贈呈などは、いずれも安倍首相の提案だったそうです。
 安倍首相は自らの政権浮揚と支持率のアップ、夏の選挙での勝利という「私益」のために、天皇と大統領を最大限利用しようとしたのです。トランプ大統領は面白くなさそうな顔をして相撲を観戦しながら、じっとこの要請に応えました。
 安倍首相に恩を売って、貸しを作ろうと考えたからです。それは何のためだったのでしょうか。

 その答えは共同記者会見などで明らかにされた貿易問題についての発言に示されています。「7月の選挙までは待つが、8月には良い結果が示されるだろう。アメリカはTPPには参加していないから、それには縛られない」という発言に。
 これは4月と5月の日米首脳会談の舞台裏でなされた「密約」をバラスものでした。隣でトランプ大統領の発言を聞いていた安倍首相はビックリしたことでしょう。
 平気で嘘をつき約束は守らず友情のあるなしには無関係に取引きを迫る、トランプ大統領のような相手を信じて「密約」を交わしたのが間違いなのです。「ここまでやるか」と思わせ、属国としての屈辱感さえ国民に味あわせるようなオベンチャラも、トランプ大統領にはあまり効果がなかったようです。

 すべては選挙のためでした。「7月まで配慮する」というのはダブル選挙になるかもしれない参院選があるからで、「8月には決着させたい」というのはアメリカの大統領選挙で再選を狙っているからです。
 参院選までは農産物輸入関税での妥協はできないというのが安倍首相の側の事情です。それを配慮する代わりにこちらの言い分を聞いてもらいたい、「分かっているだろうな、シンゾー」というのが、トランプ大統領の立場なのです。
 それを首脳間で確認するために、安倍首相の求めに応じてトランプ大統領は日本にやってきたのです。ただの観光旅行に来たわけではないということ、選挙が終わったらTPPの水準を上回るような農産物関税問題での譲歩を引き出すために来たのだということを、自分の支持者である米中西部のラストベルトの農民たちにはっきりさせることがトランプ発言の狙いでした。

 もう一つの狙いは、日米同盟の軍事的なレベルアップだったのではないでしょうか。世界に対しては自衛隊が米軍と一体でその指揮下にあることを見せつけ、日本に対しては集団的自衛権の行使と武器爆買いへの圧力をかけようとしたのです。
 トランプ大統領は安倍首相と共に自衛隊のヘリコプター空母「かが」を視察し、海上自衛隊の隊員とアメリカ軍横須賀基地の米兵合わせて500人を前に訓示しました。安倍首相は「日米同盟は私とトランプ大統領のもとで、これまでになく強固なものとなった」と述べ、トランプ大統領は「日本は今後F35戦闘機を購入することで同盟国の中でも最大規模のF35戦闘機群を持つことになる。この『かが』も、F35を搭載できるように改修され、地域を越えて、両国が直面するさまざまな脅威を抑止することができるようになる」と述べました。
 このトランプ発言も重大です。「地域を越えて」広域で作戦行動を行い「両国の」脅威を抑止することを明らかにしているからです。

 「幇間外交」は「屈辱外交」です。独立国としての誇りも矜持も投げ捨て、ひたすらトランプ大統領のご機嫌を取って喜ばせることに終始しました。
 しかし、過剰な接待は相手をますますつけ上がらせるだけです。選挙勝利による政権安定という「私益」のために、日本の農業を守るという「国益」を売り渡した安倍「幇間外交」のツケは、今後高くつくのではないでしょうか。

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