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2月7日(木) 沖縄県民投票で3択のカラクリをものともせずに「反対」を多数にしてこそ真の勝利だ [沖縄]

 沖縄の辺野古での新基地建設をめぐる県民投票が注目されています。当初「賛成」と「反対」の二つの選択肢でしたが、これに「どちらでもない」という第3の選択肢が加わって、「3択」になりました。
 その結果、実施しないとしていた宜野湾、宮古島、沖縄、うるま、石垣の5つの市も参加することになり、県民すべての投票する権利が守られることになりました。この意味からすれば、「3択」にしたのは全県での投票実施を可能にするための「やむを得ざる譲歩」だったと思いますが、そこには無視できない「カラクリ」も存在しています。

 この問題について、昨日の新聞朝刊に注目すべき記事が出ました。一つは『東京新聞』2月6日付の「こちら特報部」で、見開き2ページにわたって「辺野古『どちらでもない』って?」「沖縄県民投票 3択」「民意伝わらぬ危うさ 『迷い』の受け皿」「多数派任せ 白票と同じ」「勝手な解釈 許さぬ選択を」という見出しが並んでいます。
 この記事では、「どれほど複雑な思いで『どちらでもない』を選んでも第三者にそれは伝わらない」という坂井豊貴慶応大教授の意見や「三択あっても辺野古を移設するか、しないか二つのうちのどちらかの判断しかない」という武田真一郎成蹊大教授の見解が紹介されています。
 また、『毎日新聞』2月6日付の記事は「辺野古『3択』県民投票」「混乱招く?『どちらでもない』」「政策選択になじまない」という見出しで、「政策選択が目的の住民投票には本来なじまない」「全県で実施できるようになったのは一歩前進だが、賛否の傾向がある程度はっきり出なければ、投票結果の解釈を巡って混乱する可能性もある」という松本正生埼玉大教授の懸念を伝えています。県民投票の会の元山仁士郎代表も、「『どちらでもない』が4分の1以上になった場合、結果を尊重しようがない。県民には賛成か反対か、悩みながらでも選んでほしい」と話しています。

 「その通り」と言いたいと思います。3択式は住民の意見集約のあり方としては適切な方法ではありませんが、その譲歩にはメリットとデメリットの二つの面があります。
 メリットは全県での投票が実現し、判断に迷っている人も投票所に足を運ぶことによって投票率が上がるだろうということ、そしてこの問題が大きく取り上げられ注目されたことによって県民投票への関心が高まったことです。投票率を低めて県民投票を無視しようとしてきた安倍政権の意図を忖度した政府寄りの市長や沖縄自民党からすれば、かえって逆効果になってしまったということです。
 しかし、すでに指摘されているように、3択になったデメリットもあります。このデメリットをしっかりと認識したうえで、その「カラクリ」をものともせずに「反対」の意志を明確にして政府に突きつければ、もはや言い逃れできないところまで追い込むことができるにちがいありません。

 実はこの問題について、私も1月28日付のブログ「戦前の「ポスト真実の日本」を取り戻してしまった安倍首相」で次のように書いています。その趣旨は、これまで紹介した新聞記事とほぼ同じものでした。

 <沖縄での県民投票でも、このような「騙しのテクニック」が用いられようとしています。県民投票での選択が「賛成」「反対」の2択から、「どちらでもない」を加えた3択に変えられたからです。
 この変更によって協力を拒んでいた5市が参加することになり、全県での実施が決まりました。それは良かったと思いますし、3択にしたのは全県での投票実施を実現するためのやむを得ざる譲歩だったと思います。
 しかし、新たに加わった「どちらでもない」という選択肢が多数になった場合、県知事は辺野古での基地建設に反対できなくなるかもしれません。「反対」の意見が多数になった時にだけ、デニー知事はこれまでと同様に新基地建設阻止の行動をとり続けることができるからです。

 つまり、新たな選択肢は3つではありません。「賛成」と「どちらでもない」は新基地の建設に反対ではなく、現状を維持または容認するという点で同じだからです。
 ここには選択肢が2つではなく3つであるように見せかけ、反対意見を少数にするためのカラクリが仕込まれているのです。見事な誤魔化しではありませんか。
 投票に当たっては、このようなカラクリや誤魔化しを県民の皆さんにきちんと説明しなければなりません。実際には3択ではなく2択であるということ、「どちらでもない」は第3の選択肢のように見えるけれど事実上は土砂投入の現実を容認し、基地建設への「反対」を止めさせる意味を持っているということを。>

 このような「カラクリ」を県民の皆さんに説明するために、私も沖縄に行って訴えることにしました。2月13~17日に県民投票の成功を支援するために沖縄を訪問します。
 2月16日(土)午前10 時~正午には那覇教育会館3F ホールで「革新懇交流の集い」も開かれます。これに参加して発言する予定ですので、沢山の方にお会いできるのを楽しみにしております。

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2月6日(水) 『しんぶん赤旗』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『しんぶん赤旗』2月4日付の記事「政治考」に掲載されたものです。〕

 「「自衛隊明記」地方自治制約の危険 改憲・大軍拡 強圧答弁」

 安倍首相の発言について政治学者の五十嵐仁法政大学名誉教授は「改憲の狙いの一つが自衛隊の増強、大軍拡を強めるためであると明瞭にしたものだ。自衛隊を正当化して〝市民権〟を確立し募集をスムーズにすると宣言している」と指弾しました。

 「「改憲反対」世論に首相焦り 参院選向け〝決戦〟」

 こうした自民党の動きに対し五十嵐仁法政大名誉教授は「『安倍政権のもとでの改憲』は危ないという世論の強さへの警戒、焦燥感のあらわれだ。このままでは発議しても勝てないし、発議すら危うくなり、草の根から切り返していかないとまずいと思っている。これは3000万人署名運動の威力であり、参院選へ向けて決戦の様相がますます強まっている」と強調します。

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2月1日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*1月12日付巻頭特集「安倍政権で必ず繰り返される「徴用工」問題」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
 「この問題に限りません。自民党は女性蔑視発言が絶えませんし、LGBTへの対応にしても、セクハラにしても、人権を尊重する意識が決定的に欠けています。多様性を認め、人を尊重し、人としての権利を認める。当たり前のことなのに、意見の違う人を徹底的に排除する安倍政権はそういう立場に立てない。異論を認め、共生をめざす人にトップが交代しなければ、韓国との徴用工問題も解決しないでしょう」

*1月24日付巻頭特集「「近隣叩き」という支持率ゲーム」
 「国外に敵をつくって、国民の関心を失政から逸らすのは権力者の常套手段ですが、安倍首相の場合、度を越しています。いまごろ〝してやったり〟とニンマリしているはずです。テレビを筆頭に、狙い通り〝韓国を許すな〟という報道になりましたからね。もし、レーダー照射問題が大きなニュースになっていなかったら、この1ヵ月、安倍政権への批判が噴出していたはずです。なにしろ、年明けから株価は暴落し、厚労省による勤労統計の不正調査も発覚、沖縄県民の民意を踏みにじって暴力的に辺野古の海に土砂を投入している。どれもこれも看過できないものですが、レーダー照射問題が大きくなり、さほど騒がれなかった。内閣支持率もアップしています」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

*1月30日付巻頭特集「統計不正でも反省ゼロ “冒頭演説”でまたアベノミクス自慢」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。
 「安倍政権は、7年目に突入しましたが、目玉政策はすべて看板倒れ。実現が難しくなると看板の掛け替えでゴマカしてきましたが、ついにネタが切れてしまった。今回の施政方針演説はそれを自ら認めたようなものでした」

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