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7月4日(水) 自由と権利を守るために「不断の努力」を行うことは憲法上の義務なのだ [憲法]

 前回のブログで、憲法12条の重要性についてして指摘しました。そして、「自由や権利を守るという点で国民も政治・行政・司法も中立ではなく、それを「保持」するために「不断の努力」を行わなければならず、それは憲法上の義務なのだということを忘れてはならないのではないでしょうか」と書きました。
 国民にとっては自由と権利を守るためにある程度の「迷惑」は耐えるという「努力」が必要であり、行政機関などは自由と権利を守るための活動を保障し、支援しなければならないということになります。とりわけ、憲法99条で憲法尊重擁護義務を負っている天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁判官、公務員などは、憲法12条の趣旨を尊重し擁護しなければなりません。

 ところが、安倍政権の走狗と化している政治家、行政や司法はこのような義務を果たしていないばかりか、自由と権利を無視し奪い破壊する先兵になっています。たとえば、『東京新聞』7月3日付は「『No9』とプリントされたTシャツを着た女性が先月末、参議院の委員会室を傍聴しようとしたところ、入り口で職員に制止された」ことを報じていますが、これは「示威宣伝に当たる衣類の着用を許可しない」という「内規」に違反したからだというのです。
 憲法を守ろうという主張を込めたTシャツの着用を、表現の自由を守るために「不断の努力」を行い憲法を尊重し擁護する義務を負っている公務員が制止したということになります。これは憲法よりも「内規」を優先した憲法違反の対応ではありませんか。
 自由と権利を守るために努力せよとの憲法の要請よりも、9条改憲をめざしている安倍政権の政治姿勢への忖度を優先させたことになります。安倍首相が9条改憲をめざしていなければこのような対応は取られなかったにちがいありません。

 東京都の迷惑防止条例や新宿区が実施しようとしている新たなデモ規制などが、言論・表現の自由を規制するものだとして批判を浴びています。近隣住民にとっての「迷惑行為」を禁止したり防止したりするための措置だとして正当化されていますが、「不断の努力」を求めている憲法12条と、それを尊重し擁護することを義務付けている憲法99条の趣旨からすれば、自由と権利を守るために多少の「迷惑」については国民も甘受するべきだということになるでしょう。
 しかも、何が「迷惑」かは人によって受け取り方は異なり、最終的にそれを判断するのは取り締まりに当たる公務員たる警察官です。「みだりにうろつくこと」や「名誉を害する事項を告げること」などの行為が、条例違反に当たるかどうかを恣意的に判断され罰せられる可能性もあります。
 デモの出発地として使用できる公園を制限しようとする新宿区の規制に対して、自由法曹団東京支部は「デモ行進自体、かかる表現行為を通じて社会にその問題を知らしめ、政治的意思表示を行うことで社会を改善するためのものであり、騒音を理由に規制することは表現行為を禁止するに等しい」と、懸念を表明しています。このような規制は集会・結社・表現の自由を保障した憲法21条違反であるだけでなく、その権利を保持するための「不断の努力」を求めた憲法12条違反になり、公務員に対して尊重擁護義務を定めた憲法99条違反でもあり、三重の憲法違反にほかなりません。

 逆に、憲法で保障されている自由と権利を守るために市民が声を上げたり運動したりするのは、憲法12条が要請する国民としての義務を果たすための当然の行為に過ぎません。政治・司法・行政はこのような国民の努力を鼓舞し、擁護し、推進し、支援しなければならない憲法上の義務を負っているのです。
 憲法9条は平和を守るべきことを、憲法12条は自由と権利を擁護するべきことを、そして憲法99条はこのような規定を尊重し擁護することを、国務大臣、国会議員、裁判官、公務員に義務づけています。安倍首相はじめこれらの人々には、憲法を熟読し自らが負っている憲法上の責務を改めて自覚していただきたいものです。

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