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9月11日(金) 選挙制度のカラクリがなければ「9.11事件」は避けられたかもしれない [選挙]

 前回の更新から5日も間が開いてしまいました。論攷を書いたり、手を入れたりしていたからです。

 この間、『企業と人材』に「心に残る私の1冊」、『産業訓練』に巻頭言、『連合通信』に新政権への注文、『月刊社会民主』にも新政権と社民党への期待と注文を書きました。いずれも、これから刊行される最新号に掲載されると思います。
 まだ刊行されていないものでは、このほかに『職場の人権』と『日本労働研究雑誌』に書いたものがあります。前者は5月に行った講演のテープを起こした論攷で、後者は労働組合運動を特集した号の巻頭言です。
 もし、お目にとまるようでしたら、ご一読いただければ幸いです。

 さて、今日は「9月11日」です。あのワールド・トレードセンターに対する同時テロ事件があった日です。
 この事件を、私はスウェーデンのストックホルムで知りました。ナショナルセンターのLO(労働総同盟)への聞き取りを終えたとき、「ところで、アメリカは大変でしたね」と言われましたが、当初、何のことだか分かりませんでした。
 慌てて外に飛び出し、英字新聞を買って初めて事件の概要を知りました。あれから、8年の月日が経ったことになります。

 このような事件は、もし、大統領がブッシュではなくゴアであったなら起きただろうか、と時々思うことがあります。少なくとも、事件への報復として始められたアフガン攻撃やイラク戦争は、大きく様相を異にしていたのではないでしょうか。
 アメリカの大統領がブッシュではなくゴアであったなら、犠牲となった人々の命は失われず、世界の歴史は変わっていたかもしれません。あの2000年の大統領選挙で、ブッシュさえ大統領に選ばれていなかったなら……。

 実は、この大統領選挙で、ブッシュは選ばれていませんでした。それは、問題になったフロリダ州での手集計のことを指しているのではありません。
 ブッシュ陣営に有利な結果となった手集計の問題があってもなお、アメリカ国民はブッシュではなくゴアを選んでいたのです。なぜなら、ゴア候補が得た最終得票は5099万6116票で、ブッシュ候補の5045万6169票より53万9947票も多かったのですから……。
 普通なら、これでゴア候補が当選していたはずです。しかし、選挙人を選ぶ間接選挙であったために、ブッシュ候補が271人でゴア候補が267人と、たった4人の差でブッシュ当選となってしまったのです。

 これを、制度のカラクリと言わずして、何と言ったらよいのでしょうか。このカラクリのお陰でゴアではなくブッシュが大統領になり、そのブッシュのお陰でアメリカ国民は大きな不幸に見舞われることになりました。
 アメリカの民意は、ブッシュではなくゴアを選んでいたのです。それは、まことに正しい選択でした。
 しかし、選挙制度のカラクリによって、この民意は歪められ、アメリカ国民のみならず全世界に大きな災厄をもたらし、世界史を変えてしまったのです。何ということでしょうか。

 「9.11事件」にしても、その後のアフガン攻撃やイラク戦争も避けられたかもしれません。もし、大統領選挙で示されたアメリカ国民の民意がそのまま生かされ、ブッシュではなくゴアが当選していたなら……。
 歴史に「イフ」は許されないと言います。しかし、選挙制度のカラクリがどれほど大きな災厄と不幸を引き起こすかという教訓として、この「イフ」は十分に考えてみる価値があるのではないでしょうか。

 なお、今月中に、まだ論文を2本、書かなければなりません。9月24日(木)には「アジア記者クラブ」主催の講演も予定されていますので、その準備もあります。
 大学の夏休みは15日までありますが、私にとってはもう終わりです。再び、忙しい毎日が始まります。