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9月1日(火) 水に落ちた犬は打て [自民党]

 苔むした岩の上に鷹が止まっている。これが、総選挙後の自民党の姿ではないでしょうか。

 今回の総選挙の結果で自民党にとって深刻なのは、若手の議員が軒並み落選してしまったことです。前回初当選した83人のうち、今回も再選されたのはわずかに10人にすぎず、新たに当選した新顔はたったの5人です。
 つまり、119人の衆院議員のうち、1年生が5人で2年生が10人の合計15人にすぎないのです。最も多いのは、5回当選の21人、次いで4回当選の18人となっています。
 自民党は中堅とベテラン主体の政党となって、世代交代に失敗しました。その中堅の中には極端なタカ派もおり、ベテラン議員(苔むした岩)と「靖国派」と言われるようなタカ派議員(鷹)の党に変質してしまいました。

 逆に、民主党は若くて新鮮な議員が大量に誕生しています。初当選組は143人に上りますが、特に、若者と女性が多いという点が注目されます。
 今回の総選挙では女性が54人当選して最多となり、当選者に占める割合も11%と、初めて二桁になりました。
 これは民主党が自民党の大物議員の対立候補として女性を積極的に擁立し、40人も当選させた結果です。新議員の平均年齢も全体で0.3歳若返りましたが、このうち民主党は49.4歳と最も若くなっています。

 今回の民主党の大勝は「小沢戦略」の成功だと見られています。私もそう思いますが、しかし、それは若くて魅力的な新人議員の発掘という点にとどまりません。
 第1に、「生活が第一」という方向に民主党の基本路線を転換させ、新自由主義的な政策へのシンパシーを封印したことです。
 第2に、地方の首長選挙での相乗りを禁止するなど、与党との対決姿勢を明確にしたことです。
 第3に、小選挙区での競合を極力避け、他の野党との選挙協力を推進したことです。
 そして第4に、先に指摘したような新人議員の発掘と女性候補の擁立があります。

 代表時代の小沢さんは、福田首相との「大連立」を志向し、それが受け入れられないと代表辞任を表明するなどの失敗もありました。しかし、民主党内の批判と説得を受け入れて方向転換しました。また、西松建設問題によって足をすくわれそうになりましたが、ギリギリの段階で代表を辞任するという選択を行い、民主党を救いました。
 このような小沢さんの決断がなかったなら、今回の民主党の大躍進は実現しなかったにちがいありません。これらの決断もまた「小沢戦略」の一部であり、それが上手くいったがゆえの民主党の成功だったと言えるでしょう。
 今後とも、「生活が第一」の旗を掲げ続け、構造改革によって痛めつけられた国民生活の立て直しに全力を注いでもらいたいものです。これを含めて、自民党政治からの転換をどれだけ実現できるかが、これから問われることになるでしょう。

 次の政治決戦は来年の参院選です。今回の結果を基にした共同通信のシミュレーションによると、改選121議席のうち、民主党は75議席を占め、非改選と合わせて135議席になって過半数を大きく上回るそうです。
 非改選と合わせた党派別の勢力予測では、自民党75議席、公明党15議席となっていますが、これは自公協力がなされた今回の選挙に基づく試算です。次の参院選で選挙協力がなされる可能性は少なく、獲得議席はさらに減るでしょう。

 「朽ちかけた岩」と「鷹」しか残っていない自民党を、さらに追い込むことが必要です。次の参院選で最終的な引導を渡すための「小沢戦略」を、ぜひ編み出していただきたいものです。
 魯迅も書いているではありませんか。「打落水狗」(水に落ちた犬は打て)と……。