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8月13日(火) 自民敗北 原動力は共闘 [論攷]

〔以下のインタビュー記事は、『しんぶん赤旗日曜版』8月11日・18日合併号に掲載されたものです。〕

 参院選の結果をどう見るか―政治学者の五十嵐仁さん(法政大学名誉教授)にききました。

 参院選の結果をマスメディア、とくに「読売」などは「与党勝利」などと報じましたが、自民党は「負けた」と私は思います。
 自民党は改選前より9議席減。比例代表の得票は240万票減です。有権者全体に占める絶対得票率は16・7%。この数字は安倍晋三首相が政権に復帰した2012年以来最低の水準です。
 議席を減らし、得票数を減らし、有権者比の得票率も減らした。三拍子そろっています。これを「敗北」と言わない方がどうかしていますよ。
 自民党は単独過半数割れとなりました。これまでだったら新聞に「自民敗北」という見出しが出てもおかしくありません。
 改憲をめざす安倍首相にとって重大なのは、改憲勢力が発議に必要な「参院の3分の2」を割り込んだことです。これまでならやれたことが、これからはできなくなったのですから。
 安倍首相は参院選で、「憲法を議論する政党か、議論しない政党か」と、これまでになく改憲問題を前面に押し出して演説しました。それへの回答が「3分の2」割れです。〝改憲はだめだ〟という国民の答が出たわけです。
 この結果を生み出した原動力は、市民と野党の共闘です。東北を中心に定数1の10選挙区で野党統一候補が勝利しました。
 3年前の参院選で野党統一候補が勝ったのは11です。その時に勝利した野党統一候補の多くは現職でした。今回はほとんどが新人。決まったのも選挙直前で、圧倒的に不利な中でのたたかいで、改選2議席の5倍です。
 「毎日」(7月6日付)の序盤の情勢分析では、自民優勢21、野党優勢5、接戦6です。接戦6のうち5を野党が制しましたから、終盤にかけて追い付き、追い越したことを示しています。
 とくに、元大臣、元副大臣、元首相補佐官など与党のベテラン議員に競り勝った意義は大きい。この逆転があったからこそ、「3分の2」も崩れたし、自民党の9議席減も起こったのです。
 今回の野党共闘の勝利を「一定の成果」としか評価しないメディアもあります。しかし、私は「画期的成果」「大勝利」といっていいと思います。

 共通政策も前進

 野党が合意した共通政策は今回、幅も数も、作成のプロセスも大きく前進しました。3年前の参院選での野党の共通政策は、政策的には安保法制の廃止だけでした。17年総選挙は7項目。
 今回の共通政策は13項目で、ほぼ倍増しました。「原発ゼロ」や「米軍新基建設の中止」、「10月からの消費税増税中止」、「LGBTsへの差別解消」など国政の重要問題はほぼ入っています。しかも共通政策は市民連合のみなさんが原案をつくり野党間で協議し、合意したものです。
 「本気の共闘」という点でも前回とは大きく変わりました。立憲民主党の枝野幸男代表は、共産党公認候補が野党統一候補となっている福井にも応援に入りました。
 野党統一候補の得票は、32の1人区のうち29で、共闘した野党の比例票の総計を上回りました。共闘効果は実証されています。

 共産党善戦、政治不満示す「れいわ」支持
 希望ある未来の扉開く

 日本共産党は低投票率の中、比例は1議席減らしました。しかし、足りなかったのはあと17万票ほどでもう少しです。複数選挙区では現有3議席を確保する善戦でした。
 安倍政権は、消費税10%増税でも、外交問題でも行き詰っています。れいわ新選組(山本太郎代表)が比例228万票で2議席を獲得したのは、政治の現状に対して不満や批判がいかにうっ積しているかを示しています。
 共産党には今後も野党共闘の推進力として頑張ってもらいたい。政策の方向性は同じですから新党の「れいわ」とも連携を強め、連立政権を実現してほしいと思います。選挙結果は総じて、希望ある未来への扉を開いたのではないでしょうか。

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