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6月24日(月) かつてない逆風の下で参院選を闘うことになった安倍首相 [選挙]

 通常国会は明後日で幕を閉じます。このままだと、7月4日公示、7月24日投開票という日程で、予定通り参院選が実施されることになります。
 すでに投票日まで1カ月を切り、街にはポスターの掲示板も設置されています。いよいよ日本の命運と私たちの生活を大きく左右する「天下分け目の決戦」が始まろうとしています。

 今回の参院選は、安倍首相にとっては5回目の国政選挙ということになります。過去4回の選挙で勝利を重ね、それを大きな武器として「一強」体制を構築してきた首相にとって今回はかなり勝手の違うものになってきました。
 「こんなはずじゃなかった」と、そう思っていることでしょう。これまでの4回の国政選挙とは異なり、数々の誤算が積み重なって大きな逆風に直面しているからです。
 安倍首相としては、新元号「令和」の発表、天皇代替わり、新天皇初の国賓としてのトランプ来日などを最大限利用し、「改元フィーバー」や「奉祝ムード」を盛り上げG20首脳会議でも外交成果を上げて参院選になだれ込む作戦だったと思われます。しかし、この作戦はある時点で齟齬が生じ、「潮目」の変化が生まれました。

 安倍首相の「得意の絶頂期」は5月26日だったと思われます。トランプ大統領と一日中、ゴルフに大相撲観戦、夫妻との炉端焼きでの歓談など「TOKYOの休日」を楽しんだからです。
 しかし、翌27日、思いもかけない誤算が生じました。共同記者会見でトランプ大統領が「8月には素晴らしい発表ができるだろう」と、日米貿易交渉での「密約」をばらしてしまったからです。
 このとき依頼されたとされる安倍首相のイラン訪問でもタンカー襲撃事件が発生して「仲介外交」が失敗し、イランとアメリカの板挟みとなって窮地に陥りました。トランプという信用できない大統領を信じ、その口車に乗ってしまった安倍首相の痛恨の失敗でした。

 国内問題でも、突然の暴風に見舞われます。年金問題に関する金融審査会の市場ワーキンググループ報告書の発表です。中身はこれまで言われてきたこととそれほど変わりませんが、それを2000万円の「赤字」と明確にし、投資による資産形成を前面に打ち出した点が異なっていました。
 これまでごまかしてきた「不都合な真実」が衝撃的な表現で選挙の直前にばらされてしまったわけです。安倍首相は「金融庁は大バカ者だな」と「激怒」して火消しに回り、麻生副総理兼金融担当相は「受け取らない」と口走り、森山国対委員長は「もうないわけですから」と居直りました。
 これらの対応や発言が「火に油を注いだ」形になったのは、皆さんご存知のとおりです。このような過剰な反応を行ったのは、過去の忌まわしい思い出が安倍首相や麻生副総理などの脳裏をかすめたからにちがいありません。

 それは、12年前の第1次安倍政権のときでした。統一地方選挙と同時に実施される参院選には「亥年のジンクス」があり、ただでさえ自民党は苦戦すると言われていますが、この2007年の参院選で自民党はかつてない逆風に見舞われ、歴史的な惨敗を喫しました。
 選挙前の通常国会で「消えた年金」問題や「政治とカネ」をめぐるスキャンダルが次々に発覚し、7月の参院選で自民党は37議席の当選にとどまって民主党に参院第一党を譲ったのです。これによって衆参はネジレ状態となり、9月の臨時国会での所信表明演説後、安倍首相は病気を理由に辞任に追い込まれました。
 後続の福田政権も麻生政権もネジレ状態の下での国会運営に苦慮してわずか1年ずつしか政権を維持できず、当時の麻生首相は解散・総選挙に追い込まれて民主党中心の野党政権が樹立されます。安倍首相は政権を投げ出した張本人、麻生副総理は野党への政権交代をもたらした責任者でしたから、自民党にとってこの2人はいわば「戦犯」なのです。

 この「戦犯コンビ」が、またもや今回の逆風を招き寄せることになったのは歴史の皮肉と言うしかありません。過去の忌まわしい「トラウマ」がこの2人の脳裏によみがえったために、大慌てで過剰な反応を行ってしまったのでしょう。
 しかも、今度の選挙をめぐる誤算と逆風はこれだけではありません。ダブル選挙による不意打ち作戦は不発に終わり、改憲発議は失敗し、消費増税を真正面から掲げて選挙を闘う羽目に陥り、加計学園疑惑と同様の国家戦略特区をめぐる疑惑も再燃し、G20には暗雲が漂っています。
 安倍首相が獲得議席目標について「自民党、公明党の与党で過半数を確保することだ」と発言したのは、このような逆風を意識していたからです。低めの数字を掲げて予防線を張らなければならないほど、「向かい風」は強まっているということでしょうか。

 野党からすれば過去4回の国政選挙とは異なって大きなチャンスが生まれていることになります。市民と野党の共闘も、かつてないほどの発展を見せています。
 このチャンスを生かして与党を過半数割れに追い込み、安倍退陣への道すじをつけることができるかどうか。野党共闘にとっても、その真価が問われることになるでしょう。

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