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1月17日(木) 「消えた給付金」は「消えた年金」と同様に安倍政権を追い詰めることになるのか [国会]

 またもや厚生労働省の失態が明らかになりました。毎月勤労統計(毎勤)の元になる調査が不適切になされ、それを根拠にした失業や労災に伴う給付が少なすぎたというのです。
 その影響を受ける人は2000万人で額は500億円を超えました。追加で支給するための予算措置を取るために、来年度予算の組み換えも必要になります。

 毎勤という基幹統計が正しく行われず、いわばねつ造されていました。裁量労働制に関するデータ、障がい者雇用率についての数字、技能実習生からの聴き取り調査などについても、改ざんやねつ造が相次いでいます。
 国会でのごまかし答弁などによって政治への信頼が地に落ちたのに続いて、統計という施策の下になる客観的な数字が誤っていたことで行政に対する信頼も大きく損なわれる結果になりました。
 このような不正がなぜなされてきたのか、どうして長年の間放置されてきたのか、組織的になされたものなのか、などについての真相の解明はこれからのことになります。閉会中審査も行われるようですが、1月28日に開会されるという通常国会での大きなテーマとなることは確実です。

 こうして、夏の参院選を前にした通常国会で「消えた給付金」についての追及がなされることになれば、思い出されるのは2007年の通常国会です。ここでは「消えた年金」が大きな問題になりました。
 松岡利勝農水大臣の「政治とカネ」の問題や自殺まで起きました。第1次安倍政権の時代で、この時も春に統一地方選挙が実施される「亥年の選挙」でした。
 安倍首相は防戦に終始し、夏の参院選では当選が37議席にとどまって当時の民主党に参院第一党の座を譲るという歴史的な惨敗を喫しました。この大敗が、秋の臨時国会冒頭での健康問題を理由にした安倍辞任の遠因になったと見られています。

 同じようなことが生ずるのでしょうか。年の初めから安倍首相が追い詰められるような事態が続発していることは確かですが、NHKの調査では内閣支持率は4割を維持し、不支持率を上回っています。
 しかし、通常国会での野党の追及次第で、情勢は大きく変わる可能性があります。「消えた給付金」だけでなく、10%への消費増税への不安と不満、沖縄辺野古での新基地建設をめぐる理不尽な対応、北方領土問題をめぐるロシアとの食い違い、朝鮮半島情勢の変化と日韓関係の混迷、好戦的な大軍拡という緊張緩和への逆行など、「突っ込みどころ」は満載です。
 これらの問題で追い詰められれば、ますます右翼的な支持層への依存を強めて改憲を声高に叫ばざるを得なくなり、それがかえって安倍政権への警戒心を高めるという悪循環に陥る可能性もあります。このような形で窮地に陥れば、逃げ込む先は一つしかありません。衆参のダブル選挙です。

 これまでダブル選挙は1980年と86年の2回実施され、いずれも自民党の勝利に終わっています。衆参の選挙が同時に実施されれば、野党間の選挙協力を分断し自民党が有利になるからです。
 安倍首相は年頭の会見で「心の片隅にもない」と言っていますが、「隠す、誤魔化す、嘘をつく」安倍首相のことですから、信用できません。安倍首相の大叔父である佐藤栄作元首相も「心の片隅にもない」と言いながら解散・総選挙を実施し、後で「片隅にではなく真ん中にあった」と言いました。
 これは典型的な「ご飯論法」ですが、このような論法を得意とし駆使してきた安倍首相が佐藤元首相を見習うことは十分に考えられます。衆参ダブル選挙で圧勝し、長期政権と改憲に向けての態勢をリセットし盤石なものにしたいと思っているかもしれません。

 通常国会で野党がどこまで安倍政権を追い詰めることができるかにかかっているでしょう。同時に、分断を狙ってダブル選挙を仕掛けてくるのであれば、共闘によって跳ね返さなければなりません。
 ダブルで勝利を狙う与党に対して、ダブルで敗北させれば手間が省けます。安倍首相を退陣させ、一挙に政権交代を実現する可能性も生まれるのですから。
 そのためにも、何としても野党共闘を実現しなければなりません。分断に対する最大の反撃は手を結ぶことなのですから。

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