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11月30日(金) 職権による憲法審査会の開催強行は安倍首相の焦りの現れだ [国会]

 9条改憲を狙う安倍首相は追い詰められ、焦りを露わにしました。それが如実に示されたのが、職権による衆院憲法審査会の強行開催でした。
 これまで与野党の合意の下で運営されてきた憲法審査会が、「職権」によって一方的に開催されたのは初めてのことです。反発した6野党・会派は態度を硬化させて溝が深まり、今後の運営についての見通しが立たなくなりました。

 安倍首相は臨時国会の開催前から、相当焦っていたのではないでしょうか。総裁選で圧勝するはずが党員票の絶対得票率では34%しか得られず、第4次改造内閣は発足したものの支持率は横ばいか低下し、沖縄の県知事選などで3連敗してしまいましたから。
 誤算に次ぐ誤算です。それでも、改憲への野望と執念をたぎらせた安倍首相は、政治的中立が何よりも求められる実力組織である自衛隊の高級幹部会同や観閲式で改憲を呼号して機運を盛り上げようとし、施政方針演説や国会答弁でも憲法審査会の運営に口出ししたり野党に改正案を示せと挑発したりして、立法府への不当な介入だ、三権分立を蹂躙するなとの批判を浴びました。
 自民党役員の人事では下村博文改憲本部長や新藤義孝衆院憲法審査会筆頭理事という盟友や側近を起用して「改憲シフト」を組み、強行突破に向けての「陣立て」を完成させました。首相の意向を忖度した下村氏は意気込み、自民党小選挙区支部での改憲本部設置の方針を打ち出して草の根からの本格的な改憲攻勢に出ようとしました。

 しかし、このような積極姿勢も人事も意気込みも、全て空回りし逆効果に終わりました。安倍首相が前のめりになればなるほど、国民や野党の腰が引け、警戒感が高まったからです。
 第4次安倍改造内閣が発足して以降の世論調査では、臨時国会での改憲案提示に反対の方が多くなりました。与党の中でも、公明党はもちろん、自民内でも中谷氏や船田氏、伊吹氏など、安倍首相の強硬姿勢に異論を唱える人々がいます。
 安倍氏の盟友で本部長に就任した下村氏でさえ、このような状況に直面して「安倍色の払拭」を口にせざるを得なくなりました。そのうえ、事態の膠着状態にいらだった下村氏は、思わず「職場放棄だ」と野党を批判してしまいました。
 これは野党の大きな反発を生んだだけでなく、自民党内からも批判を浴び、慌てた下村氏は就任予定の衆院憲法審査会の幹事や委員の辞退に追い込まれます。これも、下村氏自身はもとより、安倍首相にとっては大きな誤算だったでしょう。

 それでも、安倍首相は今国会で自民党の改憲4項目を提示し、審議が始まったという体裁をとって来年の通常国会に向けての足掛かりを作っておきたいと考えたにちがいありません。そのためには、何としても憲法審査会を開く必要があります。
 与党だけではないという粉飾を凝らすために、野党の希望の党や未来日本という、わずか2人しかいない「微小政党」や会派に憲法審査会の枠を譲りました。野党が同調しないのであれば、同調する野党を作ればよいというわけです。
 こうして与党だけではないという粉飾を凝らしたうえで強行したのが、昨日の衆院憲法審査会の開催でした。森英介会長の職権で開かれた会議には、自民党の思惑通り、自民・公明党の与党だけでなく、維新の会、希望の党、未来日本(会派)の「野党」も出席しましたが、与野党合意の慣例を破ったと反発する野党6党・会派は欠席し、討議や審査などは行わず、幹事の選任だけで2分足らずで閉会しています。

 自民党の森山国対委員長は「国対の力が及ばなかった」と謝罪したそうです。国対の上の方からの「力」によって勝手に動かされてしまったということでしょうか。
 安倍首相の執念とそれへの忖度によって、強行された審査会だったと思われます。審査会を開いたという実績を残して次への足掛かりを作っておきたいという狙いだったのかもしれません。
 しかし、これも逆効果で、焦りが生み出した大きな誤算となったように見えます。国民投票法の改正をちらつかせて国民民主党を惹きつけ、野党を分断しようという目論見まで潰えてしまったのですから。

 次の定例日である12月6日の審査会も6野党・会派は欠席を決めています。臨時国会での改憲発議の可能性は、憲法審査会の開催を焦った自民党自身の手によって失われたと言って良いでしょう。
 しかし、安倍首相には常識が通用せず、民主的な運営や人の迷惑など顧みない独裁者です。何をやり出すか分かったものではありませんから、これからも十分な警戒が必要です。

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