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10月12日(金) 米中間選挙でのトランプ・共和党の地滑り的大敗の兆候 [国際]

 世界同時株安の発生です。その引き金を引いたニューヨークの株式市場では一時800ドル以上の大暴落となりました。
 11月6日の投票日まで1カ月を切った上下両院の選挙で経済の好調さを誇っていたトランプ大統領にとっては、耳を覆いたくなるような悪いニュースです。それでなくても、この中間選挙で共和党が地滑り的な大敗を喫するかもしれないという兆候が生まれているのですから。

 もともと中間選挙では与党が不利だとされており、今回も下院では共和党の多数が失われると見られていました。しかし、その敗北は予想を超える地滑り的なものになるかもしれないという兆しが生じています。
 多数を維持するとみられてきた上院でも共和党は苦戦しているからです。接戦区とされている選挙区を民主党が制して多数が入れ替わるかもしれません。

 トランプ大統領は2回目の米朝首脳会談の開催について、中間選挙の後にすると発表しました。選挙の直前に華々しい外交ショーを繰り広げた方が大統領や共和党に有利になるはずなのに、どうして選挙戦後にしたのでしょうか。
 その理由は、選挙への取り組みを最優先にしなければならなくなったからです。北朝鮮との首脳会談に手が回らないほど、選挙情勢が危うさを増してきたということではないでしょうか。
 トランプ大統領自身についても暴露本が何冊も出版され、ロシア疑惑、セクハラ疑惑、脱税疑惑と疑惑がてんこ盛りです。追い詰められて選挙応援に駆け回っている大統領に首脳会談を準備する余裕が失われてきたということが、大敗するのではないかという兆候の一つです。

 もう一つの大敗の兆候は、米女性歌手のテイラー・スイフトさんによる民主党候補支持の表明と投票の呼びかけです。日本で言えば安室奈美恵さんが野党支持を表明して投票を呼びかけたようなものですから、トランプさんも慌てたでしょう。
 その効果はてきめんで、スイフトさんがインスタグラムにメッセージを掲載してから24時間で約6万5000人が新たに有権者登録を済ませたそうです。その多くは20代以下の若者で、これは今後もっと増えるでしょう。
 アメリカでは18歳以上の成人でも有権者登録をしなければ投票できません。このような形で新たに登録した若者が共和党ではなく民主党に投票するだろうことは明らかで、銃規制に反対する候補者の落選をよびかけている高校生の運動や民主党内の民主社会主義者への若者の支持の高まり、トランプ大統領の女性差別への反発と女性の立候補者の増加などとともに大いに注目される兆候です。

 さらに、ヘイリー国連大使の突然の辞任も、中間選挙に微妙に影響するかもしれません。この辞任によって、国際社会でアメリカがどのように受け取られ、扱われているかに国民の思いが至る可能性があるからです。
 ヘイリー辞任の理由は明らかにされていませんが、国連でのアメリカの孤立、地位や影響力の低下に嫌気がさしたのかもしれません。今回の辞任で、しばらく前の国連総会での演説でトランプ大統領が冷笑、失笑、嘲笑された光景を思い出しましたが、国連での会議や諸外国の外交官との接触で、ヘイリーさんは日常的にあのような対応に直面してきたのではないでしょうか。
 あの国連総会でのトランプ大統領は一人の喜劇役者にすぎず、かつての大国アメリカの大統領としての威厳は失われ、各国の反応にはひとかけらの敬意も尊敬も感じられませんでした。アメリカ国民からすれば大いにプライドを傷つけられたことでしょうし、国連でアメリカを代表していたヘイリーさんからすれば、なおさらそうだったにちがいありません。

 トランプ大統領の下で、アメリカは傷つき、孤立し、かつての威厳と覇権を失いつつあります。こんなアメリカを黙って見ているわけにはいかないという気持ちが、一人の女性歌手にすぎなかったスイフトさんを揺り動かしたのではないでしょうか。
 アメリカ国民は、自らが選んだ大統領がトランプでもジョーカーだったことに気付き始めたのかもしれません。もし、中間選挙で民主党が大勝するとすれば、勝たせたのはトランプ大統領その人だったということになるでしょう。

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