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12月26日(火) 安倍9条改憲の前にすでに生じているこれだけの実害 [憲法]

 安倍9条改憲は極東の平和と日本の安全にとってプラスになるどころか大きな脅威となり、外交・安全保障の面でも重大な失敗をもたらすことになるでしょう。それは憲法理念を破壊する百害あって一利なしの「壊憲」にほかなりませんが、実行される前にすでに多くの実害が生じています。

 第1に、安全に対する脅威の拡大と国民の不安の増大です。政治の要諦は人々の暮らしを守り、安心して毎日を送ることができるようにすることですが、安倍政権はこの最も重要な責任を果たしていません。
 安保法制の制定に際して、安倍首相は日米同盟の絆が強まれば日本周辺の安全保障環境が改善されると請合いましたが、実態は全く逆になっています。かえって、核・ミサイル実験の回数は増えるなど北朝鮮による反発と日本への敵視が強まり、国民の不安は高まるばかりではありませんか。
 安倍首相は米朝対立の激化を弱めるために説得や仲介の労をとろうとしないばかりか、「対話よりも圧力」を主張して北朝鮮との不和と対立を煽り立てています。今日の『毎日新聞』に、「戦前のような怖さを感じる」として、「安倍さんはできれば戦える自衛隊にしたいのだろう」という田原総一朗さんの言葉が出ていましたが、このような「怖さ」は国民の多くが感じていることではないでしょうか。

 内政面では将来への不安を高め、対外政策では戦争への不安を強めてきたのが安倍政権の5年間でした。このように、国民を安心させるのではなく不安に陥れてきたという点だけでも、安倍首相には為政者としての根本的な資質が欠落していると言わなければなりません。
 しかも、安倍政権の下で米軍との軍事的一体化が進み、在日米軍の訓練や集団的自衛権の行使のための日米合同軍事演習が拡大してきました。今日の『しんぶん赤旗』には、「今年国内で実施された陸上自衛隊と米軍による共同演習は、米軍参加が大幅に拡大し、海兵隊のMV22オスプレイが列島全域を飛行するなど、実戦を想定したものへ激化し……演習の拡大が地域の緊張を一層高めてい」ると指摘しています。
 ここで注目されるのは、航空自衛隊による米戦略爆撃機との共同訓練や海上自衛隊と原子力空母との米艦防護訓練などだけでなく、「陸上自衛隊」と「海兵隊」や「陸軍」との訓練も行われていたことです。演習に参加した主力部隊は「第4海兵連隊に配属された歩兵大隊」であり、それは「アジアでの緊急事態に対応する陸上戦闘部隊司令部」で、実施されたのは「長距離機動展開訓練」だったといいますから、日本に対する着上陸型侵攻への防御ではなく朝鮮半島などのアジア諸国での「陸上」戦闘を想定していることは明らかです。

 第2に、このような米軍と米軍基地の存在は基地周辺の地域、とりわけ沖縄での具体的な被害を生み出してきたという事実です。最近でも、オスプレイやヘリコプターの墜落、保育園や小学校への部品や窓の落下など、大事故に結びつく可能性のある事件が発生しました。
 2016年4月には沖縄県うるま市で元米海兵隊員の軍属が女性を殺害するなど、米軍人や軍属による犯罪も後を絶ちません。このような事件や事故こそ米軍の存在によって発生している現実であり、具体的な実害そのものではありませんか。
 日本共産党の赤嶺衆院議員の要求で防衛省が提出した資料によれば、在日米軍の兵士や軍属らによる事件・事故の総数は、旧日米安保条約が発効した1952年度から2017年9月末までで21万1104件、日本人の死者は1092人に上っています。この数は日米地位協定18条に基づく損害賠償のために防衛省が把握しているものです。

 1952年度以前と本土復帰前の沖縄は含まれず、被害者が損害賠償を請求しなかった事件も多数ありますから、実際にははるかに多いとみられています。在日米軍の存在によってこれだけの被害が生じてきたということを、どれだけの日本人が知っているでしょうか。
 また、地位協定18条に基づいて公務中の事件・事故に対して日本側が支払った賠償額は累計約92億円に上ります。実際の金額はさらに多いと見られていますが、このような費用も、思いやり予算と言われる米軍駐留経費ともに国民の税金から支払われているものです。
 1000人を上回る死者も約100億円に上る費用も、米軍基地がなく米軍が存在していなければ発生しなかったものです。これこそ、日米安保体制によって生み出されている実害そのものではありませんか。

 第3に、この間の安倍政権が進めてきた軍事力の拡大による国民生活の破壊という大きな問題もあります。第2次安倍政権になってから、武器輸出を解禁し、ODAの軍事転用を認め、民間企業の武器輸出の窓口を担う防衛装備庁を発足させ、大学や研究者を軍事研究に動員するために防衛省ひも付きの研究を募集するなど軍事体制づくりが進められてきましたが、そのための財政負担は全て国民に押し付けられてきました。
 安倍政権になってから防衛予算という名前の軍事費は毎年増え続け、買いこまれる装備などの内容も「防衛」にとどまるのかという疑念を強め、周辺諸国の反発と警戒心を高めるものになっています。主な装備では、F35 42機=100億㌦(1兆2000億円)、オスプレイ17機=30億㌦(3600億円)、ホークアイ早期警戒機4機=17億㌦(2040億円)、イージス艦2隻=15億㌦(1800億円)、グローバルホーク3機=12億㌦(1440億円)、KC46Aペガサス3機=5・18億㌦(621億円)などの購入計画が明らかになっています。
 来年度予算案では前年度比1.3%増の5兆1911億円(在日米軍再編関連経費などを含む)が計上され、6年連続の増額で過去最高になりました。地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の設計費(7億円)、戦闘機用の長射程巡航ミサイル導入(22億円)、新型の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の取得に440億円、警戒管制システムを47億円で改修、巡航ミサイルを迎撃できる「SM6」ミサイルの試験弾21億円、新型護衛艦2隻の建造に922億円。最新鋭ステルス戦闘機F35Aを6機(785億円)、輸送機V22オスプレイを4機(393億円)などが主な内容です。

 しかも、大きな問題はこうした米国製兵器購入がFMS(対外有償軍事援助)方式で買わされていることです。これは軍事同盟国に巨額の資金を支払わせて武器を買わせるシステムで、価格も取引条件もすべてアメリカの都合で決まり、その条件をのまない国に武器売却はしない制度なのです。
 予算案は総額が決まっていますから、どこかを増やせばどこかを削らなければなりません。生活保護の支給額から食費や光熱費や母子加算費などを削って3年間で160億円を削減する計画が大きな批判を浴びていますが、211億円のオスプレイを一機減らせば十分に賄える金額ではありませんか。
 こうして国民の生活が脅かされ、生活支援のためのお金が軍事によって食いつぶされていくことになります。北朝鮮はミサイルなど打ち込まなくても、その脅威を煽り立てて安倍首相が軍事費を増やし続けていけば、日本の社会と国民の生活を破壊することができるというわけです。

 来年度予算で設計費が計上されている「イージス・アショア」は完成まで5年かかり、総額は2000億円にも上ります。これからまだ5年間も、このような対立と緊張の関係を続けていくというのでしょうか。
 そのような関係を改善し緊張を緩和することによって、このような軍事対応の費用を節約し、国民の福祉と生活支援に回すことができるような国際環境を作らなければなりません。それが憲法9条の指し示す道であり、最優先で取り組まなければならない課題でしょう。
 それとは逆に、安倍9条改憲は周辺諸国にとって大きな脅威となり、誤ったメッセージを発して極東の平和と日本の安全を危機に陥れることになります。そのような選択が実行される前にも、すでに多くの実害が現に生じていることを改めて直視することが必要になっているのではないでしょうか。

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