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12月25日(月) 急速に進みつつある国際社会における日本の地位の低下 [国際]

 間もなく激動の2017年も暮れようとしています。アメリカのトランプ大統領とそれに追随する安倍首相の暴走によって、世界と日本が大混乱に陥った1年でした。
 その中でも目立ったのは国際社会における日本の地位の低下です。これは安倍政権の下で急速に進みつつありますが、日米同盟の強化をめざしてアメリカへの隷属状態を深めてきたことの当然の結果でした。

 これには二つの面があります。一つは安倍・トランプ関係の親密さから生じてきている悪影響であり、もう一つは唯一の核被爆国でありながら核廃絶の動き背を向けてきたことによる国際的な地位の低下です。
 トランプ米大統領は地球温暖化防止のための「パリ協定」からの離脱を宣言し、10月にユネスコ脱退を表明したばかりか12月には「エルサレムをイスラエルの首都と認める」と宣言しました。このエルサレム首都化を支持したのは世界でイスラエルただ1国にすぎず、16億人のイスラム教徒を敵に回し国連臨時総会では128ヵ国が反対決議に賛成しています。
 この決議には、日本も賛成に回りました。中東の原油に依存している日本は、アラブ諸国を敵に回すわけにはいかなかったからです。

 この決議案が提出されたとき、トランプ大統領は賛成すれば援助を打ちきると述べて国威社会を恫喝しました。札束でほっぺたをひっぱたくような脅しをかけて決議案を葬り去ろうとしたことも、トランプ政権への国際社会の反感を強めています。
 このようなトランプ大統領の一連の言動によって、アメリカは世界から孤立して影響力を低下させ、覇権を失いつつあります。第2次世界大戦後に確立してきた国際秩序の創造者・維持者としての立場から国際秩序の破壊者になってしまったからです。
 これは「アメリカファースト」というトランプ大統領の哲学からすれば、当然の結果だったと言うべきでしょう。こうして、アメリカがこれまで国際社会で築いてきた威信や信用、影響力などの「ソフトパワー」が失われ、国際的な地位を急速に低下させています。

 この孤立し落ち目になっているトランプ大統領と手に手を取り、同じような外交的影響力の低下に直面しているのが日本の安倍首相です。安倍首相はトランプ大統領と最も親しく強い関係を持っていると見られ、安倍首相自身はその良好な関係と親密さを誇っていますが、それは国際社会における日本の強みではなく弱みになっているのではないでしょうか。
 トランプ大統領の訪日に際して一緒にゴルフに興じたことも、「こんな時に、一体何をやっているのか」と国際社会の顰蹙を買ったにちがいありません。この時、バンカーに球を打ち込んだ安倍首相は、さっさと歩き始めたトランプ大統領を追いかけようとして、その最上部でバランスを崩して転び一回転してしまいましたが、これこそ安倍政権の姿を象徴するものでした。
 この映像はたまたま上空を飛行していたテレビ東京のヘリコプターから撮影され、それを入手したイギリスのBBCによって世界中に配信されました。慌ててアメリカに追従する日本の姿として、嘲笑の的になってしまったというわけです。

 もう一つの核兵器禁止条約への不参加は、より一層、国際社会での日本の立場を弱めるものでした。戦争で核兵器の被害を受け、その悲惨で残酷な現実をどの国よりも良く知る唯一の被爆国である日本こそが、このような条約の発効に向けてイニシアチブを発揮するべき国際的な責務を負っていると考えられているからです。
 国連総会は7月に人類史上初めて核兵器の使用や威嚇などを違法化した核兵器禁止条約を採択しました。12月にはこの採択を歓迎する一連の決議案を賛成多数で採択しています。
 全加盟国に条約への早期署名・批准を求めた決議案「多国間核軍縮交渉の前進」は賛成125、反対39、棄権14となりました。日本が背を向けていたにもかかわらず、122カ国の賛成多数で採択された7月の条約交渉会議の時点から賛成国が3カ国増えており、この条約の方向こそが国際世論になりつつあることが示されました。

 日本政府はこの決議にも7月の核兵器禁止条約にも反対しました。それはアメリカの「核の傘」の下にあるからです。この条約の制定に貢献した国際NGOネットワーク「ICAN」はノーベル平和賞を受賞しましたが、これについても日本政府は冷淡な対応を示し、被爆者の失望を買いました。
 他方で、日本政府は国連総会第1委員会(軍縮)に核兵器全廃を目指す決議案を提出しています。この決議案は、日本が1994年から毎年提出し、採択されてきたものです。
 しかし、これに対しては核兵器禁止条約に触れておらず、核廃絶に関する文言も弱まっていました。例えば、「核兵器のあらゆる使用」が壊滅的な人道上の結末をもたらすと明記していた昨年の文言から「あらゆる」が削除され、「核兵器のない世界を『達成するための』決意を再確認する」という文言が「核兵器のない世界に『向けた』決意」という表現に変わっています。

 核軍縮に向けて活動するNGOの関係者からは「日本は米国の圧力に屈して核廃絶への訴えを弱めたとしか思えない」として「日本は核保有国と非核保有国の橋渡しをしたいと言っていたが、米国側に立ってその橋を焼き払っているようにみえる」と非難される始末です。昨年12月の国連総会に提出された条約は加盟193カ国中、167カ国が賛成していましたが、今年の条約については賛成156、反対4、棄権24となっており、昨年から賛成が11票減り、棄権が8票増えました。
 このように、この間、核兵器の禁止や廃絶に向けての訴えや動きハ弱まってきており、国際社会の支持も失ってきています。そればかりか、かえって「核の傘」への依存を強めてきているのが現状です。
 その格好の口実として利用されているのが、北朝鮮の核・ミサイル開発による緊張感が高まりです。安倍首相は「対話よりも圧力だ」と言って朝鮮半島危機を煽り、国民の不安感を高め、それを「核の傘」への依存と軍事力の増強に利用してきました。

 例えば、2017年8月には核搭載可能な戦略爆撃機B52が飛来して日本海上空での空自戦闘機との共同訓練を行い、10月末の航空機観閲式では核兵器を搭載できる米戦略爆撃機B2の参加が検討されています。北朝鮮の核開発に対して、一方で「朝鮮半島の非核化」を主張しながら、他方では「核の傘」に依存し、核搭載の戦略爆撃機の飛来や自衛隊との共同訓練に道を開いているのです。
 自らはアメリカの核に頼りながら北朝鮮には「核に頼るな」と言っているようなものです。このようなダブルスタンダードによって日本の国際的信用はがた落ちになっているということが、安倍首相には分かっているのでしょうか。

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