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8月13日(土) 新しい情勢で注目すること~革新懇運動にもふれて [論攷]

〔以下の論攷は、『全国革新懇ニュース』第381号、2016年7・8月合併号、に掲載されたものです。〕

 「改憲勢力3分の2超す」「自公改選過半数」という見出しが躍っていました。参院選投票日翌日の朝刊です。
 確かに、自民党と公明党の与党におおさか維新の会となどを加えた「改憲勢力」は参院の3分の2を越えました。しかし、その中身はバラバラで、憲法のどこを変えるかについても一致していません。「加憲」を唱える公明党は与党ですが「改憲勢力ではない」と弁解しています。改憲に向けての動きが急発進するという状況にはありません。
 それに、与党は安倍首相が目標として掲げていた61議席を越えましたが、この目標自体が低いものでした。自民党は56議席で単独過半数の回復に1議席足りず、与党も合計で70議席になりましたが、3年前の前回2013年参院選と比べれば6議席減となっています。万全の勝利というわけではありません。

 市民と野党共闘の力が証明された

 どうして、こうなったのでしょうか。それは、「2016年安保闘争」によって育まれた市民と野党との共同のたたかいが参院選にも引き継がれたからです。国会前の集会で自然に沸き上がった「野党は共同」という声に背中を押され、全国32ある1人区で野党が統一候補を擁立しました。
 その結果、11選挙区で野党候補が当選しています。3年前には2勝にすぎませんでしたから大きな前進です。このため、自民党は選挙区で10議席減となり、比例区で1議席増やしたものの9議席減らす結果になりました。
 野党共闘で議席が増えただけではありません。当選にはいたらなくても得票増となり、1+1=2という「足し算」以上の効果を発揮しています。無党派層の8割、自民党支持者の3割、公明党支持者の24%が野党統一候補に投票したという出口調査もあります。その結果、28の1人区で各党の比例代表での得票合計を上回りました
 市民と野党が統一候補を立て一騎打ちになって有権者の関心が高まったため、投票率も上がりました。26の1人区で前回よりもアップしています。
 共闘に加わった各政党にも大きな成果がありました。民進党は3年前の前回民主党時代の17議席をほぼ倍増させ、32議席を獲得しています。共産党も改選議席3を6議席に倍増させ、比例代表では601万票と1998年の820万票に次ぐ2番目の得票になりました。
 社民党は改選2議席を守れませんでしたが、比例代表の得票を28万票増やして3年前の1議席を維持しました。生活の党と山本太郎と仲間たちは比例代表で12万票増となって1議席を獲得し、岩手と新潟では党籍のある候補が当選しています。

 改憲阻止を掲げて共闘を発展させよう

 急速に進む状況にないとはいえ、いつでも改憲発議可能な「危険水域」に入ったことは間違いありません。改憲を悲願としている安倍首相は、虎視眈々とチャンスを狙っていることでしょう。少しでも隙を見せれば、すかさず攻勢をかけてくることは目に見えています。
 このような企みを阻むだけでなく、安保法制(戦争法)を廃止できるような新しい政府の樹立に向けての取り組みを継続しなければなりません。そのために市民と野党との共同の発展を意識的に追求することが必要であり、これこそ革新統一戦線結成につながる新たな希望にほかなりません。
 ともに選挙を闘うことで思わぬ人と知り合い親しくなるということもあったでしょう。こうして培われたつながりや信頼関係を大切にし、今後の共同の発展に生かしていくことが必要です。
 また、野党共同で国会に提出した法案や選挙に当たっての協定などを基礎に政策合意の幅を広げ、安保・自衛隊・税制・エネルギーなどの基本政策に関する一致を追求していくことも重要です。これは将来の連合政権を展望した準備作業でもあります。そしてそのためにも、大衆運動の分野で個々の政策課題についての日常的な取り組みを強め、一点共闘を発展させなければなりません。
 まさに、革新懇運動の出番の時代が訪れたということになります。それぞれの地域や選挙区において参院選での野党共闘の実情を検証して教訓を明らかにし、今後の首長選挙や衆院補欠選挙、解散・総選挙などでの野党共闘の実現と勝利に向けて、今から準備しておくことが必要です。
 参院選での野党共闘は初めて取り組まれたものですが、最初のチャレンジにしては大きな成果を上げ、「こうすれば勝てる」という確信と展望を示すものとなりました。共同と統一の力こそ政治を変えるカギなのだということが実証されたわけです。安倍首相に対抗して、「この道を、力強く、前へ」進めていこうではありませんか。

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