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6月30日(木) 現代の多様な社会運動の意味(その1) [論攷]

〔以下の論攷は、『学習の友』2016年7月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 はじめに

 「勝手に決めるな」「民主主義とは何だ」「これだ」
 国会正門前の路上にあふれた人々が大きな声をあげていました。安保法制(戦争法)反対運動で、普通に見られた光景です。このようなコールや異議申し立てこそ、社会運動の姿にほかなりません。
 このような運動は国会正門前だけでなく全国の津々浦々で、老若男女を問わず多種多様な問題を掲げて、いろいろな形で取り組まれてきました。なぜ、人々はこのようにして声を上げ、要求を訴えるのでしょうか。政治に対して異議を表明するのでしょうか。
 現代の社会においては、様々な運動が展開されています。それは政治が多くの問題を抱えていることの現れですが、同時に社会が健全であることの証明でもあります。どうしてそう言えるのでしょうか。その背景と意味について考えてみることにしましょう。

1、社会運動とは何か

 エクササイズとムーブメント

 運動とは何でしょうか。モノが変化すること、空間的な位置を変えること、人が動くことです。動くことによって変化が生ずる、あるいは変化を生じさせるために動くこと。これが運動です。
 人々が個人の健康維持や増進を求めて動くのも運動です。これは英語で言えば、エクササイズに当たります。動くことによって、自らの肉体に変化を生じさせることをめざしています。
 人々が社会の健康維持や増進を求めて動くのも運動です。これはムーブメントでしょう。動くことによって、社会のあり方に変化を生じさせることをめざしているからです。
 この両者の目的は共通しています。それは、個人や社会の健全なあり方を維持する、より健康にする、あるいは悪いところを直すことにあります。そのために声を発し、立ち上がって一歩を踏み出すところから、運動は始まります。

 目標と主体

 社会運動は一定の目標を達成するために実施される集団的な行動です。その目標は、何かを実現するための促進的なものであったり、何かに反対するための阻止的なものであったりします。目標とされるテーマは様々ですが、大きくは具体的な利益と抽象的な理念に分かれます。待機児童の解消や最低賃金の引き上げを求める運動は前者であり、報道の自由を守る運動や戦争法に反対する平和運動は後者だと言えるでしょう。
 運動を担う主体は様々で、構成員によって運動の目標や性格も異なります。労働者階級を主体とする労働運動も社会運動の構成部分ですが、ストライキという強力な闘争手段を持ち搾取や抑圧の一掃を目指している点で、他の運動とは異なっています。青年運動や学生運動、女性運動、高齢者運動などは特定の階層によって担われるものです。
 このほか、様々な階級や階層が含まれる市民運動や住民運動などもあります。市民運動は居住している地域に関わりなく抽象的な理念に基づく運動に取り組み、住民運動の方は居住している地域での具体的な利害の実現を目標にしている場合が多いと言えるでしょう。
 このような多様な社会運動は政治の民主的変革と結びつかなければ根本的には解決しません。多様な社会運動が労働運動と結びついてこそ、新たな社会変革の可能性が切り開かれることになります。

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