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7月30日(木) 来年の参院選が楽しみだ [選挙]

 1年先の話ですから、鬼に笑われるかもしれません。来年の7月にある参院選です。
 この選挙でどのような結果が出るか、今から楽しみです。少し前までは、この参院選で与党が3分の2以上の議席を獲得することを阻まなければならないと訴えていましたが、今では大きく様変わりしました。
 もはや、与党が躍進するなどと危機感を抱く人はいないでしょう。このような変化をもたらした最大の「功労者」は安倍首相その人です。

 第1に、選挙区の定数が変わりました。参院選の「1票の格差」を是正する公職選挙法改正案が成立しましたが、最後まで難航したのは自民党が抵抗したからです。
 郡部に強く都市部に弱い自民党は、なるべく合区を少なくして都市部の選挙区の定数を増やしたくありませんでした。そのために、今回の定数是正は当面の微調整にすぎず、抜本的な改革にはなりませんでした。
 それでも、結果的には自民党にとって不利に、他の政党にとっては有利な形で選挙区の再編がなされました。この過程で連立与党の公明党との間にヒビが入ったことも注目されます。

 第2に、選挙権が拡大され、18歳以上となりました。すでに1993年刊行の拙著『一目で分かる小選挙区比例代表並立制』(労働旬報社)で、18歳選挙権を主張していた私としては、大いに歓迎すべき改革です。
 しかし、自民党はずっとこのような選挙権年齢の引き下げに反対してきました。最近になってこれを受け入れたのには理由があります。
 その一つは、選挙権年齢を18歳以上とした改正国民投票法を成立させるための譲歩であり、もう一つは、新たに選挙権を得た若者が投票先として自民党を選ぶかもしれないという期待を持ったためです。ネット空間で目立ち始めていた右翼的言説をまき散らす「ネトウヨ」に幻惑されたからです。

 第3に、国民の政治的覚醒が格段に高まりました。この間の原発再稼働反対、特定秘密保護法反対、「戦争法案」反対などの運動によって「デモの復権」が生じ、政治の現実に対する認識が深まり、安倍政権の暴走への危機感が広く国民に共有されるようになっています。
 とりわけ、若者や女性における政治的な覚醒は目覚ましく、自民党が期待を寄せた「ネトウヨ」に代わって「ネトサヨ」(ネット空間での左翼的言説の拡散)が目立ってきています。新たに選挙権を得た18~19歳の若者が必ずしも右翼的ではなく、自民党に入れるとは限らないような状況が生まれました。
 来年の参院選では、「SEALDS」などに加わって集会やデモに参加した若者が大挙して投票所に向かう光景が見られるかもしれません。このような若者をはじめとして、雪のように積み重なった安倍政権に対する怒りや憤懣が大雪崩を起こし、巨大な政治変動を生ずる可能性が生まれています。

 第4に、政党支持構造の地殻変動が始まり、政党支持率にも変化が生じました。世論調査では、内閣支持率の急落と不支持率との逆転が生じて注目されたことはご存知の通りです。
 同時に、政党支持率にも、大きな変化が生まれました。これが顕著に示されているのは共同通信の調査ですが、この間、「戦争法案」推進の姿勢を取って来た自民党(31.9%)、公明党(2.9%)、維新の党(3.6%)の支持率が低下し、反対してきた民主党(11.2%)、共産党(7.3%)、社民党(2.1%)の支持率が増えています。
 内閣支持率が30%を割り、自民党支持率よりも低くなって、両者の合計が5割を切れば、危険信号が点滅すると言われています。このような状況になって安倍政権が倒れるのか、現在の政党支持率の傾向が維持されたまま参院選に雪崩れこんでいくのか。今後の推移が注目されます。

 第5に、この間の「戦争法案」反対運動の中で野党間の連携が強まりました。民主党が政府批判の立場を明確にし、共産党や社民党、生活の党などと同席する機会も多くなっています。
 地域や地方議会のレベルでは、さらに新社会党や生活クラブなど、多くの政党・政派による共同が実現しています。このような経験を生かして、参院選の1人区などでの選挙協力の可能性が出てきました。
 この点では、沖縄での衆院選小選挙区の経験に学ぶことが必要でしょう。この間の運動によって培われた経験や信頼関係を、ぜひ来年の参院選での取り組みに活かしていただきたいものです。

 以上に見たような変化や可能性は、安倍政権の暴走をストップさせようとする運動の中から生まれてきたものです。この点で、安倍首相が果たした役割は巨大なものでした。
 「歴史に名を残したい」というのであれば、この辺で手を引くのが一番でしょう。集団的自衛権の行使容認のための「戦争法案」を成立させても、歴史に残るのは平和憲法を破壊したという汚名だけですから……。
 それよりも、ここで断念した方がずっと「歴史に名を残す」ことになるでしょう。国民に対する巨大な政治教育を行い、若者の政治的覚醒をもたらし、憲法と立憲主義への認識を高め、護憲勢力を増やすために大いに「貢献」したという点で……。

 これらの変化は、来年の参院選で与党に不利に、野党に有利に働くにちがいありません。安倍政権の暴走を阻止し、政権打倒にまで追い込んでいく運動が、とりもなおさず参院選に向けての準備になっている、それも野党勝利に向けての準備に、という関係が強まっているのではないでしょうか。
 というわけで、来年の参院選が楽しみです。

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