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11月11日(月) 米国務長官と国防長官がそろって千鳥ヶ淵戦没者墓苑で献花したことの意味 [国際]

 『毎日新聞』11月9日付に注目すべき記事が出ていました。「保阪正康の昭和史のかたち」という連載で、「[米2閣僚の千鳥ヶ淵墓苑献花]安倍史観に強い怒り」という見だしで書かれたものです。

 この記事は「10月3日午前にジョン・ケリー米国務長官とチャック・ヘーゲル国防長官が連れ添って、東京・千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、献花、黙祷を捧げたこと」を取り上げ、それについて「アメリカ政府は、安倍晋三首相の歴史観に強い怒りを示しているなということがわかった」と指摘しています。それは、かつて保坂さんが靖国神社についての調査のためにアメリカの国務省調査スタッフの訪問を受けた経験があったからです。
 詳しくは、この記事をご覧になっていただきたいと思いますが、そこにはいくつかの注目すべき点があります。

 第1に、安倍首相の歴史認識や靖国問題に怒っているのは韓国や中国だけではないということです。保阪さんは、アメリカ国内、それも「共和党の保守派」が「不信感を持」ち、「保守派の怒りを買っ」ていると書いています。
 第2に、アメリカが靖国神社に対する認識を問題にするようになったのは、「もう10年ほど前」からのことだったということです。それほど以前からアメリカは靖国問題について関心をもっていたわけであり、安倍首相の歴史認識や靖国問題にたいする怒りは、民主・共和の両党に共通するものだということです。
 そして第3に、このような怒りや不信感は靖国神社に対する対応だけにとどまらず、安倍首相の歴史観全体に対して向けられているということです。安倍首相に対するオバマ大統領による冷たい対応は、アメリカ政府と国民の怒りや不信感を反映したものでした。

 この記事で指摘されているように、安倍首相の歴史観の根底には、「第2次大戦の根幹(アメリカにとっての民主主義を守る闘い)に対する挑戦の意味」が含まれています。それは、「自由主義史観」に立つ「歴史修正主義」の基本的立場でもあります。
 そして、安倍首相は戦後の体制がアメリカによって押し付けられたものと考え、そのような体制の転換(戦後レジームからの脱却)を図ろうとしています。現行憲法を変えて「戦争できる普通の国」になろうとすることは、その中心的な課題に位置づけられています。
 アメリカは安倍首相の歴史観に、このような「反米」の臭いをかいでいるということでしょう。それに対して怒り不信感を強めているという保阪さんの指摘は、今日の日米関係を考えるうえで極めて重要な指摘です。

 しかし、もう一つの面も見ておく必要があります。安倍首相の「反米」は決して日本の対米自立をもたらさず、それを悟られまいとして、かえって過度で卑屈な「従米」姿勢を強めてしまうということです。
 この点では、安倍首相は祖父の岸元首相と同様の過ちを犯すことになるでしょう。岸元首相は旧日米安保条約の「片務」的性格を是正するために条約の改定を強行し、かえって日米軍事同盟体制の強化と対米従属を強めることになってしまったのですから……。

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