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1月9日(土) 薬のネット販売全面解禁の危うさを示した楽天市場での不当表示 [規制緩和]

 政府の産業競争力会議のメンバーである楽天の三木谷浩史会長兼社長は6日に記者会見し、医薬品のインターネット販売に関して一部規制が残ったまま立法化されれば、同会議の民間議員を辞任すると表明しました。政府が成長戦略の一環として行う医薬品のネット販売解禁で一部規制を残したことに抗議し、全面解禁を求めての辞任表明です。

 そのようなときに表面化したのが、インターネットショッピングモールの「楽天市場」で開催されたプロ野球・楽天の日本一記念セールで不当表示があったとされる問題です。楽天は7日、二十数店舗の約1000点の商品で割引率を大きく見せるような不適切な表示があった可能性があると発表しました。
 セールは「日本一大セール」と銘打って、3日夜から7日午前2時まで行われたものです。星野仙一監督の背番号にちなんだ「77%割引」が目玉商品でした。
 ところが、一部の店は、「シュークリーム10個で通常1万2000円の商品を、77%割引の2600円で販売」とうたって販売していたといいます。7日の決算会見で、三木谷浩史社長兼会長は「勝手なセールをした店舗があり、現在調査している」と述べたそうです。

 こうなると、大きな疑問が浮かんできます。このような不当表示は、薬のインターネット販売でも生ずる心配はないのか、と……。
 全面解禁されれば、副作用が強かったり、使い方に注意が必要だったりする薬も、「自己責任」で購入しなければなりません。それについての説明が不十分だったり、虚偽の説明がなされたり、はては偽薬が販売されたりするようなことはないのでしょうか。
 その結果、薬害が生じたりした場合、一体、誰が責任を取るのでしょうか。全面解禁を求めている三木谷社長は責任をとれるのでしょうか。

 ことは、国民の命と健康にかかわる問題です。利便性だけでなく、安全性にも十分な注意が払われなければなりません。
 インターネットでの購入は確かに手間がかからず、利便性に優れています。しかし、安全性という点では不安が残ります。
 しかも、これまで多くの薬害が生じて被害者を生み、国や製薬会社が訴えられるという事例がありました。このような問題が生じた場合、先ず責任を問われるのは厚生労働省ですから、国民の健康を守るという立場から厚労省が全面解禁に消極的になるのは当然でしょう。

 そもそも、インターネット販売での全面解禁を求めている三木谷社長は、製薬会社の経営者でもなければ、薬を購入する消費者の代表でもありません。そのような人が全面解禁を求めているのは、インターネットショッピングモールの「楽天市場」でのビジネスチャンスが拡大するからです。
 産業競争力会議という公的な場を利用して自らのビジネスの拡大を図る典型例であり、産業競争力会議の民間議員という立場を利用して雇用の流動化を主張し、自分が会長を務めているパソナなどの人材会社のビジネスチャンスを拡大しようとしている竹中平蔵さんと同様の「政商」にほかならないと言えるでしょう。
 しかも、このような規制緩和は「成長戦略」の一環として主張され、薬のインターネット販売の全面解禁は、その焦点であるかのように主張されています。しかし、全ての薬がインターネットで買えるようになれば、そんなに売り上げが伸びるのでしょうか。それによって、日本経済の「成長力」が回復するほどの効果があるとでも言うのでしょうか。

 もし、一部規制を残したままのネット販売が立法化されれば、三木谷さんは国を訴え、産業競争力会議の民間議員を辞めると脅しています。ヤクザまがいの脅迫で、自分の主張を通そうとしているわけです。
 さっさと辞めればいいんです。国民の命や健康よりもビジネスチャンスの拡大を優先するような人は……。
 それよりも、今回の「楽天市場」での不当表示の実態を明らかにし、責任を取ることの方が先決ではないでしょうか。ついでに、インターネット販売が持っている問題点や限界についても、きちんとした見解を示してもらいたいものです。

 もし、三木谷さんが産業競争力会議の民間議員を辞めれば、暴力団員など反社会的勢力への融資を継続していた問題で民間議員を辞任したみずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長に次いで二人目になります。このような人々を選任した安倍首相には人を見る目がなかったということであり、そのような人々によって策定される成長戦略も、たかがしれているということになるでしょう。
 経済成長へ向けた改革の議論をする前に、産業競争力会議の改革を議論した方が良いのではないでしょうか。そして、政治を商売の道具にしている竹中さんなどの「政商」をとっとと追い出すべきでしょう。

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