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9月7日(土) このような人物が官房長官であることの方にこそ「非常に違和感がある」 [内閣]

 注目の夏季オリンピックの開催都市決定が、明日に迫ってきました。日本時間では明日8日(日)の早朝に結果が明らかになります。

 オリンピックが開かれれば経済効果が大きいというわけで、安倍政権は招致成功のためになりふり構わない働きかけを行っています。その一つが皇室の利用です。
 宮内庁は9月2日、高円宮妃久子さんがアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる2020年の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席すると発表しました。東日本大震災支援への感謝を表すスピーチをするということですが、「皇室は招致活動に参加しない」との姿勢を守ってきた宮内庁は、風岡典之長官が記者会見して「苦渋の決断をした。天皇、皇后両陛下もご案じになっていらっしゃるのではないか」と異例の発言を行いました。
 皇族がIOC総会に出席するのは初めてで、下村博文文部科学相が宮内庁を訪れて総会出席を要請し、官邸からも要請があったそうです。これに対して、菅官房長官は「宮内庁長官の立場で両陛下の思いを推測して言及したことは非常に違和感を感じている」と苦言を呈しました。

 しかし、久子さんの出席とメッセージが、オリンピック招致活動の一環でないとすれば、何なのでしょうか。なぜ、この時期に、わざわざ地球の裏側まで出かけて、このようなメッセージを述べる必要があるのでしょうか。
 それはやはり、オリンピック招致を有利にするためである言うしかないでしょう。その意味では、高円宮妃という皇室の一員の政治利用であるだけでなく、東日本大震災という国民的災厄をそのための口実として利用しているというしかありません。
 これに対して宮内庁長官が懸念を示したのは当然であり、それに「違和感」を感じる菅官房長官の方にこそ問題があると言うべきでしょう。本来であれば、菅官房長官は憲法の規定に抵触する、このような皇室の政治利用に目を光らせ、そのような意見や動きを未然に防ぐべき立場にあるはずです。

 「違和感」と言えば、最高裁判事に就任した山本庸幸前内閣法制局長官が集団的自衛権の行使容認問題について「解釈の変更で対応するのは非常に難しい。実現するためには憲法改正をした方が適切だ」と述べた時にも、同じような発言を行っています。菅官房長官は8月21日の記者会見で、「最高裁判事が公の場で憲法改正の必要性まで言及したことについて、非常に違和感がある」と反論しました。
 安倍政権は、憲法解釈見直しの議論を加速させる構えで、政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)を本格的に再始動させました。同時に山本さんのクビを切り、後任に解釈見直しに前向きな小松一郎前駐仏大使を起用しています。
 これは法制局長官を代えることで憲法解釈を変更しようという強引なやり方で、許されるものではありません。ストライクを取るためにアンパイアを変えるようなもので、反発が出るのも当然です。
 菅さんは発言に文句を付けるのではなく、集団的自衛権の行使容認に道を開くために慣例を無視して法制局長官人事に介入するという禁じ手を用いた安倍首相の方をたしなめるべきでした。内閣の番頭としては、文句を言うべき相手を間違えていると言わなければなりません。

 さらに、松江市教育委員会が漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を全小中学校に求めた問題でも、菅官房長官は当初、下村文科相と共に妥当な判断だとの見解を述べて援護射撃を行っていました。これも、本来であればきちんと問題点を指摘するべきだったでしょう。
 結局、このような官房長官や文科相の判断に反する形で、松江市教育委員会は閲覧制限を撤回しました。これについて菅官房長官は、「本来であれば(教委事務局が)教委にあらかじめ諮った上で対応するのが適切だ」と述べて「撤回は妥当だ」としましたが、それなら当初の見解は何だったのでしょうか。
 閲覧制限措置が取り消され、「はだしのゲン」に対する注目度が高まり、本は飛ぶように売れて増刷されているそうです。「はだしのゲン」を子ども達の目に触れさせないようにしようと画策した在特会の会員からすれば、「倍返し」されたわけです。

 こうして見てくると、菅官房長官の言動には大きな問題のあることがはっきりしてきます。このような人物が内閣の中枢で官房長官を務めていることの方にこそ、「非常に違和感がある」と言わなければなりません。

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