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2月3日(日) 総選挙の結果をどうみるか-小選挙区制によってアシストされた虚構の自民圧勝(上) [論攷]

〔以下の論攷は、『学習の友』No.714、2013年2月号、に掲載されたものです。2回にわたってアップします。〕

 「膨らまし粉」の効果がこれほど大きいとは、自民党自身、驚いたことでしょう。前回より票を減らしても、議席が増える。「手品」のようなものですから。それとも、「政治的詐欺」というべきでしょうか。
 このような結果になったのは、何よりも民主党が国民の怒りを買ったからです。それが自民党の勝利に結びついたのは、小選挙区制のカラクリによるものでした。
 野田佳彦首相は消費税増税への合意を取り付ける見返りとして、「近いうち」に総選挙を実施することを谷垣禎一自民党総裁に約束しました。この約束の履行を迫られて渋々実行したのが、今回の総選挙です。
 そして、目を覆うような惨敗を喫しました。まさに、野田首相による「自爆総選挙」であり、自民党への格好のクリスマス・プレゼントとなったにちがいありません。

 民主党の壊滅による巨大与党の登場

 総選挙の結果、衆議院は図〔省略〕のような勢力分野になりました。さらに詳しい内容は、表〔省略〕のようになっています。
 これは自民党の圧勝と言って良いでしょう。逆に、民主党は壊滅的とも言うべき敗北となりました。あと3議席減らせば、日本維新の会を下回って第2党の地位も失うところです。
自民党は294議席で連立相手の公明党は31議席ですから、あわせて325議席となり、衆院の三分の二である320議席を越えました。参院で否決された法案を再可決して成立させることも可能な巨大与党の登場です。
 しかし、この結果は、自民党への期待が高まり、公約や政策への支持が増えたからではありません。自民党は前回より小選挙区で173議席増加させましたが166万票を減らし、比例区では219万票も減らしてわずか2議席増加したにすぎません。
 これには、投票率が59.32%と戦後最低となり、投票総数が減ったことの影響もあります。投票した人は有権者の6割弱にすぎず、そのうち自民党は小選挙区で43%、比例代表区で28%を獲得しただけです。有権者全体で見れば、小選挙区で25%、比例代表区では16%の人しか自民党に投票していません。
 また、自民党の政策が支持されたためでもありません。「『自民の政策を支持』はわずか7%」(『朝日新聞』12月19日付)にすぎないのです。
 それなのに、自民党がこれだけの議席を得ることができたのは、小選挙区制のカラクリによるものです。5つの政党が候補者を立てて支持が均等に割れ、ある政党の候補者だけが21%を獲得するという現象が全選挙区で生じれば、21%は100%になってしまいます。
 これが小選挙区制という制度による「膨らまし粉」のような効果です。自民党の圧勝は、このような「膨らまし粉」入りの小選挙区制にアシストされた虚構の勝利にすぎません。                     (続く)
               
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