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12月23日(金) 「絶望の国」に頭角を現してきた若き論客たち [社会]

 先日、大学生協の書籍売り場で、「今、この本話題なんですよ」と教えてもらいました。佐藤信さんが書いた『60年代のリアル』という本です。
 この方がまだ学生の頃に書いた論攷が元になっていて、『毎日新聞』に連載されていました。私も、何回かは眼にしたことがあります。

 最近送られてきた雑誌『POSSE』を手に取りましたら、「絶望の国の困ってる若者たち」という対談が目に入りました。対談しているのは大野更紗さんと古市憲寿さんです、
 この二人はそれぞれ、大野『困ってるひと』、古市『絶望の国の幸福な若者たち』という本を書いており、これまた話題を呼んでいます。この対談の表題は、この二人の本のタイトルを上手く組み合わせたものになっています。
 対談には、途中からPOSSE事務局長の川村遼平さんも加わりました。この川村さんも、『ブラック企業に負けない』という本を書いています。

 つまり、ここまでに名前を挙げた4人の方はいずれも本を書くなどのオピニオン活動をされているわけです。しかも、20代だという点で共通しています。
 これに、最近、福島第1原発の過酷事故に関連して注目されている関沼博さんの『「フクシマ」論-原子力ムラはなぜ生まれたか』という本もあります。この方も20代という若さです。
 以上の5人の方の生年と年齢を並べれば、以下のようになります。皆さん、1980年代の生まれなんですね。

佐藤 信 88年生 23歳 『60年代のリアル』
川村遼平 85年生 26歳 『ブラック企業に負けない』
古市憲寿 85年生 26歳 『絶望の国の幸福な若者たち』
大野更紗 84年生 27歳 『困ってるひと』
関沼 博 84年生 27歳 『「フクシマ」論-原子力ムラはなぜ生まれたか』

 この一世代上に当たる30歳代にも、社会運動や言論活動に取り組んでいる人々がいます。たとえば、雨宮処凜、赤木智弘、松本哉などの方々です。
 これらの方は、1970年代中頃の生まれで、生年を並べれば、以下のようになります。

雨宮処凜 75年生
赤木智弘 75年生 
松本 哉  74年生

 さらに、この一世代上には、反貧困や労働運動で頭角を現した湯浅誠、河添誠、関根秀一郎などの方々もいます。これらの方は1960年代の生まれで、いずれも40歳代です。
 同じように生年を並べれば、以下のようになります。

湯浅 誠   69年生
河添 誠   64年生
関根秀一郎 64年生

 こう並べてみれば、ある種の世代論が可能なように思われてくるから不思議です。それぞれの世代には、生活環境や社会体験、問題意識などにおいて、何か共通なものがあるのかもしれません。
 私は、拙著『労働再規制』の中で、2006年反転説を唱えました。このような社会状況の下で登場してきたのが、先ず、60年代生まれの3人だったように思います。
 これに70年代生まれの3人が続き、最近になって20代の若手の登場が相次いだということでしょうか。ただし、若くなるにしたがって、運動との関わりは徐々に薄れてくると言えるかもしれません。

 しかし、運動や言論、労働や社会などという点での違いはあっても、これらの人々が現代の日本社会のあり方に対して大きな問題意識を持ち、積極的な発言や行動を行っているという点では共通しています。
 頼もしい限りです。草の根における若き日本のリーダーになりうる論客たちではないでしょうか。
 元気で若いリーダーがこれだけいれば、「絶望の国」もなんとかなると思いたい。混迷し、閉塞状況を強めている日本ではありますが、これらの若者たちの活躍に大いに期待したいと思います。

 暗闇のどん底に突き落とされたような2011年でしたが、その最後に見えてきた微かな灯りかもしれません。来るべき2012年に向けて、一縷の希望を託したいものです。

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