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12月20日(火) 出でよ、「鼠小僧」! [消費税]

「鼠小僧」と言っても、皆さんよくご存知の、あの盗人のことではありません。最近、話題になっている「ロビンフッド税制」のことです。
 「ロビンフッド」は、日本で言えば、さしずめ「鼠小僧」でしょう。ということで、これは「鼠小僧税制」のことになります。

 昨日書いたように、消費税の税率を引き上げても、税収は増えないどころか減る可能性の方が大きいのです。社会保障の財源を確保し財政破綻を阻むためには、消費税を高くしてはならないというのが歴史の教えるところでした。
 それでは、税収を増やすためには、どうしたら良いのでしょうか。昨日紹介した三橋さんはGDPを増やすために積極的な公共投資を行うべきだと主張しています。
 同時に、「デフレで雇用不安や社会不安が継続する以上、ほとんどは貯蓄に流れてしまう」として、「子ども手当のような巨額な所得移転は即刻中止すべきだ」と書いています(三橋貴明『増税のウソ』145頁)。そうでしょうか。

 私は、富めるものから貧しいものへの再分配政策による「巨額な所得移転」こそが、今の日本では最も必要なのではないかと思っています。そうしても、「ほとんどは貯蓄に流れてしまう」ことはなく、消費に回って国内需要を高め、景気回復に結びつくと思うからです。
 年収200万円以下の人が5年連続で1000万人を超え、生活保護受給者が205万人で過去最多という現状では、収入が増えても貯蓄に回す余裕がありません。現に、「家計に一銭の蓄えもない」貯蓄ゼロの世帯は2005年に25%にまで上昇し、今では3割くらいになっていると見られています。
 「デフレで雇用不安や社会不安が継続する以上、ほとんどは貯蓄に流れてしまう」という三橋さんの現状認識は甘い、と言わざるを得ません。将来への備えより現在の必要を充たす方を優先せざるを得ないほどに、日本の貧困化が進んでいるからです。

 このような「巨額な所得移転」のためには、富めるものから徴収し、貧しいものへと分け与える「鼠小僧」のような税制が必要とされます。その一つが、投機目的の国際通貨取引に対して課税を強化するトービン税(ロビンフッド税)で、イギリスでは税率を平均0.05%とすれば年間2500億ポンド(日本円で約36兆円)の税収が見込めるとされています。 国内の株売買などの金融取引にも課税を強め、所得税の累進課税の強化、資産家への贈与税の増税、旧物品税のような贅沢品への課税強化、大企業への減税の取りやめと各種優遇税制の廃止、内部留保への課税などの税制改革と組み合わせれば、巨額な税収増を図ることができます。これを低所得者や中小企業の支援と減税に回せば内需を拡大することができ、社会保障財政の財源確保や財政再建に差し向けることもできるようになるでしょう。
 可処分所得を増やし、外需依存ではなく内需の拡大を図り、景気を良くすることこそ、税収増に結びつき、経済と社会を立て直し、国家財政の破綻を防ぐ最善の道ではないでしょうか。「鼠小僧税制」は、そのための重要な手段となるにちがいありません。

 金持ちが豊かになればそのおこぼれが巡り巡って社会全体の底上げに繋がるというトリクル・ダウン理論は、新自由主義の猛威によって惨めに破産してしまいました。その結果、格差が拡大したために日本の「億万長者は10年前の3倍に」(『週刊金曜日』2011.11.18、26頁)なっているそうですから、「鼠小僧」が活躍する余地は充分にあるのではないでしょうか。

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