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8月6日(金) 官僚も財界もこれまでの失敗の責任を取り蟄居・謹慎すべきではないか [消費税]

 今日の『東京新聞』の一面に、「大卒就職率 下げ幅最大」とありました。「7.6ポイント減60.8% 中・高は最低」という見出しが続いています。
 その横に、「小中不登校 12万人超」という記事も出ています。さらに、その左には、「国民年金保険料 納付率 初の60%割れ」「09年度 不況で最低を更新」という記事があります。

 学校に行かない行けない、学校を卒業しても就職できない、年金の保険料を払わない払えないという人たちが増えているというわけです。国民年金保険料を払わない人びとの中には、保険料を払いたくても払えないという人びとも沢山いるでしょう。
 「自営業者向けとされる国民年金だが、現在では非正規労働者や無職者が加入者全体の約7割を占めており、不況により保険料を支払えなくなっていることが響いた」というのが、『東京新聞』の解説です。お金がなくて、保険料を払えないというわけです。
 消費税率の引き上げで、この人達の生活費がさらに高くなれば、保険料の支払いがもっと低くなるにちがいありません。8月4日のブログで書いたように、「このように貧困が拡大しているときに、消費税の税率を引き上げて低所得者層の負担を増やそうなどというのは、全く逆転した発想だ」ということは明らかでしょう。

 このような中で、昨日、日本経団連と民主党が、経済運営について意見交換する政策対話を行いました。席上、日本経団連の米倉会長は、「税財政・社会保障制度の一体改革は、日本の将来を左右する問題だ。超党派で協議する仕組みを考えてほしい」と求めたそうです。
 これに対して、民主党の枝野幹事長は「財政安定のための改革に努める」と答えました。玄葉政調会長も、「消費税の論議自体が否定されたわけではない。秋口から議論を開始したい」と応じています。
 日本経団連は、「税財政・社会保障制度の一体改革」として、消費税率の引き上げについて「超党派で協議する仕組み」を求めたわけです。これに対して民主党は、「消費税の論議自体が否定されたわけではない」という理屈で、消費税率引き上げに向けての決意を示しています。

 「消費税10%」構想を撤回したとされている菅直人首相も、国会での答弁では、「財政状況はどなたが総理や政権を担っても、政治家として回避できない」と指摘し、財政再建に向けての決意を繰り返しています。財務官僚による「教育」が、これほどにも徹底していたのかと感心させられるばかりです。
 でも、この「教育」には、欠陥があったと言わざるを得ません。消費税率を引き上げれば、財政再建どころが、いっそう財政状況を悪化させる可能性のあることが充分に教えられていないからです。

 消費税が引き上げられれば、商品やサービスの価格に転嫁されます。5%アップすれば、5%分高くなると考えるのが普通です。
 しかし、値段を上げれば売り上げが落ちる小・零細企業などでは、消費税が上がったからといって値段を上げることはできません。今日のような値下げ競争が展開されているときにそんなことをすれば、いっぺんに売り上げが落ちてしまうことは明らかでしょう。
 となると、我慢をして値段を据え置くことになり、上がった消費税分は自分で負担しなければなりません。売り上げが同じだとすれば、引き上げられた消費税分の赤字が生じます。これが斉藤貴男さんの指摘する「損税」です。

 もちろん、体力のある中堅以上の企業は消費税分を価格に転嫁するかもしれません。そうすれば、値段が上がります。
 今のような経済状態で物価が上がれば、消費者の買い控えが生じます。やはり売り上げは落ちるでしょう。
 売り上げが落ちれば、利益は少なくなります。当然、景気は悪くなります。

 つまり、消費税の引き上げ分を価格に転嫁できないところも、転嫁できるところも、経営状態は悪化するにちがいありません。景気が悪くなれば、所得は少なくなり、所得税収は低下します。
 消費税によって税収増をはかっても、それによって消費不況に陥ったり、企業業績が悪化したりすれば、所得税や法人税などの直接税は減収になります。1997年の「9兆円の負担増」によって生じたと同じような不況が再来するかもしれません。
 この可能性を、財務官僚は菅首相に教えたのでしょうか。そもそも財務官僚は、かつて自ら犯した失敗の経験からきちんと学んでいるのでしょうか。

 97年以降の失敗の経験ということで言えば、財務官僚だけではありません。日本の官僚組織全体が、構造改革の波に呑み込まれて大きな失敗を犯しました。
 これについての労働分野における反省の書が、先ほど出された『労働経済白書』です。医療の崩壊を招いた厚生官僚、教育の荒廃によって不登校を増大させてきた教育官僚、公共事業付けで財政破綻を引き起こした国交官僚も、大きな反省が必要でしょう。
 コスト・イデオロギーにとらわれて非正規化を進め、ワーキングプアーを生み出した企業経営者も、重大な失敗を犯しました。日本経団連などの財界も、大間違いをしてしまったのです。

 この間、政治的な失敗を犯した自民党は、その責任を取らされました。しかし、この自民党を、ある時には支え、ある時には圧力をかけて、政策を押し付けたり誘導したりしてきたのは、官僚と財界ではありませんか。
 これらの人びとも大きな失敗を犯してしまいました。その結果が、「大貧困社会」と格差の拡大であり、少子化と人口減によって持続可能性を失いつつある日本の姿なのです。
 しかし、これらの人びとは自己の責任をほとんど自覚せず、十分な反省をしていません。日本経団連が消費税率の引き上げに向けて民主党に圧力をかけたように、いまだに大きな顔をして、誤った政策を押し付けたり誘導したりしようとしているのです。

 官僚の「教え」に騙されてはなりません。これまで間違ってきた人びとに教えられても、現在の苦境から抜け出せるはずがありませんから……。
 財界の圧力に屈してはなりません。そのことによって日本の進路を歪め、社会を崩壊させてきたのは彼らなのですから……。
 官僚も財界も、これまでの大失敗の責任を取り、せめてしばらくの間は蟄居・謹慎すべきではないでしょうか。

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