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2月17日(日) 「食の安全」について見過ごされている深刻な問題 [社会]

 「値上げの春で音を上げる」と言いたくなります。輸入小麦の政府売渡価格を、4月から30%引き上げるというのです。
 中国製の「農薬入り餃子」事件もありました。まだ真相は不明ですが、安い中国製の冷凍食品が信頼できないとなると家計への影響も大きくなります。
 ガソリンや灯油も高いままで、春にはビールも値上げされるといいます。これからの生活は一体どうなってしまうのでしょうか。

 一連の出来事は、日本における「食の安全保障」が揺らいでいるということを示しています。その根本原因は、「日本人の胃袋」が外国に握られているという点にあります。
 いわゆる食糧自給率の低さです。「食の安全」について見過ごされている深刻な問題が、ここにあります。「食」を外国に依存していることによる問題点が、次々に明らかになってきていると言うべきでしょう。
 日本の食糧自給率は39%にすぎないとされていますが、計算の仕方によってはもっと低いかもしれません。国内の農業を破壊して、外国の農産物に頼る構造を作り上げた歴代の自民党農政のツケが、このような形で回ってきたということになるでしょう。

 いつの日か、このような問題が生ずるだろうということは、ずっと以前から分かっていたことです。少なくとも、私自身は以前からそう思ってきました。
 私は、新潟の専業農家の長男として生まれました。本来なら、家のあとを継いで米作りに精を出していたかもしれません。しかし、私はそのような道を選択しませんでした。
 農業の将来に確信を持てず、家を飛び出したからです。今から40年以上も昔から、米作りの専業農家が厳しいことは、子ども心にも分かっていました。

 一番の矛盾を感じたのは、1971年から本格的に始まった「減反政策」です。補助金を出して田んぼを潰し、米作りを止めさせるという愚策でした。
 米作りに精を出してきた農民に、「補助金を出すから、頑張ってお米を作りなさい」と言うのなら分かります。逆に、「補助金を出すから、田んぼを潰して別のものを作りなさい」というのですから、呆れかえってしまいます。
 すでに、都立大学に進んでいた私は「これでは、日本の稲作農業はダメになる」と思いました。「家を継いで欲しい」と、父が私に言わなくなったのはその頃からです。

 結局、学生運動に熱中した私は民間会社にも就職せず、故郷に帰ることもありませんでした。政治・労働問題の研究者としての道を選んで法政大学の大学院に進んだのは、その後のことになります。
 故郷の家は、あとに残った姉が継ぐことになりました。しかし、今ではもう米作りをしていません。
 こうして、新潟の専業農家が一つ、姿を消したというわけです。このような例は日本のあちこちにあったことでしょう。そして、その結果としての、日本農業の衰退なのです。

 この日本農業の衰退に歯止めをかけ、「食の安全保障」を確立することは、まだ可能なのでしょうか。それは分かりません。ただ、確実に言えることは、これまで破壊してきたものに、それを再建することは不可能だということです。
 農村に生きる百姓として、父は死ぬまで自民党を支持し続けました。その自民党に破壊し尽くされ、今ではもう村でさえなくなってしまった故郷を見て、泉下の父はどう思っているでしょうか。


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コメント 2

与太郎

地球温暖化などの環境問題をめぐって近年「市場の失敗」が言われています。
歴代の自民党政治により深刻な食糧自給率の低下を招いた国内農業破壊政策は、農業と共に林業や漁業の破壊にもなっており、食の安全への脅威が生存保障の全面的な脅威にまで広がっています。

日本人の食を、生命を、守れ!
by 与太郎 (2008-02-19 10:15) 

マイノリティ

米政策は確かに酷い。
そして自給率低下は意図的に行なわれた事は明白です。
穀物から肉類まで全て「米国主導」の結果です。

恐ろしい事は、米国産麦や果実へのカビ防止剤使用です。
厚生省は、米国内で使用禁止となっているOPP等を許可しています。
淡路島のモンキーセンターの猿に「米国産麦のみ」与えたら、奇形率が大幅に増加した(竹内直一氏談)とあります。
官僚・政治家を一掃しなくては、日本の未来は開かれません。
by マイノリティ (2008-02-22 10:17) 

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