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12月16日(日) 沖縄の辺野古新基地建設に向けての土砂投入を直ちに中止せよ [沖縄]

 これが沖縄県民に寄り添うということなのでしょうか。どれほど反対の民意が示されようとも、当初の計画通りしゃにむに突き進むというのが、安倍首相の当初からの方針だったのではないでしょうか。
 このような理不尽がまかり通るのを、黙って見ていて良いのでしょうか。沖縄県民の怒りと嘆きの声が聞こえてくるようです。
 辺野古での新基地建設に向けての土砂投入を、満腔の怒りをもって糾弾したいと思います。土砂の投入は、直ちに中止しなければなりません。

 この土砂投入の開始について、菅官房長官は「日米同盟の抑止力の維持と、普天間飛行場の危険除去、これをあわせ考えたときに、辺野古移設が唯一の解決策であると思います」と述べました。憲法の平和主義からすれば、武力による威嚇に頼らない外交・安全保障政策こそが求められており、「抑止力」を理由に米軍基地建設を進めることは憲法理念に反しています。
 しかも、「抑止」すべき相手をどう考えているのでしょうか。北朝鮮は非核化を受け入れて南北関係は緊張緩和に向かい、中国との関係も改善の方向へと転じました。
 日本周辺の安全保障環境は大きく改善され、脅威が減少している中で基地建設を急がなければならない理由はありません。中国が「仮想敵」として想定されていますが、沖縄は中距離ミサイルの射程距離の範囲内にあり、軍事技術的に見ても大きな脆弱性を免れません。

 普天間基地の返還のためには新基地建設が唯一の解決策だとされています。しかし、沖縄県の試算では基地建設の完了まで13年もかかるというではありませんか。
 その間、世界一危険な普天間基地の使用を我慢しろというのでしょうか。新基地建設と切り離して、普天間基地の即時返還を要求するべきでしょう。
 岩屋防衛相は、早ければ2022年度に普天間基地を返還するという日米合意について、「目標の達成はなかなか難しいところに来ていることは事実だ」と述べています。一方で新基地建設のための土砂投入を始め、他方で普天間基地の返還を先延ばしするというのでは、踏んだり蹴ったりではありませんか。

 6月に沖縄を訪問した時、辺野古も訪問して船での抗議行動やキャンプシュワブ前での座り込みに参加しました。9月に沖縄県知事選挙の応援に行ったときにも、工事が中断された静かな海を視察しました。
 その時の真っ青な海の美しさが忘れられません。そこに土砂を投入するなんて、はらわたが煮えくり返るような怒りを覚えます。
 こうして絶滅危惧種のサンゴやジュゴンのえさ場となる貴重な自然が失われようとしています。大浦湾側ではマヨネーズのような軟弱なヘドロと活断層の存在が指摘されているのに、それでも建設を強行するつもりなのでしょうか。

 安倍首相は正気を失い、暴走というより逆走を始めたようです。臨時国会での相次ぐ強行採決に続いて、すぐに沖縄での暴挙に着手しました。
 このような逆走が続くのは、国民が安倍政権を甘やかしているからです。辺野古での新基地建設に反対する沖縄の民意は明確であり、それを踏みにじるのは民主主義の破壊にほかなりません。
 そのような政権を支持することは安倍政権の逆走を認めることになるだけでなく、暴挙を後押しすることになるのだということを、国民全体がきちんと自覚する必要があります。そのような自覚を高めて、世論の力と選挙の力で安倍首相の逆走をストップさせるしかありません。

 選挙を待つことなく、抗議と批判の声を高めていくことが必要です。もちろん、最終的には、統一地方選挙、沖縄での衆院補欠選挙、参院選で、安倍首相を断罪し引導を渡さなければなりません。
 いまの怒りと悔しさを忘れないようにしましょう。「忘れず、諦めず、手を結ぶ」ことが、勝利への唯一の道なのですから。

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12月14日(金) 臨時国会と安倍改憲阻止の展望と課題(その6) [論攷]

 〔以下の論攷は、北海道憲法改悪反対共同センター学習交流集会での講演の記録で、北海道経済研究所発行の『北海道経済』No.592、2018年11月号、に掲載されました。かなり長いので、6回に分けてアップさせていただきます。〕

 むすび
 
 憲法は未来を拘束する。いま変えても、みなさんはあまりかかわらないかもしれない。戦争する国、戦争できる国になって、実際に引っ張られていくのは若い人たちですから。私なんかもう年ですから、戦争に引っ張られるより別のところからお声がかかる可能性のほうが高い(笑い)。この中にもかなりそういう方がおられるようですが(笑い)。
 若者なんです、ねらわれているのは。軍事費に税金をむしり取られ、社会保障や学費は借金だらけ、年金はどうなるかわからない。医療だ介護だということで金がかかる。このようなめちゃくちゃな政治で、いちばん大きな被害を受けるのは若者なんだけれど、その若者がそれを十分自覚していないというか、自覚させられなくなっちゃっている。この点でもねらわれています。
 教育がねじ曲げられています。教育改革実行会議、安倍教育改革だといっていますが、ろくな改革じゃありません。教科書の中身も変わってきている。戦争責任にはほうかむりです。あるいは愛国心教育。道徳教育ということで評価の太守にする。小学校から英語を習わせる。英語教育よりちゃんとした日本語をしゃべれるようにしてもらいたい。いまの学生、まともに文章を書けない。こういう若者ばっかりじゃ困りますよ。
 愛国心ばっかりが強くて、「戦争に行くのは国民の義務である」などと言い出しかねない。しかもマスコミがおかしくなっちゃっている。ポスト真実の時代ということで、フェイクニュースを振りまいていますから。
 こういう中で、将来に希望を持てなくなっている。展望もない。だから、いまがいちばんいいと思っているんです。夢がない。希望を持てないから現状肯定。安倍さんでいいじゃないかと、こういうことになっちゃっている。こういう人たちに、じつはこうだと教えなければならない。それはみなさんの役割です。周りにいる若い人たちに、あなたがたこそがねらわれているんだよと。
 そして、いまの憲法を守る。戦後施行されてから72年、営々として定着してきた。その生命力をもっと十分に発揮すれば、もっといい世の中になっていたと思いますけれども、さらに発揮できるような世の中にしていく。少なくとも戦争はやらなかった。自由で民主的で、そこそこ豊かで平和な世の中をつくるうえで、憲法の役割、力は非常に大きかったということを伝えていかなければならない。
 そのためにも、憲法12条の役割、重要性をもう一度見直す必要がある。憲法12条には「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と書いてある。
 自由、権利は1人ひとりの国民が常日頃から守るためにがんばってもらわなきゃ困るんだよというのが、憲法制定権者のメッセージです。先ほど言いましたように、憲法というのは本来権力者にたいする命令だ。しかし、この12条だけは国民にたいして呼びかけている。私たちが呼びかけられている。
 権利と権利がぶつかったときには公共の福祉を優先して解決しなさいと。うるさいのはいやだ、だからデモはやらせないと、これは公共の福祉ではない。静穏な環境権、それはあるかもしれない。しかし表現の自由、デモをする権利、権利と権利がぶつかった時には公共の福祉に照らして解決しなさい。表現の自由を優先しろというのが12条なんです。そうでなければ自由も権利も守られない。それを守るために、自ら立ち上がらなければならない。周りの人たちに訴えて、自由と人権、民主主義、平和を守っていかなければならないということだろうと思います。
 三段跳び戦略がこれからの課題です。臨時国会・通常国会での改憲発議を阻止する、安倍さんを追い込んでいって参議院選挙でネジレ、与野党逆転をつくり、さらに解散・総選挙で国民連合政府、新しい野党の連立政権を実現する。そして新しい日本の未来を切り開いていく。憲法が尊重され、その理念が政治と生活に活かされるような「活憲」の時代を、この日本で実現し未来への扉を開いていく。これがこれからの私たちの課題です。
 ひょっとすると、来年の参議院選挙で改憲の国民投票をいっしょにやろうと思っているかもしれない。あるいは衆参ダブル選挙を考えているという話もちらほら聞こえてきます。ダブル選挙、結構じゃありませんか。いっしょにやったら手間が省ける。やれるものならやってみろ。返り討ちです。安倍政権を返り討ちにして、そしてみなさん、いっしょにこう言おうじゃありませんか。「安倍よ、あばよ」。
 時間になりました。以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

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12月13日(木) 臨時国会と安倍改憲阻止の展望と課題(その4) [論攷]

 〔以下の論攷は、北海道憲法改悪反対共同センター学習交流集会での講演の記録で、北海道経済研究所発行の『北海道経済』No.592、2018年11月号、に掲載されました。かなり長いので、6回に分けてアップさせていただきます。〕

 4 3000万人署名をやり切り参院選で与野党逆転を
 
 いよいよ国会の中で草の根でたたかいが始まっている。われわれはすでに草の根で3000万人署名に取り組んで、憲法を守る声をつくるためにずうっとやってきた。安倍首相の下での改憲に反対が多数になっているのは、署名集めを通じて、街頭宣伝をやったりスタンディングをやったり、あるいは対話をしたり、さまざまなかたちである種の説得活動を国民にたいしてやってきた、その成果です。そのせいかどうかわからないなんて言わないでくださいね(笑い)。成果ですからね、明らかに。こういうことで通常国会での発議を抑えてきた。
 同じように、これからも3000万人署名を引き続き集める。そして学習と対話を続ける。宣伝もやる。訴えもする。こういう活動を通じて憲法を守ろう、あるいは改憲に反対する世論を高める。安倍政権打倒とあわせて、そのような活動に取り組むことが重要です。相乗効果をもたらすということですね。
 憲法はよく分からないけど、安倍さんだけはいやだという人がいるんです。テレビのニュースで安倍首相の顔が出てくるとチャンネルを変える。もっとすごいのは麻生さんが出てきたとき、リモコンを投げつける。リモコンは危ない。茶碗なんか投げられたんじゃたまんないですから、気を付けてくださいね。こういう気持ちや世論に訴えて、そして相乗効果を上げていくということが必要ではないか。改憲論議の余裕を与えないための草の根からの運動が重要です。
 いま、小選挙区で草の根からの改憲運動をやろうという動きが出ています。これは元号法制化の時の経験があるからです。日本会議が中心になって元号法制化を求める国民運動を組織し、地方から決議を上げていったんです。これが国会を包囲するようなかたちになって法案が成立した。だから、今回も下から盛り上げていこうというやり方をとっている。
 その草の根のレベルでまず対決し、粉砕しなきゃならないということですね。スタンディングやいろいろなパレードもしたり。北海道では大変でしょうねえ、これから雪が降ったりしますから。みなさん、寒さに気を付けてください、風邪ひかないように。でもね、スタンディングをやったり、パレード、デモをやったりすると足腰が鍛えられて、丈夫になるんです。
 東京では国会前で集会をやったりするでしょう。行くと昔の仲間や友達に会える。あそこに行っていっしょに「安倍辞めろ」と叫んでくるとすっきりして、元気になって帰ってくる。だから最近、関東周辺では元気な高齢者が増えている(笑い)。健康ですこやかな肉体を維持しながら、まともな世の中をつくっていくというのは一挙両得ですから、運動は体にいいといいますから(笑い)、こういう運動に励んでいただきたいと思います。
 選挙で共闘する。これをいまから準備しなければならない。統一地方選挙で、首長選挙あるいは議員選挙でも、可能なところはいっしょにやればいい。選挙区が違ったところでバーターでやればいいんです。こちらではみんなでAという政党、あっちではBという政党、別のところではⅭという政党と。こういうかたちでみんなまとまって、そして自民党に対抗するというやり方をとれば、1人区だって勝てるかもしれない。こういうことを議員選挙でも考えていいんじゃないか。
 参議院選挙の32の1人区で1対1の構図をつくらなきゃならない。改選議員で自民党は31、現職がいるんですよ。1人だけです、野党は。全部落とせば大きく後退させることができる。
 しかも、来年の選挙は亥年の選挙です。亥年の選挙には、なぜだか自民党は苦戦するというジンクスがある(笑い)。これは統計的にずうっとそうなんです。グラフをとるとそうなっている。59年の選挙だけは例外ですけれども、あと71年、83年、95年、07年。これは政治学会では有名なジンクスです。
 私、こう見えましても政治学者であります(笑い)。前からこれは知っているんです。発見したのは朝日新聞の論説委員をやっていた石川真澄さんです。グラフを眺めていたら、なぜだか12年に1度、亥年の選挙に負けている。石川さんがいったのは、4月に地方議員は自分の選挙が終わっちゃっている、ああくたびれたということで、みんな温泉か何かにいって骨休みしていて、参議院選挙のときには動かないんじゃないかと。自民党の場合はそうかもしれませんけど、ほかの政党はどうなんでしょうね。いずれにしましても、選挙マシンがうまく作動しないというのが自民党の側にあって、これがマイナス要因として負けている。
 前回の亥年は2007年、このときは第1次安倍内閣ですよ。自民党が大負けしました。戦後最低の議席で38議席。民主党のほうが参議院第1党になっちゃった。自民党は第2党ですよ。第1党の座を明け渡した。
 7月の参議院選挙の前、6月まで開かれていた通常国会では、いまと同じように「消えた年金」や社会保障などが大きな問題になりました。大臣のスキャンダル。いちばん大きな問題になったのが農林水産大臣だった松岡さん、「なんとか還元水」というのを国会で追及されて、結局松岡さんは自殺しちゃた。後任になったのが赤城さんでした。この赤城農水大臣が顔中絆創膏だらけで出てきて、いったいどうしたんだと。これが国民の顰蹙を買った。
 けっきょく安倍さんは大敗する。9月に臨時国会を開いて所信表明演説をやって、直後に辞任しました。参議院選挙での大敗がこたえただけではなく、健康問題もあったんですね。しかし、選挙敗北のほうが大きかったかもしれません。
 当時私なんかは、「安倍晋三が悪い、安倍シンゾーが悪い」といっていましたけれども(笑い)悪かったのは心臓じゃなくって大腸、潰瘍性大腸炎だったんですね。安倍さんという人は腸悪い(チョー悪い)人だった(笑い)。こういうことで、今度の亥年、来年の参議院選挙はたいへん楽しみな選挙です。 
 しかし、それは自動的にそうなるわけじゃない。私たちの力で追い込んでいくことによって具体化する。その可能性はかなりあるんじゃないかといっていいと思います。

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12月12日(水) 臨時国会と安倍改憲阻止の展望と課題(その4) [論攷]

 〔以下の論攷は、北海道憲法改悪反対共同センター学習交流集会での講演の記録で、北海道経済研究所発行の『北海道経済』No.592、2018年11月号、に掲載されました。かなり長いので、6回に分けてアップさせていただきます。〕

 3 市民と野党の共闘こそ改憲阻止の力

 安倍首相は、憲法は国の理想を語るものだといっていますけれど、本来憲法というのは権力の行使を縛るもの。権力者があやまった権力行使を行わないように定めたものが憲法なんです。
 安倍首相のようなトンデモナイ権力者が登場して強権的な暴走政治をやろうとしたときに、これを防ぐ防壁、たたかう武器になる、そのようなものが憲法です。こういう憲法の本来のあり方からすれば、いまみなさんが3000万署名にとりくみ安倍9条改憲に反対する行動をとること自体が権力者の暴走を抑える非常に大きな力になる。憲法の趣旨、理念に見合った行動だといっていい。
 そのために必要なのは、力を合わせることです。選挙で力を合わせ、国会でも力を合わせる。すでに選挙での共闘は実績がある。そして通常国会では野党共闘が積み重ねられてきた。合同ヒアリングが118回、院内集会が8回、共同提出法案が原発ゼロ基本法案など20本。こういうかたちで野党間の共同行動、政策的一致が拡大してきている。憲法を守るだけではなく、このような政策の実現に向けてわれわれは力を尽くしていかなきゃならない。来るべき国民連合の政府、あるいは野党連合の政府の、これは下準備だといっていいのではないか。
 「オール沖縄」が選挙共闘の出発点であったわけです。一時危なかったんですね、「オール沖縄」も。これを何とか立て直し、さらにバージョンアップしたのが沖縄県知事選挙でした、突然、実施されることになりましたけれども、「オール沖縄」が大きな力を発揮した。私も9月21日から24日まで選挙の応援に行きました。やあ、すごかったですね。暑いのなんの(笑い)。南国の太陽がじりじりと照り付けてくるんですね。
 感動的だったのが9月22日の8000人集まった集会で、翁長樹子さんが本当に心を揺さぶるような演説をされたんです。聞いている人の琴線に響く、心を揺さぶるような話をした。
 翌日の23日、沖縄県庁の前に小泉進次郎氏が来るというんで話を聞きに行ったんです。佐喜真候補の話も。そしたら沖縄の県民所得は全国最低だ、100万円上げるとか。携帯電話の接続料を4割下げるとか、金の話ばっかりです。翁長さんは「琴線」に触れる話をした。小泉進次郎は「金銭」の話ばっかり(笑い)。命と金のたたかいだったんです。命が勝ったということです。
 だいたい携帯電話4割下げるって、県知事の権限にかかわりないじゃないですか。玉城デニーさんが当選したのに、NTTドコモは4割下げるといったんです(笑い)。デニーさんが当選したから携帯電話接続料が2割から4割下がる。よかったねえと、こういう話になっちゃうんですね。(笑い)
 保守の2割、公明党支持者の3割、無党派の7割が玉城デニーさんに入れた。道理を尽くして、本気で共闘してたたかえば、保守の一部からも支持が得られる。無党派の大半の人たちから支持してもらえる。まさにこれが教訓だといっていいんじゃないか。
 「活路は共闘にあり」ということです。共闘すれば勝てる。これを何度も何度も言っているんですが、なかなか難しい。だって政党が違うということは理念や政策が違う。だから別の政党なんです。いっしょにやるというのは難しい。ただし、一致するところが全然ないかというと、そんなこともない。戦争法反対、一致できるじゃないですか、安倍暴走に反対する、阻止するというのも。
 行き先はバラバラだ、札幌から東京に行こうという人もいるし、京都に行こうという人もいる、大阪まで行きたいという人もいる。だけど、さしあたり東京までならいっしょに行ける。いっしょに行けばいいじゃないですか。しかも、力を合わせていっしょに行こうとしなければ、東京にまでも行けない。
 選挙の結果をみますと、総選挙、参議院選挙でも、自民党の選挙区での得票率というのは有権者全体のだいたい4分の1です、25%。比例代表だって16%から17%ぐらい。ほかの4分の1は野党の方に入っている。けれど野党はバラバラだから漁夫の利を得るんです、自民党は。小選挙区だったら1%でも多ければ当選しちゃうんだから。そうでしょう。そういう変な選挙制度なんです。この変な選挙制度のからくりに助けられている。
 じゃあ、あとの半分はどうしたんだ。半分は投票に行かない。投票率は50%ちょっとでしょう。有権者の半分ぐらいはあきらめちゃっている。どうせ行ったって自民党、与党が勝つに決まっていると思いこんでいる。だから行かない。この人たちが投票場に足を運んで野党に入れれば、野党が受け皿として1つにまとまって自民党、与党に対抗できれば勝つことができる。
 これは2年前の参議院1人区、あるいは去年の総選挙で実証されています。危なかったですね、去年の総選挙は。野党がバラバラになっちゃった。小池百合子東京都知事が「希望の党」という絶望するような(笑い)新しい政党を立ち上げ、前原さんがこれに合流しようと、民進党解党ですよ。ひどい話じゃありませんか。
 東京じゃあ、小池さんのことを、あの人のシンボルカラーは緑だから、「緑のたぬき」と呼んでいるんです(笑い)。前原さんはこのたぬきに化かされちゃった。それで総選挙は「小池にはまってさあ大変」(笑い)と。だけど、そういう大変な状況の中でも「野党は共闘」という声に押されて立憲民主党ができた。これに共産党が、献身的な「候補者Xの献身」というやつですね。それぞれの選挙区で自主的に立候補を取りやめるという。これがなかったら大変なことになっていたと思うんです。おかげで立憲勢力、野党勢力はそれなりの成績を収めることができた。これは1つにまとまったからですよ。だから今度だってまとまれば勝てる。いつだって勝てるんです、まとまりさえすれば。
 だから、今度は「枝野立て」じゃなくて「枝野組め」ですよ。こういう声をみなさんのなかから、市民の側からそういう声を出していかないと、政党だけの話ではうまくいかない。どこだって自分のところで候補者を立てたいと思っているわけですから。お互いに譲りなさいということを、そういうプレッシャーをぜひみなさんの側から出していっていただきたいものだと思います。
 安倍首相の弱点は、会期が短く難問山積、最後の任期でレームダック。もう後釜をねらって動き出していますからね。次は俺だと。石破さんなんかは早く倒れろと思っているんじゃないでしょうかね。手ぐすね引いて待っている。岸田さんは早速福井で後援会をつくった。
 次はない。3選して任期3年。人気があってもなくても(笑い)いちおう3年はやるということになっているわけです。でも人気がなかったら、せいぜい次の参議院選挙まででしょうね。その前に、安倍さんなら危ない、選挙の応援に来てほしくないというような声が地方で大きくなれば「安倍おろし」が始まるかもしれません。
 モリだ、カケだ、ソバ屋じゃないかという話がありましたけど、これから寒くなりますけどおろしそば、「安倍おろしそば」(笑い)。注文が来るかもしれない。これはわかりませんが、臨時国会での野党の攻勢いかんということになるだろうと思います。
 憲法99条には「国民」という言葉は入っていない。「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とある。大臣、国会議員、公務員は憲法を尊重し擁護する義務を負っている。しかも安倍さんは国務大臣のトップじゃないですか。国会議員でもあり、公務員でもある。三拍子そろった尊重擁護義務を負っている人が改憲を呼びかけている。
 「権力者はライオンで、憲法は檻だ」と、最近そういう例えが言われますけれども、安倍首相というライオンは、二重三重の檻に入っていなきゃならない人なんです。その人が檻を破ろうと、国民に呼びかけている、国会議員に呼びかけている。「憲法を変えるのが国会議員の責務だ」と。バカなことをいっちゃいけない。憲法を尊重し、擁護するのが国会議員の責務じゃありませんか。
 安倍さん、あなたは憲法99条を読んでいるのかと言いたくなります。ボツダム宣言もつまびらかに読んでいない人ですから(笑い)、憲法99条を読んでいるかどうか、わかりませんね、この人は。

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12月11日(火) 臨時国会と安倍改憲阻止の展望と課題(その3) [論攷]

 〔以下の論攷は、北海道憲法改悪反対共同センター学習交流集会での講演の記録で、北海道経済研究所発行の『北海道経済』No.592、2018年11月号、に掲載されました。かなり長いので、6回に分けてアップさせていただきます。〕

 2 憲法を語る資格も改憲の必要性もない

 安倍首相の場合、憲法を語る資格がない。憲法を変える必要もありませんけれども、語る資格がない。自衛隊の幹部の前で改憲を呼びかける。自衛隊というのは実力組織で、中立的な国の機関ですね。こういう人たち、幹部を集めて会同を開く、あるいは観閲式をやるというときに、あいさつの中で「憲法を変える」という表明をおこなう。あるいは国会に出て国会議員に改憲を呼びかけるということを何回もおこなっている。
 行政府の長が立法府のあり方や審議の仕方にたいして関与し介入することは抑制的でなければならない。三権分立ですからね。立法府と行政府は違うんだから。安倍さんは行政府の長であって、立法府の長じゃない。しかし、本人はどうもそこのところがよくわかってないんですね。ときどき言うんです、「立法府の長」だと。この前も言いましたよね。3回目ですよ。安倍さん、そんなに立法府の長になりたいんだったら、早く行政府の長をやめて、国会の議長にでもなればいい。
 しかし、行政府の長ですから、立法府の審議の仕方は立法府の人たちに任せればいい。ところが、国会に出て行って改憲を国会議員にたきつけている。
 これに対して、野党はもとより国民の中でも警戒感が高まっている。安倍首相によって憲法がいじられると危ないんじゃないかと。いままで戦争する国、戦争できる国に向けていろんなことを安倍さんはやってきた。日本版の国家安全保障会議をつくったり、日本版海兵隊というような新しい部隊を編成したり、法律ということで言えば特定秘密保護法、平和安全法制を成立させる。共謀罪法も。こういう法制度を整備する。それだけじゃない。軍事費を1兆2000億円、安倍内閣になってから増やした。いまアメリカ製の武器を次から次へと買い込んでいる。ローンで買っていますから、後年度負担というかたちの支払い、たいへんな額に上るんじゃないかと思います。
 そればかりじゃありません。教育を変え、マスコミに介入し、若い人たちに愛国心を植え付けている。国のために命を懸けて戦うことを誇りとし、それを望むような若者をつくろうとしています。着々と手を打ってきたわけです。その最後の仕上げとして憲法に手を付けようとしている。これが安倍改憲の本質であり、危険性だといっていいと思います。
 しかし、それにたいしては国民多数が反対している。毎日(賛成19%:反対65%)朝日(36:42)読売(40:47)産経の世論調査、みんな反対のほうが多いですね。読売新聞や産経新聞だって反対が多いんだから。世論調査は基本的には中立的なものでなければなりませんから、同じような数字が出てきて当然ですけれども。
 しかし、読売新聞は改憲に向けて安倍さんのインタビューを掲載して、「詳しいことは読売新聞を読んでくれ」と、安倍さんは言っていましたからね。安倍首相の機関紙みたいなものです。そういう新聞でも、反対が多くなっている。産経だって42・9対48・3。毎日新聞だと賛成は19%です。こういう国民の声をしっかり聞く必要があるんじゃないか。
 そういう中で安倍首相は誤算を積み重ね、焦りを強めている。だからいま一生懸命に呼び掛けているんです。どういう誤算があったか。総裁選挙で国会議員票では8割ぐらいとったんですけれども、党員票では55%しかなかった。半分以上だと思うかもしれませんけれども、投票率62%ですから、実際上党員の中で安倍さんを支持した人は34%ぐらいしかいない。飲ませ、食わせ、握らせ、何でもあり。公職選挙法は適用されませんから違反なんかいくらでもやれる。
 これは安倍さんにとっては予想外。なぜ地方で支持されなかったかというと、安倍さんで選挙をたたかえるのかと、地方議員はみんな心配している。来年の春4月に自分の選挙がありますから。こういう誤算があってうまくいかない。
 うまくいかなかったのはもう1つ。第4次安倍改造内閣ということで、スタートダッシュを決め支持率を上げて改憲に突き進もうとしたのが、改造してふたを開けてみたら支持率が下がっちゃった。横ばいか低下で上がったところはどこもない。新しい内閣をつくるとご祝儀相場というのがありまして、だいたい10ポイントぐらいは上がるのが普通です。今回は下がっちゃった。スタートダッシュに失敗しました。
 それだけじゃない。沖縄で3連敗。県知事選挙で8万票の差がついた。那覇市長選挙ではほとんどダブルスコアですから。こういう結果が県民の意思として示された。
 さらに外交問題。トランプさんと個人的な関係をつくってきても貿易問題では日本も標的になっている。北方領土問題も進展なし。プーチン大統領と22回も会談した。自分の選挙区にプーチンさんを連れて行っていっしょに温泉にまで入った。でも、北方領土は返ってこない、一歩も動いてないどころか、この前のシンポジウムで、プーチンが前提条件なしで平和条約を結ぼう、領土問題を棚上げにして平和条約を結んじゃおうと言ったのに、安倍さんはニタニタするだけで反論できない。
 北朝鮮の拉致問題。これも一歩も動いてない。まったく相手にされていないんです、安倍さんは、金正恩に。金正恩に口きいてもらおうと思って韓国の文在寅大統領をたよりにしようとした。ところが、徴用工問題で韓国の最高裁で判決が出た。もともと侵略戦争と植民地支配からああいう問題が起きているんです。それを政府同士で臭いものにふたをするということで、条約で解決済みにしちゃった。だけど、個人的な請求権は消滅していない。
 「いやあ、植民地支配で苦労をかけた、奴隷労働をさせて申し訳なかった」、これぐらい言ったっていいじゃないですか。慰安婦問題だってそうですよ。金じゃない。気持ちなんです。「悪かった」と一言いえばいいんだよ。安倍さんが韓国に行って、ナヌムの家に行って元慰安婦の人たちをハグすればいいんです。「苦労かけましたね」と、背中をトントンとたたけば問題は解決するんだけれど、そういうことができるような人じゃない。
 モスクワで開かれた韓国と北朝鮮とロシアの3か国の外相会談で、日本を抜きにして5か国協議でやろうという話が出てきている。困っちゃったんです、安倍さんは。それで助けを求めているのが中国の習近平です。中国に日本の首相として7年ぶりに行ったのは、そのためです。でも、これはうまくいくかどうかわかりません。
 なぜなら、いま軍事費を増やしているでしょう。アメリカとの共同演習をやっています。相手はどこですか。「仮想敵国」として考えているのは中国です。一方では握手しながら、他方ではぶったたくための準備をしているんだから。こんなちぐはぐなやり方でうまくいくのか。中国との関係を改善し、緊張を緩和して仲良くするのは結構なことですけれども、しかしそれならばいままで「中国包囲網」形成を言ってきたのはどうするのか。整合的な説明ができるのか。
 あらゆる点で、安倍さんがやっていることはミスマッチばっかりですね。いままで軍事大国化をめざす好戦的政策をやってきましたけれども、日本をめぐる安全保障環境や外交関係は大きく変わっちゃった。去年の今頃は北朝鮮がいつ攻めてくるかわからないという話がまことしやかにされていましたけれども、いまはもうそんなことをいう人は誰もいない。
 非武装地帯を非軍事化して自由に行き来できるようにした。南北の鉄道と道路を結び付ける。南から鉄道で北朝鮮を通って行ける。中国やロシアを通ってヨーロッパまで行ける。釜山からヨーロッパまで。カーフェリーを使えば札幌発ロンドン行きの列車が走るかもしれない。
 だって札幌から博多まで行って、博多から船に乗って釜山まで行き、釜山からずうっとユーラシア大陸、ドーバー海峡のトンネルを通っていけばロンドンまで行けるわけです。私もむかしノルウェーからデンマークまで列車に乗ったまま船に乗りましたからね。こういうフェリーが走れば列車に乗ったまんま、札幌からロンドンに行けるかもしれません。そういうことが将来の夢として語ることができるような新しい時代が始まりつつある。
 そのときになんですか、イージスアショアだとか。ヘリコプター空母を改修してF35Bが離発着できるようにするとか。イージスアショアなんて、完成するのに5年もかかる。何を考えているんだ、といわなければならない。
 日本は軍事力や抑止力、武力による威嚇によって安全を確保する国ではない。憲法前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書いてある。これは世界に宣言しているわけですよ。どこにも武力で安全を確保するとは書いてないんです。9条では「武力による威嚇」も放棄したんですね。抑止力というのは力によって威嚇し、相手を恐れさせて押さえつける。こういう考え方ですからね。本来抑止力論というのは憲法9条や前文に従って外交政策を立案しなければならない政府にとっては、相いれない考え方です。
 ずうっと間違った対応を取り続けてきた。その日本の外交・安全保障政策を本格的に転換し、武力ではなく対話によって、威圧や抑止ではなくて交渉によって平和と安全を確保できるような新しい時代が始まりつつある。本格的に恒久平和主義が実現する、実現させることができる。
 こういう「活憲」の時代、憲法を政治と生活に活かすことができるような時代が始まった。このような時代においては、いまの憲法を変えるのではなくて、活かすことが必要だということです。

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12月10日(月) 臨時国会と安倍改憲阻止の展望と課題(その2) [論攷]

 〔以下の論攷は、北海道憲法改悪反対共同センター学習交流集会での講演の記録で、北海道経済研究所発行の『北海道経済』No.592、2018年11月号、に掲載されました。かなり長いので、6回に分けてアップさせていただきます。〕

 1 改憲強行に向けての本格的な攻勢

 安倍首相は、先ほど言ったように所信表明演説の中で、あるいは国会での答弁で、しきりに「憲法を変える、憲法を変える」と呼びかけているわけですけれども、常識的に考えれば、臨時国会で改憲発議までもっていくのはかなり難しいと思いますね。12月10日までの会期しかない。しかも、やらなければならない課題がたくさんある。時間が足りない。いまから延長するという話が出ていますけれども、来年1月にはまた通常国会が始まりますから、そんなに長く延長するわけにはいかない。ということで、常識的に考えれば臨時国会で改憲発議までもっていくのは非常に難しいと考えるのが普通です。
 しかしみなさん、ここでいわなきゃならないのは、安倍首相という人は、常識が通用しない人だということです。何を言い出すか、やりだすか、わからない。しゃにむに強行策に打って出る可能性もある。そういう人ですから、臨時国会で憲法審査会に案を出して自民党だけでも改憲発議にもっていきたいと考えているかもしれない。こういう危険性を彷彿とさせるような事例がすでに生まれている。
 第4次安倍改造内閣が発足しましたけれども、改憲シフト、それと選挙シフトという2つの特徴がある。もうひとつ言いますと、極右・靖国派が大半を占めているということです。20人の閣僚のうち15人が「日本会議国会議員懇談会」に入っている人たちで、公明党の大臣以外は全部、宗教関係の「神道政治連盟」に入っている、靖国派といっていい人たちですね。
 改憲シフトでいえば、自民党の憲法改正推進本部長に盟友の下村博文さんが抜擢されました。自民党の法案を審議・決定する役割がある総務会の会長に加藤勝信さんを、これも盟友、側近のひとりですね、あてると。さらに衆議院の憲法審査会筆頭理事に新藤義孝さんなど、自分の意を汲んで動くような盟友や側近を起用したということです。
 さっそく下村さんは、各衆議院小選挙区に憲法改正推進本部を設置しろという指示を出し、草の根から改憲機運を盛り上げるために地方遊説を始めました。この前、北海道の北斗市に来て演説をしていましたね。いろんな人の意見を聞くと、どうも安倍さんがネックのようだと。だから安倍色を払しょくしなければならないと言っていましたけれど、下村さん、払拭しなきゃならないのは安倍色じゃない、安倍首相その人だ。
 安倍なき改憲なら、まだ議論の対象になるかもしれませんけれども。しかし先ほど言いましたように、平和主義に抵触する自衛隊の存在を書き込む、あるいは基本的人権を阻害する可能性のある緊急事態条項を新設する、こういう内容を提案しようとしているわけですから、これは認められない。
 この改憲をゴリ押しすれば、大きな不都合が出てくるんです。どういう不都合かというと、来年選挙があるということです。4月に統一地方選挙、7月に参議院選挙がある。この選挙が「大丈夫か」という地方議員や参議院議員の不安が出てくる。大丈夫だよと思わせるために、甘利明さんを選対委員長に据える。そして稲田朋美、萩生田光一などの側近を選挙関係の役職につける。これは選挙を乗り切るための体制づくりということになるわけです。
 こういう中で、安倍首相は所信表明演説で、各政党が案を出してほしいといっている。自民党が党大会で決めた4つの案は議論を進めるための提案にすぎないと。
 おかしいじゃないですか。憲法を変えるというなら、ここが不都合だと言うべきだ。だから変えなきゃならない、不都合なところがあるから変える。これが当たり前のことです。ところが、不都合なところはみんなで相談して決めてくれと。気の狂った医者みたいです。
 新しいやり方で手術をしてみたい。これを最初にやったということで歴史に名前を残す。野心に満ち溢れた気の狂った医者ですよ。切らせてくれというんです。どこが悪いか、よくわからないから、手術するところをみんなで相談して決めろと。さしあたり反対の少ない切りやすいところから切らせてくれというのが、いまの安倍首相の改憲提案です。
 そもそも切る必要がない。健康体だからいいじゃないか。改憲提案を出せといわれたって困っちゃいますよ、いまのままでいいといっているんですから。いまの憲法はすでに公布されてから72年ですよ。安倍さんは50年、100年もつような国の理想の姿を、といっていましたけれども、いまの憲法はもうすでに50年以上定着している。いい憲法だから定着したんです。変える必要がないから、変えようという意見が出て来ない。それを無理やり変えようとしている。もう改憲が自己目的化しているといっていいんではないかと思います。
 「できるだけ幅広い合意の下で」というんです。いいじゃないかと思っちゃいけません。「できるだけ」ということは、できなければやらないということですから。「幅広い合意」も限定付きです。やれなければしようがないなあと、こういうことでしょうね。
 「説明だけでもさせてくれ」ということでトーンダウンしたと言われていますが、とにかく憲法審査会を開いて、そこに案が出たという実績をつくりたいということでしょう。これを手掛かりにする。そのために野党の中の「援軍」を利用する。「維新の会」ですね。代表質問で馬場幹事長が「憲法を変えろ」と迫っていましたから。野党の中でも自民党の改憲論に近い政党を利用する。あるいは「国民投票法を審議するから憲法審査会を開いてくれ」と餌をまく。国民民主党がCM規制などで新しい国民投票法の案を出しました。これを利用しようとしている。
 いろんなやり方で、とにかく憲法審査会を開きたい。これをとにかく動かし、そこに自民党の案を出して臨時国会から通常国会へと継続させ、土俵にのせて時間をかけて審議したからよかろうということで発議に持ち込む。できれば臨時国会で、できなければ通常国会で改憲発議にもっていく。これがいま安倍首相の考えているねらいなのではないかと思います。
 スキあらば発議に持ち込む、ということであれば、これにどう対抗するか。スキを見せないということです。改憲問題を提起したり、あるいは発議に持ち込んだりというような余裕を与えない。通常国会で野党はそういうやり方をとったわけですね。森友・加計学園問題などを厳しく追及し安倍さんは防戦一方で、とても憲法問題に取り組む余裕がなかった。この臨時国会でも、野党が安倍内閣にたいする鋭い追及をおこなうことによって、つけ入るスキを与えないというたたかいかたが必要なのではないかと思います。

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12月9日(日) 臨時国会と安倍改憲阻止の展望と課題(その1) [論攷]

 〔以下の論攷は、北海道憲法改悪反対共同センター学習交流集会での講演の記録で、北海道経済研究所発行の『北海道経済』No.592、2018年11月号、に掲載されました。かなり長いので、6回に分けてアップさせていただきます。〕

 (紹介)北海道憲法改悪反対共同センター主催で11月5日、札幌市内で開催された講演会での法政大学名誉教授五十嵐仁氏の講演の大要を紹介します。(共催は、北海道革新懇、北海道安保破棄実行委員会、北海道平和委員会、9条ネット北海道有志の会)―文責は編集部

 はじめに

 みなさん、こんばんは、ただいまご紹介いただきました五十嵐仁でございます。はじめに、先般の地震について、一言お見舞いを申し上げたいと思います。私も新潟生まれで新潟地震、それから2011年の3・11東日本大震災を経験しております。たいへんな思いをされたのではないかと思います。最初に、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げさせていただきます。
 臨時国会が開かれました。いま審議がおこなわれております。まず補正予算が大きな課題としてあったわけですけれども、すでに衆議院を通過して参議院での審議が始まっています。災害対策は非常に重要なテーマでございまして、これは早急に成立するだろうと思います。
 引き続いて入国管理法の改正問題、新しい移民政策になるのではないかと考えられているような、外国人労働者の日本への入国を拡大するという問題が国会で取り上げられます。この国会の直前に安倍首相が表明した来年10月1日からの消費税10%への引き上げ問題も取り上げられなければなりません。
 それ以外に、社会保障の問題、「全世代型社会保障」といっております。実質は「全世代社会不安」といっていいんじゃないか。あるいは沖縄での辺野古新基地建設の問題、さらには閣僚の資質。国会で片山さつき地方創生担当相が追及されていました。滞貨一掃といわれますけれども、何回も当選してきたにもかかわらず、なかなか大臣になれなかった人たちが今回12人も入った。なんでなれなかったかというと、大臣にしたらあぶない人たちだったからです(笑い)。
 桜田義孝五輪相もオリンピックの理念を問われて答えられないというような、ていたらくでした。これから次々にこういう人たちが登場してくる。前の金田法相みたいな人たちがずらっと並んでいるわけですから、楽しみですね(笑い)。
 さらには外交・貿易。アメリカでトランプ大統領が登場し、いま貿易戦争を仕掛けている。中国だけではない、日本も二国間交渉に引きずり込むということで、いよいよ攻勢がかけられてくる。「イランから原油を輸入するな」と各国に圧力をかける。日本には例外措置をとるといっていますが、最長で180日間ですから半年間です。半年後には日本もイランからの原油輸入ストップとなる。
アメリカもたいへんな人を大統領に選んだものだなあと思いますね。トランプなのにハートがない(笑い)。めくってみたら出てくるのはジョーカーばっかりです。ジョーカーだけで新しいゲームをやろうというのがトランプさんなんです。
 戦後の世界政治、秩序が大きくいま変わりつつあります。悪いことばかりじゃない。北朝鮮との和解、非核・平和体制構築ということで。これはトランプさんの性格が幸いした唯一の例ですね。あの人は他人の話を聞かないですから。だから周りの人がいろいろ言っても、俺はやるんだということで北朝鮮との米朝首脳会談を強行したわけですね。
 相手の金正恩さんも、他人の話を聞く必要のない国で最高権力者ですから。他人の話に左右されない二人が勝手にやったわけですけれども、しかしそれが世界平和にとってはプラスになるような前進的、巨大な変化を生み出している。
 いずれにしましても、こういう世界政治、あるいは貿易の変化の中でどう対応していくのか。これも臨時国会の中で議論されなければならない非常に重要なポイントになっていくのではないかと思います。
 この臨時国会の中でも、とりわけ安倍首相が力を込めて所信表明演説で強調していたのが改憲問題です。憲法を変える時がやってきたと、安倍さんは考えているのではないか。ガチンコ勝負が始まった。せめぎ合いです。安倍首相は本腰を入れて改憲に取り組もうとしている。
 ただ、ここですぐ言わなきゃならないことは、安倍さんが前のめりになればなるほど国民や野党は腰が引けてしまうという関係にあります。はたしてこのガチンコ勝負、安倍さんがうまくやれるか。なかなか難しいのではないかと思います。
 マスコミも大きく変わってきた。安倍首相の応援団になるような新聞やとりわけテレビ。NHKも安倍首相を応援するような報道姿勢に変わってきている。フェイクニュース、ポスト真実の時代。ウソか本当かわからないどころか、フェイクというのは虚偽ですから、平気でウソがふりまかれる時代になってしまった。
 いちばん極端なのは国会の中での質疑です。安倍首相の答弁を聞いてごらんなさい、ウソばっかりじゃないですか。安倍首相の3原則というのがありまして、「隠す、ごまかす、ウソをつく」。あの人はフェイクが背広を着て歩いているような人でして、だまされてはいけません。真実を見抜く目を私たちはもたなきゃならない。何が本当であるかということを、日々のニュースの中からしっかりつかんでいく。
 そのためには正しい地図と羅針盤をもたなければならない。そして情報を受け取るだけではなく、私たちの側からも積極的に事実や情報を発信していく。そのためにも学ぶ、学習する。これが非常に重要になってきているのではないかと思います。きょうの私の話が多少ともそれに役立てば幸いです。
 最初に、改憲問題を考えるうえで重要な3つのポイントを言っておきたいと思います。1つは憲法を変えるといった場合、改憲の限界があるということです。憲法の理念に反する、あるいは理念を壊すような憲法の条文の書き換えはゆるされない。これが憲法改定の限界というものです。
 いまの憲法の理念は3大理念と言われています。「国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義」。これに地方自治、議会制民主主義を加えてもいいと思います。これに反するような、あるいはこれを破壊するような条文の書き換え、改める「改憲」ではなく、破壊する「壊憲」はゆるされないということを、憲法の改定にあたってまず確認しておかなければなりません。
 2つ目は、「後法優位の原則」というのがあります。前にあった条文と後から新たに付け加えられた条文とが矛盾している場合は、あとから付け加えられた条文が優位するということです。
 安倍首相は、いまある憲法の9条1項、2項はそのままに、自衛隊の存在を書き加えようとしています。これをおこなっても自衛隊の機能や役割は変化しない、だから国民のみなさん、心配しなくていいですよと、こういう話をされるわけです。おかしいじゃありませんか。変わらないんだったら変える必要はないでしょう。変わるから変えようとしているわけですね。なぜ変わるのかといったら、いまいったようにあとから付け加える、自衛隊を書き加えたことのほうが9条1項、2項よりも優越する。
 「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇、又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」。これが9条ですね。
 このあとに自衛隊の存在を書き加える。そうすると、自衛隊が憲法上の位置づけを与えられ、正当化される。そして集団的自衛権など、部分的ではなく全面的に、フルスペックといっていますけれども、完全に集団的自衛権行使が認められるような、戦争する国、戦争できる国に変わってしまう。これが2つ目の点です。
 3つ目は、憲法というのは最高法規ですから、いちばん上にある。あらゆる法律を規制する役割を持っている法律の中の法律ですね。ですから、ギリギリ賛成が多いということで変えられるようなことであってはなりません。「国民的合意」の下で、大半の国民が、こういう内容であれば変えてもいいだろうという納得の下に改憲される。これが原則です。分断や対立の中で、激しい争いを経て憲法が変われば、その後の憲法の正当性や権威にかかわるということになってしまいます。
 以上3点からいって、いまの安倍首相がやろうとしている9条改憲は断固としてゆるされない。このことをまず明らかにしておかなければならないと思います。

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12月6日(木) 戦後世界秩序の激変の下で混迷深める安倍外交(その2) [論攷]

 〔以下の論攷は、市民の意見30の会発行の『市民の意見』No.171、2018年12月1日付、に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 拉致・領土問題で成果なし

 朝鮮半島の非核化と平和構築に向けて米朝首脳会談が開催されましたが、「圧力一辺倒」の安倍首相は事態の急進展に対応できず、完全に孤立してしまいました。東アジアでの緊張緩和が進むなかで、安倍政権が進めてきた軍事大国化を目指した好戦的政策とのミスマッチも拡大しています。
 日本がのけ者にされているような事態も生じました。5月24日に北朝鮮がプンゲリ(豊渓里)の核実験場を爆破して公開したとき、6カ国協議に参加している国の中で日本のメディアだけが除外され、代わりにイギリスの記者が招待されたからです。
 6カ国協議でも、日本だけが除外されそうです。モスクワからの報道によれば、「ロシア外務省は10月10日、朝鮮半島の緊張緩和のため、米国と韓国を交えた5カ国協議が必要だとの認識でロシア、中国、北朝鮮が一致したことを明らかにした」そうですから。
 ロシアとの関係も予断を許さないものになっています。これまで安倍首相はプーチン大統領と22回も首脳会談を行って個人的な関係を築いてきましたが、北方領土問題を解決する点では何の役にも立たず、かえって経済開発のお手伝いをさせられ実効支配を強めてしまっています。プーチン大統領から突然、前提条件なしでの平和条約締結を持ち掛けられても反論すらできませんでした。
 最近目立つのは北方領土での軍事力の強化です。外務省によれば、ロシア政府から択捉島の近海でロシア軍が射撃訓練を行うと日本側に通知があり、これに抗議したところ、ロシア外務省は「自国の領土であらゆる活動を行う権利がある」と主張し、「儀式のような抗議ではなくすでにある政府間対話の枠組みを通して解決すべきだ」と反発したといいます。慌てた外務省は年内に2回も日露首脳会談を開いて関係を改善しようと躍起になっています。
 拉致問題や北方領土問題は全く進展せず、北朝鮮の金正恩委員長からは相手にされていません。韓国とは慰安婦問題や損害賠償を請求した徴用工への最高裁判決などをめぐって対立が深まるばかりです。成果ゼロではありませんか。「外交の安倍」だなんて、聞いてあきれます。

 中国への急接近

 このような孤立から抜け出そうとして、窮地に陥った安倍首相が助けを求めているのが中国です。安倍首相は北京を訪問して関係改善に乗り出しました。友好関係が回復され日中関係が正常化されるのは結構な話ですが、これまでの中国敵視政策や「中国包囲網の形成」政策との整合性をどのようにして取るつもりなのでしょうか。
 依然として、南シナ海での海上自衛隊の潜水艦訓練や米空軍の戦略爆撃機と航空自衛隊との共同訓練、種子島での水陸機動団と米海兵隊との国内初の合同演習などを実施しています。いずれも「仮想敵国」として想定されているのは中国です。
 一方で握手の手を差し伸べながら、他方で対中接近に反発する極右勢力や中国敵視を強めているトランプ米政権に「言い訳」しようとしているようです。この点に安倍外交のジレンマとチグハグぶりが明瞭に示されています。

 むすび

 安倍外交の失敗の背景には、歴代の自民党政権による外交政策の誤りがありました。アメリカに従属するばかりで独自の外交政策を持たず、戦争責任を曖昧にして周辺諸国を敵視し、もっぱら軍事同盟と抑止力の強化によって安全を確保しようとして軍事大国化をめざしてきたからです。
 極右的なイデオロギーに駆られて、このような誤りを極大化させたのが安倍首相です。軍事費の増大や軍事基地の強化、アメリカからの防衛装備品の大量購入、特定秘密保護法や安保法制(戦争法)、「共謀罪」法の制定、憲法9条改憲の野望など「戦争できる国」づくりに向けての軍事大国化路線を走り続けてきました。
 戦後世界秩序と日本周辺の国際環境の激変によって、このような好戦的政策と変貌する現実とのミスマッチもかつてなく大きなものとなり、安倍外交の漂流が始まったのです。もはや、このような政策を続行することは不可能になりました。国際社会での日本の孤立を避けようとすれば、外交・安全保障政策の根本的な転換は避けられません。

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12月5日(水) 戦後世界秩序の激変の下で混迷深める安倍外交(その1) [論攷]

 〔以下の論攷は、市民の意見30の会発行の『市民の意見』No.171、2018年12月1日付、に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 はじめに

 戦後世界秩序は今、大きく変化し始めました。その最大の要因はトランプ米大統領の登場です。「アメリカ第一主義」を掲げ、世界共通の利益よりもアメリカ独自の利益を優先し、交渉ではなく取引を重視する大統領の立場は、アメリカの内外政治に大転換をもたらしています。
 このような転換は日米同盟を主軸としてきた日本外交にも大きな影響を及ぼしています。とりわけ、6月の米朝首脳会談の開催によって朝鮮半島の非核化と平和体制の構築に向けての基本的な合意がなされ、日本周辺の国際環境を大きく変えました。これは南北朝鮮間の武力衝突の回避と緊張緩和措置の具体化などの形で、現在も進行中です。
 戦後世界秩序の激変に対して安倍政権は適切に対応できず、国際的な孤立を深めています。朝鮮半島の非核化・平和構築の足を引っ張り、拉致問題や北方領土問題を進展させることもできず、外交面で安倍政権は混迷の度を強めているのが現状です。

 暗雲が漂い始めた日米関係

 世界秩序の激変は日本にも巨大な影響を及ぼしました。長い間、アメリカに追随するだけで独自の外交理念とビジョンを持たない日本は、トランプ大統領の気まぐれな外交攻勢に翻弄され、日米関係にも暗雲が漂い始めています。
 安倍首相はこれまで避けてきた貿易に関する2国間協議に引きずり込まれてしまいました。「日米物品貿易協定(TAG)」と看板をかけ変え、「全く異なる」と弁解していますが、基本的な内容は「自由貿易協定(FTA)」と変わりありません。合意文書の翻訳を日本政府が改ざんした疑惑まで生じています。
 日本との新たな通商交渉で、ムニューシン米財務長官は為替介入をはじめとする意図的な通貨安誘導を阻止する「為替条項」の導入を要求すると表明しました。物品だけの交渉ではない新たな「火種」の登場であり、このような攻勢は今後も強まるにちがいありません。
 米中間選挙で上下両院がネジレ状態になった結果、日本への圧力はさらに強まるとの観測が出ています。国連での決議をめぐって、核兵器軍縮問題でも日米の見解の相違が表面化しました。従米一本やりでやってきた安倍外交の真価が問われることになります。
 今後の貿易交渉では、自動車輸出を守るために農産物の関税引き下げを受け入れることになるでしょう。関税はTPPの水準を越えないとされていますが、どうなるかは分かりません。すでに、種子法の廃止で農業生産にとって大切な種子が多国籍企業の餌食とされ、「農業改革」によって家族経営の中小零細や兼業農家の切り捨てが始まっています。そのうえ、輸入農産物の関税が引き下げられれば日本の農業と農村は壊滅するでしょう。 

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12月4日(火)『日刊ゲンダイ』でのコメント [コメント]

 〔以下の私のコメントは、『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕

*『日刊ゲンダイ』11月20日付巻頭特集「働き方、移民法…詐欺師政権が目論むサラリーマン地獄社会」
 「隠す、ごまかす、嘘をつくが安倍政権の特徴で、議会軽視の改ざん、捏造は朝飯前の感覚です。官邸に人事権を握られ、常に官邸の顔色だけをうかがうヒラメ官僚たちも、新制度導入ありきで突っ走る。しかも“移民法”は『来年4月施行』とお尻を切られているから、なおさらです。捏造常習は意図的で構造的な犯罪行為。起こるべくして起きた確信犯なのです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 前出の五十嵐仁氏は「聞き心地のいい言葉で不都合な真実を覆い隠すのも、この政権の常套手段です」とこう続けた。
 「まず外国人労働者拡大の前に、介護や建設、飲食などキツイ仕事の『労働環境の改善』や『最低賃金の引き上げ』を図るべきです。それなのに、安倍政権は『人手不足』に問題をすり替え、キツイ仕事の低賃金は放置したまま。これでは労働条件は上がらず、外国人労働者との価格競争の激化は必至です」

*12月1日付巻頭特集「防衛費増で財政は火の車 税を巡る“亡国政権”の支離滅裂
 「トランプ大統領の歓心を買うためにアメリカから兵器を大量に買っただけでなく、安倍首相は外遊するたびに現地で経済支援を約束するなど、税金を大盤振る舞いしています。しかし、巨額の借金を抱えている日本に、外国に税金をバラまく余裕はないはずです。そもそも、税金は国民から預かったものです。だから、先進民主国のリーダーは、どうしたら有効に使えるか、神経をとがらせている。しかし、どこまで安倍首相が“税金を使うこと”と“税金を徴収すること”の重みを自覚しているのか疑問です。使うことも、徴収することも、安易に考えているのではないか」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 「税の最大の役割は、所得の再配分です。富裕層から貧困層に富を再配分する。ところが、安倍首相のやろうとしていることは、アベコベです。消費税はただでさえ逆進性が強いのに、ポイント還元は、高い買い物をするほど恩恵が大きくなる金持ち優遇です。そもそも、クレジットカードを作れない貧困層には恩恵がない。恐らく安倍首相は、税の役割が“富の再配分”にあることも知らないのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

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