So-net無料ブログ作成
前の10件 | -

7月20日(土) 日本の転落をストップできる「最後のチャンス」かもしれない参院選での投票 [参院選]

 「日本の明日を切り崩す」

 安倍首相が写っているポスターの「日本の明日を切り拓く」という言葉をこのように変えた偽の画像がインターネット上で出回っているそうです。「切り拓く」を「切り崩す」と変えただけで、他は全く同じものです。
 この画像は事実ではない情報だと、ファクトチェックで指摘されています。自民党が出したポスターではないという点では「事実」ではありませんが、安倍首相が「日本の明日を切り崩す」首相だというのは、事実そのものではないでしょうか。
 そうならないように、明日の投票日には必ず投票所に足を運んで投票していただきたいと思います。棄権したり自公の与党や維新に投票したりすることは、現状維持ではなく「転落」への加担であり、「日本の明日を切り崩す」ことに手を貸す結果になるのですから。

 今回の選挙での最大の争点は「隠す・ごまかす・嘘をつく」政治手法を常用してきた安倍首相による政治運営を許すのか、それとも阻止するのかという点にあります。このような安倍政治を許さない、お灸を据えたいとの願いを、一票に込めて投票していただきたいものです。
 安倍首相はデフレ脱却、被災地の復興加速、放射能の制御、北方領土の返還、拉致被害者を取り戻すなどを約束してきました。しかし、全て真っ赤な嘘で、全く実現していないではありませんか。
 だから、「偽造・捏造・安倍晋三」などと言われるのです。もはや「安倍晋三」ではなく「安倍ねつ造」と言うべきで、このような嘘つきには「サヨナラ」してもらうしかありません。

 これまでの安倍政治を支えてきた二つの柱は、外交・安全保障と経済・財政でした。しかし、この両方とも破たんが明確になっています。
 対北朝鮮、対ロシア外交は失敗続き、韓国との関係は戦後最悪で、アメリカの顔色ばかり窺っている「おもてなし」外交では、トランプ大統領が農産品の関税自由化と武器爆買いの「密約」をほのめかしています。対米外交は「表なし」ですから、裏ばかりなのも当然でしょう。
 アベノミクスも2%のインフレ目標は達成できず、6月の短観は2期連続の悪化で景気は悪く消費不況が続いています。アベノミクスは「アホノミス」となり、異次元金融緩和の「黒田バズーカ」は「ズー」が抜けて「黒田バカ」になってしまいました。

 安倍首相は「憲法について議論する政党か、議論さえしない政党かを選んでもらいたい」などと言っていますが、これも嘘です。真の争点は憲法について議論するかどうかではなく、9条改憲を認めるかどうかにあります。
 そもそも国会の予算委員会を3カ月以上も開かず、与野党間の議論から逃げまくったのは一体誰でしょうか。安倍首相その人ではありませんか。
 今回の選挙で急浮上した争点が年金問題です。老後資金として「2000万円貯めろ」ななどと言われても無理だ、そういう前に貯まるだけの給料を払え、金がないなら武器買うな、金があるなら年金に回せ、税金上げずに年金上げろと言おうじゃありませんか。

 秋からの消費税の増税も大きな争点です。税金はお金を持っているものから取ればいいんです。企業の内部留保は446兆円も貯まっているんですから。
 何度も示された県民の意思を無視して進められている沖縄での新基地建設も重要な争点で、土砂を投入すればするほど溝が深まっています。大村湾側の海底は軟弱地盤でマヨネーズのようになっており、こんなところに基地を作れると考えている安倍首相の脳みそもマヨネーズではありませんか。
 公明党のポスターには「小さな声を聞く力」と書いてありますが、消費増税中止や辺野古新基地建設反対という国民や県民の声は届いていないようです。「小さな声」を聞く力はあっても、切実な願いを込めた「大きな声」を聞く力はないということでしょうか。

 これ以外にも、今度の選挙には地方都市と農村地域の存亡がかかっており、一人一人の命と安全が問われています。これまでの生活を変わらず維持するためには、政治を変えなければならないというギリギリの選択に直面しているのです。
 安倍政権の下で小零細兼業農家が淘汰され、TPP11などによって農産物の関税引き下げが進められ、年金不安と消費増税によって生活の基盤が脅かされています。水道民営化、種子法廃止などによって公共の資産が民間にゆだねられ、農地、森林、漁場、医療や介護、労働、教育のような社会的共通資本が企業にさしだされてきました。
 政治による大災害が迫っています。一人一人がその危険性に気づき、自ら「命を守る行動」をとらなければなりません。

 このような政治的大災害の発生を防ぎ、安倍政治を変える力は市民と野党の共闘にあります。32の1人区で共闘が実現し、13項目の政策合意が結ばれるなど共闘の内実は進化してきました。
 選挙区では、1人区なら野党共闘の統一候補に投票していただきたいと思います。複数区では、自民・公明・維新以外の候補に、とりわけ最後の1議席を争っている立憲野党に入れてください。
 なかでも、北海道、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫の選挙区では、最後の1議席を自公維の改憲勢力と共産党が競り合っていると報道されています。これらの選挙区では、共産党候補に1票をお願いいたします。

 かつて改憲論者で論敵であった小林節さんが「70歳の護憲派宣言」をされ「比例は共産党に」と呼びかけておられます。それなのに、政治的な物心ついた時からの「護憲派」だった私が黙っているわけにはいきません。
 小林さんとともに、私も呼びかけたいと思います。「比例は共産党に」と……。

nice!(0) 

7月19日(金) 自民党〝地金〟天皇の政治利用 [コメント]

〔以下の談話は、『しんぶん赤旗』2019年7月17日付、に掲載されたものです。〕

 武部元幹事長「日本は天皇の国」 自民候補応援 国民主権を否定
 日本共産党を攻撃

 五十嵐仁法政大学名誉教授の話
 また自民党の地金が出たと思います。発言の背景には、改元フィーバーや天皇代替わりなど、安倍晋三首相による天皇の政治利用があります。かつては、森喜朗元首相の「神の国」発言がありました。日本が「天皇の国」であるかのようなイメージを振りまくことで、政権基盤の安定に利用しています。〝地金〟ですから、今後も折に触れて出てくるでしょう。
 日本は国民主権ですから、天皇の国でも神の国でもありません。その主権者である国民に支持を訴えている選挙中の発言としては最悪の内容です。
 共産党は2004年に綱領を変更し、第1条を含むあらゆる条項を守って、国会の開会式に出席しています。攻撃するなら相手のことを知るべきで、この発言は自らの不勉強をさらけ出すだけです。


nice!(0) 

7月18日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「低投票率で野党伸び悩み このままでは安倍政権の思うツボ」
 投票日まであと5日。いまからでも遅くない。やれることは、すべてやるべきだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「選挙情勢をみると、複数区では、最後の議席を自民党と野党が争っている選挙区がいくつかあります。まず、野党サイドは、その選挙区に全党首が一斉に入って応援するくらいの行動を起こすべきです。いまからでも本気で野党共闘すれば、1人区でも複数区でも奪える議席はあるはずです。野党が本気で共闘して情勢が動けば、シラケていた有権者だって選挙への関心を持ちますよ。もし、世論調査の結果通り投票率が下がり、自民党が圧勝したら、どうなるか。数にモノをいわせた安倍政権の横暴は歯止めが利かなくなり、霞が関の忖度も露骨になっていくでしょう。もちろん、消費税増税も実施され、庶民の暮らしはますます苦しくなっていく。弱体化した野党が反対の声を上げても、“自分は国民から支持された”と一蹴されるのは目に見えています。自民党を大勝させるのか、それとも敗北させるのか。この1週間で日本の政治は大きく変わります」


nice!(0) 

7月17日(水) 小林節慶応大学名誉教授の共産党への応援ビデオでの演説を聞いた [参院選]

 驚きましたね。小林節慶応大学名誉教授が共産党の応援ビデオに出て「比例は共産党」と訴えているのを見ました。
 安保法制(戦争法)が審議されていたとき、2015年6月4日の衆議院憲法審査会に参考人として国会で証言された小林先生です。あの時も、長谷部恭男、笹田栄司氏とともに集団的自衛権の行使は違憲であると証言して驚かされました。

 私の現役時代、小林さんは改憲派の急先鋒で自民党のブレーンとして有名でした。私にとっては手ごわい論敵だったのです。
 その小林さんは安倍首相の96条改憲論を「裏口入学だ」と批判したころから徐々に変わり始めました。私が八王子市長選挙に立候補した時も、かつての立場の違いを越えて2回も応援に駆けつけてくださいました。
 この時、「かつて向こう側におられた小林先生ですが、気がついたら横にいた。今回は、私の後ろから押し上げて下さろうとしています」と、演説したものです。かつての論敵が心強い味方に変わったことを実感した瞬間でした。

 しかし3年前の参院選で、小林さんは「国民怒りの声」を立ち上げて比例代表に立候補しました。結果的に立憲野党を分断するような形になり、当選者を出すこともできませんでした。
 本人の思いとは裏腹に、市民と野党の共闘から一線を画す形になってしまったのではないでしょうか。その後、政治活動から身を引かれましたが、安倍首相が狙う9条改憲に反対する言論活動を続け、最近になって「70歳の護憲派宣言」を明らかにし、今度の選挙では共産党を応援するビデオに出演するに至ったというわけです。
 ビデオの中では、共産党は企業献金を受け取らず、利権に歪められないので「国民のためになることしか言わない」と語り、「このことに最近気づきました」と仰っています。もっと早く気づいてほしかったと思いますが、しかし気づかないままでいるよりはずっとましです。

 人間はこのようにして、これほど変わることができるのかと、小林さんを見ていてそう思います。このような変化の可能性は、小林さん1人のものではないでしょう。
 事実を知りさえすれば、多くの人が気づき変わっていく可能性を持っているのではないでしょうか。そのような変化の可能性を掘り起こし、多くの有権者に気づいていただくのが選挙運動のもっている大きな意味にほかなりません。
 投票日まであと4日間です。この期間にどれだけ多くの有権者に事実を知らせ、小林さんと同様の「気づき」を呼び起こすことができるかどうかが勝敗を分けるでしょう。

 小林さんは比例代表での共産党支持を訴えていますが、比例だけでなく選挙区でも、北海道、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫などでは、自民・公明の与党や維新の会などの改憲勢力と最後の1議席を争っています。比例代表で議席を伸ばすだけでなく、これらの選挙区でも当選を勝ち取ることが「共産党に勝ってもらうしかない」という小林さんの訴えに応える最善の道ではないでしょうか。

nice!(1) 

7月16日(火) 大阪市の存続は辰巳幸太郎候補の当選にかかっている [参院選]

 「今回、これが私の唯一の応援スピーチです。私が野党候補の応援に行くと、勤め先などに『サヨク教員め』といった電話が来ます。私はともかく職員がとても困っているので、今回はすべての応援依頼をお断りしました。でも、たつみさんはどうしても国会に必要な政治家です。応援を決意しました。」

 これは立教大学教授で精神科医の香山リカさんの応援演説です。参院選の大阪選挙区で、共産党の辰巳幸太郎候補の応援スピーチでこのような話をされました。
 私も法政大学の大原社会問題研究所に勤めていましたが、「勤め先などに『サヨク教員め』といった電話が来」ることはありませんでした。もっとも、現役時代に「野党候補の応援」でスピーチするということもなく、香山さんほど「サヨク教員」として知られていなかったのかもしれませんが。
 それにしても、勤め先に電話が来て迷惑をかけることになるから応援依頼を断るという状況になっているというのですから、社会の右傾化が進み不自由な世の中になってしまったものです。それにもかかわらず、香山さんは辰巳候補だけは例外だとして応援に駆け付けました。

 香山さんの前には「れいわ新選組」の山本太郎代表も辰巳候補の応援に駆けつけています。その理由は、香山さんの言う通り「たつみさんはどうしても国会に必要な政治家」だという点にあり、モリカケ疑惑の追及など国会議員としての能力や実績は山本さんも高く評価されていた通りです。
 私も辰巳候補にはぜひ当選していただきたいと思いますが、その理由は「どうしても国会に必要な政治家」だということに加えて、大阪選挙区の選挙情勢にあります。

 時事通信の調査では、大阪選挙区では「維新現職の東、自民現職の太田が先行。残る2議席を維新新人の梅村、公明現職の杉、共産現職の辰巳、立憲新人の亀石が激しく争う」とされています。このままの順番だと、辰巳候補は5番目になります。
 大阪選挙区の定数は4ですから、このままでは維新・自民・維新・公明になりそうだということです。それを阻止するためには、何としても5位につけている辰巳さんを押し上げて当選させなければなりません。

 その結果は、三つの点で重要な意義を持っています。一つは立憲野党の当選者をゼロにしてならないということです。
 もう一つは、改憲派にすべての議席を明け渡すわけにはいかないということです。今回の選挙で安倍首相は憲法問題を主要な争点として提起していますが、その選挙で自公の与党だけでなく維新の会に2議席を与え、改憲派に議席を独占させるようなことがあってはなりません。
 そして第3に、大阪都構想にも大きな影響を与えるということです。4月の統一地方選挙の結果、それまで都構想に反対していた自民党も公明党も、賛成に回るようになってしまったからです。

 大阪都構想をめぐっては、住民投票が予定されています。今回の参院選の結果、維新・自民・維新・公明となれば、当選者は全て都構想に賛成し推進する勢力に占められてしまいます。
 今後の住民投票にも大きく影響し、大阪都構想の実現に勢いがつくことになりかねません。それで良いのでしょうか。大阪市が大阪府に飲み込まれ、市が無くなってしまっても良いのでしょうか。
 今回の参院選大阪選挙区で問われている隠れた重大争点はここにあります。それに対して「ノー」の回答を示すためには、最も当選ラインに近いと見られている5番目の候補者・辰巳さんを当選させなければなりません。

 実は、大阪市の存続は辰巳幸太郎候補の当選にかかっているのです。今回の選挙で問われているこの隠れた重大争点をしっかりと見据えて、大阪の人々にはぜひ賢明な選択を行っていただきたいとの願い、大なるものがあります。

nice!(1) 

7月15日(月) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月12日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「首相がステルス遊説の異様「こんな人たち」切り捨て政治」
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「7月21日の参院選の争点は“年金2000万円問題”や“消費税増税”などいくつもありますが、やはり最大の争点は、アベ政治の是非だと思う。このまま“こんな人たち”を相手にしない政治を続けさせてもいいのかどうか。6年間も安倍1強が続いたことで、恐らく安倍首相は、『熱狂的な3割の支持があれば政権は安泰だ』『どうせ反対するヤツは何をやっても反対する』と確信しているのでしょう。実際、自民党の得票は有権者全体の3割しかありませんからね。しかし、もし“こんな人たち”を無視した“ステルス遊説”を続けている安倍自民党を勝利させたら、ますます“こんな人たち”を斬り捨てる政治に拍車が掛かることは間違いない。そうなったら、“こんな人たち”として異論を唱えることさえ難しくなる社会になりかねない。本当にそうした社会でいいのか、有権者はよく考えるべきです」

nice!(1) 

7月14日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月10日付に掲載されたものです。〕

*7月10日付「安倍自民に落とし穴 野党候補が急追する逆転可能14選挙区」
 「投票日の当日に投票先を決める有権者も数多くいます。98年の橋本政権の時の参院選は、投票日直前に風が変わり、自民党が大敗しています。“自民党が勝ちすぎるのは良くない”と有権者が考えるアナウンス効果もあるでしょう」(法大名誉教授・五十嵐仁氏 =政治学)

 自民党が勝利するかどうかは、投票率次第だ。投票率が10ポイント上がれば、野党が次々に逆転していくとみられている。


nice!(0) 

7月13日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月9日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「参院選序盤の情勢 下馬評通りならば「いつか来た道」」
 笑われっぱなしの野党にも責任がある。参院選の勝敗のカギを握る「1人区」で候補を一本化しても、しょせん、アリバイづくりで見せかけの「ファイティングポーズ」。一皮むけば、立憲民主と国民民主の醜い主導権争い、共産と手を合わせようともしない連合の体質、立憲の枝野執行部のトップダウンによる候補者選定への各県連の不満……などが渦巻き、選挙戦も各党バラバラ。とても「共闘」には程遠い状況である。

 「今の野党は各政党や候補者の都合ばかり優先させ、本気で政権と戦う意思を示せていない。小異を捨てて大同につかなければ有権者の受け皿にはなれません。首相が野党をさげすみ、同じ意見の政治家しか相手にしないという国会の翼賛化が進む中、いがみ合うだけで無力化する野党は戦前の政党政治の崩壊を連想させます。対立激化による国民の嫌気が軍部の台頭を許し、政党は骨抜きにされ、大政翼賛会になだれ込んだ愚行を再び繰り返すのか。今の野党には歴史的な大局観が必要です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

nice!(0) 

7月12日(金) 参院選もあと1週間余り、選挙情勢は変わるし変えなければならない [参院選]

 日本の命運を左右する参院選も、あと1週間余りとなりました。以下のように、序盤の情勢では各社とも与党で63議席以上を獲得して、過半数となる見通しを示しています。

朝日「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力2/3は微妙」
毎日「改憲 3分の2割れも 与党、改選過半数は確保」
産経「与党の改選過半数確実 改憲勢力維持か」
日経「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力2/3うかがう」

 いずれも、与党が堅調と報じられています。しかし、これはあくまでも公示直後の7月4~5日の調査にすぎないものです。
 今後の奮闘次第で序盤の情勢は変えられます。7月21日の投票日までに、何としても選挙情勢を大きく変えなければなりません。

 今回の選挙での改選は、6年前に自民党が大勝した選挙での当選者です。したがって自民党のほとんどは現職で、野党の多くは新人ですから知名度の点で大きな差があります。
 特に、統一候補となった32の1人区では長野と佐賀以外は全て新人で、擁立が決まったのも遅く、無所属となっている場合も多くあります。ですから、名前を知らなかったり、どのような候補者か分からなかったりするのも当然です。
 調査の時点で、約半数近くの有権者が投票先を決めていませんでした。今後、投票先を決めていなかった有権者に名前や政策、候補者の人柄などが浸透していけば、情勢が大きく変わる可能性が十分にあります。

 自民党が好調のような報道には、もう一つのカラクリがあります。それは獲得目標との対比での評価であり、その目標が極めて低く設定されているという点です。
 安倍首相は勝敗ラインについて「全体の過半数を維持することが私の使命だ。つまり非改選と合わせ与党で過半数の維持だ」と述べて53議席を目標に掲げました。低い目標を掲げることで、議席を減らしても責任追及が始まらないように予防線を張ったのです。
 しかし、参院選の重大争点として改憲を掲げているのですから、本来であれば改憲発議可能な3分の2議席を目標にするべきでしょう。そうなると改憲派の合計は86議席以上必要で、極めて困難な数字になります。

 序盤の情勢からしても、自民・公明・維新などの改憲勢力で3分の2の獲得は難しいという見方があります。今後の取り組みによって立憲野党の側が自公両党を追い込むことができれば、さらに与党の議席を減らすことができます。
 今回の改選数を維持するためには、前々回13年並みの自公合計で77議席(自民66+公明11)が必要ですが、これはほとんど不可能です。前回の16年並みなら自公合計で70議席(自民56+公明14)ですが、野党からすればこれを下回らせることが目標の一つになります。
 自民党が単独で過半数を維持するためには67議席を獲得しなければなりません。これを下回れば公明党に頭が上がらなくなりますから、与党が過半数を維持しても自民党にとっては「ほろ苦い勝利」ということになります。

 序盤の情勢が調査されてから、すでに1週間が経ちました。この間、野党共闘も浸透し進化しています。
 共同通信が11日までに有権者100人に実施したアンケートで、野党に望むことを尋ねたところ「与党に対抗するための、立場を超えた結束」とした回答が38人で最も多く、「特にない」の36人と拮抗しました。改選1人区で候補者を一本化したことへの期待感が一定程度うかがえます。
 また、共産党公認で唯一の野党共闘候補である福井の山田和雄さんに枝野幸男立憲民主党代表が応援に入り、大阪でも共産党の辰巳幸太郎候補の応援に「れいわ新選組」の山本太郎代表が駆け付けました。いずれも、これまでにない新しい動きとして注目されます。

 情勢は流動的で、これから1週間余りで大きく動く可能性があります。投票率が10%上がれば1000万票増え、その多くが立憲野党に投じられれば自民党大敗の雪崩現象が起きるでしょう。
 立憲野党が結束して波乱を起こし、安倍政権を終わらせることができるかどうかが問われています。国民無視のウソと誤魔化し、デタラメに満ちた安倍政治を「安定」させても、良いことは何一つとしてないのですから。

 なお、来る7月14日(日)午後5時から、八王子駅北口放射線ロードのドンキホーテ前での街頭演説で、共産党の小池晃書記局長と吉良よし子東京選挙区候補の「前座」を務めることになりました。興味と関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

nice!(1) 

7月11日(木) 決戦・参院選―安倍改憲に終止符を(その3) [論攷]

〔下記の論攷は、社会主義協会が発行する『研究資料』No.43、2019年7月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます〕

3、野党共闘こそ選挙勝利のカギ

 自民党の現状維持は至難の業

 自民党の甘利明選対委員長は5月16日のテレビ番組の収録で、夏の参院選で自民党が単独過半数を維持することは「不可能だ」と語り、今回改選される13年参院選で獲得した65議席について「これ以上、取れないぐらいの数字だ」と指摘し、「不謹慎な言い方だが、どこまでの議席減で食い止めるかだ」と述べました。改選される124議席の過半数に当たる63議席の確保も「至難の業」だと言っています。
 つまり、自民党が今度の選挙で6年前の成績を再現することは不可能で、実際にはどれだけ「減るのを減らす」かが課題だということなのです。7月の参院選では自公が議席を減らし、自民党が過半数を割ってしまう可能性が十分にあります。改憲勢力は非改選77、改選87議席と3分の2の164議席ちょうどですから、それを下回る可能性も小さくありません。
 今回、改選されるのは6年前の2013年に当選した議員です。この時は自民党が現行制度下で最多の65議席を獲得して6年ぶりに参院第1党に復帰し、公明党は11議席でした。この結果、与党は76議席で非改選の59議席と合わせて過半数を上回る135議席となりました。とりわけ31あった1人区では、岩手と沖縄を除く29選挙区で議席を獲得しています。
 参院での改選議席を維持するためには、この6年前の選挙を再現しなければならず、極めて困難です。甘利選対委員長は3年前に獲得した56議席以上という目標を掲げていますが、それでも大きな議席減になります。
 2年前の17年衆院選の比例代表では、立民・旧希望・共産・社民の合計は約2610万票で、自民・公明両党を約60万票上回りました。これを見ても、与党の現状維持は至難の業であることは明らかでしょう。

 スピードアップした野党共闘

 統一地方選挙が実施された4月の段階では、野党共闘の動きはそれほど進んでいませんでした。野党第一党の立憲民主党の枝野代表が地方組織の再建を優先し、統一地方選挙での県議などの当選に力を入れたからです。
 しかし、統一地方選挙での旧民主党の県議の当選者は、立憲民主党(118議席)と国民民主党(83議席)の両者を合計しても201議席で、63議席も減ってしまいました。これが枝野代表の危機感を高めたのではないでしょうか。
 統一地方選挙後半戦が終わった段階で、枝野代表が野党各党に共闘の申し入れを行ったのはそのためだと思われます。国民民主党の玉木代表が自由党との合流を決め、小沢氏を受け入れたのも同様の危機感からだったでしょう。
 こうして、5月の連休後に野党共闘に向けての話し合いがスピードアップしました。野党への牽制として流され始めた「ダブル選挙」の噂も危機感を強め、かえって共闘に向けての追い風になったように見えます。
 参院での立候補を予定していた候補者が辞退する際、代わりに衆院での立候補を視野に入れて譲歩するという例も生まれました。鹿児島で社民党の候補者が辞退して国民民主党に譲るとき、社民党は衆院鹿児島4区での立候補に配慮することを条件としたからです。
 統一のために立候補を取りやめた共産党候補が衆院の小選挙区に回るという例も生まれました。このような形で、ダブル選挙になった方が野党共闘を促進する面もありました。

 当たり前になりバージョンアップされた

 3年前に比べれば、市民と野党の共闘は特別なことではなく、当たり前になったのも大きな前進です。この共闘で市民連合が大きな役割を果たし、共産党が含まれるのも当たり前の光景になりました。
 その共産党の候補者が統一候補になるのも、3年前には香川の1選挙区だけでしたが、今回は、福井、徳島・高知、鳥取・島根の3選挙区になっています。しかも、後の二つ選挙区では、衆院補選の大阪12区での「宮本方式」を踏襲して無所属で立候補することになりました。
 前述のように政策合意も項目が増えて幅が広がり内容が豊かになっただけでなく、作成のプロセスも大きく前進しました。これを基に、それぞれの選挙区でさらに内容を発展させ豊かにした政策協定を結ぶ動きが続いています。
 3年前の参院選での野党共闘は初めての試みでした。市民と野党、野党各党の間でも初対面であったり、初めてメール・アドレスを交換したりということで、しっくりこない場面も多かったと思います。
 しかし、それから3年の間に、共同行動や連携は当たり前のことになりました。衆院小選挙区レベルで市民連合が結成されたり、集会で相互のあいさつやエールの交換がなされたりする中で、顔見知りになって仲良くなり、人間関係ができて信頼も強まるなど、草の根での共闘は大きく発展しています。
 市民と野党の共闘は、人間的なコミュニケーションとネットワークの形成という大きな成果に支えられて成長してきました。草の根での実績を積み重ねてきたのです。これが3年前との大きな違いであり、このような経験の蓄積こそが、市民と野党の共闘がバージョンアップされたということの意味にほかなりません。

 むすび

 5月末に「潮目」が変わりました。それまで吹いていた安倍政権への「追い風」は逆風に転じ、内閣支持率も軒並み低下を始めています。その頃から「解散風」がやみ始めましたが、その理由は大きく変わりました。「ダブルでなくても勝てる」から、「ダブルで負けるかもしれない」へと。
 いずれにしても、間もなく選挙がやってきます。結局、ダブルはできず改憲発議に失敗し、内閣支持層でさえ46%と半数近くが反対している(『朝日新聞』5月調査)10%への消費増税を掲げ、年金問題などの逆風の中で選挙を闘わざるを得なくなりました。野党の側からすれば、大きなチャンスです。
 安倍政権の暴走政治は、その暴走のひどさゆえに市民と野党の共闘を生み出し、鍛え育てる役割を果たしてきました。このようにして成長した野党共闘がどれほどの威力を発揮できるのか、目にものを見せるチャンスでもあります。
 7月の参院選は、歴史を変えた「関ケ原の闘い」にも匹敵する大きな決戦の場となるにちがいありません。安倍首相に痛打を与え、改憲の野望を打ち砕く最終決戦とするべく勝利をめざしましょう。
 難しいことではありません。この選挙で、怒りを込めて一票を投じさえすればよいのです。怒りの「受け皿」として、市民と野党の共闘、立憲野党が国民に認知されれば、自公の与党や改憲勢力を敗北させることは十分に可能なのですから。

nice!(0) 
前の10件 | -