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4月11日(火) 朝鮮半島危機の元凶はトランプ米大統領と安倍首相だ [国際]

 シリアに対する違法な「濡れ衣戦争」を仕掛けたトランプ米大統領は、北朝鮮に対しても軍事攻撃を行う構えを見せています。たとえ限定的であったとしても、もし北朝鮮に対する軍事攻撃が実施されれば、韓国や日本に対する報復攻撃は避けられません。
 多大の死傷者や物的被害が出ることは明らかです。この朝鮮半島危機はトランプ米大統領によって引き起こされたものであり、それを制止すべき安倍首相も追随の姿勢を示し、危機の抑止ではなく拡大に手を貸しています。

 シリア攻撃は北朝鮮に対する警告だとして、アメリカは原子力空母カール・ビンソンを西太平洋に派遣しました。現在、過去最大級の米韓合同軍事演習も実施されており、これがいつ「演習」から「実戦」に変わるかわからないという状況です。
 カール・ビンソンは世界最大の空母で、航空機を90機も搭載できます。艦隊を組む他の艦艇と合わせれば、一国の空軍並みの戦力となります。
 このような軍事力の自国周辺へ展開は北朝鮮にとっては大きな脅威となることは明らかです。北朝鮮が主権国家への侵害だと批判するのも当然です。

 これが警告や圧力にとどまるのかが、日本に住む我々にとっての最大の関心事です。一旦、朝鮮半島で戦端が開かれれば、過去の朝鮮戦争とは全く違った展開を示すことになるからです。
 攻撃への報復として、長距離砲がソウルに打ち込まれたり、弾道ミサイルが日本に飛来する事態も十分に考えらます。ソウルは北朝鮮との国境に近く大砲の射程距離に入っており、日本に対してもミサイルが発射されれば防ぐとは不可能です。
 先日実施された弾道ミサイルの発射実験を行ったのは、在日米軍への攻撃を担当する部隊であることが明らかにされています。朝鮮半島危機に対して日本も無関係でいることはできません。

 この危機をどのようにして避けるべきかが問題です。トランプ政権はオバマ政権の戦略的忍耐という政策を転換して、「あらゆる選択肢を考慮に入れる」と表明しています。
 しかし、この「選択肢」に「軍事的手段」はあっても「外交的手段」はありません。新たなオプションとして「戦争」が含まれていますが、「対話」は含まれていないのです。
 北朝鮮の核開発によって同じような北朝鮮攻撃の危機が高まった1994年には、カーター元大統領のピョンヤン訪問によって事態が打開されました。この時の経験を思い出し、アメリカは特使を派遣して北朝鮮との直接対話に乗り出すべきでしょう。

 トランプ大統領のシリア攻撃を支持し北朝鮮に対する恫喝を後押ししている安倍首相は、日本人の生命や安全よりもアメリカに対する追随を優先していると言わなければなりません。日本の最高責任者として許されない無責任な対応です。
 これほどに国民の戦争への不安を高めている責任は、トランプ大統領の強硬な態度とそれを批判することも制止することもなく、唯々諾々と追随している安倍首相にあります。日本に及びつつある危機を直視し、戦争ではなく対話をトランプ大統領に強く求めること以外に日本の安全を確保する道がないということを、安倍首相は分かっているのでしょうか。

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4月9日(日) トランプ米大統領によるシリア空爆の背景と意図 [国際]

 トランプ大統領がまたも暴走(逆走?)しました。シリアに対して巡航ミサイル59発を発射し、うち23発が目標に命中したと言われています。
 攻撃の理由はシリア政府軍が毒ガスを使用したのではないかという疑惑です。毒ガスなど化学兵器の使用は許されず、断固として糾弾しなければなりません。

 テレビでは、子供たちをふくむ市民が犠牲となり、治療を受けている映像が流れました。しかし、この化学兵器がシリア空軍の空爆によって用いられたという証拠は全くありません。
 政府軍は国連監視下で化学兵器の廃棄を進めてきましたから、このような兵器を持っていない可能性が高いと言えます。逆に、このような監視下にないヌスラ戦線(アルカイダ)など、現地を支配していた反政府勢力がこのような兵器を隠し持っていた可能性の方が高いのではないでしょうか。
 その兵器の貯蔵庫が空爆によって破壊され、それが流れ出して周辺の住民が被害を受けた可能性も否定できません。今後、国連の調査などで真相が解明される必要がありますが、一方的に政府軍の仕業と断定した今回のミサイル攻撃は、かつてイラクで始めた時の「濡れ衣戦争」を思い出させるような誤ちの繰り返しにほかなりません。

 トランプ大統領はどうしてこのような強硬手段に出たのでしょうか。その理由は軍産複合体に近い共和党の主流派や好戦的な世論の支持を回復するためだったと思われます。
 このところ、中東諸国からの入国制限は司法の抵抗によって阻まれ、国境の壁を建設するための予算は議会によって認められず、目玉政策であったオバマケアの廃止も断念に追い込まれ、世論の支持率は30%台に落ち込んでしまいました。それを逆転するためのチャンスを狙っていたトランプ大統領にとって、化学兵器の使用を口実にしたシリア攻撃は格好の手段だったということではないでしょうか。
 国連の決議もなく議会の決定もない今回の攻撃への批判もありますが、他方で好戦的な勢力による支持も高まっています。議会承認が遅れていた保守的な最高裁判事の信任は、この攻撃後一挙に決着してしまいました。

 しかし、このような攻撃によってシリア情勢を解決することはできません。ロシアとの対立を深め、アサド政権に対するアメリカの影響力を弱めるだけです。
 かつての、イラクでの「濡れ衣戦争」は泥沼化を深め、イスラム国の前身であるイラクの聖戦アルカイダというモンスターを生み出しました。今回も、シリアへのこれ以上の軍事介入は同様の混乱と泥沼化を引き起こすだけでしょう。
 アメリカはシリア情勢を打開する「出口戦略」を持っていません。今回の攻撃も、国務省の体制が整わず、国家安全保障会議(SNC)からバノンが追い出されるなど安全保障をめぐる体制と政策が未確立な「間隙」を突いたトランプ大統領の「暴走」であったように見えます。

 このようなトランプの「暴走」による「濡れ衣戦争」に対して、安倍首相は直ちに支持を表明しました。これも、かつてのイラクに対する「濡れ衣戦争」への日本の対応を彷彿とさせるような光景です。
 しかし、それがいかに大きな誤りであったかは、すでに歴史によって証明されています。今回も大きな間違いであったことが、いずれ歴史によって証明されるにちがいありません。
 今回のシリア攻撃は北朝鮮に対しても米国単独で攻撃に出る可能性を示して牽制するためのものであったと見られています。日本政府としてはこのような攻撃が北朝鮮に対しても行われないよう、慎重な対応が必要だったのではないでしょうか。

 いずれにしても、シリアへの空爆は「人殺しをやめさせるため」という名目で人殺しを行ったことは明白です。このようなデタラメな論理で武力攻撃を繰り返す愚をいつまで続けるつもりなのでしょうか。
 殺し合いは新たな殺し合いの原因を生み出すだけです。国際政治においてそれにストップをかける役割こそ、この日本が果たさなければならないというのが、憲法の平和主義が命ずるところなのではないでしょうか。

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4月1日(土) 英国民も米国民も自らの選択がいかに間違っていたかを知るのはこれからだ [国際]

 イギリスアメリカも、アングロサクソンの国です。第2次世界大戦前、イギリスは世界を支配する帝国であり、同様にアメリカは戦後の世界を牛耳る覇権国でした。
 しかし、この二つの国はかつての栄光と支配力を失おうとしています。その道は国民による選択の結果によるものですが、それがいかに間違ったものであったかを思い知るのはこれからのことになるでしょう。

 英国民は国民投票の結果、EUからの離脱を選択しました。先日、メイ首相は正式にEU離脱を通告し、2年間の交渉期間中に合意を目指しています。
 しかし、この合意はイギリスにとって過酷なものとなり、国民は自らの選択に対するツケを払わされるにちがいありません。EU首脳部はイギリスに続いて離脱する国が出ることを警戒していますから、離脱がいかに割に合わないものであるかを示そうとするからです。
 トゥスク欧州理事会常任委員長(EU大統領)が31日、離脱協定と通商協定を並行して協議するを認めないと表明したように、イギリスは大きな譲歩を求められ、それを受け入れなければ交渉はまとまりません。イギリスとの合意を犠牲にしても自らの存続を確実にし結束を固める道をEUが選択することは火を見るよりも明らかです。

 米国民は大統領選挙の結果、共和党のトランプ候補を選択しました。総得票数ではクリントン候補の方が多かったとはいえ選挙人の数で上回り、現行の選挙制度に基づいて当選したのはトランプさんです。
 過激で差別的な発言は選挙キャンペーン用で、当選すればまともになると見られていたフシもありました。実際には、中東6カ国からの入国制限、メキシコとの壁の建設、オバマケアの見直しなど、選挙中の公約の実現を目指して大統領令が署名されています。
 しかし、共和党主流派とのギクシャクもあっていずれも頓挫しており、支持者の期待は裏切られ続けています。政権の前途には暗雲が漂い、民主党から政権を奪い取った時点でトランプさんの役割は終わってしまったかのようです。

 イギリスとアメリカで生じた驚天動地の選択は世界を震撼させました。それぞれの国内だけでなく、世界中の人々の反発と不安を高めています。
 英国の離脱はEU崩壊と極右の台頭を懸念する人々の反発を強め、一定の揺れ戻しを生み出しました。アメリカ国内でもトランプ新政権に対する警戒と反発が生じ、支持率はかつてない低さになっています。
 公的権力の介入を排して規制緩和を推し進め、新自由主義によって貧困と格差を拡大してきた戦後政治の第2段階は、その病状を極大化させ、末期症状を呈してきているように見えます。このような「過渡期」を経て、どのような第3段階が姿を現すかが問われているのではないでしょうか。

 日本も例外ではありません。トランプ大統領は31日、日本や中国などを対象とする貿易赤字を制限する大統領令に署名しました。
 これによって保護主義的な通商政策が本格的に始動することになります。4月上旬に開催される予定の日米経済対話の中で、日本に対して厳しい要求がなされることは避けられません。
 日本でも、公的権力の介入を排して民営化や規制緩和を進め、新自由主義によって貧困と格差が広がってきました。このような戦後政治の第2段階の行き詰まりは、わが国でも明らかになっています。

 第2次安倍内閣の4年間によって、日本国民は安倍首相を選んだことがいかに間違った選択であったかを十分に学んだはずです。それはイギリスやアメリカに先んじており、アベ政治の暴走による害悪は「これから」ではなく、「これまで」も事実として積み重なってきました。
 そこからの脱出路がどこにあるのか、どのようにしたら脱出できるのかを発見し、英国民や米国民に示すのが、先んじて害悪を被って来た日本国民の責務でしょう。これこそが、通常国会後半戦における最大の課題だということになります。

 なお、4月の講演などの予定は以下の通りです。お近くの方や関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

4月1日(土)18時30分 船橋勤労市民センター:選挙で変える4区船橋市民の会
4月13日(木)18時30分 多摩市民館:川崎市多摩区・麻生区革新懇
4月14日(金)18時30分 全理連ビル:渋谷9条の会
4月16日(日)13時30分 新潟市ユニゾンプラザ:新潟県革新懇
4月22日(土)14時 甲府市ピュア総合(男女共同参画推進センター):山梨革新懇
4月28日(金)18時30分 八王子労政会館:八王子合同法律事務所

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1月25日(水) こんなトランプ大統領を「信頼できる指導者」だなどと持ち上げた安倍首相の重大責任 [国際]

 2017年も、疾風怒濤の年になるような予感がします。アベ政治は暴走を続けていますが、年を取ったのか、最近では「逆走」も目立ちます。

 昨日は、国会での答弁で「訂正云々(うんぬん)」と言うべきところを、「訂正でんでん」と答えてしまいました。「云々」と「伝々」を間違えたのでしょうが、これも年齢のせいかな。
 それにしても、「云々(うんぬん)」なら分かりますが、「伝々(でんでん)」では意味が通じませんし、そんな日本語はありません。安倍首相は自分で読んでいる文の意味が分かっていたのでしょうか。
 安倍首相にしてもトランプ大統領にしても、「逆走」を早くストップさせないと大きな事故につながりかねませんが、その前に「自滅」する可能性が高まっています。安倍さんに立ちはだかる最初の壁は「トランプ・リスク」であり、トランプさんに立ちはだかるのは自らの「バカの壁」ではないでしょうか。

 「トランプ政権への期待」という見出しが目を引きました。『朝日新聞』1月24日付に掲載された映画監督であるオリバー・ストーンさんのインタビュー記事です。
 トランプ大統領を評価するかのようなストーン監督の発言が注目を浴びました。これまで政権批判の映画を撮り続けてきたのに、「トランプ大統領もあながち悪くない」という評価が違和感を持って受け取られたからです。
 しかし、それは「介入主義を捨て戦争への道を避ける」という点での「プラスの変化を起こせるように応援しようじゃありませんか」というものです。トランプ大統領の全てを認めて応援しようというわけではありません。

 トランプ大統領は就任演説で「すべての国が自国の利益を第一に考える権利がある。我々は自分たちの生活様式を他人に押し付けない」と述べています。この発言が「自分たちの背活様式」であったこれまでのアメリカの覇権主義と介入主義を見なおすということであれば、それは悪くないというのは当然です。
 戦後のアメリカは、ベトナムやイラク、アフリカや中東、中南米諸国に軍事介入してきました。よく「世界の警察官」と言われますが、実態は「世界の暴力団」のようなもので、その過ちを是正して戦争への道を避けるというのであれば間違いではありません。
 これについてストーン監督も、「米軍を撤退させて介入主義が弱まり、自国経済を機能させてインフラを改善させるならすばらしいこと」だとし、「米国は世界をコントロールしたがり、他国の主権を認めたがらず、多くの国家を転覆させてきました。そんな情報機関をけなしているトランプ氏に賛成です」と述べていますが、その通りでしょう。

 ただし、すぐ付け加えなければならないのは、このようなトランプ大統領の姿勢を過大に評価することはできないということです。核軍拡を進める意向を示していますし、イスラエル寄りの姿勢を強めて中東の紛争を拡大する危険性もあるからです。
 これまでのアメリカの帝国主義的な外交・安全保障政策を転換するというのであれば評価できます。しかし、そこからどのような方向を、どのようにめざしていくのかという点では楽観できません。
 「自国第一主義」や差別と排外主義による孤立と分断、新自由主義的な規制緩和の拡大などでは問題を解決できないどころか、さらに拡大し混迷を深めるだけでしょう。貧困と格差の拡大からの真の脱出路は右方向への逃走では得られず、矛盾を深めて絶望を生み出すことになります。

 それでは、どのような脱出路があるのでしょうか、どうすれば良いのでしょうか。
 このような問いへの回答の一つが『朝日新聞』1月25日付に掲載された「ピケティコラム」での指摘です。フランス大統領選挙について、ピケティさんは「マリーヌ・ルペン氏が率いる右派ナショナリストが勝利に近づいている可能性も排除できない」としつつ、「かたや急進左派は、ジャンリュック・メランション氏の勝利が期待されているが、悲しいかなありそうにない」と述べていますが、それでも次のように指摘しています。
 「この難題に的確な解決策を構築するには、国際主義的なポピュリスト勢力――スペインの左派新党ポデモス、ギリシャの急進左翼進歩連合シリザ、サンダース氏やメランション氏のような急進左派――を頼りとするしかない。さもないとナショナリズムと排外主義のうねりにさらわれかねない。」

 このような「ナショナリズムと排外主義のうねり」を阻むうえで、メディアの役割は決定的ともいえる重要性を持っています。この点で、『毎日新聞』1月25日付に掲載された「時論フォーラム」の森健「[トランプ大統領誕生]ネットのうそ、メディアの役割」は示唆的な論攷です。
 ジャーナリストの森さんは、既存メデイアとインターネット、権力者との関係について考察し、結論的に次のように指摘しています。
 「SNSという似た考えの人たちの環境の中で主張を強めつつ、不都合な事実や気に入らない報道は認めない。そして、言いたいことはネットで一方的に発信する。トランプ政権の社会では、報道はいかに考えの異なる人たちに届かせるかが課題になってくるだろう。」

 この部分を読んで、まるで通常国会の代表質問に臨んだ安倍首相について書かれた文章のようだと感じたのは、私だけではないでしょう。この文章の一部を入れ替えれば、次のようになります。
 「日本会議という似た考えの人たちの環境の中で主張を強めつつ、不都合な事実や気に入らない報道は認めない。そして、言いたいことは答弁で一方的に発信する。安倍政権の社会では、報道はいかに考えの異なる人たちに届かせるかが課題になってくるだろう」
 先の文章に続けて、森さんは「顧みて、日本。かの地の課題はけっして遠い話ではないだろう」と書いています。その通りですが、実際には「遠い」どころか、すでに安倍さんはトランプさんの先を言っているのではないでしょうか。

 トランプ大統領はTPPからの永久離脱を表明しました。NAFTAの再交渉を行おうとしており、日本の自動車の対米輸出について根拠のない攻撃も行っています。
 安倍首相の成長戦略や自動車産業など輸出企業にとっては大問題です。安倍首相はこれからトランプさんを説得するとか説明するとか言っていますが、ちょっと待ってください。
 安倍さんはもうすでにトランプさんに会っているではありませんか。せっかく世界に先駆けて大統領になる前のトランプさんに会ったのに、その場で一体何を話し合ったというのでしょうか。

 まさか、高額のクラブを贈ってゴルフ談義で終始したなどということはないでしょうね。日本に関してだけでも、これだけトンデモない政策や発言を連発するトランプさんを「信頼できる指導者」だなどと持ち上げてしまった安倍首相の責任は極めて重大だと言うべきでしょう。

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1月23日(月) 世界中で実証された「反響の法則」 [国際]

 太鼓を小さく打てば小さな音しかしません。強く打てば大きな音がします。これが「反響の法則」です。
 トランプ米新大統領は過激で差別的な発言や自国最優先の保護主義的な政策によって、世界中の太鼓を力いっぱい叩いたようです。そのために、大きな「反響」が地球全体に広がっています。

 トランプ大統領就任翌日の21日、女性蔑視の言動などに反発する抗議活動が全米で行われました。このようなデモは世界各地に広がり、「反トランプ」の声が国際社会に渦巻いています。
 首都ワシントンでは、女性蔑視の発言を批判する団体「ワシントン女性大行進」の主催で抗議デモが行われ、白人女性だけでなく男性や人種的少数者、幅広い年齢層の人たちも集まり、想定の2倍を超える50万人以上に膨らみました。特設ステージには、女優スカーレット・ヨハンソンさんら著名人も登壇し、歌手のマドンナさんは「革命はここから始まる」と訴え、女優のウーピー・ゴールドバーグさんら著名人も駆けつけています。
 抗議デモはニューヨークやロサンゼルスなどの全米各地をはじめ、ロンドンやパリなど世界約80ヵ国670ヵ所以上に上り、全世界で約470万人が参加したとみられます。このような抗議の波は、これからも世界各地で大きく盛り上がることでしょう。

 他方で、欧州の右派勢力はトランプ大統領の保護主義的な政策への共感を示し、トランプ新政権の誕生を歓迎しています。米国で浮き彫りとなった自国最優先の反移民政策と「分断」は、世界に拡散し始めました。
 反欧州連合(EU)や移民排斥などを主張して支持を伸ばしてきた欧州各国の右派・極右政党の党首たちは21日、ドイツ西部のコブレンツで「オルタナティブ(もう一つの)欧州サミット」と位置付けた会合を開きました。出席したのは、今年選挙を迎えるフランス極右「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首、ドイツ新興右派「ドイツのための選択肢」(AfD)のフラウケ・ペトリ党首、オランダ極右「自由党」のヘルト・ウィルダース党首など3人を含む9カ国の政党関係者です。
 移民への強硬姿勢に共鳴しているハンガリーやセルビアなど東欧諸国の首脳らもトランプ大統領を歓迎しています。一方、フランスのオランド大統領はアメリカの孤立主義に警鐘を鳴らし、ドイツのメルケル独首相は経済問題や防衛政策について、これまでの友好国との国際的枠組みを尊重するよう求めました。

 このようななかで、「信頼できる指導者」だとトランプさんを持ち上げてきた安倍首相は祝辞を送り、去年11月にニューヨークで行われた会談に触れ「ご自宅で胸襟を開いて意見交換を行えたことを大変うれしく思う」と述べ、「今後、ともに手を携え、アジア太平洋の平和と繁栄を確保し、世界が直面するさまざまな課題にともに取り組んでいくことを楽しみにしている」と、トランプ新政権の誕生を歓迎しています。
 また、「日米同盟は、わが国の外交・安全保障政策の基軸であり、大統領との信頼関係の上に、揺るぎない同盟の絆を一層強化していきたい」とし、「できるだけ早く再びお目にかかり、地域や世界のさまざまな課題について幅広く意見交換を行い、日米同盟の重要性を世界に向けて発信したい」と呼びかけました。差別と分断に警鐘を鳴らすことも注文を付けることもなく、ひたすら歓迎の意を表している安倍首相の姿は極めて異例だというべきでしょう。
 
 安倍首相はどちらの側にいるのでしょうか。反トランプの抗議行動に立ち上がった民衆の側なのか、それとも「自国第一」に共感して愛国主義への共鳴を狙う右派勢力の側なのかが、厳しく問われなければなりません。
 相も変わらぬ従米姿勢から抜け出すこともできず、新政権への批判や抗議の片りんも見せない安倍首相の姿勢は、アメリカの新しい指導者にしっぽを振ってすり寄っている「ポチ」のように見えます。それはトランプ当選の直後から一貫したものでした。
 とはいえ、早期の首脳会談を開きたいと希望していた1月27日には、日本の安倍首相ではなくイギリスのメイ首相との会談が設定されています。まるで、すり寄っても邪険にされ追い立てられている犬のような姿ではありませんか。

 いよいよ、絶望と希望とがせめぎあうような新しい時代が始まったのです。希望の光を消さないためにも、諦めてはなりません。
 アメリカを始め全世界で鳴り響いている「反響」に和して、私たちも声をあげようではありませんか。絶望に打ち勝つためには、少しでもまともな明日への望みを抱いて歩み続けることしかできないのですから……。

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1月22日(日) トランプをめくっても「ハートのエース」は出てこなかった [国際]

 世界が悲鳴を上げていると言っても良いでしょう。確実なことは、不確実性が高まり、この先どうなるのかが見通せないということです。

 注目されていたトランプ米新大統領の就任演説でした。選挙中に過激発言を繰り返した「悪いトランプ」ではなく、当選直後に融和を呼びかけたような「良いトランプ」が顔を出すのではないかと期待されていました。
 しかし、トランプをめくってみても「ハートのエース」は出てきませんでした。やはり顔を出したのは「ジョーカー」だったようです。
 ジョーカーと言えば、映画バットマン」の悪役でした。大統領就任式に登場したのは、「バットマン」ならぬ「バッドマン」だったのです。

 アメリカドナルド・トランプ新大統領は20日正午ごろ、連邦議会議事堂前で就任宣誓し、第45代大統領に就任しました。この場所は私も訪れたことがありますが、それは2001年のブッシュ大統領就任式の前、2001年1月1日のことでした。
 実業家出身のトランプさんは政治や行政経験、軍歴のない米国史上初の大統領で、1期目としては最高齢での就任になります。共和党は8年ぶりの政権奪還で、任期は2021年までの4年間ですが、果たしてこの任期を全うできるのでしょうか。
 「アメリカ第1主義」を掲げてこれまでの政治からの大転換を目指し、超大国アメリカのかじとりを担うことになりますが、その前途には暗雲が漂っています。トランプ大統領の就任に反対する全米での抗議デモには数百万人が参加するなど、分断と不安がアメリカ社会を覆い、切り裂くような形になっているのですから。

 トランプ新政権の政策は、選挙中での公約をほぼ踏襲するものになっています。この点でも、「良いトランプ」に変わるのではないかという期待は真っ向から裏切られてしまいました。
 就任演説では、通商政策を大きく転換して自由貿易から貿易や税制などあらゆる分野でアメリカの利益を最優先し、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱と北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を宣言しました。大統領令では、医療保険制度改革(オバマケア)の見直しを指示しています。
 また、「イスラム過激派によるテロを地球上から根絶させる」と約束し、積極的に軍事行動をとることも表明しました。「私たちは国境を守らなければならない」と呼びかけ、メキシコ国境への壁建設を伴う不法移民対策に乗り出す構えです。

 まるで、これまでの世界秩序を脅かす「怪物」の登場のようなものです。この「怪物」を「信頼できる指導者」だと請合ったのが安倍首相でした。
 通常国会冒頭の施政方針演説で、TPPを「今後の経済連携の礎」と位置付けた安倍首相ですが、その直後にトランプ新大統領によって真っ向から否定される結果になりました。いかに人を見る目がなかったか、ということでしょう。
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11月24日(木) 無残というしかない安倍外交における破産の数々 [国際]

 外交というのも恥ずかしいほどの破産ぶりです。安倍首相が行ってきた対外政策のことごとくが失敗してしまいました。
 安倍暴走政治の破産の始まりです。その責任を、安倍首相はどのように取るのでしょうか。

 昨日の朝日新聞の一面には、「TPP発効不可能に トランプ氏『就任日に離脱』」という大きな見出しが出ていました。今日の新聞には、オバマ大統領もTPPの任期中の議会承認を断念する考えを正式表明という記事が出ています。
 もう、終わりです。現行のTPPは発効が不可能となり、「TPPを成長戦略の柱としてきた安倍政権は根本的な戦略の見直しを迫られそうだ」と、新聞は伝えていました。
 それなのに、参院ではまだTPP承認案権についての審議を続け、そのために国会の会期延長まで画策されているそうです。何という往生際の悪さでしょうか。安倍首相の意地と見栄のために、国会審議の時間と費用を無駄遣いするようなことは直ちにやめるべきです。

 昨日の新聞には、ベトナム国会が日本からの原発輸入を撤回する案を可決したという記事も掲載されています。これも原発の輸出を成長戦略の一環に置付けて推進してきた安倍外交の失敗にほかなりません。
 成長戦略の一環としては、軍事技術の輸出も進められてきました。その輸出先として有望視されていたオーストラリアへの潜水艦技術の売り込みにも失敗しています。
 原発技術や軍事技術の輸出を成長戦略の柱と位置付けるようなことはやめるべきだとの批判があるにもかかわらず、安倍政権はそれを無視し強行してきました。それらがいずれも挫折したということになります。

 外交的な失敗ということで言えば、国連総会第1委員会での「核兵器禁止条約」の交渉を来年開くとした決議に米露など核保有国とともに反対したことも大問題でした。唯一の戦争被爆国である日本こそ、その先頭に立たなければならないはずなのにまったく逆の態度を取ったことになるからです。
 また、TPP条約の批准を優先したために地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の批准が遅れたという失敗もあります。結局、第1回締約国会合には間に合わず、日本は決定に異議の申し立てができないオブザーバーとして参加することになりました。
 どちらも、アメリカの顔色を窺った結果の失敗です。日本独自の外交政策を展開する自主定な判断能力を持たない安倍政権だからこそ、このような迷走を繰り返すことになってしまいました。

 さらに、日露関係をめぐる問題もあります。12月の首脳会談に向けて領土問題で大きな進展があるのではないかとの観測は幻に終わりそうです。
 安倍首相は日露間の経済協力の拡大をテコに領土問題を打開し、それを成果として解散・総選挙に打って出るのではないかと見られていました。しかし、この戦略にも狂いが生じているようです。
 プーチン大統領は領土問題で日本に譲歩する意志はないようで、経済協力だけを「食い逃げ」するかもしれないからです。これも、安倍外交の失敗となる可能性が強まっています。

 中国韓国、北朝鮮など周辺諸国との間でも、関係改善に向けての展望は開けていません。まさに、八方ふさがりと言っても良い状況です。
 「朝貢外交」よろしく慌ててトランプ詣でを行い、54万円のゴルフクラブを送って媚びを売り、「信頼できる指導者だ」と請合ってトランプのマジックを手伝うことで世界中に恥をさらした安倍首相です。このような外交破産のオンパレードもむべなるかなというところでしょうか。

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11月20日(日) トランプ当選による容易ならざる事態を打開するために何が必要か [国際]

 アメリカトランプ大統領候補の当選について様々な論評がなされています。今後の行く末についても、楽観論と悲観論の両方があります。
 日本に対する政策やその影響についても、様々な憶測が流れていました。これらの観測や憶測に対して、新政権の陣容が整うにつれて次第に回答が明らかになりつつあります。

 トランプ当選を生み出した力は、第1に、グローバル化や新自由主義によって生み出された貧困化と格差の拡大に対する白人労働者を中心とする不満の増大であり、第2に、対立候補であったクリントンさんの不人気とオバマ前大統領の「チェンジ詐欺」に騙された人々によるオバマ後継候補に対する反発であり、第3に、選挙人を選ぶという間接選挙の制度的不備でした。これらが重なりあって、トランプの「ババ抜き」でジョーカーを引くような結果を生み出してしまったのではないでしょうか。
 トランプさんは当選後、「すべての国民のための大統領になる」と宣言して過激な言動を抑制し、融和を口して柔軟姿勢を示しました。そのために、「それほど極端なことはやらないのではないか」という希望的な観測や楽観論が広まりましたが、これは新政権の陣容によって裏切られる結果となっています。
 今日の『朝日新聞』で「現実的路線や議会との調和を演出しつつ、自身がこだわる政策では譲らないという思いが透けて見える」「今回の人事は、移民問題やテロ対策などの看板政策では、たとえ批判を受けようとも、自身の考えに近い布陣で実現に向けて突き進むという姿勢を示しているかのようだ」と評されているように、閣僚人事は人種差別主義者や右派・タカ派の強硬論者のオン・パレードとなりつつあります。この陣容を見れば、トランプ新大統領は選挙戦で語っていた過激な政策を変更するつもりがないこと、その主要な政策を実行するつもりであることが分かります。

 このような危険な本質を見誤り世界中に恥をさらしてしまったのが、日本の安倍首相です。トランプ当選に慌てて、御機嫌うかがいのためにニューヨークに飛んでいったからです。
 そして、安倍首相はトランプさんにコロッと騙されてしまいました。会見後、安倍首相はトランプさんが「信頼できる指導者だということが分かった」と述べましたが、信頼できない指導者である安倍さんにそう言われたからといって、信頼できるわけがありません。
 トランプさんを世界中に売り込んで不安を払しょくするために、安倍首相は使われてしまったようです。トランプの「手品」の「サクラ」として、うまく利用されたというところでしょうか。

 トランプ当選による悪影響は、すでに具体的な現実として姿を現しています。アメリカ国内では抗議デモやマイノリティに対する差別的言動が繰り返されているからです。
 当選後、融和を口にしたトランプさんですが、このような分断の動きに対してまったく対応しようとしていません。それどころか、新政権の中枢に差別主義者を起用して、このような分断を拡大する危険性を生み出しています。
 このような新政府の陣容からすれば、日本に対しても厳しい注文が寄せられる可能性があります。トランプの「手品」に魅せられ取り込まれてしまった安倍首相は、これにきちんと対応できるのでしょうか。

 日本では先の参院選で、衆参両院で改憲勢力が3分の2を越え、安倍首相の任期延長も決まりました。海の向こうでは、トランプ新大統領が日本に対してこれまでとは全く異なったアプローチを行う可能性が強まっています。
 日米両国で、容易ならざる情勢が生じたということになります。今後の推移を注視する必要があるだけでなく、このような危機をどう打開し、どのように抜け出すかが問われなければなりません。
 そのために何ができるでしょうか。どうする必要があるのでしょうか。

 私たちにできることは、トランプ新大統領の忠実なしもべとして取り込まれてしまった安倍首相の退陣に向けて、衆院選への取り組みを本格化させることです。衆院選で政権交代を実現することが最善ですが、少なくとも与党を大敗させれば安倍首相は政治責任を問われ、退陣に追い込まれる可能性が生まれます。
 そのためには、自民党が恐れている野党共闘を推進し、小選挙区での候補一本化を実現することです。ことここに及んでも共産党との共闘に消極的な姿勢を示している民進党の蓮舫代表は、そのような「贅沢」を言っていられるような場合ではないこと、それは許されざる利敵行為にほかならないということを自覚しなければなりません。

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11月12日(土) 米大統領選挙で負けているのに勝ってしまったトランプ候補 [国際]

 アメリカ大統領選挙の衝撃は、その後も世界を震撼させているようです。株式市場での「トランプ・ショック」はそれほどでもなかったようですが、国際政治に対する衝撃は今も続いています。

 このような結果に直面して、「あのような差別的で過激な発言を繰り返していたトランプ候補が、何故大統領に当選できたのか」という疑問が沸いてきます。様々な形で、その背景や原因が論じられていますが、ここで重要な事実を忘れてはなりません。
 それは、今回の大統領選挙でトランプ候補の票がクリントン候補の票よりも少なったという事実です。米東部標準時で10日午前8時現在、有権者投票者数ではクリントン候補が59,814,018票、トランプ候補が59,611,678票となり、クリントン候補が過半数を取得したことが明らかとなりました。それでもトランプ勝利となったのは選挙人の数が上回ったからで、それは間接選挙という制度に助けられた勝利だったのです。
 このような得票総数と選挙人の数の逆転はこれまで4回もあり、私がハーバード大学の客員研究員としてアメリカに渡った2000年の大統領選挙でも目撃しました。このような逆転は小選挙区制などの間接選挙では避けられない問題点であり、だからこそ比例代表制や直接選挙にすべきだという議論が生ずるわけです。

 つまり、アメリカ国民はトランプではなくクリントンを選んでいたのです。今回の選挙で国民の分断が進み、最左派のサンダース支持層、中道左派のクリントン支持層、共和党の主流派、そしてグローバル化の進展のあおりを食って没落しつつある白人労働者などを中心にしたトランプ支持層の4つの階層に分かれたと言われています。
 このうち多数派は、サンダース支持層の一部を惹きつけたと言われるトランプ支持層ではなくクリントン支持層でした。アメリカ国民における多数派が実はリベラルな人々であったという事実は、これからのトランプ新大統領の方針や政策を大きく制約する要因となるにちがいありません。
 この事実をトランプ氏自身も自覚しているようです。選挙中の差別的で過激な発言は影を潜め、意外に常識的で穏健な態度に終始しているからです。

 このような「猫をかぶった姿」を見て、「意外とまともじゃないか」と胸をなでおろした人も多かったことでしょう。株式市場で「トランプ・ショック」がⅤ字回復したことに、このような安ど感が如実に示されています。
 しかし、このような豹変は、新たな矛盾を引き起こすにちがいありません。選挙中の差別的で過激な発言や公約を信じて「虎」だと思って投票した支持者にとって、「猫」になってしまったトランプ氏は「裏切り者」にほかならないからです。
 これまでの政治を厳しく批判してきた発言や公約こそ、貧困化にさいなまれて現状打破を願い、既成政治に毒されていないと信じてその突破力に期待した白人労働者層を惹きつける原動力でした。当選2日後にオバマ大統領と会見して教えを乞い、「猫」をかぶって「まとも」になったトランプ氏はさっそく既成政治に取り込まれてしまったと失望を買い、選挙中の約束を反故にした裏切り者でペテン師だとの批判を免れないでしょう。

 クリントン氏を支持した多数派の目を恐れ、選挙中に生じた深い分断の修復を目指せば「裏切り者」となり、選挙中の発言や公約に忠実であろうとすると分断はさらに深まり、自らを支持しなかった多数派の「壁」にぶつかるかもしれません。トランプ氏は大きなジレンマに直面する可能性があります。
 白人労働者層などに蔓延した不満と現状打破への願いを追い風に、間接選挙という制度にも助けられて大統領の椅子を手に入れたトランプ氏ですが、前途は多難のようです。これからワシントンでめくるトランプには、果たしてどのようなカードが隠されているのでしょうか。

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11月9日(水) アメリカ大統領選挙でのトランプ当選をどう見るか [国際]

 驚天動地の結果となりました。アメリカの大統領選挙です。
 事前の予想を覆して、共和党のトランプ候補が当選しました。首相官邸で開票状況を見守っていた安倍首相は、頭を抱えていることでしょう。

 トランプ当選で大混乱に陥っているのは、日本政府だけではありません。外国為替市場と株式市場も同様です。
 トランプ大統領では世界経済の先行きが不透明になると警戒感が高まり、円買いが進みました。それに連動して日経平均株価も急落し、一時は下落幅が1000円を超えています。
 結局、この日の為替市場で円は102円代前半となり、株価の下げ幅は前日比で919円84銭安となっています。これからも、円高・株安の基調は続くでしょうから、外国為替や株式市場の関係者だけでなく、輸出産業の経営者なども頭を抱えていることでしょう。

 事前の予測を覆して、なぜトランプ候補が勝利できたのでしょうか。今回の大統領選挙は不人気者同士の争いで、より小さな悪の選択だと言われました。
 ということは、トランプ候補の方がクリントン候補よりもまだましだと見られたことになります。女性蔑視や過激な発言を繰り返していたトランプ候補への嫌悪感よりも、エリートとエスタブリッシュメントの代表で既成政治家の典型のようなクリントン候補への反感の方が大きかったということでしょうか。
 グローバル化が進む中で白人を中心とする中間層の没落による格差の拡大は激しいものでした。そのような状況を生み出したこれまでの政治に対する失望と、しがらみの無い突破力を持っているように見えたトランプ候補への期待が番狂わせを生み出した力になったのかもしれません。

 トランプ新大統領の登場は日本へも大きな影響を及ぼすものと見られます。現在審議中のTPPは空中分解するでしょうから、審議を続けることは無意味になります。
 アメリカ第1主義を掲げ、「世界の警察官であり続けることはできない」と明言していましたから、アジア重視の「リバランス政策」の転換は避けられず、中東やアジアから手を引くことになるでしょう。
 在日米軍基地については新たな費用負担を要求し、それが入れられなければ撤退すると言い出すかもしれません。さらなる分担要請が強まるかもしれませんが、他方で在日米軍の撤退など沖縄基地問題をめぐって新たな展開が生まれる可能性もあります。

 それにしても、選挙の力とは絶大なものです。イギリスのEU離脱といい、アメリカでのトランプ新大統領の誕生といい、いずれも一票の力が生み出した大変革でした。
 その結果への評価は様々でしょうが、このような結果が一票の積み重ねによって生み出されたことは間違いありません。一人一人の選択の積み重ねが予想を覆す巨大な変化を生み出したのです。
 それだけ、現状に対する不満と政治を変えたいという欲求が大きなものになっていたということでしょう。不満の高まりを政治変革の力とするための一票の役割を改めて再評価しなければなりません。

 いずれにしても、世界はこれまでの物差しが使えない未知の領域に入り込んだことだけは確実です。それが世界の平和と日本の安全、アベ暴走政治のストップに役立つように活用することが、これからの課題だということになります。

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