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9月6日(火) 民進党の代表選挙と憲法問題への対応をどう見るか [政党]

 昨日のブログで、民進党の代表選挙で最も注目されているテーマとして共産党など野党との共闘への対応について私の見方を書きました。共産党と一緒にやるのが嫌ならやめればいいんです。
 しかし、それで与党に勝てますか、市民や公党間の約束を反故にして信頼が得られますか。最有力とみらている蓮舫候補は「目指すのは新世代の民進党だ。信頼を取り戻し、わくわくする政治をつくる」と言っていますが、それなら野党共闘をさらに発展させて国民を「わくわく」させれば良いじゃありませんか。

 さて、今日は民進党の代表選挙で注目されているもう一つの重要なテーマである憲法問題について書くことにします。これについても、3人の代表候補の発言は微妙な違いを見せているからです。
 最初に、3人が共通している点について確認しておきたいと思います。その一つは、憲法審査会が再開されれば、それに参加する意向を示していることであり、もう一つは、いずれの方もそろって自民党改憲草案に反対していることです。
 先の参院選の結果、衆参両院で改憲勢力が3分の2を超えましたから、改憲反対勢力がボイコットしても憲法審査会を再開して審議を進めることは十分に可能です。そうなったら、勝手に審議を進めて勝手に改憲発議まで持っていく恐れもありますから、ストップをかけるために議論に加わり、その場を利用して安倍首相が目論んでいる「壊憲」策動の危険性を暴露することが必要です。

 また、このブログで何回も書いてきたように、自民党の改憲草案は現行憲法の「三大原理」に反し、自由で民主的な平和国家としてのこの国の形を破壊する「壊憲」草案にほかなりません。これに反対するということは「壊憲」に反対するということですから、安倍首相や自民党とは異なった立場に立っていることを示しており、評価できる点です。
 なお、これに関連して、本日の『東京新聞』の主張「変えられぬ原則がある」が「基本法(憲法)を六十回改正したドイツを例に挙げ」て、「改正が許されない基本原則もある」と指摘している点は重要です。すなわち、「基本法79条は、人間の尊厳の不可侵、民主的な法治国家、国民主権、州による連邦主義などに触れることは許されていない、と規定している」と。
 これは「ナチスのような暴政を繰り返すまいとの決意表明」であり、「国是と言ってもいい」もので、「日本にもむろん、守るべき憲法の精神がある」と指摘しています。社説はこの「精神」が何であるかは明示していませんが、それは「憲法の三大原理」と自由で民主的な平和国家としての国のあり方であり、「国是」としての9条にほかなりません。

 ということで、3人の候補者の憲法改正への姿勢でも9条への対応が注目されるわけですが、これについては若干の違いが示されています。蓮舫さんは「憲法9条、これは絶対に守るべきです。9条においては絶対に変えてほしくないという国民の声を、わたしは大切にします」、前原さんは「1項、2項は守ると、今の憲法9条は守って、加憲でこの自衛隊の位置づけをみんなで議論していきたい」、玉木さんは「制約のないフルスペックの集団的自衛権、海外での自衛隊の武力行使を認めるような9条の改正には反対だ」と述べています。
 つまり、蓮舫さんは9条護憲、前原さんは9条加憲、玉木さんも基本的には9条護憲ですが、「制約のないフルスペックの」という条件を付けているところが気になります。一定の制約があって「フルスペック」でなければ、「集団的自衛権、海外での自衛隊の武力行使を認めるような9条の改正」には反対しないということなのでしょうか。
 もっと微妙なのは前原さんの主張です。現行の9条は護るということですから9条護憲に見えますが、同時に「加憲でこの自衛隊の位置づけをみんなで議論していきたい」と付け加えているからです。

 このような前原さんの「9条加憲論」を、直ちに安倍「壊憲」路線への同調だとして糾弾してはなりません。それが憲法の精神である平和主義や平和国家としての国の形を壊すことになるのか、それとも守るためのものなのかが見極められなければならないからです。
 これはすでに8月26日のブログ「改憲への賛否や9条改憲への賛否を問う世論調査の『落とし穴』」で書いたことですが、「9条改憲論の中にも、自衛隊の現実にあわせて憲法を変えるという意見と自衛隊が海外に派遣されて米軍などの支援を行う『外征軍』化を防ぐために憲法を変えるという意見があ」り、「『専守防衛』の壁を破るための9条改憲とその壁を強化するための9条改憲という正反対の意見が混在している」からです。前原さんの9条加憲論についても、前者なのか後者なのかが問われなければならないでしょう。
 そして後者であれば、それは憲法の原理や理念を壊す「壊憲」ではなく、それに沿った「改憲」であり、その主張は憲法の「改悪」ではなく「改正」だということになります。そのどちらなのかを、前原さんは明確にするべきでしょう。

 しかし、それでも問題は残ります。「このような9条改憲論には慎重でなければならない」と思うからです。
 その理由も、9月1日のブログ「自衛隊をどう『活かす』のか」で、次ように書いた通りです。「9条加憲論」にも、このような問題があるということを、前原さんは自覚されているのでしょうか。

「一つにはタイミングの問題があり、今の時点でのこのような提起は「壊憲」勢力に利用される恐れがあるからです。
 もう一つは、9条の戦争放棄・戦力不保持という規定はもう二度と戦争の脅威を与えないという国際社会、とりわけ周辺諸国に対する国際的な誓約となっており、それを変えて自衛隊の保持を明記すれば国際社会や周辺諸国に誤ったメッセージを与えることになるからです。まして、戦前型社会と軍国主義の復活を目指しているのではないかと疑いの目で見られている安倍首相の下での変更は避けるべきでしょう。
 さらに、自衛隊の存在は歴代自民党政権によって意識的に生み出されてきた「反憲法的現実」そのものですから、それを憲法に明記してしまえば現実を追認することになります。自民党による長年の「反憲法的政治」によって9条と大きく乖離してしまっている現実をそのまま受け入れるのではなく、そのような歪んだ現実を9条に近づけていく努力こそが求められるという「活憲」の課題が失われ、戦争放棄・戦力不保持が実現できるような周辺環境や国内状況を生み出すという将来ビジョンを掲げることができなくなります。
 このような戦争放棄・戦力不保持という9条の理念を実現しようという意思と方向性を持っているかどうかが、今後の安保・防衛政策や外交路線にとって決定的です。そのための緊張緩和や友好関係の樹立など、外交努力が不可欠になるからです。」

 9条以外では、蓮舫さんは「地方自治のあり方」、玉木さんは「憲法裁判所の必要性、衆院と参院の関係、地方自治など統治機構のあり方」などを列挙し、玉木さんは民主党の2005年の「憲法提言」を挙げて「ああいったものを民進党でも1年ぐらいのめどでまとめるべきだ」とも述べています。
 このような憲法の原理や理念に抵触しない「改憲」案について議論したり検討したりすることは全く問題ありません。「壊憲」につながる「改悪」ではなく、統治ルールの変更や時代の変化に沿った見直しなどの「改憲」を目指した「改正」は、憲法の禁ずるところではないのですから。
 しかし、この程度の「改正」をいま、この時点で行う必要があるのかということについては、また別の議論と判断が必要でしょう。改憲には膨大なエネルギーを必要としますから、それをいま最優先の課題として取り組むべきなのでしょうか。

 周辺諸国との関係や安全保障環境の改善、景気回復や社会福祉の立て直し、少子化問題の解決と持続可能な社会への転換、東北大震災や豪雨災害、原発事故からの復旧・復興など、優先して取り組まなければならない課題は山積しており、持てる政治のエネルギーをすべて注ぎ込んでその解決に当たることこそ、最も優先されるべきことではないでしょうか。
 自民党ではなく民進党にこそ、それが可能だということを国民に示すことができなければ、代表が変わっても政権を変える展望は生まれてきません。このことを理解している方にこそ、民進党の代表になっていただきたいものです。

 なお、今月の講演の予定は次のようになっています。関係者の方、お近くの方に足を運んでいただければ幸いです。

9月10日(土)午後2時 雲仙・富貴屋ホテル:長崎民商
9月14日(水)午後6時半 明治大学駿台キャンパス研究棟:千代田9条の会
9月16日(金)午後6時半 生活産業プラザ:豊島革新懇
9月17日(土)午後2時 本牧・山手9条の会
9月20日(火)午前9時40分 全労連会館:民医連
9月21日(水)午後6時 日野市勤労・青年会館:平和ひのはち市民のつどい
9月24日(土)午後2時半 東村山革新懇

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9月5日(月) 民進党の代表選挙と野党共闘への対応をどう見るか [政党]

 民進党の代表選挙が告示され、蓮舫代表代行(48)、前原誠司元外相(54)、玉木雄一郎国対副委員長(47)の3人が立候補しました。15日に投開票が行われますが、今のところ蓮舫さんが有力なようです。
 候補者同士の討論会や街頭演説、インタビューなどがなされており、それぞれのスタンスの違いなども明らかになってきています。もちろん、同じ政党の代表を選ぶ選挙ですから全く違うわけではありませんが、最も注目されるのは共産党など野党との共闘への対応でしょう。

 野党共闘については、3人とも一定の評価をしたうえでの違いがあります。限定付きとはいえ評価しているのは参院選での効果を否定できないからで、前原さんでさえ「参院選での選挙共闘は一定の結果があった」ことを認めています。
 共闘したから負けたというのではなく勝ったわけですから、真っ向から否定するわけにいかないのは当然でしょう。執行部にいて共闘を推進した蓮舫さんはもとより、前原さんも「岡田路線はリセットすべきだ」と言っていますが、そのうえで共闘しないとは言っていませんし、玉木さんも選挙区の事情によっては共闘することを否定していません。
 問題は衆院選での共闘とその後の政権で共産党と連立するかという点にあります。この点では、蓮舫さんは「衆院選で綱領や政策が異なる政党と政権を目指すことはない」と否定し、前原さんや玉木さんも同じようなスタンスです。

 これは理論的にも実践的にも間違っています。理論的に言えば、綱領や政策が異なっているからこそ、一致できる部分に限って行動を統一するという統一戦線論の基本が理解されていません。
 連合政権にしても同じです。別の政党ですから綱領や政策が異なっているのは当たり前ですが、そのような政党が共通の目標や一致する政策の実現を目指して手を結ぶのが連合政権ではありませんか。
 蓮舫さんのように言ったら単独政権しかあり得ず、世界のどこにでもある連立政権は存在できなくなってしまいます。実際にも、2009年に発足した鳩山連立政権は綱領や政策が異なった民主党・社民党・国民新党によるもので、今の安倍政権だって綱領や政策の異なる自民党と公明党による連立政権ですし、このような連立政権は世界では当たり前のことです。

 「別の政党だから」「政権選択だから」「綱領や政策が違うから」などといって政党間の選挙共闘や政権連合を否定するのは、連合政権の理論についても実態についても無知であることを告白するに等しいものです。「違うのは当たり前」「でも力を合わせなければ勝てない」「だから一致点を探して共闘する」というのが、基本の「キ」なのですから。
 代表選挙に3人も立候補していながら、このような政権連合の基本について誰も理解していないというのは情けない限りです。これが民進党の現状であり、「らしさ」ということなのかもしれませんが。
 念のために付け加えておけば、民進党と共産党など野党との間には政策的な共通点が存在しており、だからこそ参院選での共闘が実現したのです。2月の「5党合意」、選挙前の通常国会に野党共同で提出された15本の法案、6月の市民連合と野党4党との合意、1人区での選挙協定や確認事項などによって積み重ねられた一致点は、政権を共にすることによってこそ実現できるものではありませんか。

 参院選での野党共闘が「共産主導」でやられたのが気に食わないという意見もあるようです。もしそうであるなら、「民進主導」でやったら良いでしょう。
 実際には、「共産主導」というよりも「市民主導」でした。安保法反対運動のなかで市民からあがった「野党は共闘」という声に共産党が応えて国民連合政府を提唱し、共闘成立のために自党の候補を取り下げるという「身を切る」対応を行ったのではありませんか。
 それを「共産主導」というのであれば、民主党が率先して野党共闘を提唱し、そのために自己犠牲もいとわない姿勢を示せばよいのです。そのために先頭に立つという決意とリーダーシップのある人こそ、新しい民進党の代表にふさわしいのではないでしょうか。

 自民党最大派閥の細田派(清和政策研究会)は9月4日、長野軽井沢町で研修会を開き、会長の細田博之総務会長は民進党が今後も共産党との選挙協力を続けると予想したうえで、前回衆院選の選挙区での得票率が5割未満だった自民党の現職議員は次回当選が困難になると強調し、「漫然と戦ったら大変なことになる」と活を入れたそうです。民進党の代表候補3人の言葉を聞いて、細田さんは「ニンマリ」しているかもしれません。
 また、細田総務会長は埼玉県新座市であった自民党衆院議員の国政報告会であいさつし、「この間の参院選で大都市は別だが、定員1人の県で(共産党の)候補が降りてしまった。民進党と協力するという選挙を始めたんですね。その結果、我が党は大変な苦戦を強いられ、11県で負けた。次の選挙は大変だとわかった。特に若い人、新人は基盤がまだ十分でない。小選挙区では(得票率)5割以上を目指さないといけない。もし、共産党と民進党が協力し、(統一候補を)擁立した場合、非常に危ない。我が党は簡単に解散・総選挙をするよりは、候補者たちが頑張って、次の選挙で堂々たる勝利をおさめてもらってこそ安定政権が維持できる」とはっぱをかけています。これほどの危機感を生み出した野党共闘を、「衆院選だから」ということでやめようというのでしょうか。
 『東京新聞』による民進党都道府県連幹部への聞き取り調査では、次期衆院選での野党共闘について22都道県が継続を求め、やめるべきだとした9府県を大きく上回ったそうですから、地方では共闘の必要性が良く分かっているということでしょう。実際、2014年の前回衆院選の結果をもとにした同紙の試算では、野党4党側の勝利は前回の43選挙区から2.1倍の91選挙区になるとされています(『東京新聞』9月4日付朝刊)から、共闘の効果は歴然としています。

 自民党の細田さんでさえ十分に理解している野党協力の威力を、民進党の代表になろうという人が分かっていないというのでは困ります。このような形で力を合わせる以外に、自民党に勝って「一強多弱」の壁を突き崩せる妙案があるなら示してもらいたいものです。
 これからでも遅くはありません。最有力で代表になる可能性の大きい蓮舫さんには、自ら先頭に立って野党共闘を引っ張る決意を示していただきたいと思います。それ以外に、アベ暴走政治をストップさせ、政権交代を実現して新しい連立政権を樹立する展望は開けてこないのですから。

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4月27日(水) 筆坂秀世・兵本達吉両氏の無残な姿に心を痛める [政党]

 何という無残な、という気持ちに襲われました。このような姿を目にしたくなかったとも。
 新聞の下の方にあった雑誌宣伝を目にしたときの気持ちです。暗澹たる思いで、胸がいっぱいになりました。

 その雑誌というのは『月刊Hanada』6月創刊号で、「花田紀凱責任編集」とあります。飛び出したのか追い出されたのか知りませんが、これまで『Will』という雑誌の編集者であった花田さんが編集部を離れたことは知っていました。
 その花田さんが新しく始めた雑誌がこれです。記事として、小川榮太郎「TBSの『重大犯罪』」、百田尚樹「『カエルの楽園』は『悪魔の書』ではない!」、櫻井よしこ・小野寺五典・板橋功「緊急座談会 テロとの闘い本番はこれからだ!」などが掲載されています。
 極右編集者として知られている花田さんらしいラインナップになっています。そして、この創刊号の「目玉」として「本当は恐ろしい日本共産党」という「総力大特集」が用意され、ここに藤岡信勝「微笑戦術に騙されるな」という論攷とともに、筆坂秀世・田村重信「日本共産党は解党せよ」、兵本達吉「日本共産党の『黒い履歴書』」という2本の記事が掲載されています。

 こう書いただけで、私がどうして無残なという気持ちに襲われ、暗澹たる思いを抱いたかがお分かりいただけるでしょう。「とうとう、こんなところにまで行ってしまったのか」と、情けなく思ったからです。
 花田紀凱、小川榮太郎、百田尚樹、櫻井よしこ、藤岡信勝という名前が並ぶことには、何の違和感もありません。皆さん安倍首相のお仲間で極右論壇のスターたちですから、極右雑誌の創刊をにぎにぎしく飾るにふさわしい方ばかりです。
 しかし、ここに筆坂さんや兵本さんが加わっていることには心が痛みます。この2人が共産党にかつて属していた経歴を持っており、安倍首相の仲間になるなどとは思っていなかったからです。

 筆坂・兵本の両氏がこれらの記事で何を書き、どのような主張を行っているのか、まだ雑誌を読んでいませんので分かりません。その内容については批判されている当事者である共産党からの反論があるかもしれませんが、私が問題にしたいのは別の点にあります。
 何が悲しくて、花田紀凱、小川榮太郎、百田尚樹、櫻井よしこ、藤岡信勝、西尾幹二などと一緒に名前を並べることになってしまったのか、ということです。これらの人々がどのような政治的スタンスを取り、どのような主張を行っているか、まさか知らなかったわけではないでしょう。
 これらの人々が安倍首相の応援団であり、アベ政治のブレーンたちであることは世間周知のことではありませんか。どれほど共産党に反感を持ち、批判的な主張を行おうとも、アベ政治とは一線を画すという程度の判断や矜持くらいは持ち合わせて欲しかったと思います。

 しかも、筆坂さんは常任幹部会委員・参議院議員として、兵本さんは橋本敦参院議員の公設秘書として活動した経歴があり、共産党の幹部だったり中枢にいたりした人です。今回のような形で共産党を全面否定するような記事を、このような雑誌に、これらの筆者とともに書くことは、自らの過去を全面的に否定することになると思わなかったのでしょうか。
 本人からすればそれも覚悟のうえということかもしれませんが、そこまで追い込まれてしまったことに心が痛みます。自由や民主主義のために闘った自らの青春時代や半生を、それとは正反対の極右の立場から全面的に否定することになるのですから。
 しかも今、「アベ政治を許さない」という安保法反対などの運動が澎湃と盛り上がり、参院選に向けてアベ政治打倒の野党共闘が実現し、その推進力として共産党が大きな力を発揮しているその時に、「本当は恐ろしい日本共産党」という「総力大特集」に「日本共産党は解党せよ」「日本共産党の『黒い履歴書』」という記事を書いているわけです。そうすることがどのような政治的効果を持つのか、誰を利するのか、この2人のことですから分からないはずはありません。

 その経歴からして、共産党攻撃に大きな利用価値があると見込まれての起用でしょう。さすがは花田さんです。編集者としてのカンは衰えていないようです。
 その花田さんに足元を見られ、アベ政治擁護のために利用されていることが分からないほどに、この2人の政治的感覚は鈍ってしまったようです。それとも、貧すれば鈍すということなのかもしれません。
 極右論壇の片隅で原稿料を糧にしながら生きながらえることを選択したということなのでしょうか。それほど政治的な感覚や判断力が鈍ってしまった、あるいは経済的に窮してしまった、ということなのでしょうか。

 共産党に対する批判は、それが事実と道理に基づくものであれば有意義であり、共産党にとってもプラスになるものです。しかし、全面否定するだけでは、戦前・戦後の政治史に対する無知と自らの変節を告白するだけになってしまいます。
 このような哀れを催すほどの無残な姿を目にしたくはありませんでした。とりわけ、政策委員長であった筆坂さんについては、その能力をかい期待していたこともあっただけに残念でなりません。


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2月23日(火) 谷垣幹事長の「自殺行為」発言こそ5党合意の政治的意義を如実に示している [政党]

 谷垣幹事長、あなたもですか、と言いたくなります。自民党の谷垣幹事長までもが、思わず失言しそうになったのですから。

 自民党の谷垣禎一幹事長は昨日の記者会見で、夏の参院選の改選1人区をめぐって共産党が独自候補を条件つきで取り下げる方針を示した影響について、「政権交代可能な態勢をつくるところで、民主党にとっては自殺行為だ」と述べたそうです。
 しかし、会見の途中で「私、自殺行為と言ったのですかね。なぜ言ったのか」と困惑した表情をのぞかせながら、「自殺行為」を撤回して「自らの存在意義を否定する行為」とわざわざ訂正し、野党共闘については「共通点はいったい何だろうか。統一候補が当選した後、どのような活動を取るのか。おかしな結果が出てくることが予想できる」と皮肉たっぷりに述べたといいます。
 この間、閣僚や自民党議員の失言や暴言が相次ぎ、それに対して引き締めを図ってきた谷垣さんです。この時、自らの発言が呼び起こす波紋が頭をよぎったのでしょうか。直ぐに訂正して事なきを得たようです。

 しかし、この谷垣さんの慌てようこそ、今回の5党合意の政治的な意義と効果を如実に示しています。民主党を揺さぶって共産党との間に亀裂を生じさせようとして「自殺行為」だと口走ってしまったのでしょう。
 そして、それがまた「不適切発言」だとして批判を招くようなことになれば、それこそ自民党にとっての「自殺行為」になりかねません。途中で、そのことに気が付いた谷垣さんは慌てて撤回し、「自らの存在意義を否定する行為」だと言いなおしたわけです。
 危なかったですね。冷や汗をかいたことでしょう。

 それだけ、この合意とそれに基づく選挙協力の実現、共産党による1人区の候補取り下げという決断は、大きな衝撃を与えたということになります。自民党の選挙戦略に大きな狂いが生じ、参院選での3分の2突破どころか、与党による過半数の維持すら危なくなるかもしれないのですから。
 今回の5党合意と選挙協力によって、1人区では7選挙区で逆転すると試算されています。これは前回の投票のままでの試算ですから、野党協力によって無党派層の票が掘り起こされればさらに多くの1人区で逆転させることが可能になるでしょう。
 現在の参院での与野党間の議席差は28で、15議席ひっくり返せば与野党が逆転します。複数区での野党の健闘や比例代表での善戦なども加えれば、選挙結果は大きく変わります。
 とりわけ「伸びしろ」が大きいのは共産党で、前回13年と同様の8議席を獲得しただけで5議席増になります。目標としている比例代表での8議席獲得が実現すればさらに03年の5議席より3議席増えて合計8議席増となり、これに1人区の野党7議席増を加えれば、15議席増となって与野党の議席差はひっくり返ります。

 5党合意によって、参院での与野党逆転は現実的な目標となりました。谷垣幹事長が大慌てであわや失言しそうになったほど狼狽したのも当然です。
 おまけに、野党共闘について「共通点はいったい何だろうか」などと批判しています。戦争法廃止を掲げた合意ですから、「共通点」は戦争法の廃止を目指すことに決まっているじゃありませんか。
 また、「統一候補が当選した後、どのような活動を取るのか。おかしな結果が出てくることが予想できる」と皮肉ったそうですが、そうならないように戦争法廃止を公約として掲げることを条件としています。これは過去の失敗を繰り返さないという点で、重要なポイントです。

 実は、2009年の衆院選で共産党は148選挙区において候補者を立てずに「自主投票」としました。これは民主党の勝利を陰ながらアシストして政権交代を実現させる大きな力となりましたが、事実上の協力でしたからその後の民主党の裏切りを抑制できなかったという弱点がありました。
 このような弱点を克服するために、今回は戦争法廃止という一致点を明確にして公約に掲げると言う条件を課して「一札」取ることにしたのでしょう。無条件での協力でも、陰ながらのアシストでもなく、条件付きでの協力だということです。
 09年の総選挙では、陰ながらのアシストでも政権交代という成果を上げることができました。今回ははっきりとした協力ですから、さらに大きな成果を上げることが期待できます。

 参院での与野党逆転は、戦争法廃止に向けての第一歩にすぎません。それを解散・総選挙に結び付けて安倍政権を打倒し、戦争法廃止を可能とするような政府を実現する必要があります。
 安倍首相は野党の分断を狙って衆参同日選挙を行うかもしれませんが、恐れることはありません。一緒にやってくれるのなら、手間が省けるというものです。
 野党共闘の威力を発揮して衆参両院での与野党逆転を実現し、一挙に戦争法廃止の新政権樹立に結び付ければいいんです。そうなれば、2016年はまさに政治決戦の年となり、日本の新しい政治を切り開いた「平成維新」の年として歴史に刻まれるにちがいありません。

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2月20日(土) 「現代の薩長同盟」とも言うべき5野党党首会談での合意成立を歓迎する [政党]

 いよいよ、攻勢の開始です。そのための武器が二つも供給されました。
 これを生かして、進撃を開始しなければなりません。アベ暴走政治を追い詰めていくために。

 昨日は戦争法=安保法が成立してから5カ月になります。この日、民主・共産・維新・社民・生活の野党5党は安保法を廃止するための法案を提出しました。
 これがアベ暴走政治を追いつめるための一つ目の武器です。安保法は3月末までに施行され、法律として効力を持つようになりますが、その前に問題点を国民に訴え、4月の衆院補選や夏の参院選での争点化につなげていく必要があります。
 きちんとした説明もせずに逃げ回っている安倍首相を追撃しなければなりません。憲法との関連や成立過程における議事運営上の瑕疵、安保法による「抑止効果」がどこにあったのか、自衛隊が紛争などに巻き込まれるのではないか、などの点についても、国会での質疑を通じて明らかにしてもらいたいものです。

 もう一つの武器は、野党共闘の成立です。昨日の5野党党首会談で以下の4項目が確認されました。
1、安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通の目標とする。
2、安倍政権打倒をめざす。
3、国政選挙で現与党及びその補完勢力を少数に追い込む。
4、国会における対応や国政選挙などあらゆる場面でできる限りの協力を行う。

 これは極めて重要な合意です。「現代の薩長同盟」とも言うべきもので、高く評価し、大いに歓迎したいと思います。
 この合意を生かし、安保法制の廃止と安倍政権の打倒に向けて5野党は力を合わせていただきたいものです。とりわけ、「国政選挙」で「現与党及びその補完勢力を少数に追い込む」こと、「国会における対応や国政選挙などあらゆる場面でできる限りの協力を行う」ことが合意されたのは大きいと思います。
 これで、国会審議での5野党間の連携プレーなどが可能になります。また、衆院補欠選挙、参院選、あるもしれない衆院選などでの候補者調整などが約束されたことになるのですから。

 共産党の志位委員長は参院選での野党側の候補者調整の前提としてきた「国民連合政府」の構想について、「賛否についてさまざまな意見があるので、いったん横において、選挙協力の協議に入りたい。定数が1人の『1人区』では思い切った対応をしたい」と述べました。戦争法廃止の「国民連合政府」構想を候補者調整の前提とせず、1人区で党の公認候補者を取り下げることも視野に入れて対応していくと見られています。
 極めて大きな譲歩であり、大胆な表明であると言えるでしょう。この決断についても大いに評価したいと思います。
 これは、戦争法廃止の運動が生み出した一つの到達点だと言って良いでしょう。これを安倍政権打倒という次の高みに引き上げていくのが、これからの課題になります。

 昨年の6月から、私は民主党と共産党との連携・協力としての「民共合作」論を主張してきました。この間の講演でも、現代版の「薩長同盟」を実現しなければならないこと、それを実現するためには仲介者としての「坂本龍馬」が必要であり、運動と世論こそがそのような役割を果たすことを力説してきました。
 今回の野党共闘の成立は、そのような方向に向けての大きな一歩を意味しています。私としても、報われたような思いがしています。
 「薩長同盟」が「明治維新」を実現したように、今回の野党共闘の成立が「アベ幕藩体制」を吹っ飛ばすことを期待したいものです。このようにして、政治は変わり、歴史の歯車は回っていくのですから。

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11月13日(金) 野党内で分断にうごめき始めた「半自民」勢力 [政党]

 野党といっても、政権についていない政党というだけのことです。必ずしも、自民党に対抗しているというわけではありません。
 ということで、今の野党内には二つの勢力が存在しています。一つは与党に対抗する「反自民」勢力であり、もう一つは与党にすり寄る「半自民」勢力です。

 実は、民主党の中にも、この「反自民」勢力と「半自民」勢力が混在していました。後者は、戦争法案反対運動が高揚していた時にはじっと息をひそめていたのです。
 その野党内での「半自民」勢力と民主党内の「半自民」勢力がうごめき始めたようです。両者が手を取り合って民主党と野党を分断するための工作を開始したということでしょうか。
 民主党の細野豪志政調会長と前原誠司元外相、維新の党の江田憲司前代表が会談し、年内に民主党と維新の党をそれぞれ解党し、合流すべきだとの認識で一致したそうです。岡田代表はこのような民主党の解党には否定的ですから、民主党内で維新の党と同様の路線対立が深まる可能性があります。

 以前から民主党内には、細野さんや前原さんのような新党路線と、岡田執行部のような自立再建路線の対立がありました。それが、またぞろ表面化してきたということになります。
 維新の党の分裂によって勢力を弱めた江田グループが、新たな寄生先として民主党内の「半自民」勢力に働きかけたからでしょう。岡田執行部の左傾化にいたたまれなくなっていた前原さんなどが、これ幸いにと呼応する動きを始めたというわけです。
 野党が「反自民」でまとまることを恐れている政府・自民党からの裏面工作もあったでしょう。前原さんや細野さん、長島さん、松原さん、金子さんなどは安倍政権を支えている極右団体の「日本会議」のメンバーですから、戦争法廃止で野党の足並みが揃うことを妨害しようとするのも当然です。

 あるいは、安倍政権の極右化によって空いた中道右派の政治空間に入り込もうとしているのかもしれません。しかし、国際的に見ても政治空間は左右の分極化が進んでおり、結局は極右に吸収されるか、支持を失って没落するか、いずれかになるでしょう。
 イギリスの労働党では左派のジェレミー・コービン党首が誕生し、スペインでは左派政党のポデモスが躍進しました。アメリカの大統領選挙でも、民主党候補レースで「民主社会主義者」を自称しているバーニー・サンダース上院議員が2位になって注目を集めています。
 民主党はこれらの例から学ぶべきでしょう。国際的な動向から言っても、国内での政治状況からしても、民主党は「右のドア」を閉めて「左のドア」を開けることでしか活路を見出せないということを自覚すべきです。

 前原さんたちは、まだ締め切られてはいない「右のドア」から江田さんら維新の党を引き入れて民主党を乗っ取ろうとしています。このような企みを許してはなりません。
 岡田さんはこのような動きに惑わされず、「左のドア」を開けて戦争法廃止の国民連合政府実現の方向へと足を踏み出すべきです。そこにしか大義はなく、民主党が生き残る道もないのですから……。

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11月8日(日) 世論と運動が「現代の坂本龍馬」となって「現代の薩長同盟」を実現させなければならない [政党]

 「政界の絶好調男」なのだそうです。昨日放映されたテレビ東京系の番組「田勢康弘の週刊ニュース新書」にも出演し対談していた共産党の志位和夫委員長のことです。
 『産経新聞』がそう書いているのを目にしました。志位委員長の韓国での発言にケチをつける記事の中でしたが……。

 『産経新聞』でさえこう書かざるを得ないほど、共産党と志位委員長の活躍が目立っているということでしょう。それは先の総選挙や宮城県議選での躍進にも示されています。
 それだけでなく、戦争法成立とともに提唱した国民連合政権樹立という新たな統一戦線政策が国民に大きな共感と希望を与えたからではないでしょうか。それは戦争法の廃止にとどまらず、安倍政権が推し進めている各種の悪政をストップさせる唯一の希望となっています。
 最近の調査でも参院選で野党は協力すべきだという世論が4割に達しています。自民党の支持率を上回って、「第1党」となっているのです。

 このような国民連合政府の樹立を展望した野党間の選挙協力ができれば、選挙情勢は一挙に転換します。とりわけ、参院選での1人区や衆院選での小選挙区での勝敗は大きく変わるでしょう。
 2009年に民主党は小選挙区で圧勝して政権を獲得しましたが、この時、共産党は148の小選挙区で立候補を取りやめています。事実上のアシストがあったための勝利であったことを民主党は全く理解していません。
 「事実上のアシスト」でも、これだけの成果を生むことができたのです。しかし、「事実上のアシスト」であったために、その後の民主党の裏切りを許すという弱点を抱えていました。

 今回の共産党の提案なら、同様の効果を生むだけでなくこのよう弱点を避けることができるでしょう。日本の政治を根本的に転換させる「回天の大業」を実現できる可能性があります。
 当選者が1人の小選挙区制は大きな政党に有利で、得票率以上に議席を多くする「かさ上げ効果」があります。これが小選挙区制の「毒」ですが、逆に候補者を調整すれば野党にもそのようなチャンスが生まれるわけですから、「薬」としても使えます。
 ここに小選挙区制の「怖さ」があります。来る参院選では32ある1人区での選挙協力を実現し、安倍首相にその「怖さ」を味あわせようではありませんか。

 このような選挙協力を実現するには民主党と共産党との連携・協力が欠かせません。これを私は、かつて中国で実現した国民党と共産党との連携・協力である「国共合作」に範をとり、「民共合作」と言っています。
 日本の歴史に範をとるとすれば、「薩長同盟」ということになりましょうか。それまで敵対し殺しあっていた薩摩藩と長州藩が密かに手を結び同盟したことによって明治維新が可能になりました。
 民主党と共産党とは敵対していたわけでも、互いに殺しあっていたわけでもありません。手を結んで「同盟」することはずっと容易なはずです。

 しかし、「同盟」による政治的な効果と政治を動かす力には変わりありません。現代の「薩長同盟」である「民共合作」が実現し、戦争法廃止の国民連合政権実現に向けての動きが始まれば、安倍政権打倒の可能性が格段に高まります。
 「アベ幕藩体制」はそのことを恐れていますから、様々な形で妨害工作に乗り出しています。それに呼応して岡田執行部の足を引っ張ろうとしているのが、民主党内部の日本会議のメンバーです。
 細野政調会長などが反対していますが、細野さんも、前原さんや松原さん、長島さん、金子さんも、みんな日本会議のメンバーではありませんか。「みんなで靖国神社を参拝する会」の会員などの「靖国派」を含め、こういう「獅子身中の虫」が民主党を右に引っ張って国民を裏切ってきたのではありませんか。

 そのことを、国民はまだ忘れていません。ですから、共産党と手を組むことによってしか、民主党は国民の信頼を回復できないのです。
 共産党との連携・協力によってはじめて、この「裏切りの記憶」を薄め、国民に信用してもらうことができるようになるのです。このことに、民主党は早く気付くべきでしょう。
 党内の反対論を孤立させ統一の方向を選択する以外に民主党再生の可能性はなく、政権復帰のチャンスは生まれません。解党的な出直しをする覚悟があるのか、「回天の大業」に加わる志があるのか、その「本気度」が、いま個々の民主党員や議員に問われているのだということを自覚するべきでしょう。

 もちろん、「薩長同盟」の実現にも多くの困難や障害がありました。それを乗り越えることができたのは、薩摩と長州の仲立ちをした坂本龍馬がいたからです。
 同様に、民主党と共産党の仲立ちをするのは「現代の坂本龍馬」、すなわち国民の世論と運動です。「民共合作」を求める強い民意こそが、坂本龍馬に代わって「現代の薩長同盟」を実現することができるのです
 「統一こそ明日への希望」です。国民連合政府実現のために野党は選挙協力せよという声を大きく強くしましょう。野党の連携・協力なしに安倍政権の打倒は不可能であり、日本の未来を切り開くこともできないのですから……。

 「実現は無理だ」と思われるような統一だからこそ、歴史を動かす力を発揮することができるのです。「薩長同盟」が実現してはじめて、日本の歴史が変わり始めたように。
 同じように、「日本の歴史が動いたのはあの時なのだ」と、後世の歴史家が振り返って評価するような瞬間を、私たちの力で作り出そうではありませんか。そのためにも、一人一人が「現代の坂本龍馬」になって、「手を組まなければいかんぜよ」と強力に働きかけていただきたいものです。
 このようにすれば、歴史を作り替えることができます。明確な目的を掲げて自主的な関与を行うことが、歴史を主体的に生きるということなのではないでしょうか。

 なお、このような共闘の実現をめざして、私も代表世話人の1人となっている東京革新懇の主催で、以下のようなシンポジウムが11月27日に予定されています。関心のある方に参加していただければ幸いです。

「一点共闘から政治変革をめざす共闘への発展に関するシンポジウム」

11月27日(金)13:00~16:20 参加費1000円
板橋区立文化会館(東武東上線大山駅徒歩3分)

コーディネイター
 五十嵐 仁(東京革新懇代表世話人・元法政大学教授)
パネラー
 渡辺 治さん(一橋大学名誉教授)
 高田 健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)
 ミサオ・レッドウルフさん(首都圏反原発連合)
 仲山忠克さん(沖縄革新懇代表世話人・弁護士)

 その後、共産党の市田忠義副委員長が特別ゲストとして発言されることになりました。

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10月21日(水) 統一こそ、明日への希望 [政党]

 先日の10月18日に八王子駅頭で街頭演説をしたことは、前回のブログにも書きました。その時、私は野党の共同と連携を求め、「統一こそ、明日への希望」だと訴えました。
 この思いは、以前から一貫しています。共産党が提唱した国民連合政府の構想は、このような「統一」の一つのあり方であり、その実現を強く望んでいます。

 この共産党の提唱以来、マスコミもかつてなく大きな注目を寄せてきました。『東京新聞』だけでなく『朝日新聞』や『毎日新聞』もこの提唱に注目し、志位委員長のインタビューなどをたびたび掲載しています。
 たとえば、『朝日新聞』は10月12日の社説で「共産党が提唱する『国民連合政府』構想」にも言及し、「自民、公明の与党体制に代わりうる政権の選択肢づくりを掲げ、大きな目的に向け結集を図るべきだ」「批判をおそれるあまりにまとまることができなければ政権を利するだけだ」と主張しています。
 これは、「統一」への呼びかけにほかなりません。野党、とりわけ第1党の民主党はこの呼びかけに応えて「大きな目的に向け結集を図る」かどうか、「批判をおそれるあまりにまとまることができ」ず、「政権を利する」ような過ちを犯すかどうかが問われています。

 このような「国民連合政府」を実現するためには、野党間での選挙協力が不可欠です。とりわけ、来年夏の参院選の1人区での野党協力が決定的なカギを握ることになるでしょう。
 このような選挙協力について世論調査が行われていますが、このようなテーマでの調査自体が異例でかつてないことです。JNNの調査では「期待する」が37%、『毎日新聞』の調査では「選挙協力すべき」が38%、『朝日新聞』10月20日付の報道では「協力すべきだ」が48%となりました。
 調査のたびに増えていること、直近の朝日の調査では半数近くになっていることが注目されます。この時の自民党の支持率は35%ですから、野党協力への期待はこれを上回る「第1党」になりました。

 驚いたのは、『毎日新聞』10月14日付の5面です。ここには「共産 政権批判結集狙う」という記事と志位共産党委員長の写真が出ていてインタビューが掲載されていただけでなく、末尾に「詳報は15日の夕刊に掲載する予定です」と書かれていました。
 これは翌日の夕刊に掲載されるインタビューの「予告記事」になっていたのです。「予告」通り、翌日の『毎日新聞』10月15日付夕刊の「特集ワイド」には、「『連合政府』は国民が主人公の一大壮挙」というインタビュー記事が報じられていました。
 こんなことが今までにあったでしょうか。『朝日新聞』10月16日付朝刊も、一面に「共産、日米安保容認も」という記事が出ているだけでなく、3面にも「共産、野党結集へ動く」という記事が出ています。同じ新聞の朝刊の1面と3面に登場したわけで、これもかつてないことでした。

 共産党の「国民連合政府」構想が、それだけ大きな注目を集めているということの証左です。野党結集への国民の期待が高まっていることの反映であり、マスコミにとってもニュースバリューが高いと判断されていることになります。
 新聞だけではありません。今発売中の『サンデー毎日』にも志位共産党委員長のインタビューが掲載されており、「安倍政権打倒の『本気度』」「『国民連合政府』は野合ではない!」「『各野党』覚悟はあるか」「共産党史上初『政策凍結』も辞せず」という見出しが躍っています。
 長い間、「共産党を除く」という政党状況が続いていたことを知っている私とすれば、信じられないほどの様変わりです。昔は新聞記事のどこを覗いてみても、除かれた共産党の記事は見つからなかったのですから……。

 このような形で統一戦線の形成が日本で具体化するようになるとは、誠に感慨無量です。というのは、私の法政大学大学院での修士論文の表題は「コミンテルン初期における統一選政策の形成」というもので、「統一戦線の形成」は研究生活をスタートさせた初めから追い続けてきたテーマだからです。
 その後も、拙著『概説 現代政治』(法律文化社)の「あとがき」で「『反共』でも『反党分子』の排除でもなく、『大左翼』の結集によって『左翼的空間』を拡大し、保守政治に対抗し得る新しい政治勢力を作り出すこと」が必要だと書き、「日本共産党の力と政策をその構成部分とする『大左翼』の結集」を求めてきました。また、今年の6月6~7日に石和温泉で開かれた三多摩革新懇の合宿での講演「安倍暴走内閣と政治革新の展望」でも、政治革新の核となるのは「民共合作」で民主党と共産党との連携と協力、社民党や新社会党、生活の党などの参加が必要であること、「コンクリート」としての民主党だけでなく「鉄筋」としての共産党が加わる「鉄筋コンクリート」制の民主的政府の樹立を展望して民主党の解党的な出直しと共産党の柔軟な対応が求められることを強調しました。
 このように、統一戦線の形成は、いわば私の生涯をかけた目標であったわけです。しかし、もう法政大学を退職していますから、それは結局「見果てぬ夢」に終わるのではないかと思い始めた矢先での新たな展開でした。

 もちろん、いま提唱されているのは保守政治に対抗しうる「大左翼」の結集ではなく、「アベ政治を許さない」保守勢力をも結集した幅広い「国民連合」を目指すものです。それは戦争法廃止という「一点」での統一で、「戦線」というほどの広がりを持っていません。
 しかし、「アベ政治」の害悪は日本の政治と国民生活の奥深くまで及んでいます。原発再稼働、TPP参加、消費税再引き上げ、辺野古での新基地建設、社会保障の切り下げなど、個々の政治的争点での「共同」も拡大してきています。
 将来的には、これらの「共同」を糾合して幅広い戦線へと拡大していく可能性も十分にあります。そのスタートがいま切られようとしているのです。

 生涯をかけて追い求めてきた統一戦線の結成を、「見果てぬ夢」に終わらせたくはありません。残されたこれからの人生を、その実現に捧げたいと思います。
 「統一こそ、明日への希望」なのですから……。

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9月20日(日) 動き始めた「民共合作」―共産党による戦争法廃止国民連合政府の提唱を歓迎する [政党]

 昨日の中央委員会総会で、日本共産党は戦争法廃止の国民連合政府の実現を呼びかけました。いよいよ「民共合作」が動き出したようです。
 民主党と共産党を中心にした連携・協力を、私は中国の「国共合作」にちなんで「民共合作」と呼び、その形成を主張してきました。今回の国民連合政府の提唱はまさに「我が意を得たり」というもので、心から歓迎したいと思います。

 戦争法案は参院本会議で、自民・公明の与党だけでなく、次世代の党、日本を元気にする会、新党改革の野党(ゆ党)3党などの賛成で可決されました。戦争法案に賛成したこれらの政党に属する議員を落選させることで、その責任を問う必要があります。
 このような議員を国会から追い出すためには、選挙で落選させなければなりません。落選させるためには、代わりに当選できるような候補者を立てる必要があります。
 そのためには、戦争法に反対する野党が力を合わせ、選挙で勝利できるようにしなければなりません。その目標は戦争法廃止の国民連合政府であることが、今回の提唱によって明示されたことになります。

 このような「民共合作」は、民主党と共産党だけによって形成されるのではなく、戦争法案に反対して共闘した民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎と仲間たちの5党を構成要素とする必要があります。これに無所属の議員や市民など幅広い階層を糾合しなければなりません。
 同時に、このような「一点共闘」のカギを握るのは民主党の対応です。国民の期待を裏切った民主党は今も完全な信頼を得ているとはいえず、共産党との連携に抵抗する勢力も存在しています。
 他の政策的な相違を脇に置き、反共主義を克服して共闘に踏み出せるかどうかは、民主党の再生にとってのカギでもあります。共産党との協力・提携による国民連合政府への参加は、民主党にとっても国民の信頼を回復して政権復帰を図る絶好のチャンスを意味するからです。

 現在の安倍政権は強力な組織力を持つ公明党が自民党を支えるという構図になっています。これに対抗するためには、強力な組織力を持つ共産党が民主党を支えるという構図を作り出すほかありません。
 安倍暴走政権に対しては国民連合政府を対置するということになります。これ以外に、安倍首相の暴走にストップをかけて戦争法を廃止させる道はないでしょう。
 民主党を始め戦争法に反対した他の野党も、この共産党の提唱を真剣に検討していただきたいと思います。大きく盛り上がった国民運動はそのことを求めており、このような運動の発展によって国民連合政府の社会的基盤は形成されつつあります。

 2009年の政権交代にはこのような社会的基盤が欠落していましたが、今回は大きく異なります。「風頼み」の一時的ブームではなく、「草の根」での民衆の怒りを糾合した形での政権交代となるでしょう。
 そのためにも、戦争法廃止の国民連合政府構想を実現させなければなりません。満身創痍に陥った日本を救う道はこれしかないのですから……。

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4月29日(水) 民主党はフランス社会党の再生と中国の「国共合作」の歴史に学んで「民共合作」をめざせ [政党]

 統一地方選挙後半戦が終了しました。前半戦と同様、この後半戦でも目立ったのは民主党の不振と共産党の躍進です。
 後半戦の市区町村議選での結果は、以下のようになっています。

    前回   今回   増減
共産  1030   1092   +62
自民  786    931   +145
民主  501    372   -129
公明  1258   1244   -14
維新        78
社民  104    89    -15

 増減では共産党と自民党が議席を増やし、その他は減らしています。自共対決がさらに先鋭化したということができます。
 最も多く増やしたのは自民党ですが、市区町村議にはもともと保守系無所属が多くいました。今回、自民党からの立候補という形で党派性を明確にした候補者が多かったということではないでしょうか。
 これに比べれば、共産党の議席増は特筆される大きな意味があると言えます。得票増や投票率の増加も目立ち、上位で当選するケースも多く、都内では荒川区議選でトップ当選したほか、港区や新宿区、渋谷区、杉並区などでトップ3に入っています。

 これに比べて、民主党の不振は目を覆うばかりです。129議席も減らして、共産党の3分の1ほどになりました。
 首長選では候補者を立てられず、相変わらず自民党との相乗りするケースもありました。これで野党第1党だというのですから、その足腰の弱さは覆いがたいものがあります。
 公明党が14議席減らしたのも注目されます。候補者を減らしたにもかかわらず「全員当選」できませんでしたが、それは集団的自衛権の行使容認などでの対応への批判が反映されているように思われます。

 さて、統一地方選挙が終わって、後半国会ではいよいよ安保法制という戦争立法をめぐる対決が本格化することになります。戦争か平和か、という国政をめぐる重大問題が真正面から問われるわけです。
 この問題でも、民主党が試練に直面しています。民主党は27日、安全保障総合調査会(会長・北沢俊美元防衛相)を開いて、新たな安全保障法制に関する党見解をまとめ、翌28日に正式に決定しました。
 最大の争点だった集団的自衛権の行使の是非については、「専守防衛に徹する観点から、安倍政権が進める集団的自衛権の行使は容認しない」とすることで決着しています。しかし、当初案では「政府の新3要件に基づく集団的自衛権の行使は容認しない」というもので、「『容認しない』と言い切るべきだ」との意見も上がったために調整した結果、当面は容認しないものの、将来の行使容認には含みを残す表現となったそうです。

 「今はダメだが、将来は分からない」というのでは、安倍政権の暴走に対決できるのでしょうか。民主党内には、「捨て身で安倍政権との対抗軸を示していかないと党が消えてしまう」との強い危機感が広がっているそうですが、それも当然でしょう。
 統一地方選挙でも、3党合意の消費税増税、野田政権で参加を決めたTPP(環太平洋経済連携協定)の問題、同じく野田前首相が再稼働を認めてしまった原発問題、鳩山政権で元に戻してしまった沖縄県辺野古での米軍新基地建設問題などで、安倍政権への批判を示せない状況でした。これでは、安倍暴走政治に不安を抱く有権者の支持を集められず、安倍政権に反対する世論の受け皿になれなかったのも当然でしょう。
 民主党は結党以来、最大の危機に直面しているという自覚を持つべきです。再生するためには、解党的出直しに向けて大きく舵を切らなければなりません。

 このような出直しと今後の進路選択において参考になるのは、フランス社会党再生のプロセスと中国革命での国民党と共産党の統一戦線(国共合作)の結成です。いずれの場合も、共産党との連携に活路を見出したところが共通しています。
 フランス社会党の場合、1968年の五月革命直後の総選挙で大敗し、従来の党を解消して左派連合を母体にした新たな社会党に移行することを決定します。1971年のエピネ大会で第一書記には共産党との連携を主張するミッテランが就任し、ユーロコミュニズム路線を推し進めていたフランス共産党と共同政府綱領を結んで1973年の総選挙で復調しただけでなく、1981年の大統領選挙で勝利しました。
 中国革命での「国共合作」は1924年から27年までと、37年から45年までの2度にわたって国民党と共産党との間で結ばれた協力関係のことです。「第一次国共合作」は軍閥と北京政府に対抗する共同戦線で、「第二次国共合作」は日本軍による中国侵略に対抗するためのものでした。このような統一戦線の形成なしには、中国革命と抗日戦争の勝利もなかったでしょう。

 民主党は何故、このような歴史的な成功事例に学ぼうとしないのでしょうか。右側に向けて開いているドアを閉め、左側のドアを開けさえすれば良いのです。
自民党と共通する政策を見直し、以前の民主党政権時代に犯した過ちをきっぱりと自己批判することです。自民党や維新の党との連携を主張する議員を排除することも必要です。
 つまり、安倍政権との対決路線を明確にして共産党との連携を目指すべきなのです。これはフランス社会党におけるエピネ大会での転換であり、中国での「国共合作」になぞらえて言えば、民主党と共産党との連携=「民共合作」にほかなりません。

 こう言うと、民主党の中には共産党と手を組めば支持が減るのではないかと心配する方もおられるでしょう。しかし、それは時代遅れの杞憂です。
 共産党との連携はマイナスになるどころかプラスになるということが明確になってきました。それが、この間の選挙や世論調査で示されている現実の姿です。
 安倍暴走政治に対する危機感が民主党や第三極を越えて共産党への期待を高めているという客観的な変化、共産党の側でも「一点共闘」や「国民的共同」を打ち出し、沖縄の県知事選挙や総選挙での小選挙区選挙、北海道知事選などにみられるように共同を重視した柔軟な対応を示しているという主体的な変化が生じています。民主党も、このような質的な変化によって生じた新たな局面を踏まえた対応を行うべきです。

 後半国会で戦争立法など安倍暴走政治が本格的に始まろうとしている今、それにブレーキをかけるのかアクセルとなるのかが問われています。それをどのようにストップするのかという国民からの問いかけに応えられなければ、党再生などは不可能でしょう。
 安倍首相の「一強多弱」状況を打開するためには、力を合わせるしかありません。暴走阻止のためには対決する方向を明確にして決意を固める必要があります。
 どの世論調査をとってみても、個々の政策課題では安倍暴走政治に対する反対が多数であることは明瞭です。そして、この世論の動向と一番共通する政策を掲げているのが共産党なのです。

 各種の選挙で共産党が躍進し、民主党が振るわない最大の要因がここにあります。民主党再生のためには、民意に沿った方向へと転換するしかなく、それは共産党と共に歩む道しかありません。
 このような転換は、フランス社会党と同様に、党の再生だけではなく政権への道を開くことになるでしょう。社共統一戦線によるミッテラン大統領の当選という歴史に学ぶべきです。
 中国における国民党と共産党との統一戦線に範をとって、「民共合作」による民主連合政権を展望しなければなりません。ここにしか日本を救う道はなく、民主党が再生して政権を奪還する可能性もないでしょう。

 コンクリートだけでは十分な強度を保てず、鉄筋だけでは壁になりません。「民共合作」という「鉄筋コンクリート」のような統一戦線だけが、強固で幅広い民主的政権への道を開くことができるのです。
 「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と申します。民主党の再生にとっていま何よりも必要なことは、解党的出直しのために「身を捨てる」ことではないでしょうか。

拙著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』(学習の友社、定価1300円+税)刊行中。
購入ご希望の方は学習の友社http://blogs.yahoo.co.jp/gakusyu_1/folder/197776.htmlまで。

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