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3月24日(金) 森友学園の籠池理事長に対する喚問によって「アッキード事件」の有力な証拠が示された [スキャンダル]

 注目の証人喚問が衆参両院で実施されました。喚問では森友学園の籠池理事長による逆襲に会い、火消しを急いだ自民党は水とガソリンを間違えてかけるというミスを犯したようです。
 「総理大臣への侮辱」への報復と懲罰として、自民党の方から実施を求めるという異例の展開でした。その結果、新たな事実が次々に飛び出し、「総理大臣夫人への疑惑」を証明する有力な証拠が示され、核心がアッキーであり昭恵夫人こそがキーマンだったことが判明するという皮肉な結果になりました。
 安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、森友学園問題に関して「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」と述べていました。昭恵夫人の関与が明らかになったのですから、その言葉通り、とっとと首相も議員も辞めるべきでしょう。

 森友学園事件が安倍昭恵総理大臣夫人に深くかかわる「アッキード事件」であることを示す有力な証拠の一つは籠池理事長の証言そのものです。籠池さんは国有地取得について政治的関与があったかどうか問われ、「あったのだろうと認識しております」と答え、昭恵夫人に“口利き”を依頼していたことを次のように述べています。

 「その土地は国有地ということで、平成27年5月29日に定期借地契約を締結しました。その土地の買い上げの条件として、10年だったものをもっと長い期間へ変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。留守電でしたのでメッセージを残しました。すると後日、内閣総理大臣夫人付のタニサエコさんという方からご連絡いただき、『なかなか難しい』とのご返事をいただきました。平成27年11月17日に総理夫人付タニサエコさんからいただいたファクスでは、『大変恐縮ながら現状では希望に沿うことができない。なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております』というお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところでございます」

 ここに出てくるタニサエコさんという人物は昭恵夫人が講演をした際に幼稚園にも同行していた「谷査恵子」さんのことで、経産省から内閣府に出向していたといいます。この人が昭恵夫人の意を受けて動いていたとすれば、関係する省庁が「籠池さんの背後には首相夫人がいる」と考え、その意を“忖度”して対応したとしても不思議ではありません。
 また、籠池理事長は小学校の開校予定地を昭恵夫人と訪れたことがあるかと問われ、「土地を見て『いい田んぼができそうですね』と昭恵夫人が話したことから、『瑞穂の國記念小學院』という名前にした」と明かしました。一緒に予定地を見に行っていていたんですね。
 先日のNNNテレビでは新設される小学校の内部の映像を放映していましたが、そこには全面ガラス張りの理事長室と共に「名誉校長室」も映し出されていました。昭恵さんの「名誉校長」は「名誉職」としての単なる肩書ではなく、専用の部屋を作るほどの実質的な意味を持っていたということになります。

 さらに、籠池理事長の妻と昭恵夫人はこの問題が明らかになってからも「2月中に22回、3月中は15〜6回」もメールをやりとりしていました。2人の関係が実に密接であったことが分かります。
 昭恵夫人からのメールのなかには「御夫妻が大変なことは想像がつきますが、主人も大変なことに巻き込まれたということも理解頂きたい」「私が関わったと言うことは裏で何かあったと思われる」など、「口止めともとれるメール」もあったといいます。このメールについては、昭恵さんサイドも籠池理事長も公開してもいいと言っていますから、どういったやりとりがなされていたのか、明らかにしていただきたいものです。
 これ以外にも、稲田防衛相とは「今回の土地の事柄につきましても、稲田龍示事務所に平成28年の1月にはご相談にいっております」という証言があり、海陽学園の推薦枠の問題に関連してJR東海の葛西敬之名誉会長(海陽学園理事長)の名前も出てきました。大阪維新の会所属の大阪府議の畠成章氏(2015年9月に死去)、日本維新の会所属の東徹参院議員、自民党の北川イッセイ元国土交通省副大臣、柳本卓治参院議員の名前も出てきており、こうした政治家たちへの追及も不可欠でしょう。

 今回の事件が「アッキード事件」であったことを示す第2の証拠は、「平成27年11月17日に総理夫人付タニサエコさんからいただいた」というファクスです。その文面は、以下のようなものでした。

 「時間がかかってしまい申し訳ございませんが、財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました。
 大変恐縮ながら、国側の事情もあり、現状ではご希望に沿うことはできないようでございますが、引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。
 なお、本件は昭恵夫人にもすでにご報告させていただいております。
(中略)
4)工事費の立て替え払いの予算化について

 一般には工事終了時に精算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第、返金する」旨の了解であったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中

 これは“口利き”を断ったファクスであるから、無関係を証明するものだと菅官房長官は説明しています。このやり取りは安倍夫人とではなく「夫人付き」の谷さんとのやり取りだったから、夫人は無関係だとの弁護論もあります。
 しかし、一民間人から依頼されて「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得」るということ自体が極めて異例です。しかも、その回答の内容は詳細で、国有財産審理室長が「現状ではご希望に沿うことはできない」という「国側の事情」を懇切丁寧に説明していることが分かります。
 なぜ谷さんがこのようなやり取りにかかわったのかと言えば、それは「昭恵夫人付き」であったからであり、その方に籠池さんから資料が送られたのは谷さん個人ではなく「昭恵夫人付き」の方だったからであり、国有財産審理室長が丁寧な説明を行ったのも、問い合わせをしたのが「昭恵夫人付き」の役人だったからです。その背後に、「内閣総理大臣夫人」という威光が光り輝いていたことは否定できず、まさに「安倍昭恵」という名前は「水戸黄門の印籠」のように、決定的な意味を持っていました。

 しかも、ここには「引き続き、当方としても見守ってまいりたい」と書かれています。もし、断りのファクスであれば、ただ一言、「ご期待には添えかねます」とだけ書いて送ればよかったはずです。
 ファクスの文面からは、「できれば要望に沿いたい、役に立ちたい」という気持ちがにじみ出ています。それは谷さんも籠池理事長と昭恵さんとの親密な関係を知っているからであり、昭恵さんからも「力になって欲しい」と依頼されていたからでしょう。
 このような事情は、わざわざ「なお、本件は昭恵夫人にもすでにご報告させていただいております」と書き添えてあることからも分かります。そして最後に、「平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」と書かれていますが、その通りになりました。「引き続き」「見守った」成果が出たということではないでしょうか。

 第3の証拠は、安倍首相夫人である昭恵さんによる反論の書き込みです。昭恵夫人は籠池証人喚問がなされた3月23日の夜、自身のフェイスブックを更新して参院予算委員会の証人喚問での発言に反論しました。以下は、その書き込みの全文です。
 
 本日の国会における籠池さんの証言に関して、私からコメントさせていただきます。

1寄付金と講演料について

 私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません。この点について、籠池夫人と今年2月から何度もメールのやりとりをさせていただきましたが、寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした。私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております。
 本日、籠池さんは、平成27年9月5日に塚本幼稚園を訪問した際、私が、秘書に「席を外すように言った」とおっしゃいました。しかしながら、私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました。
 また、「講演の控室として利用していた園長室」とのお話がありましたが、その控室は「玉座の間」であったと思います。内装がとても特徴的でしたので、控室としてこの部屋を利用させていただいたことは、秘書も記憶しており、事実と異なります。

2携帯への電話について

 次に、籠池さんから、定期借地契約について何らか、私の「携帯へ電話」をいただき、「留守電だったのでメッセージを残した」とのお話がありました。籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、10年かどうかといった具体的な内容については、まったくお聞きしていません。
 籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています。その時、籠池さん側に対し、要望に「沿うことはできない」と、お断りの回答をする内容であったと記憶しています。その内容について、私は関与しておりません。
 以上、コメントさせて頂きます。
平成29年3月23日
 安倍 昭恵 

 昭恵さんは籠池さんの証言を全面的に否認しています。まさに「ガチンコ対決」であり、どちらかが嘘を言っていることになります。
 もし昭恵さんが嘘を言っているとしたら、それには「昭恵夫人付き」の2人の公務員も加担していることになります。籠池さんと昭恵さんの証言のどちらが信用できるのでしょうか。
 一方の籠池さんは、嘘をついたら逮捕されるという条件の下で証言しており、他方の昭恵さんはそのような制約や条件の無いフェイスブックでの私的な書き込みにすぎません。どちらの発言に重みがあるかは明らかです。

 籠池さんの証言を否定したいのであれば、同じ条件と誓約の下で本当のことを話すべきでしょう。フェイスブックという私的な空間での放言ではなく、国会という公的な場で籠池さんと同等の条件を付けて証言していただく必要があります。
 籠池さんの証人喚問の結果、昭恵夫人の証人喚問も不可欠になりました。嘘をついたら罰せられるという同等の条件の下で、ぜひ真実を語っていただきたいものです。

 また、この書き込みで、総務省から派遣されている公務員を「秘書」と呼んでいることにも驚きました。政府は3月14日に昭恵さんは「公人ではなく私人であると認識している」との答弁書を閣議決定したばかりではありませんか。
 その「私人」が公費で派遣されている役人を「秘書」として使っていたということになります。このような「私人」の存在が認められるのかという新たな問題も出てきます。

 さらに、「籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています」と述べています。「回答する」との報告があったのは、「当該秘書」がその必要性を感じたからであり、秘書の個人的な行動ではなかったからです。
 籠池さんと秘書との間には昭恵さんが介在していました。どのような指示や依頼があったのかは分かりませんが、昭恵さんには事後報告しておく必要性があると「秘書」が認識していたことは明らかです。
 さらに、「その内容について、私は関与して」いないと言いながら、「お断りの回答をする内容であった」ということだけは「記憶して」います。つまり、回答された内容について知っていたことになります。

 このような形で昭恵夫人の関与が明らかになった以上、安倍首相の責任は免れません。「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」という断言を撤回して陳謝するか、前言通りに潔く辞めるか、どちらかでしょう。
 そのどちらも避けるために、偽証罪で籠池さんを監獄にぶち込んで口封じし、事態の鎮静化を図るかもしれません。しかし、世論がそれを許すでしょうか。
 安倍首相は第2次安倍政権発足以来、最大の窮地に立たされてしまいました。その原因が、最も近くにいて「家庭内野党」として陰ながら首相を支えてきた昭恵さんだったというのは、まことに皮肉なことだと言わなければなりません。

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3月19日(日) 森友学園の籠池理事長だけでなく関係者は進んで真相究明に協力するべきだ [スキャンダル]

 今週は日本の政治において更なる激動が訪れる大きな転換点になるかもしれません。注目の証言が二つ行われるからです。
 東の豊洲と西の豊中。この二つにかかわる重要な証言が……。

 20日(月)には、豊洲市場に関する東京都議会の調査特別委員会(百条委員会)で石原慎太郎元都知事が証言する予定です。偽証すれば罰せられますから嘘を言うわけにはいきません。
 また、23日(木)には、国会で森友学園の籠池理事長の証人喚問も実施されます。こちらの方も出頭を拒否できず、偽証すれば罪に問われますから、偽りを証言するわけにはいきません。
 いずれの場合も、真実のみを語ることが前提です。そこでどのような証言が飛び出すのか、国民的な関心が高まっています。

 とはいえ、石原元知事の場合には健康問題もあるということで、当初の3時間という予定が1時間に短縮されてしまいました。この時間内での質疑ですから、どこまで真相が明らかになるかは不明です。
 これまでの発言を見る限り、ほとんど新しいことは明らかにならず、責任逃れとなる可能性が高いように思われます。時間切れを狙って、ノラリクラリとやり過ごそうとするでしょう。
 具体的な事実を突きつけて、責任を明らかにするような追及を望みます。知らぬ存ぜぬで逃げを図るような対応を許してはなりません。

 他方、国会での籠池喚問の方は新しい衝撃的な事実が出てくる可能性があります。とりわけ、安倍首相夫妻についての爆弾発言があるのではないでしょうか。
 首相や昭恵夫人との関係はどのようなものだったのか、瑞穂の国記念小学院設立に首相夫妻はどうかかわっていたのか、政治家の関与はどうなのかなどについて明らかにしてもらいたいものです。とりわけ、「100万円の寄付」については、事実であったかどうかの究明は極めて重要です。
 籠池さんが何を言い出すのか。安倍首相も自民党も、戦々恐々の思いで見つめていることでしょう。

 いうまでもなく、証人喚問は懲罰や脅しのためではなく、真相を解明するために行われるものです。「首相を侮辱したから」という理由で籠池さんを呼び出し、懲罰付きの喚問で懲らしめてやろうというのではあまりにご都合主義的な対応であり、証人喚問の私物化にほかなりません。
 森友学園をめぐる疑惑の真相を究明するためには、籠池さんの証人喚問だけでは不十分です。国有地の売却交渉のときに理財局長で疑惑をもたれている中心人物の迫田英典国税局長官や当時の近畿財務局長、松井大阪府知事などの喚問も必要でしょう。
 「私人だから」という理由で渋っていた籠池さんの喚問を認めながら、「公人」である官僚などの喚問に応じないというのでは筋が通りません。完全な「私人」とは言えず、「準公人」で「100万円」を渡したとされる昭恵さんの証人喚問も不可欠です。

 国会による国政調査権が正常に機能するかどうかが問われています。疑惑をもたれている関係者は全て、自らの潔白を証明するためにも真相究明に協力するべきでしょう。
 逃げ隠れすればするほど疑惑は深まり、潔白を信じてもらえなくなります。安倍首相夫妻には、そのことが分かっているのでしょうか。

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3月15日(水) 稲田防衛大臣の実の父親は森友学園の籠池理事長の知人だった [スキャンダル]

 稲田防衛相の国会での虚偽答弁が批判を浴びています。森友学園の籠池理事長から法律相談を受けたり裁判を担当したりしたことはないと断定していたのに、裁判資料を突きつけられ、一転して森友学園が起こした民事訴訟の口頭弁論に原告側代理人弁護士として出廷していたことを認め、前言を撤回して謝罪したからです。
 また、政治献金を受けたことはないというのも嘘でした。資金管理 団体が2007年、森友学園の籠池泰典理事長夫妻から1万2000円の寄付を受けてい た事実を示され、これを認めたからです。

 稲田さんは顧問弁護士だったことや裁判を担当したこと、献金を受けたことなどを否定し続け、10年前からは会ったこともないと籠池さんとの関係断絶を示唆してきました。このように、ことさら籠池さんとの関係を否定しようとしていたのは何かあるからではないか、と誰もが不審に思ったことでしょう。
 そうです。何かあるからなのです。
 その何かというのは、稲田さんの実の父親と籠池さんとの関係だったのではないでしょうか。このことを知られれば、稲田さんはこれまで考えられていた以上に籠池さんと深いかかわりがあったということが分かってしまうからです。

 稲田さんの実の父親は椿原康夫さんと言って関西の草の根保守運動では有名人だったようです。インタビューされている映像がユーチューブにアップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=SKCP-tmbmWY&feature=youtu.be
 「チャンネル桜」では最初に「このたび発足した『頑張れ日本全国行動委員会・京都』の代表を引き受けてくださった氏に、発足までの経緯や、草の根保守活動についてお聞きするとともに、ご息女である稲田朋美議員への教育方針や人柄などについてもお聞きしていきます」と紹介されています。この椿原さんについて、『週刊文春』3月16日号の記事で「籠池理事長は、小誌の2月13日のインタビューで、『(稲田氏の父である)椿原(泰夫)先生とは親しくさせていただきました』と話しており、稲田氏と森友学園との関係が改めて注目を集めそうだ」との記述があります。
 また、「稲田氏が衆院議員になる前の2003年ごろ、学園が運営する保育園が、乗っ取りにあいました。その時、学園側の弁護人だったのが龍示氏でした。私は龍示氏から『弁護士にならないか?』と言われ、『そんな頭ないからいいです』と答えたことを覚えています」という籠池さんの息子さんの証言も掲載されています。さらに、テレビ東京の「ゆうがたサテライト」では、「稲田大臣とは父親の代からの付き合い」 「教育関係の人間ですから、お嬢さん(稲田大臣)より、椿原泰夫先生(稲田大臣の父)の方が昵懇。ある時期までは」という籠池さんの映像が流されていました。
 つまり、稲田さんのお父さんと籠池さんとは「親しく」していた関係であり、稲田さんも籠池夫妻とずっと以前からの知り合いだったのです。夫の龍示さんを含めて家族ぐるみの付き合いをしていたということでしょう。

 それを今さら、汚いものを振り払うようにして無関係を装っているわけです。そこから無理が生じたのが、一連の嘘の背景だったのではないでしょうか。
 そもそも、稲田さんが「百人切り」裁判などにかかわったきっかけはこの父である椿原さんの人脈によるものだったようですし、安倍さんに見いだされて議員になるきっかけはこの裁判の弁護人として講演を行ったことだったと言われています。いわば、お父さんとの縁がなければ議員になっていなかったということでしょう。
 また、先の「チャンネル桜」の映像でも、「この親にしてこの子あり」「どんな教育をしたんだろう」と言われているように、お父さんから右翼思想を叩き込まれて育ったのが稲田さんでした。お父さんは昨年亡くなっていますが、元高校教諭・校長で日教組のメンバーと激しく対立してきた方ですし、晩年は生長の家の「頑張れ日本全国行動委員会」の京都本部代表をされていました。この父親の薫陶の下、塚本幼稚園で行われたような「愛国教育」を受けて人格を形成し、成長してきたのが稲田さんだったのです。

 このような背景からすれば、稲田夫妻が籠池さんに依頼されて顧問弁護士をしていたことも、裁判に出廷していたことも、何回も会っていたことも、政治献金を受けていたことも、防衛相として感謝状を出していたことも、全て当然のことだったのです。それを今になって、手のひらを返したように否定し、証拠を突きつけられて渋々認めるという醜態を演じています。
 このような人物が防衛大臣にふさわしくないこと、その資質を完全に欠いていることは明らかではありませんか。すでに、南スーダンPKOの日報隠蔽の責任を問われて辞任要求が出され、教育勅語の容認という点でも強い批判を浴びています。
 イエローカードを2枚出されていることろに、今回またレッドカードを出されたようなものです。これ以上の居座りは許されず、稲田防衛相が大臣の椅子を防衛するのは困難になっていると言うべきでしょう。

 ところが、これまで稲田さんをかわいがり優遇してきた安倍首相は、この期に及んでもまだ責任を取らせようとしていません。稲田さんを安倍首相がかばえばかばうほど、首相のダメージが大きくなるということが分かっているのでしょうか。
 籠池さんなどの参考人招致を拒んで稲田さんの居座りを許している自民党や安倍首相の対応を見て、マスメディアや野党は内心でニンマリしていることでしょう。解明が遅れて問題が長引けば長引くほど国民の怒りと関心は高まり、安倍政権に対する攻撃材料としての使用価値も大きくなるのですから……。
 こうして、安倍首相は大きなジレンマに直面することになりました。稲田さんを守っても首を取っても安倍政権に対するダメージは避けられず、グズグズすればするほど解決の道は遠ざかってしまうのですから……。

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3月14日(火) 記憶はなくても記録があった稲田防衛相 [スキャンダル]

 これはもう「アウト」でしょう。稲田朋美防衛相です。
 森友学園の籠池さんとの関係を否定していた稲田さんですが、動かぬ証拠が出てきました。裁判所の記録に書かれていたのです。
 国会で嘘を言ったのですから、虚偽答弁そのものです。責任を取って辞任するしかないでしょう。

 13日の参院予算委員会で、稲田さんは「籠池氏や森友の事件を受任したことも、裁判も、法律相談も受けたことはない」と、はっきりと関係を否定する答弁をしていました。しかし、当の籠池さんは稲田夫妻が顧問弁護士だったことを証言しています。
 さらに、この証言を裏付けるような出廷を示す裁判所作成の記録が見つかりました。動かぬ証拠が出てきたのです。
 窮した稲田さんは居直り、「自分の記憶に基づき答弁した。虚偽の答弁をしたことはない」と弁明しています。また、「この件について、責任を取るということではないと思う」と述べていますが、「虚偽の答弁」であったことは塚本幼稚園の園児にだって分かるにちがいありません。

 いよいよ、安倍首相は追い込まれてきました。こうなることは分かっていたのかもしれません。
 報道各社の官邸キャップを中華料理屋に招待して事前工作をしていたからです。しかし、その効果は次第に薄れてきているようです。
 当初、報道に及び腰だった読売や産経だけでなく、NHKも昨日の夜9時のニュースなどで詳しく取り上げるようになりました。それに上塗りするような稲田さんの虚偽答弁であり、責任逃れです。

 安倍首相は瑞穂の国記念小学院の設立申請の取り下げで「一件落着」を図ろうとし、籠池理事長の記者会見に南スーダンからの自衛隊の撤退発表をぶつけてきました。両方が互いに打ち消しあう形になり、印象が薄れることを望んだのでしょう。
 しかし、その後の各社の世論調査でも、この問題への関心の高さがうかがわれます。国民は真相究明を望んでおり、逃げの姿勢を示している安倍内閣への批判を強めているようです。
 安倍内閣の支持率は軒並み低下傾向を示し始めました。このまま、稲田さんの居直りを許して参考人招致を拒み続ければ、ますます内閣支持率は下がっていくにちがいありません。

 それに、「もう一つの森友学園」と言われている「加計学園」の問題もあります。愛媛県今治市での岡山理科大学の獣医学部新設をめぐる疑惑です。
 国会での追及も始まりました。国家戦略特区にすることで新学部の設置が可能になり、加計学園だけが申請して認められ、様々な便宜が図られているという構図は森友学園の場合とよく似ています。
 しかし、無償譲渡の額は37億円弱で建設への補助は64億円だといいますから、けた違いに大きな金額になります。さらに、安倍首相と加計理事長とは学生時代からの「腹心の友」でゴルフ仲間ですから、籠池さんとは比べ物にならないくらい親密な関係です。

 森友学園に加計学園。その優遇と特別扱いにはどのような背景があったのでしょうか。思想的なシンパシーと人間的なつながりによって行政の公平・公正が歪められるようなことはなかったのでしょうか。
 いずれの場合にも安倍首相の名前が見え隠れし、昭恵さんは関連教育機関の名誉校長や名誉園長に名前を出していました。政治への信頼を回復するうえで、政治家の関与や介入はなかったのかを究明し、安倍夫妻の政治的道義的責任を明らかにすることは不可欠です。

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3月11日(土) 「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」に対する責任追及の手を緩めてはならない [スキャンダル]

 注目を集めていた「アッキード事件」ですが、急転直下の展開を示しました。森友学園の小学校設立認可の申請が取り下げられ、籠池理事長が辞任したのです。
 これまで森友学園を応援し、数々の疑惑をもたれていた「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」は、これで幕引きを図ろうとするでしょう。しかし、「瑞穂の国記念小学院」とのかかわりや設立認可、格安での用地売却、加えて加計学院の岡山理科医大学獣医学部設立にかかわる問題など疑惑は多く、引き続き国会への参考人招致をはじめとした真相解明に努め、安倍夫妻などの責任追及の手を緩めてはなりません。

 今の時点で籠池さんが設立申請を取り下げて辞任したのは、これ以上問題を長引かせたくなかったからでしょう。同時に、疑惑が疑惑にとどまらず、具体的な犯罪行為が明らかになってしまったからです。
 それは、建設費の見積もりが3種類もあるという事実です。これ自体異常なことですが、実際よりも高い見積もりを政府に出して補助金を騙し取っていたわけですから、詐欺罪に当たります。
 多すぎた分を後から返すと言っているようですが、騙し取ってから見つかって返すと言っている「オレオレ詐欺」のようなものです。お金を返したからといって、騙した罪が消えるわけではありません。

 籠池前理事長に対して野党は参考人招致を求めてきました。これに対して与党は「違法性が明らかではないから民間人の招致は慎重でなければならない」との理由で拒んできました。
 そもそも国会に参考人を呼ぶのは国政調査権の一環であり、国政にかかわる疑惑を解明するためです。違法性がまだ明らかになっていないから、参考人を招致して違法性があるかどうかを正すということでしょう。
 違法性が明らかであれば、国会ではなく警察に呼ぶべきです。しかも、今回の申請取り下げと理事長辞任によって籠池氏自身が違法性を認めて責任を取ったわけですから、与党の拒否理由は崩れたことになります。

 今回の問題の「違法性」については、引き続き全容の解明が待たれます。しかし、責任追及を、このレベルにとどめてはなりません。
 「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の政治的道義的責任の問題は残るからです。これらの人々は森友学園やその傘下にある塚本幼稚園での教育実践を高く評価して応援し、様々な形で人集めや金集めに協力してきました。
 その学園が新しい小学校を設立しようとして問題を起こし、結局はその申請を取り下げて理事長が責任を取っしたわけです。森友学園と理事長に問題があったことは明らかであり、それを評価して応援し協力してきた人びとについても責任は免れません。

 すでにこのブログで明らかにしたように、塚本幼稚園で開催されてきた「教育講演会」には、百田尚樹、曽野綾子、平沼赳夫、青山繁晴、竹田恒泰、渡部昇一、中西輝政、櫻井よしこ、田母神俊雄、中山成彬、米長邦雄などの「不愉快な仲間たち」がずらりと登場していました。ホームページに推薦の言葉を寄せていたのは、中山成彬衆議院議員(元文部科学大臣)、軍事評論家の田母神俊雄第29代航空幕僚長、西村眞悟衆議院議員(元防衛政務次官)、竹田恒泰慶應義塾大学大学院法学研究科講師の4人でした。
 森友学園からの陳情を受けていた鴻池祥肇さんも塚本幼稚園で開かれた「教育再生地方議員百人と市民の会」第10回定期総会で基調講演をしていました。また、NHKの経営委員である長谷川三千子埼玉大学名誉教授(日本会議代表委員)も昨年4月29日の『第11回「昭和の日」記念式典』で基調講演を引き受けています。
 これ以外にも、籠池さんの長男である佳茂さんは稲田朋美防衛相や山谷えり子元拉致担当相と関係があり、山谷さんとは「椛島有三日本会議事務総長に東京の事務所で紹介され」、事務所で半年ほどカバン持ちを担当していたこと、「職歴」に維新の足立康史議員の「私設秘書」と明記していること、籠池さんが橋下徹さんの選挙を応援して宣伝カーの上に並んでいる写真があること、松原仁議員(民進)が森友学園理事長や元在特会支部長に平沼赳夫議員(自民)を紹介した際の写真もあることなどが明らかになっています。また、塚本幼稚園に感謝状を贈ったり、文科省に「教育勅語のどこがいけないのか」と圧力をかけたりしていた稲田防衛相に至っては、初出馬の時から籠池理事長が応援し、稲田さんの夫は森友学園の塚本幼稚園で顧問弁護士をやっていた疑いがあります。

 なかでも、安倍総理大臣夫人の昭恵さんは分かっているだけでも3回も講演しています。その回数の多さはとびぬけており、この幼稚園に対する昭恵さんの思い入れの深さがうかがえます。
 だからこそ、新たに設立される小学校へも期待し、その名誉校長を進んで引き受けたのです。幼稚園で注入された戦前型の「愛国教育」が小学校で継続されるために「役に立ちたい」と考えたからです。
 しかも、3回の塚本幼稚園への訪問にはいずれも夫人付きの公務員が同行していたこと、そのことがばれては困ると思ったのでしょうか、事前の出張計画が提出されていなかったこと、講演料も40万円支出されていたと受け取られるような会計記録が残っていることも明らかになっています。昭恵さんは講演料の受け取りを否定していますが、講演してその料金を受け取らなかったとすれば、その分の利益を塚本幼稚園に供与したという新たな問題が生ずることになります。

 安倍首相自身も、2012年9月16日に塚本幼稚園での「教育講演会」で講演する予定でした。これは自民党総裁選に立候補することになったために中止されましたが、今となっては「危ないところだった。やらなくて良かった」とホッとしていることでしょう。
 しかし、講演をいったん引き受けたという事実は残りますし、籠池さんの息子さんは父親の名代として安倍首相に会ったことがあり、そのとき渡した名刺を傍にいた秘書に預け、後に講演を断るときに間違えて電話をかけてきたと証言しています。籠池さん自身も安倍首相からもらったという年賀状の文面を読み上げていました。
 つまり、安倍首相と籠池さんは直接電話をしたり、年賀状をやり取りしたりするような親密な関係にあったということです。ほとんど籠池さんを知らないかのような答弁をした国会での安倍首相の発言は真っ赤な嘘でした。

 昨日の記者会見で籠池さんは「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」について、「何もしてもらわなかった」と発言していますが、これも嘘です。分かっているだけでも、小学校設立の資格に欠け、戦後教育の理念を否定する極めていかがわしい教育団体を権威付けで信用させ、持ち上げて宣伝する「広告塔」になり、学校の設立認可や国有地の格安取得、生徒の募集や募金・寄付金集めがやりやすくなるように様々な形でバックアップしていました。
 森友学園の特別扱いには、周囲がそれを信用したり忖度したり、共鳴したりして形成された「共通の思想空間」が大きく影響しています。度の形成において、安倍郁恵さんが果たした役割は大きく、安倍首相やその「不愉快な仲間たち」の責任も極めて大きいと言わなければなりません。
 だからこそ、責任逃れのための手段を取ったのでしょう。籠池前理事長の記者会見と小学校設立申請の取り下げ、森友学園の理事長の辞任は、まさに「トカゲのしっぽ切り」そのものです。

 籠池さんは疑惑の幕引きを図るため、「しっぽ」として切り捨てられることを知っているのでしょうか。それとも、「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」を守るために、自ら進んで「しっぽ」になろうとしているのでしょうか。
 いずれにせよ、「しっぽ」を切ったまま、トカゲ本体の逃走を許してはなりません。昭恵さんはじめ「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の本格的な責任追及は、これからなのですから……。

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3月7日(火) どうして一部のマスコミは森友学園の疑惑に対して及び腰だったのか [スキャンダル]

 何か、隠さなければならないものがあるのではないか。自民党の参考人招致拒否という報道を見て、そう感じました。
 国民の関心をそらし重大な事実を隠ぺいするために、書類を廃棄し、偽りの答弁を行い、参考人を拒み、報道に圧力を加え、安倍首相はひたすら「私と妻は無関係だ」と叫んで追及をやり過ごし、時間が過ぎていくのを待とうとしています。その片棒を、マスコミも担ごうとしていたところに深刻な問題があります。

 ということで、第7の疑惑は、マスコミの報道ぶりについてです。NHKは2月27日の国会中継を中止しました。その原因として「NHKも上層部で森友学園側と何らかの繋がりがあるのでは?」というような疑いがささやかれたことがあります。
 これについて、すでに私は塚本幼稚園で開催されたパネルディスカッションに、NHKの長谷川三千子経営委員が参加していたこと、元NHK経営委員の百田尚樹さんも塚本幼稚園で講演していた事実を指摘しました。これが何らかの形で影響していたのかもしれません。
 先日の日曜討論では、森友学園疑惑にも多くの時間が割かれていました。遅ればせながらNHKもこの問題を取り上げるようになってきていますが、それは社会の空気や他社の報道ぶりに押されてのことだと思われます。

 NHK以上に及び腰だったのは読売新聞と産経新聞でした。森友学園疑惑が初めて報じられたのは2月9日付の『朝日新聞』で、「学校法人大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割か」という記事が出ています。
 他方、『読売新聞』が報じたのはその9日後の2月18日で、その次は6日後の2月24日でした。「国有地 8億円安く売却 評価額より 大阪の学校法人に」という記事で、国会で議論になったのでやむを得ず取り上げたという感じです。
 『産経新聞』はさらに遅れ、2月18日に「国有地売却 差額に波紋」と社会面で初めて報じました。できれば取り上げたくない、という気持ちがにじみ出てくるような報道ぶりです。

 このように、他の新聞と比べて読売や産経の報道姿勢が弱腰で記事の量が少ないということが、森友学園疑惑での大きな特徴でした。その両新聞も最近ではそれなりに報ずるようになってきたようですが、それも読者の関心の高まりや他社との競争に強いられてのことのように思われます。
 当初の及び腰の背景には、身内に疑惑の関係者がいるということが関連しているのではないでしょうか。すでに指摘したように、この二つの新聞社は森友学園疑惑と無関係ではありません。
 「瑞穂の国記念小学院」を森友学園の要求通りにスピード認可した大阪の私学審議会に委員として満田育子読売新聞大阪本社編集局世論調査部主任が参加し、森友学園への国有地払い下げについて審議・決定した国有財産近畿地方審議会には委員として平井道子読売新聞大阪本社編集局管理部長と産経新聞出身のフリー・ジャーナリストである細見三英子さんが加わっていました。当初の及び腰の報道姿勢がこれと関係があるのかという疑惑についても、ぜひ読売新聞や産経新聞や他の報道機関によって検証していただきたいところです。

 また、安倍首相自身が報道機関に直接圧力をかけたのではないかとの疑惑もあります。2月27日夜、安倍首相は内閣記者クラブのキャップたちと赤坂の高級中華料理店「赤坂飯店」でオフレコ懇談会を開いたからです。
 この懇談は2時間30分も続きました。異例の長さも話題になりましたが、この場で森友学園問題に関する報道についてアレコレと指示を出しお願いをしたと見られています。
 『日刊ゲンダイ』によれば、関係者は会議が突然に決まった物であると明らかにし、安倍晋三首相は森友学園問題で報道自粛を要請したとされています。はたして、そのような要請がなされたのかどうかは分かりません。

 しかし、このような時期に、このような場を設定したこと、そこにのこのこと出かけていったことが、不適切であったことは明らかです。「李下に冠を正さず」という言葉がありますが、安倍首相も内閣記者クラブのキャップたちも、衆人環視の下で堂々と「冠」を正してしまったのですから……。

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3月6日(月) 教育基本法の理念を否定して戦前回帰をめざす国粋主義的「愛国幼稚園」の実態 [スキャンダル]

 森友学園の深い闇について、ようやく光が当たるようになってきました。国会での追及などもあり、マスメディアやテレビのワイドショーも無視できなくなってきたのでしょう。
 この問題を国会で解明するべきだという意見は83%にも上っています。政治家の関与についても、監査委員をしていた大阪維新の会の伊藤隆弘府議などの名前が出てきました。真相解明に向けて、籠池理事長など関係者の証人喚問は不可欠です。

 さて、このブログでは一連の疑惑について検討してきましたが、そもそも森友学園が経営していた塚本幼稚園とはどのような幼稚園だったのか、その実態について見てみることにしましょう。そのような幼稚園がなぜ評価され、優遇されたのか、第6の疑惑は森友学園と国粋主義的な「愛国幼稚園」ともいうべき塚本幼稚園自体に関わるものです。
 ここで検討すべき問題の一つは戦前型の偏向教育の実態であり、第2は教育機関にあるまじき幼児虐待であり、第3は籠池理事長やその夫人のヘイト発言であり、第4は大阪維新の会や稲田朋美衆院議員との関係です。

 第1の戦前型の国粋主義的な偏向教育の実態については、すでに多くのビデオなどで国民の知るところとなっています。なかでも、大きな衝撃を持って受け止められたのが、2015年秋の運動会の映像でした。
 ここで映し出された異様な光景に、唖然とした人は多かったでしょう。「選手宣誓」を行った代表の園児4人は、次のように叫んでいました。

 「大人の人たちが他の国々に負けぬよう、北方領土、竹島、尖閣諸島を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心あらため、歴史教科書で嘘を教えないようお願いいたします。安倍首相がんばれ! 安倍首相がんばれ! 安保法制、国会通過、よかったです!」

 自民党議員の中には、このどこが問題なのかと考えている人もいるでしょう。しかし、もし「大人の人たちが戦争を始めないよう、私たちが戦争に行かされないようお願いいたします。岡田代表がんばれ! 岡田代表がんばれ! 安保法制、国会通過させないでください!」などと叫んでいたら、どうでしょうか。
 自民党議員の皆さんは黙っていなかったでしょう。国会で大問題になっていたにちがいありません。

 この「選手宣誓」について国会で質問された安倍首相は、さすがに肯定することができず「『安倍総理がんばれ』とか、園児に言ってもらいたいということはさらさらないし、私は適切でないと思う」と答弁しました。しかし、それが「学校は政治的活動をしてはならない」という教育基本法第14条に違反するというとことについては明言を避けています。

 この幼稚園では園児に教育勅語を暗唱させていたことでも知られており、幼稚園で講演したり推薦の言葉を寄せたりした右派知識人や議員の多くが、そのことを評価していました。国会で質問された稲田防衛相も個々の徳目には正しいものがあると答弁していましたが、問題は教育勅語が担っていた歴史的な役割にあります。
 それは「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」という内容を含んでおり、これこそが戦前の国粋主義と戦争遂行のための精神的な支柱とされ、軍国主義教育の手段となっていました。だからこそ、戦後、衆議院で「排除に関する決議」、参議院では「失効に関する決議」がなされているのです。
 教育勅語は戦前戦中の軍国主義教育の要であり、国民主権と対立し、教育基本法とも衝突します。その教育勅語を公教育に持ち込むことは「憲法違反だ」(小林節慶応大学名誉教授)との指摘があるのも当然でしょう。

 第2は、教育機関にあるまじき園児虐待の実態です。これについても、2月22日に民進党の玉木雄一郎議員が衆院予算委員会第4分科会で質問して以降、広く知られるようになりました。
 大阪府の公表する資料によると、大阪府下に305ある私立幼稚園全体の充足率は74%ですが、塚本幼稚園のそれは50%にすぎません。統計にも転園者続出が明らかに示されています。
 土地取引の闇よりもたくさんの転園者を生み出す「森友学園のあり方」そのものの方が、より深刻な問題だという指摘もあります。それは教育機関にあるまじき虐待ともいえるような事例が、以下のように数多く報告されているからです。

・トイレ禁止(水筒を飲まない子、帰り道で漏らす子続出)
・ウンコを丸ごと包んだパンツをそのまま鞄に入れられる
・漏らしたら下着を素手で持って帰らされるか、透明なビニール袋で見えるように鞄からぶら下げられる・犬臭いので犬を殺せと連絡
・犬の毛が入っていたからと弁当を捨てる
子供に特定の子供を虐めさせるように教える
・先生も虐めに参加する
・通名で通っている子の本名をプリントで配布し晒す
・PTAの収支が不明なので入らないと言ったら強制退園
・二万円のアルバムを子供の人数分強制購入させる
・時間内に給食を食べきれなかった子供は廊下に正座で食べさせる

 このような事例の全てが本当なのか。あまりにも酷すぎて、にわかには信じがたい思いがします。
 しかし、塚本幼稚園を自主的に退園したり強制的に退園させられたりした保護者たちは沢山いるようで、「T(塚本)幼稚園退園者の会」を結成しているそうです。
 そのうちの1人がPTAの会計報告がめちゃくちゃだったので園に説明を求めたら、副園長から「いいかげんにしろ!!」で始まる毛筆の手紙が届いたといいます。このような事例を見るにつけても、なぜ大阪府はこれほど運営実態が酷い森友学園に小学校の設置認可を与えたのか、ますます疑問が大きくなります。

 第3の問題は、籠池理事長やその夫人のヘイト発言です。これまでも塚本幼稚園の退園保護者たちは、ネット上などで塚本幼稚園の実態を告発し続けてきました。
 しかし、こうした声に森友学園は真摯に対応するどころか、公式WEBサイトに「インターネット上での当園に対する誹謗・中傷記事について」と題した文章を掲載して「投稿者は、巧妙に潜り込んだ韓国・中華人民共和国人等の元不良保護者である」と反論してきました。
 籠池理事長の妻であり塚本幼稚園副園長でもある籠池諄子さんは保護者あての便りに、「邪な考えをもった(名前は日本人なのですが)在日韓国人である・支那人である…」と書いています。副園長は「私は差別はしませんが、韓国人・中国人は嫌いです」と書いた「直筆手紙」を元韓国籍の保護者に出していました。

 また、籠池理事長は沖縄の翁長知事に対して「現知事は親中華人民共和国派、娘婿も支那の人である。もともと中共に従いたいと心から思っているので、中共の手先かもしれない」などという全くデタラメな中傷を加えています。さらに、籠池理事長が経営していた別の幼稚園では、過去に尖閣諸島を守るための請願書名を保護者に提出するよう求めていました。提出先は立ち上がれ日本だったそうです。

 第4は大阪維新の会や稲田朋美衆院議員との関係です。以上に見たような問題がありながらも、塚本幼稚園に対する評価には高いものがありました。
 一部の右派論客や国会議員が絶賛し、講演したり推薦の言葉を述べたりしていたことは、すでに前回のブログで紹介しました。それだけではありません。
 塚本幼稚園で働いていた職員が表彰されたり、感謝状を贈られたりしていました。教育内容や実態からすれば信じられないことであり、表彰したり感謝したりした人は塚本幼稚園の実際の姿を知っていたのでしょうか。

 幼稚園の先生で「素晴らしい教育を行なっている教諭」に贈られる「文部科学大臣優秀教職員賞」を受賞したのは2013年2月の時点で全国に11人しかいません。それなのに、そのうち3人が塚本幼稚園の先生で、「大阪府の推薦」で受賞しています。
 2008年の大阪府知事は橋下徹さん、2012年の大阪府知事は松井一郎さんです。この2人の知事が塚本幼稚園の先生を推薦していたことになります。
 塚本幼稚園は特別に支援が必要な児童を受け入れる「要支援児受入促進指定園」にも指定され、大阪市と大阪府から補助金を受け取っていました。この補助金支出の決定も維新の市長や府知事によってなされています。

 大阪維新の会も塚本幼稚園の特別扱いや便宜供与にかかわっていた疑いが濃厚です。同様に、稲田朋美防衛相も塚本幼稚園とのかかわりを疑われる人物の一人です。
 稲田さんが過去に何度も参加したことがあり、顧問も担当していた「保守の会」の松山昭彦会長はフェイスブックで、「国会議員になる前の稲田朋美先生は塚本幼稚園の顧問弁護士だったそうです。驚きました」とコメントしています。これが事実だとすれば、まことに驚くべきことだというべきでしょう。
 その稲田さんは、防衛大臣に就任してから塚本幼稚園に表彰状を送っています。その実態や「瑞穂の国記念小学院」問題が明らかになってから取り消す意向を示していますが、このような幼稚園を表彰したこと自体が間違いなのです。

 このように、塚本幼稚園も森友学園も教育機関という資格がないほどの異様な教育を行い、理事長・園長の籠池さんとその妻の副園長は平気でヘイト発言をするような、教育者とはいいがたい差別思想に凝り固まった人物でした。それにもかかわらず、表彰されたり感謝されたり補助金をもらったりという厚遇を受けてきたのです。
 それは小学校設立のスピード認可、言い分通りでの建設予定地の取得と異常なディスカウントなどの厚遇に通じる特別扱いでした。このような厚遇と特別扱いには政治家や官僚の暗躍や画策が疑われますが、同時にその背景には日本会議を基盤にした籠池理事長の人脈と思想的な結びつきがあり、広告塔としての安倍首相夫妻の「御威光」があったのではないでしょうか。
 一連の経過を見れば、皆で力を合わせて安倍教育改革のモデルケースである森友学園を盛り立てていこうとする共通の意思を読み取ることができます。そしてこの共通の意思を、安倍夫妻も共有していたことは疑いありません。


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3月4日(土) 塚本幼稚園を応援していた「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」 [スキャンダル]

 共産党の小池書記局長による鴻池祥肇元防災担当相の事務所の面会記録の暴露は大きな反響を呼びました。すかさず、鴻池さんは会見を開き、働きかけを受けた事実を認めながらも「口利き」については否定していました。
 しかし、鴻池側と籠池理事長らとのやりとりが記された「陳情整理報告書」によれば、事務所は籠池さんと国の交渉を仲介し、籠池さんや国との接触は2年半で25回に上り、「上から政治力でお願いしたい」「土地評価額を低くしてもらいたい」「高過ぎる。何とか働き掛けて欲しい」などと要求していたことが明らかになりました。実際に「口利き」があり、その通りになったということです。
 また、ウェブ上では「親友が経営、昭恵夫人が名誉園長の学校法人に特区指定、37億の土地がタダに」という情報が流れており、「安倍首相に“第二の森友学園”疑惑! 」と話題になっています。安倍昭恵夫人が名誉校長を務めている「御影インターナショナルこども園」という保育施設の運営である加計学園の件ですが、いずれこれも国会などで追及されるかもしれません。
http://lite-ra.com/2017/03/post-2957.html

 ということで、昨日の続きです。第5の疑惑は、どうして森友学園だけがこのような特別扱いを受けたのかという核心に関わる問題です。
 その答えは、籠池理事長の教育方針が日本会議などの極右勢力の望む方向と一致し、安倍夫妻をはじめ、これらの勢力がこぞって協力したり応援したりしていたからです。塚本幼稚園の異様で特殊な教育を幼稚園だけでとどめず小学校以上の学校教育に持ち込もうという計画が今回の騒動の出発点ですが、このような時代錯誤でおぞましい教育内容を良しとする勢力が塚本幼稚園に総結集していました。
 そのことを明瞭に示している事実があります。それは塚本幼稚園で行われていた「教育講演会」です。
 http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/lecture/

 このホームページには、「お子さんの教育は保護者の方々のしつけ、けじめに非常に影響されます。塚本幼稚園では、子供たちが将来立派な人間として成長し、我が国を率先して引っ張って行ける人材を共に育てるため、保護者の方々にもご成長していただきたく、著名な先生をお呼びし、講演をしていただいております」と、講演会の目的が書かれていました。対象は子供たちではなく「保護の方々」であり、「ご成長していただきたく、著名な先生をお呼びし」ているというわけです。
 それでは、どのような「著名な先生」が呼ばれ、どのような話をしていたのでしょうか。「過去の講演」として紹介されている主なものは、以下のようになっています。

平成28年11月19日:百田尚樹先生講演会「日本危うし。将来を担う子供達の時代を見据えて〜現代日本にとって危うく足りないものとは〜」
平成26年4月26日:曽野綾子先生講演会「人間を造るもの」
平成25年9月21日:平沼赳夫先生講演会「私の人生、生き方、心の持ち方」
平成25年6月22日:青山繁晴先生講演会「日本の出番をつくる」、青山繁晴
平成25年5月25日:竹田恒泰先生講演会「私の憲法論」
平成24年10月27日:渡部昇一先生講演会「修身について」
平成24年5月12日:中西輝政先生講演会「どうすれば、日本を良い国にできるのか」
平成23年11月3日:櫻井よしこ先生講演会「日本よ、勁(つよ)き国となれ」
平成23年5月7日:武(ママ)田恒泰先生講演会「日本はなぜ世界で一番人気があるのか」
平成21年5月9日:田母神俊雄先生講演会「国防理念なき日本民族の将来」
平成20年11月15日:中山成彬先生講演会「日教組の影と功罪」
平成20年6月22日:米長邦雄先生講演会「歴史と伝統、そして幸せの原点は家庭にあり」

 このように、百田尚樹、曽野綾子、平沼赳夫、青山繁晴、竹田恒泰、渡部昇一、中西輝政、櫻井よしこ、田母神俊雄、中山成彬、米長邦雄などの名前がずらりと並んでいます。これに安倍昭恵さんが加わり、安倍晋三さんもこのラインナップに仲間入りするはずでした。
 実は、森友学園からの陳情要請を暴露して渦中の人となった鴻池祥肇さんも、2008年7月12日に塚本幼稚園で開かれた「教育再生地方議員百人と市民の会」第10回定期総会で基調講演をしていました。まさに「右派論客」の総登場という豪華さであり、「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の勢ぞろいといったところでしょうか。
 一幼稚園の講演会というには「立派」すぎるメンバーであり、森友学園の「総裁・理事長」である籠池さんの人脈と影響力のすごさをうかがい知ることできます。

 注目されるのは、この講演会に元NHK経営委員だった作家の百田尚樹さんが名を連ねていることです。NHKの関係者が関わっていたのは百田さんだけではありません。
 今もNHKの経営委員を務めている長谷川三千子埼玉大学名誉教授、日本会議代表委員も顔を出しています。長谷川さんは、昨年4月29日の『第11回「昭和の日」記念式典』で基調講演を引き受けています。
 そのテーマは「神やぶれたまはず―昭和精神史を考える」というもので、パネルディスカッションのパネラーには百田尚樹、曾野綾子、青山繁晴、竹田恒泰など、右派の論客がズラリと並んでいました。
http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/lecture/

 塚本幼稚園はネトウヨ的な右派論客の巣窟だったのです。その組織的な結びつきは日本会議であり、精神的な紐帯は教育勅語であり、掲げられたシンボルは安倍昭恵総理大臣夫人でした。
 この幼稚園の何が支持され評価されていたのかは、推薦の言葉を見れば一目瞭然です。ホームページに掲載されていた「推薦の声」を紹介しておきましょう。

中山成彬先生 衆議院議員(元文部科学大臣)
 「私も塚本幼稚園を訪問したときのことを鮮明に覚えています。園児の成長に合わせた、いろいろ画期的な取組に感銘をうけました。子供たちが暗唱した教育勅語やその他の名文は子供たちの成長につれ、人生の祈り節に子供たちの良き同伴者として励まし続けていくことでしょう。幼児の頃の頭の柔らかい時に、人生の道案内になるような漢詩、美しい詩歌等を覚えさせることは、とても良いことだと考えます。(中略)子供たちの一生が幸せなものでありますように、持って生まれた可能性を十分に開花させられる人生でありますように心からお祈り致します。」

田母神俊雄先生 軍事評論家 元航空自衛官 第29代航空幕僚長
 「私は昨年塚本幼稚園の父兄参観日に幼稚園の教育の様子を見せていただきました。教育勅語の暗唱や論語の授業、そろばん、ラグビーの練習などを見て、塚本幼稚園では真に日本人づくりの教育が実施されていることを実感いたしました。「三つ子の魂百まで」の諺があるとおり幼児教育は人格形成上極めて重要です。籠池園長の明確な教育方針のもと、伸び伸びと育った園児の皆さんは今後大きく成長してくれるでしょう。国際化の時代にあって日本人のアイデンティティーを持っておくことは必要不可欠です。ご父兄の皆様は今後とも誇りある日本人を育てることを目指し、子供たちの無限の可能性を伸ばしてやって頂きたいと思います。」

西村眞悟先生 衆議院議員 元防衛政務次官
 「ここで過ごした三年間は、皆さんの生涯にとってまことに貴重です。何故なら、幼い頃の思い出こそ、一生を貫く「力」だからです。皆さんが、大きな声で読んだ論語の教え、また、教育勅語の尊い精神は、これから、楽しい時も、苦しい時も、悲しい時も、いつも生涯にわたって皆さんを支えるありがたい「心の力」です。この尊い教えを身につけた皆さんは、ご家族の宝であると同時に日本の宝です。皆さん、祖国日本への愛と、ご恩ある先生への感謝、友達への友情を忘れず頑張ってください。」

竹田恒泰先生 慶應義塾大学 大学院法学研究科講師
 「塚本幼稚園は、日本で最も素晴らしい幼稚園の一つです。そのような素敵な幼稚園で学ぶことができた卒園生の皆様、きっと立派な日本人になられるでしょう。小学生になっても、これまで学んできた事を忘れず、しっかりと勉強してください。勉強すれば何かが変わるはずです。皆さまが、将来の日本を支える、強くて優しい大人に成長するよう、期待します。」

 このような思想的な背景があったからこそ、森友学園は評価され応援されていたのです。これらの人々をはじめ、安倍夫妻のシンパシーを忖度する形で様々な便宜が図られたのではないでしょうか。
 もちろん、「安倍晋三記念小学校」という幻の命名や「安倍昭恵名誉校長」という肩書は、このような配慮や便宜が求められる際には、最大限利用されたにちがいありません。そのことによって、小学校設立の認可が容易になり、格安での用地取得が可能になり、戦前型軍国主義教育が是認されたとすれば、安倍夫妻の道義的責任は免れません。

 それでは、「画期的な取組に感銘をうけ」(中山成彬)、「真に日本人づくりの教育が実施」(田母神俊雄)、「教育勅語の尊い精神」(西村眞悟)、「日本で最も素晴らしい幼稚園の一つ」(竹田恒泰)などと絶賛されている塚本幼稚園の実態はどのようなものだったのでしょうか。次回は、この幼稚園での教育の実態に迫ってみることにしましょう。


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3月3日(金) まだある森友学園と「瑞穂の国記念小学院」に関わる疑惑の数々 [スキャンダル]

 さて、昨日の続きです。森友学園に関わる疑惑について、引き続きその闇を照らし、「ゴミ」を掘り出すことにしましょう。
 続きと言えば、前日に続いて昨日の午前9時から参院予算委員会で共産党の小池書記局長の質問があり、森友学園が鴻池参院議員に働き掛けるなど政治家への依頼があったこと、籠池理事長が財務局を訪問して面会していたことなどが明らかにされました。小池さんは、関係者への聞き取りなどの調査を行うことや口利きの働きかけがなかったか、自民党内で調査することを安倍首相に求めていましたが、このような聞き取り調査だけでなく財務省や国交省の関係者、籠池理事長、そして安倍昭恵さんの証人喚問を行う必要があります。

 ということで、前回に続く第4の疑惑は安倍首相夫妻との関係です。2015年9月4日に関係者の会談が開かれ、その前日に安倍首相が首相官邸で同郷の迫田財務官と会っていたこと、当日には安保法で緊迫して国会審議をサボって大阪に行ってテレビ番組に出演していたこと、翌日に昭恵夫人が森友学園経営の塚本幼稚園を訪れて講演し、新設される小学校の名誉校長への就任を承諾していたことは、すでに明らかになっています。
 昭恵夫人はこの問題が露見してから名誉校長を辞任していますが、いったんは引き受け、学校の権威付けや生徒の募集などに利用されていました。このような形で宣伝に力を貸したり広告塔として利用されたりしたことの責任をどう考えているのでしょうか。
 安倍首相は昭恵夫人について「公人」ではなく「私人」だとかばっていましたが、それなら「内閣総理大臣夫人」という肩書は何だったのでしょうか。また、講演料は受け取っていないと述べていましたが、もし受け取っていないのであれば「私人」である昭恵夫人がどうして講演料の受け取りを辞退したのか、説明していただく必要があります。

 参院予算委で民進党の舟山康江議員が示した塚本幼稚園の元保護者から入手した「PTAの収支決算報告書」には、「15年9月5日 首相夫人安倍昭恵先生」との記載があり、「社会教育費」として支出がなされた記録が残されています。実際には、支払われていたのではないでしょうか。
 また、2015年9月4日前後の動きについても、多くの謎があります。なぜ安倍首相はこのタイミングで大阪に出かけたのか、なぜ迫田財務官に会ったのか、その会談の内容はどのようなものだったのか、大阪で森友学園や関西財務局、大阪府の関係者などと接触していなかったのか、昭恵夫人の講演や名誉校長就任について知っていたのか、なぜ止めなかったのか、などについても説明が必要でしょう。
 さらに、一時、「安倍晋三記念小学院」設立の名目で寄付金集めがなされていたことも明らかになっています。もし、本人の了解なしにこのような寄付金集めがなされていたのなら、首相の名を騙った金集めということになり詐欺罪に該当する可能性があります。

 籠池さんとの関係についても、安倍首相は国会で面識は無いと答弁しましたが、籠池さんの方は『週刊朝日』3月10日号で、「5年ぐらい前にPTAの紹介で知り合った。首相になられる前で昭恵夫人と先に知り合って小学校の見学に来てもらい、住吉大社にもご一緒させていただいた。総裁選に出られなければ、安倍晋三記念小学校になっていたかもしれない」と語っています。
 これが事実なら、安倍首相は虚偽答弁を行ったことになります。実は、2012年9月16日には安倍さん自身が塚本幼稚園で講演する予定でした。
 しかし、ちょうどこの頃、自民党総裁選に立候補することになったために取りやめられています。少なくとも、講演を依頼されて引き受けるだけの関係が、これ以前にできていたということでしょう。

 もっと関係が深かったのは昭恵夫人の方でした。この方は塚本幼稚園が使っているテキストの発行元である鈴蘭会の名誉会長を務めています。
 また、分かっているだけで最低3回も塚本幼稚園を訪問しています。最初の訪問は2014年4月で、この時の様子は翌15年1月8日付の産経新聞ウェッブ版によって「昭恵夫人は昨年4月、同園の視察と教職員研修のため訪れたとき、鼓笛隊の規律正しいふるまいに感動の声を上げた。さらに、籠池園長から『安倍首相ってどんな人ですか?』と問いかけられた園児らが『日本を守ってくれる人』と答える姿を見て、涙を浮かべ、言葉を詰まらせながらこう話したという。『ありがとう。(安倍首相に)ちゃんと伝えます』」と報じられています。
 この時の詳しい映像がフジテレビFNNで放映されました。それは次のように報じています。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00351247.html

 2014年4月、森友学園が運営する幼稚園で、園児たちが、「日本国、日本国のために活躍されている安倍晋三内閣総理大臣を、一生懸命支えていらっしゃる昭恵夫人、本当にありがとうございます。ぼくたち・わたしたちも頑張りますので、昭恵夫人も頑張ってください」と話すと、安倍昭恵夫人は「感動しちゃいました」と話していた。
 子どもたちの言葉に、涙を見せる女性、安倍首相の妻・昭恵夫人。
 FNNは、2014年4月、昭恵夫人が、渦中の森友学園が運営する幼稚園を訪問した時の映像を入手した。その隣には、森友学園の籠池泰典理事長の姿もある。

籠池理事長「中国から、何? 言って」
園児「中国から鉄砲とかくるけど、ぜったい日本を守ろう」
籠池理事長「安倍総理大臣を応援してあげてくださいよ!」
園児「はい!」
昭恵夫人「ありがとう。おうちに帰って安倍総理大臣に伝えます。みんなを守りますように、みんながそう言っていたことを伝えます」
籠池理事長「うれしいですか?」
園児「はい!」
籠池理事長「『日本を守ってください、お願いします』と、昭恵夫人にきちんと伝えてください」
園児「日本を守ってくださいね」
昭恵夫人「ちゃんと伝えます。ありがとう」
昭恵夫人は、満面の笑みを見せた。
そして、子どもたちと集合写真を撮っていた。

 昭恵夫人の2回目の訪問は14年12月6日で、「ファーストレディとして思うこと」という講演が行われました。まさに5人の役人にかしずかれている「公人」としての講演でしたが、その時の講演料も辞退したのでしょうか。
 3回目は、すでによく知られるようになった15年9月5日の講演会です。これについて安倍首相は、講演の直前に「名誉校長になってください」と籠池理事長から頼まれ、断りきれなかったとし、「私の妻は名誉校長を嫌がったが強要されたんですよ」と答弁しています。

 一連の経過や安倍昭恵さんの発言を見れば、「嫌がったが強要された」という安倍首相の説明は真っ赤な嘘だということが分かります。事実、この塚本幼稚園での講演で昭恵さんは「籠池園長、副園長のほんとうに熱い熱い思いを何度も聞かせていただいて、この「瑞穂の国記念小学院」で何か私もお役に立てればいいな」と述べ、「普通の公立学校の教育を受けると、せっかくここ(塚本幼稚園)で芯ができたものが、(公立の)学校に入った途端に揺らいでしまう」と、ここでの教育を礼賛していました。
 また、Facebookでも「大阪の塚本幼稚園にて講演。園児達は大変お行儀が良く元気です。毎朝君が代を歌い、教育勅語、論語や大学などを暗唱」と報告した上で、塚本幼稚園のURLを貼り付けています。これは明らかに積極的な宣伝行為であり、この幼稚園に心から賛同し、相当の好意がなければ、このようなことは行わなかったはずです。
 つまり、昭恵夫人は戦前型の軍国主義教育という方針や教育内容に強く共感したために、籠池理事長からの名誉校長就任の依頼を喜んで引き受け、広告塔として一肌脱いだのです。安倍首相も同様で、「(森友学園の籠池泰典理事長は)私の考え方に非常に共鳴している方」「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」などと述べていましたが、このことを国会で追及され、道義的責任を問われたために前言を翻し、「嫌がったが強要された」という架空のシナリオをでっち上げて虚偽の答弁をしたということでしょう。

 この問題についての疑惑の「掘り起こし」は、まだ続きます。この間の検討で明らかになってきたのは、森友学園が前例を無視してまで異例なほど優遇され特別扱いされてきたという事実です。
 なぜ、そのようなことが起きたのか。明日は、この疑惑の核心に迫ってみることにしましょう。

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3月2日(木) 掘れば掘るほど疑惑の「ゴミ」が出てくる森友学園の深い闇 [スキャンダル]

 森友学園の疑惑について引き続き検討すると昨日のブログで予告しました。この疑惑は膨らみ続け、新設予定の「瑞穂の国記念小学院」のグラウンド同様、掘れば掘るほど疑惑の「ゴミ」が出てきています。

 この「瑞穂の国記念小学院」の校舎の映像をテレビで映していました。「瑞穂の国」と「記念小学院」の間が切れて段違いになっています。
 「瑞穂の国」という4文字の下に「安倍晋三」という文字が入ることになっていたのではないでしょうか。いずれは上に「瑞穂の国」、下に「安倍晋三記念小学院」と書き加えるつもりだったのではないかというのが、この映像を見ての第1の疑惑です。
 安倍首相も、在任中はダメでも首相を辞めたら引き受けるようなことを言っていました。建設に当たって作成された計画書や元々のイメージ図などを検証する必要があるでしょう。

 第2の疑惑は、小学校の設立認可に関するものです。大阪府は設立が認可される前に基準をゆるめ、異例の速さで認可しています。
 ゆるめるように求めたのは森友学園で、籠池理事長が2011年ごろ府に見直しを要望したのだそうです。森友学園の他に要望はありませんでした。
 この学園側の要望を受けて2012年、幼稚園しか設置していない学校法人が小学校の開設に借入金を充てることを容認する内容へと私立小学校設置認可基準が緩和され、このゆるめられた新基準に基づいて認可されたのも森友学園だけです。森友学園を認可するための措置であったように見えます。

 小学校設立の認可申請は2014年10月31日に出されますが、認可が認められる前の11月6日に現場の国有地に建築計画の看板が設置されています。12月22日の大阪府私学審議会では異論が出て継続審議になりましたが、翌15年1月30日にわざわざ臨時の審議会が開かれ、条件付きで認可適当とされました。
 なぜ森友学園の要望が受け入れられ、なぜ要望通りに認可基準がゆるめられ、なぜ森友学園だけが認可され、なぜ認可される前に建築計画が作成され、なぜ臨時審議会が開かれ、なぜこれほどの短期間で認可適当という結論になったのでしょうか。これらの疑問について、関係者の説明を求める必要があるでしょう。
 ちなみに、この私学審議会には満田育子読売新聞大阪本社編集局世論調査部主任が委員として加わっており、議論の経過について熟知しているはずです。読売新聞は特に取材する必要もなく事の真相を知ることにできる立場にあるわけですから、以上の疑問について満田さんから記事を書いていただくのが良いのではないでしょうか。

 第3の疑惑は、小学校の建設予定地取得に関わるものです。見積価格9億5600万円とされるこの用地が、ゴミの撤去費用など8億円以上を差し引かれて1億3400万円にディスカウントされ、しかも除染費用として別に1億3200万円が渡され、実質200万円で取得されたと言われています。
 2013年に近畿財務局が問題の国有地の売却先を公募し、森友学園が安倍晋三記念小学校の建設用地として取得に名乗りをあげ、学園側が資金不足を理由に土地の貸し付けを希望したために、2015年5月に国と学園の間で買い受け特約付きの定期借地契約が締結され、その後、買い取られています。このような特約付きの契約を結んだ学校法人のケースは過去に1例しかありません。
 この契約による売買代金の支払いは前例のない分割とされました。ところが、学園側は地下からゴミが見つかったとして撤去費用の支払いを国に申し入れ、16年4月に国は除染費として1億3200万円を森友学園に支払い6月には問題の土地を8億円値引きした価格を設定しました。

 しかも、このゴミ撤去費用の減額査定は買い取る側の第三者ではなく、売り渡す側の大阪航空局が実施しています。なぜこのような過去に前例のない異例の対応がとられたのでしょうか。
 これについて3月1日の参院予算委員会で質問された国土交通省の佐藤善信航空局長は、「(今年4月と)小学校開校の予定が迫る中、第三者に依頼すると入札手続きなどで時間がかかるため、近畿財務局から依頼があった」と答えています。
 「お役所はいつからそんなに親切になったのか」と言いたくなりますが、大阪航空局はゴミの撤去費用を過去に算定した実績がなかったにもかかわらず、開校に間に合わせるために特別の措置を取ったこと、それは近畿財務局からの依頼によるものだったことが明らかになりました。しかし、なぜこの場合にだけ特別に便宜が図られたのか、前例のないことはやらない官僚がどうして前例にない特別扱いをしたのか、謎は深まるばかりです。

 こうして、格安で払い下げられることになりますが、当初、この小学校用地の売買価格だけが非公表とされていました。これは学園側からの要請によるものだとされていますが、国有地払い下げの原則から逸脱する措置がなぜ取られ、学園側はどうして買い上げ価格を公表しないように求めたのでしょうか。
 この価格決定の背後にいかがわしい動きがあったからではないのでしょうか。ここで浮かび上がってくるのが、ある日の出来事です。
 借地契約締結後の2015年9月4日に、小学校の建設工事を請け負った設計会社所長ら森友学園関係者が大阪府にある近畿財務局を訪ね、9階の会議室で近畿財務局の統括管理官と大阪航空局調査係と話し合いをもっていたことが、共産党の宮本岳志衆院議員の質問で明らかになりました。しかも、その前日に安倍首相は財務省の局長と会談しており、4日の当日は安保法最終盤で緊迫していた国会での審議をサボって大阪入りし、翌日の9月5日、安倍昭恵夫人は塚本学園を訪れて記念講演を行い、小学校の名誉校長への就任を承諾しています。

 財務省の佐川宣寿理財局長は2月28日の参院予算委員会で、2015年9月4日に近畿財務局が学園側と打ち合わせをしていたことを認めました。同省はそれまで近畿財務局と学園側の交渉記録は廃棄したとして接触の有無を明言していませんでした。
 その前日に安倍首相が官邸で会っていたのは、当時、財務省理財局長だった迫田英典さん(現・国税庁長官)です。迫田さんは理財局長として財務省の岡本薫明官房長とともに9月3日午後2時17分に官邸入りして10分間、話し合いをもっています。
 理財局は国有財産の管理などを担当する財務省の内局ですから迫田さんは国有地を管轄する部門の責任者です。迫田さんは2015年7月に理財局長になってから、7月31日、8月7日、9月3日、10月14日、12月15日と半年の間に5回も安倍首相と会っています。
 局長クラスの人間が首相とこれだけ頻繁に会っているのも異例であり、しかも迫田さんは安倍さんの地元である山口県の出身です。同郷のよしみで安倍さんの名代として、その意を体し、あるいは忖度して森友学園への便宜を図っていたのではないか、という疑惑が生ずるのも当然でしょう。

 なお、森友学園への国有地払い下げについて審議・決定した国有財産近畿地方審議会には、平井道子読売新聞大阪本社編集局管理部長と産経新聞出身のフリー・ジャーナリストである細見三英子さんが委員として加わっています。読売新聞と産経新聞は、これらの関係者を通じて当時の詳しい経過や状況を知り得る立場にありました。
 それなのに、この問題の報道には腰が引けているという印象です。いや、だからこそ、腰が引けているということかもしれません。
 状況が良く分かっており公にできない事実を握っているから、積極的な報道姿勢を示せないのではないでしょうか。謎は、ここにも埋まっているということになります。

 校庭から掘り出されたゴミは校庭に埋め戻されたという証言がありました。学園側は穴を掘って一時的な仮置きにしたと言い訳しています。
 1年も「仮置き」していたゴミについては豊中市が調査中で、「埋め戻しについては確認できなかったものの、ごみの保管を明示した掲示板がなく、廃棄物処理法の保管基準に違反しているとして、改善を指示した」と言い、脇山啓文環境部長は「埋め戻しがなかったと判断するだけの材料はなかった」としながらも、「廃棄物が出てくればすぐに業者に委託して処理するのが一般的で、1年も仮置きをするという話は聞いたことがない」と述べています。
 豊中市は作業の進め方が適切だったのか、森友学園側から事情を聴くことも視野に入れ、さらに調査を進める方針です。これについても、ゴミはどれほどの量になるのか、それは完全に撤去されるのか、その場合の費用は8億円以上もの見積もりに匹敵するものなのかが検証されなければなりません。

 昨日、森友学園から政治家への働きかけについても、新しい事実が明らかになりました。共産党の小池晃書記局長は1日の参院予算委員会で、森友学園への国有地払い下げ問題に絡んで「ある自民党国会議員事務所の面談記録を入手した」と述べ、学園側と近畿財務局、大阪航空局とのやりとりが記されていると主張し、2013年10月に学園側から議員に対し「政治力で早く結論が得られるようにお願いをしたい。土地価格の評価額を低くしてもらいたい」との依頼があったとも指摘しました。
 小池さんが取り上げた自民党議員は鴻池祥肇参院議員とみられますが、鴻池さんは1日夜に記者会見して籠池さんと面識があり、学園が土地交渉をしていた2014年4月ごろ、議員会館事務所を訪ねてきた籠池泰典理事長夫妻から封筒のような物を差し出され、「これでお願いします」と言われたことを明らかにしました。しかし、財務省や国土交通省への働きかけについては否定しています。
 鴻池さんは「塚本幼稚園幼児教育学園」から14年1月3日と15年1月5日にそれぞれ10万円の寄付を受けており、学園の代表者の欄には森友学園の籠池理事長の名前が記されていました。鴻池さんは献金の事実を知らず、返金する意向だといいますが、関係機関への働きかけの有無については本人が否定しているだけで、今後の究明が待たれます。

 このように森友学園に関わる疑惑は山のようにあります。しかし、それは森友学園と「瑞穂の国記念小学院」の深い闇のほんの一部にすぎません。
 この問題について光を当てれば当てるほど、おぞましい姿が浮かび上がってきます。最初に書いたように、掘れば掘るほど「ゴミ」が出てくる建設中の小学院の校庭のようなものです。
 果たして、どれほどの「ゴミ」が埋まっているのか。明日も、このブログで掘り続けてみることにしましょう。

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