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3月20日(月) 『勝利の方程式』を解く [論攷]

〔以下の論攷は、『全国革新懇ニュース』第387号、2017年3月号、に掲載されたものです。〕

 「勝利の方程式」という言葉が注目を集めています。最近出版された拙著『活路は共闘にあり』という本にも「社会運動の力と『勝利の方程式』」という副題を付けました。
 「勝利の方程式」という言葉はプロ野球などで用いられてきたもので、序盤でのリードを最後まで守るためにとられる継投策などのことです。その言葉が何故、市民と野党の共闘を求める人々の共通語となったのでしょうか。

 市民と野党の共闘の到達点と課題

 明確な争点を掲げ、市民と野党が本気で共闘すれば勝てるということが、参院選や新潟県知事選で実証されました。それが必勝パターンとして認知されたために「勝利の方程式」という言葉が生まれたのです。
 しかし、それは「式」にすぎません。正しい答えを出すには、正しい数値(情報)を入れ、正確に計算(運動への取り組みや選挙での勝利)しなければなりません。そのための経験や教訓も、この間の取り組みによって蓄積されてきました。その意味でも、現時点における市民と野党の共闘の到達点と課題を確認することが重要です。
 まず、リスペクトが必要です。お互いを尊敬しあうというにとどまらず、相互の違いを認めたうえで立場や主張を尊重し、自らの考えを押し付けないということです。自分だけが正しく、相手はそれを受け入れるべきだという傲慢な態度は厳に慎まなければなりません。
 また、十分な議論を通じて共通点を拡大することも大切です。お互いにエールを交換して励ましあい、草の根での共同の土台作りを進めていくことです。これは将来の野党連合政権の基盤となる政治文化や社会関係を生み出すにちがいありません。
 異なるグループ間で壁を作るのではなく橋を架け、現状への怒りと共に笑いを、モノトーンではなく多様性を活かした多色刷りの運動を心掛けることも大切です。政策的な一致点を深め広げ、アベ暴走政治以前に戻したうえで憲法の理念を活かした新しい日本への希望を語りましょう。
 戦争法の廃止と専守防衛の徹底、防衛費の削減、武器輸出三原則と文官統制の回復、沖縄・辺野古での新基地建設の中止、オスプレイ配備・訓練の中止、原発再稼働の中止、命とくらしを守る経済政策への転換、保育園や奨学金、年金の充実など社会保障サービスの向上などについては、今すぐ一致できるはずです。もちろん、南スーダンPKOからの自衛隊撤退、テロ等防止罪と名前を変えた共謀罪の成立阻止という当面の課題でも共闘できるでしょう。

 革新懇には何ができるのか

 このようななかで期待されている革新懇の役割は、どのようなものでしょうか。
 まず第1に、事実を学び知らせることです。「ポスト真実」や「偽ニュース」によって政治が動かされている現状を打破するためには、正しい事実に基づいた情報発信が大切です。この「全国革新懇ニュース」も、その一端を担っていると言えるでしょう。
 第2に、行動の機会を提供することです。「黙っていられない」と思っていても、何をどうしたらよいのか、戸惑っている人は多いと思います。このような人に、その気持ちを効果的に示せるような手段と場を作ってあげることが大切です。
 第3に、政治を変える原動力となることです。そのためには過去のいきさつにとらわれず力を合わせること、選挙で勝利することの大切さを伝えなければなりません。地域連絡会や市民連合など共同組織結成の推進力、実務的な担い手、組織と人を結び付ける接着剤、経験の交流と情報の発信などの点で、革新懇は大きな役割を果たせるにちがいありません。
 革新懇、出番のときです。確信をもって出ていきましょう。

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2月28日(火) 安全保障法制・憲法改正・外交・基地問題(その4) [論攷]

〔以下の論攷は、『大原社会問題研究所雑誌』No.700、2017年2月号、に掲載されたものです。4回に分けてアップさせていただきます。〕

4、在日米軍基地・自衛隊基地をめぐる問題

(1)在日米軍基地の強化

 安倍政権は沖縄県で「普天間基地の危険性除去」のためとして、辺野古での新基地建設を進める一方、「基地負担の軽減」を掲げて沖縄県東村高江での米軍オスプレイパッド(着陸帯)6か所の年内完成をめざして工事を急いでいる。これによって、強襲揚陸艦も接岸可能な最新鋭の基地と、オスプレイの運用が可能となる最新鋭の着陸帯が生まれる。
 米軍基地が強化されているのは沖縄だけではない。米軍横須賀基地への最新鋭原子力空母「ドナルド・レーガン」の配備と最新鋭イージス艦の追加配備によって過去最多の14隻態勢となり、米軍三沢基地への無人偵察機「グローバルホーク」の配備、丹後半島の経ヶ岬でのミサイル防衛用早期警戒レーダーの運用開始などが進められてきた。
 また、「沖縄への配慮」を理由に、2017年後半からは米軍横田基地に特殊作戦機CV22オスプレイが配備され、その整備拠点が千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地に整備される。嘉手納所属機やオスプレイの訓練移転、普天間基地から米海兵隊岩国基地への空中空輸機の移駐、嘉手納基地の特殊作戦機や沖縄の特殊部隊による横田基地でのパラシュート降下訓練などの動きも出ている。

(2)日米間の軍事的一体化

 このような米軍基地の強化とともに進行しているのが日米間の軍事的一体化である 。それは、これまでもインド洋やイラク戦争での米軍支援、自衛隊司令部の米軍基地移転、日米共同演習の拡大・深化 などの形で進んできたが、さらに新たな動きが出ている。その象徴的事例が防衛省の2017年度の概算要求で明らかになった「日米共同部」の新設である 。
 すでに安倍首相は第1次内閣の時代に防衛庁を省に格上げし、独自の予算要求権限を与えていた。また、座間駐屯地内に防衛大臣直轄の機動運用部隊である中央即応集団を新たに編成し、いつでも海外派遣できる体制を整えていた。これを再編し、これまで全国5方面に分かれていた陸上自衛隊の部隊を統括する「陸上総隊」(仮称)を新設し、その中に「日米共同部」を設け、キャンプ座間にある在日米陸軍司令部との連絡調整窓口の役割をもたせるという。
 その背後には二つの動きがあった。一つは、2015年4月改定の「日米防衛協力のための指針」(新々ガイドライン)であり、ここには日米両政府が「共同計画策定メカニズムを通じ、共同計画の策定を行う」と書かれていた。「日米共同部」の新設は、その具体化ということになる。
 もう一つは、文官統制の廃止である。自衛隊に対する統制には、「文民統制(シビリアンコントロール)」だけではなく、その一部として文官(背広組)による自衛官(制服組)に対する統制があった(文官統制)。しかし、2015年6月の防衛省設置法の改正によってそれまで上位にあった官房長と局長を各幕僚長と同等の位置付けにした。「背広組優位」の規定は戦前に軍部が暴走した歴史の教訓を踏まえており、防衛庁と自衛隊の発足当時から設けられてきたものだった。日米間の軍事的一体化が進む下で、その教訓も捨て去られることになった。

(3)自衛隊基地の強化と南西諸島の「要塞」化

 在日米軍基地の強化、日米間の軍事的一体化と歩調を合わせて、自衛隊基地の強化と南西諸島の「要塞」化も進められている。とりわけ、新たな部隊編成とアメリカ製の最新鋭装備の導入が目につく。
 佐世保を拠点に、島嶼防衛を念頭においた日本版海兵隊とも言える「水陸機動団」が新たに編成される。これに伴ってオスプレイが17機導入され佐賀空港に配備されようとしている。また、三沢基地へのF35Aステルス戦闘機の配備、横田基地と小牧基地の隣接地での整備拠点の設置、航空自衛隊美保基地への最新鋭空中空輸機KC46Aの配備なども計画されている。
 とりわけ、安倍政権下で急速に進みつつあるのが。「中国の脅威」と島嶼防衛力の強化を理由にした南西諸島の「要塞」化である。奄美、宮古、石垣、与那国へ自衛隊とミサイルを配備しようという計画が進んでいる。
 すでに2016年3月、与那国島には沿岸監視部隊約160人が配備され、奄美への警備部隊、地対空・地対艦ミサイル部隊の配備についての準備も進みつつある。宮古島と石垣島では配備予定地の住民による激しい反対運動が展開されている。今でさえ、尖閣諸島の領有権をめぐって中国との緊張関係が生じているのに、このような南西諸島の「要塞」化が進めばますます軍事的緊張が高まり、抑止力どころか攻撃への呼び水となってしまうのではないかとの懸念が強まっている。

 むすび

 安保法制の整備によって抑止力が高まり、日本周辺の安全保障環境は改善しただろうか。かえって安全保障環境を悪化させ、日本と日本人の安全を損なうことになったというのが現実の姿ではないか。安保法成立後も中国の海洋進出は止まず、北朝鮮の核開発とミサイルの発射実験の回数は増えた。バングラデシュでは、昨年10月に1人、今年7月に7人の日本人が殺されるという事件が起きている。
 7月の参院選の結果、衆参両院で改憲勢力が3分の2を越えるという新たな事態が生じた。しかし、その中身は一様ではなく、憲法の3大原理の枠内での「改憲」とそれを破壊する「壊憲」を目指す勢力が混在している。また、改憲をめぐっては、優先順位の問題が提起されている。アベノミクスの失敗によるデフレ不況の再現、少子化問題の深刻化、社会保障や労働環境の悪化、貧困化と格差の拡大など問題山積のいま、そのようなことをやっている場合なのかという声が高まっているのは当然だろう。
 外交・安全保障政策における安倍政権下での大転換は、日本外交の大きな失敗を招く結果となった。対米従属を強め、アメリカの意図をおもんぱかって中国包囲にばかり関心を向けているために世界を見る目が歪んでしまったのである。その結果、唯一の戦争被爆国でありながら核兵器禁止条約についての交渉開始を求める国連決議案に反対し、地球温暖化対策の新しい国際的枠組みである「パリ条約」の批准が遅れて締約国の初会合に間に合わないという外交的失策を犯した。
 「戦争できる国」になるためには、安保法制という法律や制度などのシステム、軍事力の増強や基地の強化などのハードだけではなく、戦地に赴く人材の養成や戦争を支える社会意識の形成というソフト面での整備も必要とされる。システムとハードの整備については本稿でも明らかにしたが、ソフト面にまで言及する余裕はなかった。
 しかし、安倍首相は第1次内閣の時代から「教育再生」に取り組み、第2次内閣になってからはマスメディアに対する懐柔と介入・統制に力を入れている 。特定秘密保護法の制定、武器輸出3原則の緩和、集団的自衛権の行使容認と安保法の制定など「戦争できる国」となるために必要なシステムの整備だけでなく、ハードやソフトを含むすべての面で、着々と既成事実化が図られていることを強調しておきたい。
 安全保障法制・憲法改正・外交・基地問題等において打ち出されてきた政策転換は、日本と日本人の安全を低下させ、国費の無駄を生んで日本社会の荒廃を招き、国際社会への不適合を生み出す。それはいずれ大きなツケとなって日本国民を苦しめることになるだろう。その時になって「シマッタ」と思ってからでは遅い。そうならないために、知るべきことを知る勇気、騙されないための知性、正しいと思ったら足を踏み出す行動力が、今ほど求められているときはない。


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2月27日(月) 安全保障法制・憲法改正・外交・基地問題(その3) [論攷]

〔以下の論攷は、『大原社会問題研究所雑誌』No.700、2017年2月号、に掲載されたものです。4回に分けてアップさせていただきます。〕

3、 日本外交の大転換―対米従属と中国包囲網の形成

(1)対米従属の強まり

 安倍首相は2015年9月に集団的自衛権の行使容認を含む安保法を成立させ、それ以前に行った日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の再改定とあわせてアメリカとの同盟関係をより強固にした。アメリカによる対日要求に対する屈服という点では歴代自民党政権以上の対米従属性を示すものとなっている。
 安保法制の整備が政治課題として浮上した際、注目されたのが「第3次アーミテージ・ナイレポート」である。リチャード・アーミテージ元国務副長官とジョセフ・ナイハーバード大学教授という2人の「知日派」米高官によって提出された日本の外交・安全保障政策についての報告書はこう呼ばれてきた。これまで2000年10月に第1次、2007年2月に第2次、そして2012年8月に第3次と3回出されているが、とりわけ注目されたのが3回目のレポートである。
 これについて、2015年8月19日の参院特別委員会で注目すべき質疑がなされた。「生活の党と山本太郎となかまたち」共同代表の山本太郎参院議員による質問である 。
 このとき山本議員は、下記のようなボード(省略)を掲げ、「この『第3次アーミテージ・ナイレポート』の日本への提言、今回の安保法制の内容にいかされていると思いますか」と、中谷防衛大臣に質問した。中谷大臣は「このレポートで指摘をされた点もございますが、結果として重なっている部分もあると考えておりますけれども、あくまでも、我が国の主体的な取り組みとして、研究、検討して作ったものであるということでございます」と答弁している。

 このレポートに示されているように、アメリカは民間人による提言という形をとって日本に対する軍事分担と日米同盟の強化を求めていた。提言の内容は「国連平和維持活動(PKO)の法的権限の範囲拡大」や「集団的自衛権の禁止」の解除など、今回の安保法制によって実行可能になった内容と「結果として重なっている部分」がある。それだけでなく、「原発の再稼動」「TPP交渉参加」「インド・オーストリア・フィリピン・台湾等の連携」「米軍と自衛隊の全面協力」「国家機密の保全」から「防衛産業に技術の輸出を働きかける」ことに至るまで、安倍政権が取り組んできた外交・安全保障政策の大転換を先取りするものとなっている。

(2)中国包囲網形成のための「価値観外交」

 このような外交・安全保障政策の大転換の背後にあるのは、安倍首相による「価値観外交」である。安倍首相自身はこれを「地球儀外交」と称しているが、それは「単に2国間関係だけを見つめるのではなく、地球儀を眺めるように世界全体を俯瞰して自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値に立脚し、戦略的な外交を展開していく 」という外交方針である。
 「基本的価値」に立脚するという基準に基づくから「価値観外交」であり、その「戦略」はこのような価値に基づかず、国際法に反して南シナ海への進出を続けている中国を外交的に包囲し、その影響力を削ぐというものである。これは、中国の海洋進出に対抗して「航行の自由作戦」を実施しているアメリカの外交・安全保障政策に沿うものでもあった。
 同時に、シーレーンの要衝である南シナ海の自由な航行を脅かす可能性のある中国を包囲してその動きを封じることは、この海域を通じて石油などの重要資源を輸送している日本にとっても利益になると考えられた。安倍首相が最初の外遊先に選んだのは、インドネシア、タイ、ベトナムの3カ国だったという事実が、このような戦略的な目的を明示している。
 しかし、このような「価値観外交」は日本周辺のアジアに限られていない。それはまさに「地球儀を眺めるように世界全体を俯瞰」するものであった。2016年9月18~24日の第71回国連総会への出席とキューバ訪問によって、安倍首相による訪問国・地域は65ヵ国に上る 。
 この間の外国訪問によって、安倍首相が「世界中でバラまいてきた資金援助の額は30兆円近くに上る 」とされている。1000兆円を上回る財政赤字を抱えている日本がこのよう多額の対外援助を行う余裕があるのか、そのような資金があれば国内での福祉や教育などの施策の充実に充てるべきではないのか、などの批判が生ずるのも当然であろう。

(3)南シナ海沿岸国への支援

 このような「価値観外交」が軍事的な色彩を強めつつ実施されているのが、南シナ壊沿岸諸国に対する支援である。2016年11月4日、政府はマレーシアに対して大型巡視船2隻を供与する方針を固めた。これは中国の海洋進出に対抗する南シナ海沿岸国支援の一環だとされている。マレーシアは経済的には中国との関係が深いが、南沙諸島の領有権をめぐって中国と対立関係にある。このような事情を踏まえた支援策であり、「中国包囲網」形成策の一環でもある。
 これまでも日本は、東南アジアにおける海上警備能力の向上のために、ベトナムに対して中型船舶6隻を巡視船として無償供与し、新造巡視船の供与についても調査・検討中とされている。また、インドネシアに対しても新造巡視船3隻を無償供与している。
 フィリピンには大型巡視船2隻の新造・供与を約束し、新造の巡視艇10隻の引き渡しが始まった。海上自衛隊の双発練習機5機の貸与も決まり、その教育訓練に教官や整備の技術者も派遣される。しかし、最近になってフィリピンのドゥテルテ大統領は、南シナ海での日米共同のパトロールに参加しないことを表明した。その結果、何のために巡視船を供与し軍事協力を行うのかが不明になってしまった。安倍政権の「中国包囲網」形成策のチグハグぶりを象徴するような事例だといえよう。

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2月26日(日) 安全保障法制・憲法改正・外交・基地問題(その2) [論攷]

〔以下の論攷は、『大原社会問題研究所雑誌』No.700、2017年2月号、に掲載されたものです。4回に分けてアップさせていただきます。〕

2、 憲法改正に向けての動き

(1)自民党改憲草案

 安保法制の整備と歩調を合わせるように、憲法の明文改憲についての動きも強まっている。しかし、安倍首相の思い通りに進んできたわけではない。当初、打ち出した96条先行改憲論は「裏口入学」ではないかとの批判を浴びて後景に退き、憲法審査会も15年6月以来、「開店休業」状態が続いた。9条改憲論についても世論の反対が強く、さし当りの課題とはなっていない。
 他方で、7月の参院選で「憲法改正」を是とする勢力が3分の2以上に達した。とはいえ、一挙に改憲に向けての動きが進む環境にはない。最終的には国民投票という関門が待ち受けており、それを突破することを視野に入れた環境整備が求められるからである。この点では、安倍首相にとっていくつか乗り越えなければならない障害がある。
 その第1は、自民党改憲案の内容である。細かく触れる余裕はないが、為政者への憲法尊重擁護義務から国民に対する尊重義務へという立憲主義の逆転、天皇の元首化や国旗・国歌による国民主権の否定、歴史・文化・伝統を踏まえた人権や天賦人権説への異論など基本的人権への無理解、「公益及び公の秩序」規定による表現の自由に対する制限などが目立つ。
 このほか、第18条(いかなる奴隷的拘束も受けない)や第97条(人権の永久不可侵規定)の削除、前文と9条2の書き換えによる平和主義の変質と自衛隊の「国防軍」化・「外征軍」化、個人の否定と古色蒼然とした家族・共同体観に基づく家族責任の導入などである。
 この改憲案は民主国家としての憲法草案とは思えない内容に満ちており、保守色が強すぎる。自民党の保岡興治憲法改正推進本部長ですら、「保守的な考え方を強調して支持を広げるという目的があったと思うし、政治色がありありと出ていたかなと思う」と述べて「撤回するという性質のものではないが、固執はしない 」と、「棚上げ」の意向を示している。
 同時に、保岡本部長は「緊急事態条項は必要だと思う」とも語っており、これを突破口とする意向もにじませていた。しかし、「お試し改憲」とされているこの条項は、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」とするなど、権力の集中・審議の省略・人権の制限による「打ち出の小槌」のようなもので、ワイマール共和国憲法第48条の大統領緊急権に類似している。ナチスの独裁に道を開いた条項と類似の機能を持つ条項の追加は許されない。

(2)改憲の限界と「壊憲」

 その第2は、改憲の限界である。改憲とは憲法の条文を書き換えることであるが、どのような内容に書き換えても良いということではない。そこには限界がある。憲法の3大原理とされる国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を踏み越えるような改憲は許されない。
 現行憲法の前文には、「これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」と書かれている。この「原理」こそが憲法の3大原理であり、今日の日本が到達した自由で民主的な平和国家としての国の形を壊すような「壊憲」は許されない。
 戦後、何回も憲法を書き換えてきたドイツの基本法(憲法)にも改憲についての限界が示されており、その枠内での改憲であったことを忘れてはならない。第79条は第1条と第20条に定められている諸原則に抵触するような改正は許されないとし、人間の尊厳、人権、民主的かつ社会的連邦国家という原則を明示している。それが破られようとするときには「抵抗権を有する」としているように、基本法の諸原則を「壊す」ような「壊憲」は、ドイツ憲法によっても排除されているのである。

(3)「そんなことをしている場合なのか」

 そして第3は、「そんなことをしている場合なのか」という意見の強まりである。憲法は不磨の大典ではなく、不都合があれば改正すればよい。しかし、ここで問われているのは、それほどの不都合がこれまで生じてきているのかということである。
 これから憲法審査会を開いて改憲条項を絞り込むということ自体が、それほどの不都合がなかったという現実を示している。不都合な点が明確であれば、何も「絞り込む」必要などないからである。
 国民投票を伴う改憲には膨大なエネルギーや公金が必要となり、最終的には国民全体を巻き込んだ熟議と投票を不可避としている。それほどの政治的エネルギーを憲法に割く必要性や余裕が、果たし今あるのだろうか。そのようなことで政治のエネルギーが無駄使いされてよいのだろうか。このことが、問われなければならない。
 このような立場から安倍首相に対して経済界からの諫言が出されている。榊原定征経団連会長による「憲法は後でいい」という発言である 。榊原会長は「憲法を時代に即したものに変えていく必要性は、一般論としてはその通りです」としながらも、「ただ、経済界からすると、優先順位は憲法ではなく、経済再生」だとし、「『憲法は後にしたってよろしい』と言うくらいのつもりです。経済界としては、このような経済、社会保障、財政の状況にある時期ですから、まさに『経済最優先』の主張を強く発信するところだと思います」と強調している。
 このような発言の背後には、経済界としての強烈な危機感がある。榊原会長は日本のGDP(国内総生産)、世界シェア、国際社会における経済的プレゼンス、人口と生産年齢人口の減少、他方での社会保障給付や医療費、国と地方合わせた長期債務残高などの増加を指摘し、「これほど債務を抱えている先進国はありません。この流れを変えないと、日本はまさに消滅してしまいます」と警告している。
 経団連会長のこの発言は、改憲に前のめりとなっている安倍首相への異議申し立てとなっている。日本の経済と社会が深刻な危機状況に陥っているのに、相も変わらず「壊憲」に精力を費やそうとしている安倍首相の暴走ぶりが、経済界までも「『憲法は後にしたってよろしい』とも言うくらいのつもり」にしてしまったということだろう。

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2月25日(土) 安全保障法制・憲法改正・外交・基地問題(その1) [論攷]

〔以下の論攷は、『大原社会問題研究所雑誌』No.700、2017年2月号、に掲載されたものです。4回に分けてアップさせていただきます。なお、注は省略されています。〕

 はじめに

 昨年は「安保の年」であった。新日米安保条約の改定をめぐる「60年安保」、その固定期限終了に際して条約の廃棄を求めた「70年安保」につぐ「(20)15年安保」だとする評価もある。安倍首相が言うところの「平和安全保障法制(以下、安保法制)」の成立をめぐって大きな反対運動が生じたからである。
 このような国民的な運動の高揚は久しぶりのことであり、それだけに注目され、日本社会にも大きな衝撃を与えた。それには十分な理由がある。安倍内閣になってから日本政府の外交・安全保障政策が大きく転換し「暴走」だとして強い反発を呼び起こしたからである。
 このような外交・安全保障政策の大転換と安保法制の整備は日米同盟を大きく変え、沖縄・辺野古をはじめとした在日米軍の新基地建設、自衛隊基地の再編・強化、社会の各方面における軍事化の進展に連動し、さらには現行憲法の改定に向けての動きを生み出している。それは日本の平和と安全を守るために必要なことだと説明されてきた。果たして、そうだろうか。
 安保法制については「違憲」で立憲主義を破壊するものだとの批判があり、改憲に向けて自民党は憲法改正草案 を発表しているが、その内容は現行憲法の原理に反し、近代憲法の原則を踏みにじるものではないかとの懸念も示されている。着実に進む基地強化や軍事化の既成事実化に対しても沖縄県民などによる強い反発と警戒の目が向けられている。
 これらの問題について立憲主義の立場から検証し、日本の安全を守るための方策としての正否について考えてみたい。いずれも重要な問題だが、紙数の関係で概観するにとどまらざるを得ない。

1、 平和安全保障法制の成立と施行

(1)集団的自衛権の行使容認についての違憲の疑い

 第2次安倍政権になってから、突如として安全保障に関する法整備の課題が浮上した。周辺諸国の安全保障環境が悪化したという理由が掲げられたが、法そのものは「周辺」だけを対象としたものではなく、地球全体をカバーする集団的自衛権の部分的な行使の容認をめざしていた。
 この安保法制のキー概念となったのが、集団的自衛権を行使する際の前提になる三つの条件(武力行使の新3要件)の一つである「存立危機事態」である 。それは、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」とされ、その場合には日本が直接攻撃されていなくとも反撃可能であるとされた。しかし、「密接な関係」があるとはいえ、「他国」が攻撃されただけで「日本の存立が脅かされる」のはどのような場合なのかについては、最後まで説得的な説明はなされなかった。
 これは従来の憲法9条解釈を変更するものだったが、その根拠とされたのは砂川事件最高裁判決 である。しかし、この判決は米軍駐留の根拠とされている安保条約を認めるものだったが、集団的自衛権には直接触れるものではなかった。それゆえ、砂川判決直後、岸信介首相は集団的自衛権について「憲法上は、日本は持っていない」と答弁していた。
 また、もう一つの根拠とされた1972年の「集団的自衛権と憲法との関係に関する政府資料」も「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」というものであった 。解釈変更を行った政府が示した根拠は、いずれも集団的自衛権の行使を認めるものではなく、だからこそ、それまでの歴代政府は個別的自衛権を行使できても集団的自衛権は行使できないという立場を取ってきた。さすがに、この解釈を真っ向から変更することはできず、第2次安倍内閣も「新3要件」を設定した部分的容認とせざるを得なかった。
 この問題が、2015年6月4日の憲法審査会で取り上げられた。集団的自衛権の部分的な行使容認について質問された長谷部恭男早稲田大学教授、小林節慶応大学名誉教授、笹田栄司早稲田大学教授はいずれも「憲法違反」だと証言し、ほとんどの憲法学者もこの立場を共有した。朝日新聞アンケートによれば、122人のうち憲法違反としたもの104人、違憲の可能性があるとしたもの15人に対し、合憲だとしたのはわずか2人にすぎない 。報道ステーションの調査では151人のうち憲法違反132人、疑いがある12人、疑いはない4人という結果であった 。
 このような状況であったにもかかわらず、安保法案は2015年9月19日に成立し、2016年3月から施行された。この集団的自衛権の部分的容認によって可能となったのは、特例法ではなく恒久的な法を根拠にした自衛隊の海外派遣、米軍の兵站などの後方支援、戦闘行為となる戦時における機雷封鎖除去、訓練時を含む米艦等の防護、PKO部隊による駆けつけ警護や宿営地の共同防衛などである。いずれも、これまでの自衛隊の任務に新たな任務が加わり、戦闘に巻き込まれる可能性を高めることになるとみられたが、十分な教育・訓練を施すので新たなリスクは生まれないというのが政府の説明であった。

(2)安保法制定手続き上の瑕疵

 憲法によって制約されており99条によって尊重擁護義務を負っている国務大臣や国会議員が、従来の政府による9条解釈を勝手に変更して閣議決定を行い、法律を制定することが許されるのか。これが立憲主義の立場からする安保法制定上の大きな疑義であった。ほとんどの憲法学者が違憲ないし違憲の疑いありとしたのは、このような立場からであろう。加えて、その制定プロセスも法制定手続き上の瑕疵が否定しきれないものである。
 たとえば、集団的自衛権行使容認の「武力行使の新3要件」の原案は、公明党の北側一雄副代表が内閣法制局に作らせて高村自民党副総裁に渡したもの で、横畠内閣法制局長官と高村副総裁や北側副代表らが密談 して練り上げたものだった。根幹部分が水面下で作成されたことになる。
 このような形で密室での検討が進んだ一方、そもそも法制局としての審査そのものがなかったのではないかとの疑いが浮上した。公表された文書によると内閣法制局による決済日が5月0日となっており、受付日、審査した後に内閣に送付した進達日、閣議にかけられた日についての記入がなかったからである 。また、法制局は9条の解釈変更について内部での検討過程そのものを公文書として残していなかった 。公文書管理法第4条に違反する不手際である。
 法案審議の過程でも、参院特別委員会での審議はとりわけ疑義の多いものだった。2015年9月17日に地方公聴会が横浜で開催されたが、特別委員会での報告・審議はなく、公聴会後に委員会が開会され議長が着席した直後に委員が殺到して取り囲み、議場は大混乱に陥った。速記録では「議場騒然、聴取不能」と書かれていたが、その後提出された議事録では「可決すべきものと決定した」と記録されている。議事録が改ざんされたのではないかとの疑いが濃厚である 。

(3)歴史的教訓―アメリカとドイツの失敗

 安保法制については様々な問題点がある。なかでも、これまで戦闘に巻き込まれず、「殺し、殺される」ことのなかった自衛隊に新たな死傷者が生まれ、他国の人々に対する加害者になるのではないかとの懸念は大きい。この点で、アメリカとドイツの失敗に学ぶことは重要である。
 そもそも今回の安保法制の整備は、自衛隊に手助けしてもらいたいとのアメリカの要請と国際社会でより能動的な役割を発揮したいという大国主義を背景とした安倍首相の意図とが合致した結果、実現したものだった。しかし、「自由と民主主義」を名目にした紛争介入は戦後アメリカの失敗の歴史そのものであり、失敗し続けてきたアメリカの要請に従って後追いすれば同じような失敗の歴史が繰り返されるだけである。
 戦後最大の失敗事例ともいえるベトナム戦争は、トンキン湾事件のでっちあげによって介入が本格化した。最終的にはアメリカの若者5万8000人が命を失い、ベトナムの人々は100万人以上が犠牲になったとされている。
 もう一つの失敗事例であるイラク戦争とアフガニスタンへの介入も、大量破壊兵器の開発・保有疑惑を理由に開始された。しかし、イラクのフセイン政権は倒れたが大量破壊兵器の所在は確認されなかった。この二つの戦争でも、アメリカの若者約7000人が命を失い、帰還した兵士の多くも心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされている 。
 このようにして自国の若者の命を犠牲にして「自由と民主主義」のために闘ったアメリカはアジアや中東の人々によって感謝されたかというと、そうではない。かえって恨みを買いテロの標的として狙われた。2001年に発生した9.11同時多発テロがその典型的な事例である。この事件によって3000人が犠牲となり、日本人も24人が巻き添えとなった。
 日本と似たような戦後史を歩んできたドイツも、軍の海外派兵については痛恨の失敗を犯している 。ドイツ軍はもともとNATO域外への派遣を禁じられているとされてきたが、憲法裁判所の解釈変更によって中東地域へも派兵できるとされ、国際治安支援部隊 (ISAF)の一員としてアフガニスタンに派遣された。
 ドイツ軍部隊は輸送などの兵站支援や秩序維持を担っていたが、襲撃されて反撃せざるをえなくなり、戦闘に巻き込まれて55人が死亡した。部隊が帰国してからも、400人以上がPTSDに悩まされているという。
 同様のケースに近づきつつあるのが、南スーダンへの自衛隊派遣である。大統領派と副大統領派の武力抗争が再発し、停戦合意の破綻が明確になった。このようななかで、自衛隊部隊に「駆けつけ警護」や「宿営地の共同防衛」という新たな任務が付与されようとしている。ドイツ軍のように戦闘に巻き込まれて取り返しのつかない事態が生ずる前に撤退するべきだろう。


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2月19日(日) 市民と野党の共闘でアベ政治の流れをかえよう!(その3) [論攷]

〔以下の講演要旨は、川崎区革新懇の「11.2講演と交流のつどい」記録集に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 政策的合意の拡大、臨時国会での共同―選挙区で統一候補擁立の準備

 野党共闘の核になるのは民進と共産の連携だ。市民からの要請と働きかけが鍵になる。今日の毎日新聞の夕刊に蓮舫さんのインタビューが掲載されている。「野党間の協議は続けます。選挙協力をするかしないか、100か0かの問題ではありません。地域事情を勘案して勝つことにこだわっていきます」と述べて、共闘はやると言っている。蓮舫さんの発言の中で、ポイントは「地域事情を勘案し」の部分だ。「地域事情」を、みなさんで作ってもらいたい。
 市民と野党とが一緒になって実質的な実りある共闘を生み出す。勝てる共闘を、それぞれの地域で実現するような動きを作っていけば良い。そうすれば、「沖縄方式」で勝てる。沖縄では4つある選挙区のそれぞれに野党が1人ずつ候補者を立てて全員当選したじゃありませんか。同じようなことを神奈川県でもやればいい。そのための「神奈川の地域事情」をつくり出してもらいたい。
 もし、じゃまされそうになったら、「これが神奈川の地域事情」だと民進党のトップに言えばいい。地域事情を勘案してやるって言っているわけですから。「民進党に欠けているのは信頼。そこが決定的に欠けている。政権の座に就いた旧民主党から裏切られたという人々の感情はいまだに収まりません」。彼女はこう答えている。ならば信頼を積み上げるしかない。そのためには約束を守ることが大切だ。共闘はするという約束についても守ってもらいたい。
 共産党が一方的に候補者を取り下げるという形ではなく、きちんとしたバーターで候補者調整を行う。そして一本化する。こういう風にすればさらに大きな力を発揮することができるだろう。北海道新聞の試算では、衆院選で参院選と同じ共闘が実現すれば野党の10勝2敗になるという。時事通信の試算では、前回の総選挙でも野党4党の得票を合算すれば47選挙区で逆転する。自公は3分の2を割るとされている。自民党の下村幹事長が若手の議員を集めて開いた会議で、野党が一本化すれば前回より86議席減る可能性があるとはっぱをかけた。
 通常国会冒頭解散とかいろいろなことが言われているが、「やれるもんなら、やってみろ」と言えるような準備を進めていけばいい。解散・総選挙をしたら必ず自民党が減ると思われるような状況を作れば、そう簡単に解散・総選挙はできなくなる。今からでも、総選挙がいつになっても闘えるような準備をすることが重要だ。

 むすびに

 そのために私たち一人ひとりに何ができるのか。皆さんが戦後営々と築いてきた、平和で民主的で自由な日本が安倍さんにぶっ壊されないように守らなければならない。そしてそれを、子どもたちや孫に、次の世代に手渡すことが、今を生きている私たちの責務ではないのか。
 そのためには事実を知り、周りの人々にも知らせなければならない。知って学び、情報を発信して正しい事実を伝えていく。そのような努力をしなければならない。
 私と同世代以上の人たちに対しては、「シニアレフト」になろうと呼びかけたい。「シニア」とは高齢者、レフトは「左翼」。左翼じゃなくてもいいけれど、安倍さんにまともな世の中をぶっ壊されないように守ろうとする人々。そして次の世代に手渡すことが大切だ。
 そのためには様々な運動に参加する。「運動は体にいい」と言うから。社会運動の中で体を鍛える。国会前に行って大きな声で叫んでストレス解消。川崎の町を行進することで足腰を鍛える。こういう形で元気になったお年寄りがたくさんいる。
 これなら次の世代に手渡すことができるというまともな世の中にしてから、安んじて「お迎え」を待つというのが望ましい「シニアレフト」の生き方ではないだろうか。それまでは元気でたたかう。少なくとも、安倍さんより先には倒れない。
 このことを強調して、話を終わらせていただきます。少なくとも、私はそうありたいと考えております。共に頑張りましょう。


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2月18日(土) 市民と野党の共闘でアベ政治の流れをかえよう!(その2) [論攷]

〔以下の講演要旨は、川崎区革新懇の「11.2講演と交流のつどい」記録集に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 どれほどの威力を生み出すのか―新潟県知事選の破壊力

 新潟県知事選では、当初、野党の候補がなかなか決まらなかった。ほとんど無風状態で森さん(自民党公明党候補・長岡市長)が当選しちゃうんじゃないかと心配していた。ところが、自民党や維新の党から立候補して落選経験のある米山さんが立候補した。米山さんの支持者だった自民の人、維新の人に加えて、今度は新たに共産党や社民党が加わり幅が広がった。  
 しかも、米山さんは人の話をよく聞いて柔軟にものを考える人で、変わるけれども誠実だ。弁護士であると同時に放射線関係の医者。原発事故で福島から隣の新潟県に避難してきている人もたくさんいる。柏崎刈羽原発をどうするのかということが選挙で大きな争点になったが、人ごとじゃない。新潟の人にとっては身近な問題だった。
 他方で、柏崎刈羽原発という世界最大出力の原発がある。そこで働いている人もたくさんいる。この人たちが原発推進の立場だ。しかも、その労働組合である電力総連が連合傘下の組合だということで民進党新潟県連の会長が野党共闘に強硬に反対したという。最後まで「うん」と言わなかった。結局、米山さんは、やむにやまれず民進党を離党して立候補することになったというわけだ。
 ところが原発問題が争点に浮上し、TPPの問題でも反対を表明する中で雰囲気が変わってくる。米山さんの選挙母体は、その前の参院選で当選した森裕子さんの選挙母体をそっくり引き継いだそうだ。本部長になったのが当選した森さんで生活の党。野党第1党の民進党が動かないから第2党の共産党が中心になった。宣伝カーも共産党の宣伝カーだったという。
 選挙戦の途中から雰囲気がどんどん変わっていく。それが民進党にも分ったのだろう。当選しそうだということで、「それは大変だ」と蓮舫さんがおっとり刀で応援に駆けつける。こういう形で急速に追い上げた。参院選の時は2200票の差だったのに今回は6万票の差になった。こんなに差がつくとは思わなかったと、現地の人は言っていたけれど、それほど運動の勢いがすごかった。
 米山さんは、最初は泉田路線継承で原発再稼働は慎重にという立場。それが、当選したら原発再稼働反対に変わった。どんどん態度が明確になっていく。言うことが進化していくわけだ。立場がはっきりしていって反自民。自民党と公明党は野党になり共産党と社民党は与党になった。少数与党で県政運営はなかなか難しいかもしれないけれど、立場は明確で県民の側に立つ県政が実現した。雨降って地固まる。良かったじゃないですか。

 新たな共同の展望―本格的に政権交代への準備を

 これからの新しい共闘の展望だが、本格的に政権交代への準備を始めなければならない。市民プラス野党による共闘を拡大して、これなら新しい市民の立場に立った政府を樹立することができるという希望を国民に与える。これが大切だ。今までのどの政権よりも良い政権ができるんだという夢を国民が持てなければ、支持してもらえない。
 参院選が終わった後に朝日新聞が世論調査を行った。安倍内閣を支持すると答えた回答で一番多い理由が「他よりもよさそうだ」で、46%と最高だ。それ以前の内閣があまりにも悪すぎたということだ。次に出てくる政権がもっとよいと思ってもらえれば、「他よりよさそう」という人たちに支持してもらえるのではないか。また、参院選で与党に入れたと答えた人たちに理由を聞いたら「野党に魅力がなかったから」が71%もある。この魅力を高めれば、これらの人々も野党支持に変わっていくんじゃないだろうか。
 そのためにどうするのか。主体的な力をつけなければならない。多様なつながりや信頼を大切にして発展させる。共闘をすすめる中で、政党や会派が違う人たちの間で新しい結びつきができてきた。今までは挨拶ぐらいしかしたことがない、そういう人たちがメールアドレスを交換したり、いろいろ相談したり、連絡をとったりという形で結びつきが深まってきた。
 私の住んでいる八王子には「ノーウオー八王子アクション」があった。安保法案反対運動のなかで、民主党や共産党、社民党などの共同が進み、その枠組みを大切にしたいと思って、私も市長選に立候補した。その過程でいろいろな結びつきができる。話してみると悪い奴じゃないと、理解が深まるし信頼関係も生まれる。これはものすごく大切だ。この財産をぜひ生かしてもらいたい。
 政策的な一致の幅を広げ、合意の水準を高めることも重要だ。安倍政治後の未来を示すものであってほしい。すでに参院選1人区で政策協定が結ばれ、通常国会の最終盤には15本の野党共同提案の法案などもある。大衆運動での一点共闘も拡大している。草の根から連合政権の土台づくりをしなければならない。メーデーなどでも、できればそれぞれの地域で異なる潮流が一緒にやる統一メーデーの実現に力を尽くしてほしい。

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2月17日(金) 市民と野党の共闘でアベ政治の流れをかえよう!(その1) [論攷]

〔以下の講演要旨は、川崎区革新懇の「11.2講演と交流のつどい」記録集に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 みなさんは6月に再スタートを切られたという。いよいよ革新懇の出番が来たわけだから、絶好のタイミングで再開されたことになる。

 参院選の二つの側面―与党の勝利と共闘の勝利

 野党共闘の必要性についてはずっと以前から主張していたが、ようやくこの参院で共闘が実現した。32ある1人区で統一候補が擁立され、11人を当選させるという成果を上げた。これまで目標としてきた革新統一に向けた動きがようやくスタートを切った。新たな段階が始まったのだ。
 去年の今頃は、安保法が通ってみんながっかりしていた。その後、2000万署名が提起され、共産党が安保法廃止の国民連合政府を提起したけれど、それがどういう形になるのかだれも予想できなかった。それから1年経った。今では、これがどういう形をとるのかがはっきりと我々の目に映るようになっている。これが参院選の成果だ。
 確かに参院選で与党は勝った。改憲勢力も3分の2を越えるという結果になったけれど、他方で野党共闘の威力が示された。市民と野党が力を合わせれば新しい政治をひらくことができることが具体的な姿を持って証明された。これが参院選のもう一つの側面であり、ここに活路がある。
 さらにその後、大きな成果に結びついた。新潟知事選で原発の再稼働に反対だという米山さんが当選した。民進党が「自主投票」で迷走したにもかかわらず、市民と野党の統一候補として米山さんが告示日の6日前に、民進党を離党して立候補した。そして大差をつけて当選した。
 現地の人も言っていた。まさか当選するとは思わなかったと。しかし、途中から状況がどんどん変わっていった。これならいけるかもしれないということで当選。これが市民と野党共闘の力だ。
 共闘成立の背景には安保法案反対運動があった。闘いが始まった時、これを勝利させるためには野党が手を結ばなくてはいけないと言った。現代の「薩長連合」が必要だ。幕末に互いに殺しあった薩摩と長州が手を握って幕府を倒した。民進党と共産党は殺しあっているわけじゃない。手を結ぶことは十分に可能じゃないか。それを仲立ちする現代の坂本竜馬は皆さん、市民なんですと訴えた。
 去年は、こういう話をしていたけれど、それが野党共闘という形で現実のものになると、必ずしも確信していたわけじゃない。ところが、9月19日の安保法が通った日の午後に、共産党が国民連合政府を提唱した。とはいえ、この時は雲をつかむような話だった。
 その後、野党共闘に向けての協議が進み、今年に入って2月19日に「5党合意」が成立する。実は、沖縄がこの野党共闘の走りだった。それが本土でも実現した。その結果、自民党は参院選でたしかに勝ったかもしれないけど、それに対抗する形で野党共闘が大きな成果を上げた。1人区で議席増となって、我が故郷である新潟県の知事選での勝利に結びつく端緒をひらくことになった

 共闘のどこが画期的だったのか―「共産党を除く」が除かれた

 1970年代には社共共闘が成立していた。これは国政選挙ではなく自治体選挙だった。革新自治体を作るという目的で社会党と共産党が共闘した。しかし、国政選挙では沖縄を除いては実現しなかった。それが参院選で共産党をふくむ形で共闘が成立した。「共産党を除く」という壁が除かれた。これが今回の共闘での画期的な面だと言える。
 背景に何があったのか。安保法制定などのアベ暴走政治だ。原発を再稼働するとか、沖縄の米軍新基地建設を強行するとか、暴走に次ぐ暴走。TPPが臨時国会で問題になっているけれども、安くていかがわしい食料を輸入しようとしている。日本の農業が潰れてしまうかもしれない。この暴走に対して多くの国民・市民が危機感を高めた。これが野党共闘成立の背景だ。
 このようななかで出てきた「野党は共闘」という声が民進党を動かして5党合意に結びつく。その結果、1人区での統一候補擁立が進んだ。最後は5月31日だった。参院選の告示は6月22日だったから3週間ほど前にようやく1人区全部で統一候補が出揃ったことになる。
 いわば、今回の参院選での野党共闘はプレハブ造りのようなもの。突貫工事で緊急に作ったような共闘だった。それでもこれだけの効果を上げることができた。それがどれほどの威力を発揮できるのかが示されたのが新潟県知事選挙だった。

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2月7日(火) 野党共闘の前進を目指す春闘 [論攷]

〔以下の論攷は、金属労働研究所が刊行する『金属労働研究』通巻第141号、2017年1月号、に掲載されたものです。〕

 はじめに

 2017年春闘は、これまでにない新たな情勢の下で闘われます。春闘ですから賃金の引き上げと労働条件の改善に向けて集中的な取り組みを行うことは当然ですが、それに加えて、二つの新たな課題に取り組む必要があるからです。
 その一つはアベ「働き方改革」への対応であり、もう一つは野党共闘の前進です。いずれの課題も働く人々の環境改善のみならず、国民生活と日本の進路を左右する重要な意味を持っています。
 労働組合運動が春闘で取り組むべき課題と国民的な政治革新の課題とがコラボレーションする新しい状況が生まれているということです。このことを自覚しながら、春闘に対する取り組みを従来以上に強めることが期待されています。

 アベ「働き方改革」への対応

 安倍首相が政治の重用課題として掲げている「働き方改革」には二面性があります。それは労働の規制緩和だけでなく、部分的には再規制を含んでいるからです。「残業代ゼロ法案」や裁量労働制の拡大、解雇の金銭解決の導入の目論みなどとともに、春闘での賃上げや最低賃金の引き上げ、労働基準法36条の見直しによる残業規制の強化なども提起されていることに注意しなければなりません。
 労働条件の悪化を無視できなくなるとともに、労働側の支持拡大という狙いによるものですが、批判や反対だけでは済まされない対応が必要となっていることも事実です。電通の過労自殺問題などを通じて働き方への関心が高まっているのはチャンスでもあります。
 労働側としては、アベ「働き方改革」の狙いを暴露するとともに限界や不十分性を突破するための運動を展開することが必要です。賃上げと最低賃金1500円以上の実現、残業の上限規制や勤務間インターバル制度の導入、非正規労働者の正規化や均等待遇の実現などが春闘での課題となります。

 野党共闘の前進を

 労働組合運動が春闘で取り組むべきもう一つの課題は政治的要求の実現であり、野党共闘の前進です。真の「働き方改革」のためにも、4野党が共同で提出した長時間労働規制法案の成立など政治への働きかけが必要です。同時に、「残業代ゼロ法案」への反対や社会保障サービスの切り下げの阻止などの政治課題もあります。
 「逆走」し始めているアベ暴走政治をストップさせ、労働者の要求を実現する民主的な政府をめざさなければなりません。そのためにも解散・総選挙で勝利できるような野党共闘を実現する必要があります。
 すでに昨年の参院選と新潟県知事選での市民と野党の共闘によって「勝利の方程式」が示されました。今後、この「方程式」を解いて正しい「解」を導き出す必要があります。そのためには、政策協定を結んで「明確な争点」を掲げ、相互に推薦したり支援したりすることによって「本気の共闘」を生みださなければなりません。

 むすび
 
 アベノミクスは破綻し、得意の外交でも袋小路に陥るなど、安倍政権は末期症状を呈しています。日露交渉は失敗に終わり、何を言い出すかわからないトランプ米新政権も発足しました。
 臨時国会でのTPP承認や年金削減法の採択で国民との溝を深め、カジノ解禁法では公明党との確執も生まれました。慰安婦像の設置をめぐって日韓関係は悪化し、内外情勢は混迷を深めています。まさに、政治転換の機は熟しているというべきでしょう。
 このようなときにこそ、労働組合運動はその真価を発揮しなければなりません。2017年春闘への取り組みを強めて、政治転換の先陣を切ってもらいたいものです。これまでにない新たな情勢の下では、これまでにない新たな運動が求められているのですから……。

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2月1日(水) 政治転換の機は熟している [論攷]

〔以下のインタビュー記事は、日本平和委員会が発行している『平和新聞』第2128号、2017年1月15・25日合併号、に掲載されたものです。〕

 世界は「第三の段階」に

 今年は一言でいえば、「チャンスと飛躍の年」です。現在の国際政治は、戦後の「第三の段階」のとば口に差しかかっているからです。
 1970年代のオイル・ショック以降、それまでのケインズ主義を背景にした公共事業で有効需要を創出して経済成長を図る修正資本主義的な路線(第一の段階)が壁にぶつかり、政府はなるべく経済に介入しないで民間に任せるという新自由主義的な規制緩和、民営化路線が徐々に台頭してきました。この流れはソ連崩壊で一気に加速し、90年代以降、新自由主義とグローバリズムは世界の隅々に広がりました(第二の段階)。この弱肉強食の新自由主義路線の結果、強欲資本主義となって資本の力が強くなり、富が一極に集中し、貧困や格差が拡大しました。
 これに対する大衆の不満や反感がネガティブな形で出てきたのが、英国のEU離脱や米大統領選挙でのトランプ氏当選です。また、シリア内戦による難民の流入やイスラム国(IS)の勢力拡大による各国でのテロなどを背景に、欧州でナショナリズムや排外主義が強まり、極右勢力が台頭する事態も生まれています。
 他方、1%の富裕層のための政治から99%の人々のための政治に変えなければならないという動きも強まっています。ギリシャやスペインでは新しいリベラル・左派勢力が台頭し、米大統領選挙の民主党予備選挙では自らを「民主的社会主義者」と呼ぶサンダース氏が若い世代の熱い支持を受けて大健闘しました。
 行き詰まった新自由主義とグローバル化路線を打開する「第三の段階」に向けて、この二つの流れが激しくぶつかり合っているのが現状です。いわば絶望と希望がせめぎ合うような過渡期において、リベラル・左派勢力が新しい政治の活路を切り拓くチャンスが生まれているのです。

 「勝利の方程式」見えた

 日本でも、安倍政権による暴走政治の破たんが明らかになってきました。
 一番の破たんは、政策の目玉としてきたアベノミクスです。安倍首相はまだ「道半ば」で「エンジンをふかす」などと言っていますが、実際にはこれだけ長くやっても成果が上がっていません。最大の問題は、大企業の内部留保と富裕層の資産だけが増え、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費がいっこうに上向いてこないことです。大企業や富裕層がもうかれば、富が国民全体にしたたり落ちて経済が成長するという「トリクルダウン理論」は、完全に破たんしてしまいました。
 安倍政権が「働き方改革」を最重要課題に位置付けると表明せざるを得なくなったのも、破たんの現れです。規制緩和で非正規雇用を増やし、貧困と格差を広げ、働く人々の困難な状況を作り出してしまったからです。非正規の若者は結婚や出産をあきらめざるを得ない状況に追い込まれ、深刻な少子化により持続不可能な社会になりつつあります。このままいけば「来世紀には日本人はいなくなる」という試算もあるくらいです。そういう中で「働き方改革」を掲げざるを得なくなった。ここにアベノミクスが生み出した矛盾があります。
 他方、安倍暴走政治から抜け出す活路が示されたのが、去年の参議院選挙と新潟県知事選挙でした。市民と野党が明確な争点を掲げて本気の共闘をすれば勝てるというのが、両選挙の教訓です。参院選挙は、まだ突貫工事でプレハブを建てるような初歩的な共闘でしたが、それでも野党の1人区での勝利は、前回(2013年)の2選挙区から11選挙区に増えました。
 この「勝利の方程式」が大きな成果を生む可能性があるのが、次の総選挙です。今度は十分な準備時間がありましたし、年明けから野党4党の政策協議も始まりました。安倍暴走政治の破たんが明らかになり、安倍首相の解散戦略も齟齬をきたしています。不意打ち解散の可能性は消えていませんが、いつ解散するかをうかがうのではなく、逆に市民と野党の共闘で解散に追い込んでいくというのが、通常国会での獲得目標になると思います。
 政治転換の機は熟しており、あとはこの「勝利の方程式」をきちんと解いて、正しい「解」を導き出すだけです。小選挙区制は多数党に有利ですが、得票がある一定の割合を超えると一気に変わるという特徴もあります。2009年に民主党が政権交代を実現させたように、野党が安倍政権を終わらせて政権を奪取することは可能です。日本でも、平和と民主主義、立憲主義、そして個人の尊厳を尊重する政治への転換のチャンスが生まれているのです。
 安倍政権はマスメディアを使って嘘とごまかしの情報を流し続ける「偽ニュース」や「ポスト真実」によってしか支持を維持できなくなっています。NHKのニュースだけを見ていると、アベノミクスや安倍外交などがうまくいっているかのような印象を持ってしまいます。このような錯覚を打ち破って暴走政治の実態を暴露し、事実を多くの市民に伝えていくことが重要になっています。

 安保問い直すチャンス

 平和や安保の分野でも、安倍暴走政治は行き詰まり、新しい転換の可能性が生まれています。
 安倍政権は「これは戦争法ではなく、戦争を抑止するものだ」と言って多くの反対を無視して戦争法を強行採決しました。しかし、その後、北朝鮮のミサイル発射は急増し、中国の尖閣諸島周辺での活動も活発化しており、「抑止力」が働いていないことは明らかです。むしろ、「挑発力」となって緊張を高め、軍拡競争の悪循環を招く要因となっています。
 昨年末の国連総会で核兵器禁止条約の交渉を開始する画期的な決議が採択されましたが、日本は唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、米国の顔色をうかがってこれに反対しました。これも、安倍外交の破たんの一例です。
 こうしたなかで、米国に追随する日米安保の本質、植民地的従属状態と言っても過言ではない日米地位協定や日米合同委員会の問題性が明かになってきました。加えて、米トランプ政権の誕生で駐留経費(思いやり予算)のさらなる負担を要求される可能性もあり、日本の安全保障のあり方が根本から問い直される状況が生まれています。
 確かに、野党間で日米安保に対する考え方に違いがありますが、「東アジア共同体」のような地域の平和協力の枠組みを目指していくことや、日本の主体性を高める方向で日米地位協定を改定したり、日米合同委員会の透明性を高めて米軍の要求を密室で押し付けられるような現状を見直したりすることは十分に可能だと思います。
 こうした政策を一つひとつ実現していくことで、安保体制という軍事同盟に頼らない対話と交渉による非軍事的な安全保障を実現し、東アジアにおける平和で安定した国際環境を広げていかなければなりません。


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