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8月12日(土) 「こんな人たち」の怒りが噴出した都議選 [論攷]

〔以下の論攷は、『東京革新懇ニュース』第424号、2017年8月5日付、に掲載されたものです。〕

 「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」
 都議選の最終盤、安倍首相は秋葉原駅前でこう叫びました。「こんな人たち」として敵視された都民の怒りが噴出し、驚天動地の結果になりました。自民党は改選57議席を23議席に激減させ、都民ファーストの会は49議席を獲得。その間で「埋没」すると見られていた共産党は改選17議席から19議席へと善戦健闘しました。

 積み重なった敗因

 自民党の敗北はかつて経験したことのないものです。これまでの最低は38議席でしたが、それを15議席も下回りました。文京区と日野市で惜敗した共産党候補が自民党候補を蹴落として当選していれば、21議席で並んでいたのに惜しいことをしました。
 どうしてこれほどの歴史的惨敗を喫したのか。それはいくつもの敗因が重層的に積み重なったからです。築地市場移転問題の混迷など「都政の闇」を生み出してきたことへの責任追及、通常国会での共謀罪法案の強行採決や不祥事、暴言など政治と政治家の劣化への批判、改憲発言や「森友」「加計」学園疑惑での安倍首相と夫人の昭恵氏への忖度や国政の私物化に対する不信感、安倍首相の政治姿勢や体質への嫌悪感などが蓄積され、怒りのマグマとなって爆発したのです。
 これにとどめを刺したのが、秋葉原駅前での安倍首相による「こんな人たち」演説でした。全ての国民を視野に入れ、その生命と生活を守って国全体を統合する役割を担うべき首相が、自分を批判する人々を「こんな人たち」とひとくくりにして非難したのです。国民を線引きして分断し、「味方」や「お仲間」には優しいアベ政治の本質が顕われた瞬間であり、それに対しても厳しい審判が下されました。

 ポピュリズム選挙という「突風」

 今回の選挙では。ポピュリズム選挙という「突風」が吹きました。この風に吹かれて舞い上がったのが小池百合子都知事に率いられた都民ファーストの会です。現有6から49議席に躍進し、追加公認を含めて55議席になりました。「今回だけは支持できない」「安倍首相にお灸を据えたい」と考えた自民党支持者や無党派層にとって「非自民」の「手ごろな受け皿」となったからです。
 このようなポピュリズム選挙の「突風」はアメリカの大統領選挙、フランスの大統領選挙や議会選挙でも吹きました。日本では日本新党、大阪維新の会や名古屋での減税日本などの議員も、ポピュリズムの風に押し上げられ、あれよあれよという間に当選し、議会に送り込まれたことがあります。
 しかし、日本新党の都議はすぐに消え、大阪維新や減税日本のブームもしぼんでしまいました。今回当選した「小池チルドレン」の半分近くは議員経験がなく、きちんとチェック機能が果たせるのか、これから問われることになるでしょう。「突風」による躍進にはポピュリズム選挙の危うさが孕まれていることを忘れてはなりません。

 共産党の善戦

 共産党は2議席増と善戦健闘し、得票数と得票率も増やしました。前回の都議選で8議席から17議席に倍増していますから2回連続での増加で、32年ぶりのことになります。都民ファーストの会への「追い風」が吹いたにもかかわらず、吹き飛ばされることなく前進したのは重要な成果でした。
 これは強固な組織的基盤の成果ですが、市民や他の野党との共闘の前進も大きな力になりました。無党派層の支持も増え、出口調査(8社共同)では、支持政党なし層の投票先として共産党は19.6%で、都民ファーストの会の20.8%に次ぐ2位となっています。
 「森友」「加計」問題などでの調査と追及、アベ政治に対峙し続けてきたぶれない政治姿勢、9条改憲阻止など国政上の争点も訴えた選挙戦術、豊洲移転に反対して築地再整備を掲げた唯一の政党という政策的立場などが支持された結果です。安倍首相に最も強烈な「ノー」を突きつける「反自民」のための「信頼できる受け皿」として選ばれたということでしょう。
 このような「受け皿」を提供することができれば、総選挙でも地殻変動を起こして自民党を大敗させることができます。市民と野党との共闘によってそのような「受け皿」を生み出すことができるかどうかが問われています。
 内閣支持率が低下し続け、「潮目」が変わりました。いつ国会が解散されても勝利できるような準備を進め、安倍政権を解散・総選挙に追い込むことがこれからの課題です。

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8月8日(火) 「政治の劣化」「行政の劣化」とは何か―どこに問題があるのか、どうすべきか(その3) [論攷]

〔以下の論攷は『法と民主主義』No.520、2017年7月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップします。〕

3 通常国会後に明らかになった疑惑や不祥事

 「加計」疑惑での新たな展開

 通常国会が幕を閉じた途端、「萩生田副長官ご発言概要」という新たな内部文書が見つかりました。「加計」疑惑に萩生田光一内閣官房副長官が関与していたことを示すもので、学部新設について「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年(2018年)4月開学』とおしりを切っていた」などと書かれています。
 萩生田さんはこの内容を強く否定し、加計さんとの関係についても「親しくお付き合いさせていただいているという事実もありません」と答えていました。しかし、安倍首相の別荘で、安倍、加計、萩生田さんの3人がバーベキューをしながら缶ビール片手に談笑している4年前の写真が萩生田さんのブログに投稿されています。
 加計孝太郎理事長が自民党岡山県自治振興支部の代表で、会計責任者も加計学園の理事を務めた人物、支部の事務所が加計学園系列校と同じだったことも判明しています。また、岡山が地元の加計学園が選挙区の逢沢一郎元外務副大臣に100万円を献金しており、獣医学部の新キャンパスの工事を請け負っている「アイサワ工業」は岡山市が本社で逢沢さんのいとこが社長をしているファミリー企業です。しかも、建設費の坪単価は一般的な坪単価の2倍以上もすることが明らかになっています。
 さらに、この加計学園が当時文科相であった下村博文さんに200万円の献金をしていた疑惑も報道されました。この後、加計学園が望んでいた教育学部の新設が認められていたことも分かっています。また、下村夫人の今日子さんは広島加計学園の教育審議委員をやっており、安倍夫人の昭恵さんと一緒に加計学園のパンフに登場したり、年に数回は同施設のイヴェントに参加したりしていました。

 稲田防衛相による自衛隊の政治利用

 選挙戦の応援では、稲田朋美防衛相が演説で「防衛省・自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と投票を呼びかけて大きな問題になりました。自衛隊を「自民党のもの」であるかのように扱って政治利用しただけでなく、指揮権を持つ防衛相が言えば自衛隊員は特定政党を応援しなければならないと誤解してしまいます。
 政治的に中立公平であるべき公務員や自衛隊のあり方からの逸脱という点でも、「党務」と「公務」の混同という点でも、この発言は自衛隊法や公職選挙法に反する暴言にほかなりません。
 稲田防衛相は何回も、閣僚の資質を疑われる言動を繰り返してきました。こういう人を選んだだけでなく、どうして今まで続投させてきたのでしょうか。このような暴言を言い出しかねない人を安倍首相はかばい続け居座らせてきました。きちんとけじめをつけず、放置してきた責任は大きいと思います。
 「森友」「加計」学園疑惑では、権力者の意向を忖度し、一部の人を優遇したりえこひいきしたりして行政を歪めているとの批判が高まりました。安倍首相に近いというだけで稲田さんばかりが甘やかされ特別扱いされている姿こそ、政治責任の取り方まで歪み公平性や信頼を大きく損ねていることを示す実例であるように思われます。

 相次いだ暴言と不祥事

 まだ、あります。選挙中に明らかになった豊田真由子衆院議員の秘書に対する暴言・暴行というスキャンダルです。豊田議員は責任を取って自民党に離党届を出しましたが、辞めるべきは自民党ではなく国会議員の方でしょう。
 夫の宮崎謙介衆院議員の女性スキャンダルが『週刊文春』に報じられたことのある金子恵美衆院議員についても、公私混同疑惑が浮上しました。公用車で子どもを保育園に送ったり、母親を駅に送り届けたりするなど、私的使用が常態化していたというのです。
 これらの若手議員を厳しく監督するべき二階俊博幹事長自身が、都議選の応援演説で「よく変なものを打ち上げてくるキチガイみたいな国がある」と述べ、後で「表現として必ずしも適切でないものが一部あった」と、精神障害者への差別的表現について釈明し、「私らを落とすなら落としてみろ。マスコミの人だけが選挙を左右するなんて思ったら大間違いだ」と居直ったりする始末です。
 末期症状ともいうべき状況が積み重なりました。まさに、政治・政治家の劣化を示す典型的な例だと言うべきでしょう。それに対する国民の批判と怒りが徐々に蓄積されていきました。それが投票という行為を通じて、一挙に噴き出したのが都議選の結果だったのです。

 むすび

 長い間、「安倍1強」と言われるような状況が続き、内閣支持率が安定していました。民主党中心の前政権への失望が大きく、国民は諦めて達観してしまったようです。もともと安倍政権への期待値は低いものでした。ですから、何らかの問題が生じても「まあ、こんなものだろう」ということで、内閣支持率はあまり下がりませんでした。
 しかし、政治・行政の劣化と異常な国会運営を見て、さしもの国民の「堪忍袋の緒」も切れてしまったようです。安倍内閣に対する支持率は軒並み急落し、都議選でも自民党は歴史的な惨敗を喫しました。政権運営にとって重要なのは世論と選挙ですが、そこでの質的な変化が生じたのです。
 「安倍1強」の潮目が変わりました。世論を変えて選挙で決着をつけ、特定秘密保護法、安保法(戦争法)、共謀罪というアベ暴走政治が生み出した悪法を廃止できるような政府を実現する展望が生まれています。
 その出発点が都議選でした。国政にも大きな影響を及ぼすことになります。善戦健闘した共産党をはじめ、立憲野党の前進を背景に解散・総選挙を勝ち取り、さらなる追撃戦によってアベ政治の「終わりの終わり」を実現しなければなりません。
 もし、安倍政権が都議選で示された声を無視し続ければ、次の国政選挙でさらに大きな「ノー」が突き付けられることでしょう。解散・総選挙に追い込んで、その機会を早く実現したいものです。そのためにも、市民と野党との共闘を推進し、いつ国会が解散されても対応でき勝利できるような準備を進めることがこれからの課題です。


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8月7日(月) 「政治の劣化」「行政の劣化」とは何か―どこに問題があるのか、どうすべきか(その2) [論攷]

〔以下の論攷は『法と民主主義』No.520、2017年7月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップします。〕

2 通常国会での暴走・逆走

 9条改憲方針の明言

 第193回国会は1月20日に召集され、6月18日までの150日間でした。この通常国会はアベ政治の暴走・逆走が際立ち、政治・行政の退廃と混迷が露わになるという異常な国会でした。
 なかでも、5月の連休中に安倍首相が9条改憲の意図を明らかにして注目されました。改憲に向けてのギアを入れ替えたことになります。与野党の合意をめざして「低速」で慎重な運転を行ってきたこれまでのやり方を投げ捨て、3分の2を占めている改憲勢力だけで突っ走ろうというわけです。
 安倍首相は9条の1項と2項をそのままにして、新たに自衛隊の存在を明記することで公明党を引き込み、教育費無償化を書き込むことで日本維新の会を抱き込もうとしています。これに他の改憲勢力を合わせれば、民進党などの協力を得なくても衆参両院の3分の2議席を占めて発議が可能になります。
 秋の臨時国会で自民党案を提起し、来年の通常国会で発議したうえで衆院選と同時に国民投票で可決するというのが安倍首相の目論みです。それまでは改憲議席を維持しなければなりません。首相の側から解散・総選挙を実施することは避けようとするでしょう
 こうして、9条改憲をめぐる対決の構図は明確になってきました。安倍首相が改憲議席を維持したいと考えて総選挙を先延ばしするのであれば、改憲発議ができなくなるほどに議席を減らすことをめざして解散に追い込み、総選挙で勝利を勝ち取らなければなりません。9条をめぐる「激突の時代」が始まりました。私たちも腹を固めて対抗することが必要です。1人1人の決意と本気度が試される局面がやって来たということになります。

 「共謀罪」法の成立

 このような9条改憲に反対し、憲法を守ろうとする市民運動をあらかじめ取り締まるための武器も調達されました。それが共謀罪を制定した目的の一つだったように思われます。2013年の特定秘密保護法、15年の安保法(戦争法)、そして17年の共謀罪と、アベ政治の暴走は続いてきました。この戦争できる国づくりへの道は9条改憲へとつながっています。
 国民の多くが不安に思い、世論調査では反対が増え、成立を急ぐ必要はないという意見も多い法案でした。心の中が取り締まられるのではないか、一般の人が対象とされるのではないか、拡大解釈によって適用範囲が広がるのではないか、政府に都合の悪い運動などが監視され密告される恐れがあり、委縮してしまうのではないかなどの疑問が出されました。しかし、いくら審議しても、これらの懸念は解消されませんでした。
 これらの疑問や懸念に丁寧に答えるどころか、委員会採決の省略という問答無用の強権的な方法が取られました。異例の奇策による完全な「だまし討ち」です。内心の自由を取り締まる法案の内容も問題ですが、「中間報告」という「禁じ手」を用いた強行採決も大きな問題でした。まさに立法府の劣化というしかありません。
 テロ等準備罪という名前に変えて粉飾を凝らし、オリンピックを名目にして成立を強行しましたが、テロや五輪・パラリンピックという看板を掲げれば国民を騙せると高をくくっていたのでしょう。騙されてはなりません。共謀罪によって取り締まる対象と市民や市民活動との違いを曖昧にしているのは、政府に都合の悪い発言をしたり活動に加わったりする一般市民や正当な市民活動、社会運動を取り締まるためであり、拡大解釈によって共謀罪を適用する余地を残しておきたかったからではないでしょうか。

 「森友」「加計」学園疑惑

 もう一つの焦点となった「森友」「加計」学園疑惑も、安倍政権のいかがわしさをはっきりと示しています。官庁や役人が安倍夫妻の意向を「忖度」して知人や友人を優遇したり便宜を図ったりして、一部の人によって政治と行政が私物化されているのではないかという疑惑が表面化したからです。
 「森友」疑惑では、教育勅語を暗唱させるような籠池泰典前理事長の教育方針に共鳴した首相夫人の昭恵さんが「力になりたい」と考えて「神風」を吹かせ、国有地を8億円もディスカウントしたのではないかと疑われています。「加計」疑惑では加計孝太郎理事長の30年来の「腹心の友」である安倍「総理のご意向」に従い、「加計ありき」で岡山理科大への獣医学部新設と国有地の取得に便宜が図られたのではないかとの疑惑が浮かび上がりました。
 昭恵さんを守ったのは、その意向を「忖度」して便宜を図った財務官僚だと見られていますが、計算違いは籠池森友学園前理事長です。安倍首相からの「100万円」の寄付を暴露された腹いせに証人喚問するなど「敵」に回したため、財務省への働きかけを示すファクスを暴露されるなど首相も昭恵さんも窮地に陥りました。
 他方の「加計」疑惑で安倍首相を守ったのは内閣府だったようです。交渉の経過を示すメールや内部文書が文科省で発見されましたが、それに対する追及が「官邸の最高レベル」に届かないようにする作戦だったと思われます。文科省(第1の防衛線)は突破されましたが、内閣府(第2の防衛線)でストップさせようとしたのでしょう。
 「加計」疑惑での計算違いは前川喜平前文科事務次官です。文科省内で作成された内部文書は本物で「確実に存在していた」「あったものを無かったことにはできない」「行政のあり方がゆがめられた」と証言しました。官邸は人格攻撃までしてこれを否定しましたが、結局はむりやり国会を閉じて疑惑を隠すという醜態をさらすことになったのです。

 アベ政治の退廃と混迷

 通常国会では、政治と行政の劣化、アベ政治の退廃と混迷も余すところなく示されました。
 その第1は、情報の秘匿と隠ぺいです。行政文書など保管されるべき記録が廃棄されたり、隠されたりしました。南スーダンへの自衛隊PKOの「日報」が隠蔽され、「森友」「加計」疑惑での財務省や文科省、内閣府の情報隠しも大きな批判を招きました。行政の透明化、検証可能性、知る権利の保障という意識も仕組みも極めて劣弱であることが改めて明らかになっています。
 第2に、国連関係者からの懸念や批判です。共謀罪については国連人権理事会の特別報告者であるケナタッチさんがプライバシーを制約する恐れを指摘し、報道の自由に関して懸念を表明しました。人権理事会のケイ特別報告者も特定秘密保護法について改正を促しました。日本は国際標準から逸脱しつつあり、国際社会から後ろ指をさされるような国になってしまったようです。
 第3に、「安倍一強」体制の下での独裁と強権化です。小選挙区制の導入や内閣人事局の新設などによって官邸支配の体制ができ、国家戦略特区によってトップ・ダウンの政治主導が強まりました。多数党が強権を振るうことができる仕組みができ、三権分立の歪み、総理・総裁や公人・私人の使い分けなどによる政治・行政の私物化が生じています。
 第4に、マスメデイアが変質し、一部のメディアの劣化が進みました。政治権力の批判・監視を行う「第4の権力」から権力への迎合・走狗へという機能転換が生じています。とりわけ最大の部数を持つ『読売新聞』が安倍首相の9条改憲インタビューや「加計」疑惑での前川さんの「出会い系バー通い」を報ずるなど、安倍首相によって利用され、報道機関として大きな汚点を残すことになりました。

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8月6日(日) 「政治の劣化」「行政の劣化」とは何か―どこに問題があるのか、どうすべきか(その1) [論攷]

〔以下の論攷は『法と民主主義』No.520、2017年7月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップします。〕

 はじめに

 「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」
 都議選の最終盤、秋葉原駅前での唯一の街頭演説で放った安倍首相の言葉が、これでした。「帰れ」「安倍ヤメロ」とコールして自分を批判する人々を指さし、「こんな人たち」と言って非難したのです。
 総理大臣は全ての国民を代表し、批判的な人々も含めてあらゆる国民に責任を負って国をリードする立場にあります。支持者や一部の仲間だけでなく、全ての国民を視野に入れ、その生命と生活を守り、国全体をまとめ統合するという役割を担っているはずです。
 それなのに、自分を批判する人々を「こんな人たち」とひとくくりにし、「私たちは負けるわけにはいかない」と対抗心むき出しにして非難したのです。国民を線引きして自ら分断を持ち込んだということになります。「敵」と「味方」を色分けし、「敵」に対しては厳しく「味方」や「お仲間」には優しいアベ政治の本質が顕われた瞬間でした。
 国会での審議でも、安倍首相は「こんな人たち」と思い込んだ批判者に対し、強い敵意をむき出しにヤジを飛ばしたりして攻撃的な対応に終始してきました。批判する人々や野党の背後にも、多くの国民がいるということを忘れているようです。批判者に対してきちんと答えることを通じて、その背後にいる国民にも理解してもらえるような丁寧な政権運営を行うというのが、本来あるべき姿ではありませんか。
 他方で、安倍首相は「味方」である「私たち」の仲間や身内を大事にしてきました。第一次安倍政権は「お友達内閣」と言われ、今年の通常国会でも親しくしてきた知人や友人を特別扱いしたり優遇したりしたのではないかとの疑惑が持ち上がりました。しかし、疑惑に答えることなく、共謀罪法案の強行採決を行ったうえで強引に幕引きを図ってしまいました。
 こうして、政局は都議選へとなだれ込むことになります。都議選では、アベ政治における政治や政治家の劣化、行政の劣化に対する批判と怒りのマグマが噴出しました。その結果が、自民党の歴史的惨敗という驚天動地の出来事だったのです。
 都議選での自民党惨敗は都民によるアベ政治への明確な審判でしたが、何に対して、どのような審判を下したのでしょうか。都議選に先立つ通常国会では、どのような問題が明らかになったのでしょうか。政治と政治家の劣化、行政の劣化という側面に焦点を当てながら、このような問いへの答えを探してみましょう。答えが見つかれば、それを是正するにはどうすべきなのかも明らかになるにちがいありません。

1 都議選の結果をどう見るか

 自民党の歴史的惨敗

 7月2日に投開票された都議選の結果は、別表の通りでした。ついに噴き出した「怒りのマグマ」によって自民党が歴史的惨敗を喫したというしかない結果です。

都民ファーストの会:6→49(+43)
自民党:57→23(-34)
公明党:22→23(+1)
共産党:17→19(+2)
民進党:7→5(-2)
東京・生活者ネットワーク:3→1(-2)
日本維新の会:1→1
社民党:0→0
無所属:4→0(-4)
無所属(都民推薦):9→6(-3)

 秋葉原での選挙戦最後の街頭演説で、安倍首相は「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫びましたが、多くの都民は「こんな人たちに、私はなりたい」と考えたわけです。その結果、安倍首相はこれまで経験したことのない厳しい鉄槌を下されました。
 自民党の獲得議席は23でした。過去最低だった38議席を15も下回っています。今回の都議選ほど自民党が選挙の恐ろしさを実感したことはなかったにちがいありません。地殻変動によって地割れが生じ、奈落の底に落ち込んでいくような恐怖を味わったのではないでしょうか。
 こうなった原因は3つ考えられます。第1に自民党都連への批判であり、第2に国政への不満であり、第3に安倍首相への反感です。これらが積み重なって生じた敗北であるからこそ、これまでになかったような歴史的惨敗となりました。不明朗な築地市場移転問題の経緯など都政の闇を生み出してきた自民党都連への批判は、都議選が終わって都政改革が進められればある程度は解消するかもしれません。しかし、国政への不満や安倍首相への反感は、選挙が終わったからと言ってなくなるとはかぎりません。
 石原、猪瀬、舛添という過去三代の都知事を与党として支えてきた自民党都連への批判以上に、都民の怒りは国政とその中心にいる安倍首相に向けられました。9条改憲を打ち出し、「森友」「加計」学園疑惑に頬かむりしたまま共謀罪を強行採決して国会を閉じた強引なやり方や、その後も相次いだ不祥事、暴言、疑惑隠しなどに対しても都民の怒りは爆発したのです。
 選挙後、「THIS is 敗因」という言葉が飛び交いました。惨敗を生み出した「戦犯」はT(豊田真由子)、H(萩生田光一)、I(稲田朋美)、S(下村博文)の4人だというのです。しかし、正確には「THIS is A 敗因」と言うべきでしょう。何よりも、A(安倍晋三)という「大戦犯」がいるからです。
 これに加えて、公明党の裏切りがあります。今回、公明党は自民党とたもとを分かち「都民ファーストの会」を支援したため、公明党の支えを失った自民党は1人区や2人区だけでなく3~5人区でも苦戦することになりました。「都民ファーストの会」とともに上位当選した公明党に蹴落とされてしまったのです。

 「都民ファーストの会」の躍進

 歴史的惨敗に沈んだ自民党にとって代わったのが「都民ファーストの会」です。50人立候補して49人当選、追加公認を含めて55人になりました。自民党が減らした議席の大半は「都民ファーストの会」に流れ込みました。今回だけは支持できない、お灸を据えたいと考えた自民党支持者や無党派層にとって、「非自民」の「手ごろな受け皿」となったからです。
 このような「受け皿」を提供することができれば、今回と同様の地殻変動を国政レベルでも引き起こすことができるにちがいありません。それをどのように提起し、認めてもらうかが、安倍政権打倒に向けての課題になります。
 同時に、今回の選挙では欧米のようなポピュリズムの「追い風」が強烈に吹きました。「都民ファーストの会」は大阪維新の会や名古屋での減税日本と同様に、ポピュリズムの風に押し上げられて都議会に送り込まれたのです。「どうしてこんな人が」と思われるような人もあれよあれよという間に当選し、議員になって議会に送り込まれるというポピュリズム選挙の危うさが孕まれていることも忘れてはなりません。
 1993年にブームを起こした「日本新党」の都議はすぐに消えてしまいました。名古屋市の「減税日本」も4年後に再選されたのは6人だけでした。「都民ファーストの会」で当選した新人議員「小池チルドレン」の半分近くは議員経験がなく、スキャンダルを抱えている「ポンコツ議員」もいます。はたして小池与党としてきちんとしたチェック機能が果たせるのか、これから問われることになるでしょう。 

 共産党など立憲野党の善戦

 このようなポピュリズムの嵐の中で、共産党や民進党などの立憲野党は埋没することなく持ちこたえることができました。共産党は2議席増の19議席となり、民進党は「壊滅するのではないか」と見られていましたが、改選7議席から2議席減の5議席にかろうじて踏みとどまったからです。
 共産党は前回の都議選で8議席から17議席に倍増していますから2回連続での増加で、32年ぶりのことになります。小池対自民党都連という対立構図が喧伝され、「都民ファーストの会」が大量当選するというポピュリズム選挙の嵐が吹き荒れたにもかかわらず、埋没することも嵐に吹き飛ばされることもなく善戦健闘したのは重要な成果でした。
 これは強固な組織的基盤を持っている共産党の強みを背景としています。同時に、市民と野党の共闘の前進も大きな力になりました。無党派層の投票先で「都民ファーストの会」に次ぐ2位でしたから、組織の力だけではない幅広い支持層を得た結果でもあります。
 「森友」「加計」問題などでの調査と追及、アベ政治に対峙し続けてきたぶれない政治姿勢、9条改憲阻止などの国政上の争点も掲げた選挙戦術、豊洲移転に反対して築地再整備を掲げた唯一の政党という政策的立場などで得られた支持の広がりでした。このような、国政上の実績、選挙戦術、都政政策などの点で独自の優位性を発揮し、アベ暴走政治に最も強烈な「ノー」を突きつけたいという「反自民」のための「信頼できる受け皿」として支持されたということでしょう。
 このようなアベ暴走政治の問題点が明確に示され、国民の目に焼き付けられたのが、都議選の直前まで開かれていた通常国会でした。この国会における政府・与党の暴走・逆走とその後も続いた政治や行政の劣化に対する怒りこそが、都議選での自民党の歴史的惨敗という驚天動地の出来事をもたらした最大の要因だったのではないでしょうか。

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7月27日(木) 共謀罪、「森友」「加計」学園疑惑国会の総括と今後の課題(その2) [論攷]

〔以下の論攷は、『学習の友』No.768、8月号、に掲載されたものです。2回に分けてアップします。〕

 アベ政治の退廃と混迷

 通常国会では、アベ政治の退廃と混迷も余すところなく示されました。
 第1に、情報の秘匿と隠ぺいです。行政文書など保管されるべき記録が廃棄されたり、隠されたりしました。南スーダンへの自衛隊PKOの「日報」が隠蔽され、「森友」「加計」疑惑での財務省や文科省、内閣府の情報隠しも大きな批判を招きました。行政の透明化、検証可能性、知る権利の保障という意識も仕組みも極めて劣弱であることが改めて明らかになっています。
 第2に、国連関係者からの懸念や批判です。共謀罪については国連人権理事会特別報告者が懸念を表明し質問してきました。特定秘密保護法についても別の特別報告者が批判し改正を提案しました。日本は国際標準から逸脱しつつあり、国際社会から後ろ指をさされるような「醜い国」になってしまったようです。
 第3に、「安倍一強」体制の下での独裁と強権化です。小選挙区制の導入や内閣人事局の新設などによって官邸支配の体制ができ、国家戦略特区によってトップ・ダウンの政治主導が強まりました。多数党の独裁を生む仕組みができ、三権分立の歪み、総理・総裁や公人・私人の使い分けなどによって「法治国家」から政治・行政・司法が私物化される「人治国家」への変容が生じました。
 第4に、マスメデイアの変質です。一部のメディアで劣化が進み、権力の批判・監視を行う「第4の権力」から権力への迎合・走狗へという機能転換が生じています。とりわけ最大の部数を持つ『読売新聞』が安倍首相の9条改憲インタビューや「加計」疑惑で前川さんの「出会い系バー通い」を報ずるなど、安倍首相によって利用され、報道機関として大きな汚点を残すことになりました。

 今後の課題

 長い間、「安倍一強」と言われるような状況が続き、内閣支持率が安定していました。民主党中心の前政権への失望が大きく、国民は諦めて達観し、安倍政権への期待値が低いから支持率が下がらなかったのです。しかし、異常な国会運営を見て、さしもの国民の「堪忍袋の緒」も切れてしまったようです。
 安倍内閣に対する支持率は軒並み急減し、都議選でも自民党は改選57議席を34も減らし、過去最低の38議席を15も下回る23議席という歴史的惨敗を喫しました。決定的に重要なのは世論と選挙ですが、そこでの質的な変化が生じています。
 「安倍1強」の潮目が変わりました。世論を変えて選挙で決着をつけ、特定秘密保護法、安保法制(戦争法)、共謀罪というアベ暴走政治が生み出した悪法を廃止できるような政府を実現する展望が生まれています。
 その出発点が都議選であり、国政にも大きな影響を及ぼすことになります。17議席から19議席へと善戦健闘した共産党をはじめ、立憲野党の前進を背景に解散・総選挙を勝ち取り、アベ政治の「終わりの始まり」を現実のものにすることが今後の課題です。


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7月26日(水) 共謀罪、「森友」「加計」学園疑惑国会の総括と今後の課題(その1) [論攷]

〔以下の論攷は、『学習の友』No.768、8月号、に掲載されたものです。2回に分けてアップします。〕

 はじめに

 通常国会が閉幕し、直後に都議選が実施され、自民党が惨敗しました。この歴史的な敗北は、安倍首相に都民が「ノー」を突きつけた結果であり、その敗因の一つは国会運営のあり方や国政への批判です。
 共謀罪の構成要件を改めた「テロ等準備罪」法案(共謀罪)の強行採決が象徴しているように、かつてない異常な国会でした。通常国会では、この共謀罪をめぐる与野党の攻防と「森友」「加計」という二つの学園疑惑が焦点だったと言えるでしょう。
 国会での審議を通じての特徴は、政治・行政の劣化とそれへの国民の不信が明確になったということです。情報管理のあり方や国連からの批判、多数党の横暴や行政権の肥大化、マスメデイアの変容など、現在の日本の政治や行政が抱えている問題、アベ政治の退廃と混迷も露わになりました。

 共謀罪法案の成立

 共謀罪は参院法務委員会での採決を省略して「中間報告」を行い、参院本会議で成立しました。会期切れ間際の6月15日の朝のことです。内心の自由を取り締まる法案の内容もそうですが、このような「禁じ手」を用いた強行採決も大きな問題でした。
 確かに「特別な事情のある場合」には、このようなやり方が認められていますが、会期はまだ残っています。延長することもできました。会期を延長しなかったのは「森友」「加計」学園などで追及されたくなかったからです。疑惑追及から早く逃げたいという安倍首相の個人的な都合こそが「特別な事情」だったというわけです。
 この共謀罪の成立は、安倍政権がいかに「凶暴」化し、自由と民主主義を踏みにじろうとしているかを象徴的に示しています。多数なら何でもできるという驕りであり、多数で何でもしてしまうという強引さの現れでもあります。
 安倍政権はテロとオリンピックを口実に、政治・社会運動抑圧のための新たな武器を手に入れました。金田法相が法案の問題点についてキチンと説明できなかった(しなかった)のは、適用段階での拡大解釈の余地を残しておきたかったからではないでしょうか。

 「森友」「加計」学園疑惑

 もう一つの焦点となった「森友」「加計」学園疑惑も、安倍政権のいかがわしさを明確に示しました。政治と行政が一部の人によって私物化されている現状が暴露されたのです。
 「森友」については、籠池泰典前理事長の教育方針に共鳴した首相夫人の昭恵さんが「力になりたい」と考えて「神風」を吹かせ、「加計」では加計孝太郎理事長の30年来の「腹心の友」である「総理のご意向」によって便宜が図られたのではないかとの疑惑が浮かび上がりました。
 昭恵さんを守ったのは、その意を「忖度」して便宜を図った財務官僚ですが、計算違いは籠池さんです。「100万円」の寄付を暴露された腹いせに証人喚問しましたが、「敵」に回したために首相も昭恵夫人も窮地に陥りました。
 他方の「加計」疑惑で安倍首相を守ったのは内閣府です。疑惑追及が「官邸の最高レベル」(おそらく萩生田光一官房副長官)に届かないようにする作戦だったと思われます。文科省(第1の防衛線)は突破されましたが、内閣府(第2の防衛線)でストップさせようとしたのでしょう。
 しかし、「森友」では今井尚哉首相秘書官、「加計」では首相側近の萩生田官房副長官や和泉洋人首相補佐官などの暗躍が疑われています。ここでの計算違いは前川喜平前文科事務次官でした。内部文書は本物で、あったものを無かったことにはできないと言われ、人格攻撃までして否定しましたが、結局は国会を閉じて疑惑を隠すという醜態をさらすことになりました。


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7月22日(土) 都議選結果が示したもの アベ暴走政治は止められる  [論攷]

〔以下の論攷は、『全国商工新聞』第3273号、2017年7月24日付、に掲載されたものです。〕

 国民無視の政治に審判

 驚天動地の結果でした。都議選で現有57議席を34も減らし23議席という歴史的な惨敗を喫した自民党は、まるで地面が割れて地獄に引きずり込まれるような恐怖を味わったのではないでしょうか。
 風に吹かれて舞い上がったのが小池百合子都知事に率いられた「都民ファーストの会」です。現有6から49議席に躍進し、追加公認を含めて55議席になりました。今回ばかりは自民党に入れたくないという「非自民」の手ごろな「受け皿」となったからでしょう。
 このような自民対「都民ファーストの会」という対決構図の下で「埋没」すると見られていた共産党は、現有17を2議席増やして19議席となりました。前回の8から17への倍増に次ぐ2回連続での議席増は32年ぶりのことになります。安倍首相にきつい一発をお見舞いしたいという「反自民・反アベ」の思いを受け止めたからです。

 都民が下した三つの審判

 今回の都議選で都民は3つの審判を下しました。これらが積み重なったから、これまでにないほどの惨敗になったのです。
 第1は、自民党都連が生み出した都政の闇への審判です。石原・猪瀬・舛添という3代の都知事の忠実な「イエスマン」だった自民党と公明党によって都政は支配され、築地市場の移転問題をはじめとした闇は深まるばかりでした。昨年の都知事選のときから高まった都民の怒りは、今回の都議選でも自民党都連に向かったのです。
 第2は、憲法無視、政治・行政の劣化や退廃という国政への審判です。都議選直前まで開かれていた通常国会では「共謀罪」法案への懸念が大きかったにもかかわらず強行採決で幕を閉じてしまいました。このような強引な国会運営や9条改憲の目論み、政治家の不祥事や暴言などの国政上の問題も都議選での大きな争点になりました。
 第3は、忖度の横行や強権化、政治の私物化という安倍首相の政治手法、嘘やごまかしへの審判です。とりわけ「森友」「加計」学園疑惑は、権力者による仲間や友人の優遇、政治・行政の歪みを明らかにし、その中心にいた安倍首相夫妻への不信と怒りを高めました。これにとどめを刺したのが、秋葉原の街頭演説での「こんな人たち」演説だったのではないでしょうか。

 世論と選挙で潮目が変わった

 都議選が実施される前から安倍内閣の支持率は低下し始めていました。通常国会閉幕後の調査では、『読売新聞』で支持率49%と12ポイント減、『朝日新聞』では41%で6ポイント減になっています。都議選での自民党の歴史的惨敗は、このような世論の動向を投票によって明らかにしたものでした。
 その傾向は、都議選後も変わっていません。『読売新聞』の調査では、内閣支持率が36%で不支持率が52%と半分を超えました。『朝日新聞』でも支持率33%、不支持率は47%になっています。2回連続での大幅な減少でした。
 政治運営にとって重要なのは世論と選挙です。その両方で、安倍政権は歴史的な後退を示しています。長い間、「安倍1強」と言われていましたが、潮目が大きく変わりました。さらに追い詰めて、アベ暴走政治の息の根を止める展望が生まれています。

 9条改憲の阻止に向けて

 このような潮目の変化は、9条改憲阻止の可能性も高めています。秋の通常国会で自民党の改憲案を出して来年の通常国会で発議し、自民党総裁選での3選を経て秋の解散・総選挙と同時に国民投票を実施するというのが、安倍首相の目論みでした。
 しかし、政権の「体力」は急速に衰えており、自民党総裁選での安倍3選すらおぼつかなくなっています。8月早々に内閣を改造して目先を変えようとしていますが、うまくいかないでしょう。批判と疑惑の中心には安倍首相本人がいるのですから。
 改憲発議の必要条件は、衆参両院で改憲勢力が3分の2以上を占めていることです。しかし、来年12月には衆院議員の任期が切れます。安倍首相は解散をできるだけ先に伸ばそうとするでしょう。それを許さず、できるだけ早く解散・総選挙に追い込み、衆院での与党勢力を減らすことが必要です。

 アベ政治に終止符を打つために

 世論調査や都議選の結果は、「非・反自民」「反アベ」の声が急速に高まっていることを示しています。適切な「受け皿」さえあれば、政治的な地殻変動を生みだせることも明らかになりました。「安倍1強」を支えてきたのは、人々の諦めだったのです。変えられるという展望を示せば、人々は立ち上がります。
 ポスト真実とフェイクニュースを打ち破り、事実を伝えなければなりません。「森友」「加計」学園疑惑を解明し、政治の信頼を回復することが必要です。モノ言えぬ社会にしないために、委縮することなくモノを言い続けましょう。
 もし、安倍政権が国民の声を無視し続ければ、さらに大きな「ノー」が突き付けられるにちがいありません。解散・総選挙に追い込んで、その機会を早く実現したいものです。そのためにも、中小業者など市民と野党との共闘を推進し、いつ国会が解散されても勝利できるような準備を進めることが、これからの課題です。

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7月12日(水) 「安倍一強」崩したマグマ [論攷]

〔以下の談話は、『東京民報』第1994号、7月9日付に掲載されたものです。〕

 安倍首相に対し、マグマのようにたまっていた都民の怒りが爆発したような選挙結果でした。自民党として過去最低だった38議席以下だけでも「歴史的敗北」なのに、それをさらに15も下回り、底が抜けたような大敗北です。
 「森友」「加計」疑惑にふたをしたままの共謀罪の強行採決、その後も相次いだ議員や首相側近の不祥事に暴言、疑惑隠しなどがありました。都民は「政権の中枢が腐っているのではないか」「首相を信用していいのか」と不信を抱きました。「信なくば立たず」という政治の土台が揺らいだ。これが地殻変動のような惨敗につながりました。
 都民ファーストの会は、こうした不信や「反自民」の手ごろな受け皿となって躍進しました。ただ、ポピュリズム選挙のような強い「追い風」に乗って当選した新人議員が、大阪名古屋で当選した議員のようにスキャンダルを起こさないか、知事へのチェック機能が果たせるのか、有権者の点検や監視が必要です。
 共産党はマスコミが現状維持も難しいと予測するなかで、議席を伸ばしました。ポピュリズム選挙の嵐の中でも、立憲野党が健闘できることを示したといえます。
 「安倍一強」の潮目が変わったことがはっきりと示されたことは、市民と野党の共闘にとって大きな励ましになります。市民と野党の共闘を強め、早く解散・総選挙を勝ち取ることが今後の課題でしょう。

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7月9日(日) いま闘うことは、いちばん良い時代を生きてきた人間の責任(その2) [論攷]

〔以下のインタビュー記事は、『ねっとわーく京都』No.343、2017年8月号に掲載されたものです。聞き手は細川孝龍谷大学教授で、インタビューは6月17日に行われました。2回に分けてアップします。〕

■行政管理情報は国民の財産・知る権利を保障する基本的資産=際立ったずさんさと情報隠蔽

細川 今回問題になった二つの学園疑惑では、首相のみならず昭恵さんも大きな役割を果たしています。

五十嵐 森友と加計、どちらも状況証拠では「真っ黒」です。森友学園の場合、背景には時代錯誤的な国粋主義教育に変えていきたいという共通の思いがありました。教育勅語を暗唱させる籠池さんの教育方針への心情的共感があったのではないでしょうか。そのために便宜を図り特別扱いするという形で動いたのが昭恵さんだったと思います。昭恵さんが5人の秘書役を使って動き、そのことを周りの官僚も知り、意向を忖度して特別扱いをしたということです。昭恵さんを守ったのは財務官僚です。その背景には、消費再増税に向けて恩を売っておこうという下心も見え隠れしています。ですが、ここでの計算違いは籠池さんでした。対応を間違えて「敵」にしてしまったのですから。
 加計学園の場合は利害関係者による便宜供与です。理事長の加計さんは安倍首相の40年来の「腹心の友」で、安倍さんは広島加計学園の監事を務め報酬も受け取っていました。昭恵さんは傘下の御影インターナショナルこども園の名誉園長をしています。新たな条件を加えるように指示を出したと疑惑を持たれている萩生田光一官房副長官は、落選している間、加計傘下の千葉科学大学の客員教授でした。浪人中に救ってもらった恩義があります。萩生田さんは国会で「公的な行事以外では加計孝太郎さんと会ったことがない」と答えていましたが、安倍さんと加計さんと萩生田さんが安倍さんの別荘で缶ビール片手にバーベキューしている映像が報じられました。政権中枢で責任ある人が、これほど平気で嘘、デタラメを言って隠し事をするようなことはかつてなかったと思います。加計問題では首相を守ったのは内閣府でしょう。第1の防衛線である文科省は突破されても、第2の防衛線である内閣府で官邸への追及をストップさせたわけです。ただ、計算違いはメールや内部文書の存在と前川前文科省事務次官で、その結果、政権は追い込まれ、会期延長せず異例の強行採決へと突き進むことになりました。

細川 問題になっている点で言えば、報道や情報管理の在り方も問われています。昨年、いま話題になっている前川前文科省次官がある学会で話されていますが、私は結構見識がある方だなと感じていました。天下り問題で責任をとらされたというのか、自らが辞職されたかたちだと思いますが、この点も真実が見えてきません。

五十嵐 これも行政の劣化ですね。行政関連の文書はできるだけ保管し、その情報をもとに過去の行政の検証ができるようにしておかなければなりません。これは当然のことです。行政関連の情報は国民の財産です。国民の知る権利を保障するための基本的な資産なのですから、これを勝手に処分するのは国民に対する裏切りです。本来、残っているはずの文書の廃棄が、南スーダンPKO部隊の日報をはじめ、いろんなところで起こっています。公文書管理のずさんさと情報隠蔽が際だった国会審議でした。情報管理の在り方に問題があり、行政の透明化という点でも大きな課題を残しました。

■政治を変えられるという期待感を高め、展望を説得力あるかたちで示していくことが重要

細川 いま閉塞感というのか、展望の見えない状況があると思います。少し前になりますが、民主党政権が誕生したときの期待・高揚感以降の国民の意識状況についてはどうでしょうか。

五十嵐 民主党政権に対しては国民の高い期待がありました。ですから、「裏切られた」という失望感も大きかったのです。現在の安倍内閣について国民はほとんど期待していないと思います。ですから、裏切られてもあまり失望しない。若者は特にそうですが、将来に対する希望も見通しも失っているのではないでしょうか。だから、今がいちばん良いと思っているのです。現状維持を望み、現在の安定している状況がいつまでも続いてもらいたいという気持ちがある。これが内閣支持率の高さに反映しているのではないでしょうか。あきらめの気持ちが安倍さんを支えているように思います。

細川 その一方で昨年の新潟県知事選挙にみられるような野党共闘の展望についてはいかがですか。

五十嵐 こうすれば政治を変えられるという期待感を高めていく、またそのような展望を説得力あるかたちで示していくことです。そうすれば、あきらめかけている人たちも、これなら何とかなりそうだと立ち上がる。半分まどろみかけていた人たちも、目を覚ますと思います。目を覚ました若者たちの一部は、安保法制に反対する運動で国会の前に立ちましたし、いまも「未来に対する公共」という新しい組織をつくって運動を続けています。こういう目覚める人たちをどんどん増やしていくことです。そのためには、目に見えるかたちで本当のことを伝えていかなければなりません。格好の武器としてインターネット、SNSフェイスブックやツイッターなどがあります。これで事実を伝えていくことです。先ほどマスコミの問題が出ましたが、メディアを通じて権力は事実を隠そうとする、あるいは偽情報を流そうとしますが、いまはインターネットがありますから長続きしません。すぐに「それは違うよ」とバレてしまいます。隠そうとしても情報の隠蔽は難しい。国民の知る権利を具体化していく上で、こういった手段を活用していくことは非常に重要だと思います。文書も日報もパソコンでつくりますから、データとして残ります。新しい技術的条件が、一面では情報隠蔽や偽情報を流すために使われますが、他面ではそれを覆して事実、真実を明らかにしていく役割を果たしています。これらを武器として活用することは、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。

■権力を監視する、委縮せずどんどんモノを言う、悪法廃止に向け政権交代をめざす

細川 共謀罪が成立し、7月には施行されます。共謀罪が通ったもとでいかに運動を展開していくのか。戦争法は重大な問題ですが、それに比べても共謀罪は日常生活に関わってくる問題です。今後、共謀罪の廃止を求めてどのように運動していくのか、重要と思われる点をお聞かせください。

五十嵐 共謀罪の審議では曖昧で明確な答弁がなされませんでした。何を考え、何をしたら捕まるのかよく分からない。これは意図的に曖昧にした面もあると、私は考えています。つまり、拡大適用できるようにするためです。それをまず抑えることです。拡大適用して個人や団体、運動などを取り締まるために使われないように、あるいは国民を監視して萎縮させないようにすることです。権力によって監視されるのではなく、権力を監視することがこれからの第一の課題です。第二はモノ言えない社会を作らないということです。そのために私たちはどんどんモノを言っていかないといけない。萎縮させようとしている相手に対して、萎縮していては話になりません。どんどんモノを言うことでモノを言えない社会づくりに風穴を開けていく。市民運動を取り締まろうとする動きに対しては、逆に運動を活性化し活発化することで反撃する。三つめはこのような誤った法律は廃止する必要があります。廃止できるような議会構成をつくらなければなりません。究極的には政権交代です。これは戦争法廃止という点でもそうです。特定秘密保護法、戦争法、そして今回の共謀罪など、安倍暴走政治、逆走政治によって制定されてきた悪法が多くあります。昔の日本を取り戻すような悪法をなくせるような新しい政府をつくることが、これからの課題だと考えています。次の総選挙で与党を敗北させ政権交代を実現することが必要です。

細川 いまのお話を伺っていて3点目はすんなり思っていましたが、法の拡大適用を許さない、運動をもっと活発化させていく点について言えば、すごく頭が整理された気がします。それがないと、確かにどんどん押し込まれてしまいます。

五十嵐 萎縮させようと思っているのにこちらが自主規制すれば、安倍首相の思うつぼです。自主的な運動を活発化させることが相手の思惑、意図を打ち砕くことになります。恐れずに発言し行動していきましょう。

細川 今号は大学特集ということで、学生とその親世代に対するメッセージを兼ねて、ひとことおっしゃってください。

五十嵐 未来に生きる若者こそが、いまの政治の在り方に対してもっとも発言しなければなりません。この政治が生み出す結果に対して大きく制約され、未来が左右されるのはまさにいまの若者たちです。当たり前の働き方をして当たり前の生活が普通に送れるような社会ではなくなってきていますから、これをもとに戻すこと、自由で民主的で平和な社会をめざすことです。あの廃墟となり荒廃した戦争直後の時期から、これほどの経済大国と言われるところまで再建してきたわけですから、これをきちんと次の世代に手渡していくことが必要です。そういった自由、民主主義、平和を子どもたちや孫たちも享受できるように守り次の世代に伝えていく、手渡していくことが、いまを生きる人たちの責任ではないでしょうか。振り返ってみると、現在の「団塊の世代」と言われる人々は日本の歴史のなかでもいちばん良い時期を過ごしてきたと言えます。まれにみる経済成長で豊かになり、今世紀に入った頃にはもう物質的な豊かさは達成された、あとは心の豊かさだとまで言われるようになりました。最近では、安倍首相の逆行で徐々に失われてきていますが、これをストップさせて次の世代に引き継いでいく責任があると思います。そうでなければ「食い逃げした」と言われますよ。「ご馳走」を食い逃げしてはいけない。次の世代にも味わってもらわないと。そのためにいま闘うことは、私を含めていちばん良い時代を生きてきた人間の責任じゃないかと思います。

細川 きょうは、ありがとうございました。

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7月8日(土) いま闘うことは、いちばん良い時代を生きてきた人間の責任(その1) [論攷]

〔以下のインタビュー記事は『ねっとわーく京都』No.343、2017年8月号に掲載されたものです。聞き手は細川孝龍谷大学教授で、インタビューは6月17日に行われました。2回に分けてアップします。〕

■自己都合による強行採決、テロとオリンピックを口実に運動抑圧の武器が欲しかった安倍自公政権

細川 私は専門が経営学ですから、きょうのテーマに少しそぐわないかと思うところもありますが、大学の在り方や教職員、学生の未来に大きな影響をもたらす現在の政治の大きな動きを中心に少しお聞きしたいと考えています。まず共謀罪についてですが、法律そのものの問題もさることながら、政治の劣化という問題もあります。そのあたりをどのように見ておられますか。

五十嵐 今回の通常国会全体を通して、政治・行政の劣化がここまで進行しているのかという危機感を持ちました。ひどい状況が露わになったと思います。同時に、そのことへの国民の危機感や不信も広がってきました。安倍首相は外国に行くと、自由と民主主義、法の支配という共通の価値観を口にしますが、それがこの日本では失われつつあります。与党による強権と独裁、行政権の肥大化と歪曲を生み出す仕組みができてしまいました。そうなった根本的な原因は大政党が有利になる小選挙区制にあります。このような選挙制度の導入から始まって、いまや内閣人事局による官僚支配、国家戦略特区による政治介入、内閣府と官邸の肥大化、三権分立の歪み、総理と総裁、公人と私人の使い分けなど、政治はどんどん劣化し続けています。その背後には日本会議という極右集団の支配が存在することも指摘しておかなければなりません。

細川 今回、民主主義や人権の問題もあると思いますが、一方で国会末期のところでは強引な運営が目立ちました。このあたりはどうですか。

五十嵐 多数の横暴と言われますが、究極の強行採決です。本会議での中間報告というかたちで委員会採決を省略し、強引に共謀罪を成立させてしまいました。これは会期を延長したくないからです。安倍首相は加計学園疑惑を追及されるのが嫌だった。しかも、都議選が控えていますから、これにマイナスになるようなことは避けたい。自己都合による強行採決です。運動抑圧の武器がよほど欲しかったのでしょう。テロとオリンピックを口実にすればそれができると。特に、公明党は都議選に影響することを恐れたと言われていますが、そのために議会制民主主義の基本である熟議が損なわれた。特に加計学園疑惑では、国民の前で説明する、真相を明らかにするなど、納得を得るための努力がまったくなされませんでした。国会の歴史に大きな汚点を残したと言えます。本来監視されるべきは国民ではなく、多数を背景に驕りと強引さで突き進む安倍政権と公明党です。

細川 維新の会の役割は、どのようにみたらよいのでしょうか。

五十嵐 維新の会は与党以上にひどい役割を果たしています。今回のような強引な議会運営を行えば批判は与党にいきますが、野党の一部がそれに手を貸せば批判を和らげることができます。一種の「風よけ」です。与党専制に対する言い訳の手段として政権に利用されました。共謀罪の審議では、衆議院の法務委員会で維新の会の議員が討議打ち切りを提案して採決を強行したことも大きな問題を残しました。参議院で維新は質問の途中で問責決議案が出されたと文句を言っていますが、そうしなかったら審議打ち切り動議を出すつもりだったんじゃないでしょうか。野党のなかに送り込まれた与党の「スパイ」のようになっている。野党の在り方としては大いに問題があります。

■マスコミに対しても、読者・視聴者は「主権者」としての力を発揮することが重要

細川 いまの日本の在り方は、国際社会からはどのように映っていると見ておられますか。例えば国連人権理事会の特別報告者が共謀罪について懸念を表明していますが…

五十嵐 これは今までなかったことです。国際社会と協調してテロを取り締まるために共謀罪を制定しようとしているのに、当の国際社会から、これは危ない、こんな法律をつくったらプライバシー保護や報道の自由などの点で大きな問題が生ずると言われたわけです。国際社会から後ろ指を指されるような国に、安倍首相は日本を変えてしまいましたね。「美しい国」と言いながら「醜い国」にしてしまったんじゃないかと思います。

細川 国際社会との関係でみると、日本はマスコミの自由度が減ってきていると指摘されていますが、首相の動向などからみてもしょっちゅうマスコミトップと会食しています。

五十嵐 「寿司友」と言われていますからね。マスコミは安倍応援団と安倍さんを批判する側の二つに分かれています。しかも、安倍応援団のほうが大きな力を持っている。とりわけ『読売新聞』とNHKです。NHKの報道は国民に伝えるべき公共放送としての取捨選択がなされていない気がします。どうでもよいようなニュースが優先される。国会審議が放映されない。経営委員会に安倍さんの友達を入れたりして、籾井前会長以来のさまざまな介入の「成果」が生まれています。『読売新聞』の方は完全にジャーナリズムとしての矜恃、誇りを失ったのではないでしょうか。ここまで安倍さんに利用され、都合良く使われていることに対して、読売の良心的な記者は歯ぎしりして悔しがっていると思います。他方では、菅官房長官に嫌がるような質問を繰り出した『東京新聞』社会部の記者もいます。ところが、その記者に対して記者クラブの側が抗議しようとしたそうです。いったいどちらの側に立っているのでしょうか。そもそもマスコミは「第4の権力」と言われますが、それは権力を監視し牽制する力を持っているからです。『読売新聞』はその力を放棄してしまいました。それでなくても、日本は報道の自由度ランキングでは72位で、G7構成国では最下位ですからね。

細川 そうは言いながらも、マスコミが果たす役割は大きいと思います。私たちはどうマスコミを変えていくのか、どう向き合っていくのかといったあたりは?

五十嵐 やはり読者あってのマスコミです。大きな力を持っているのは、新聞・雑誌などでは読者ですし、テレビでは視聴者です。例えば『週刊文春』などは読者の質が変わってきています。安倍批判を書けば売れる、そうなればさらに批判報道に力を入れるという循環が生まれます。マスコミには読者・視聴者の反応に敏感に反応するという特性があります。良いものを評価し、良くないものに対しては批判する。読者や視聴者からの意見を伝えていくことが大切です。良くないものは見ない、悪いものは読まない、買わない。こういうスタンスで「第4の権力」に対しても、読者・視聴者は「主権者」としての力を発揮することが重要です。

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