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9月3日(土) 北朝鮮に対するミサイル防衛(MD)は無駄だとなぜ言わないのか [軍事]

 今日の『毎日新聞』の社説は、北朝鮮に対するミサイル防衛(MD)について取り上げています。その主張は表題通り、「ミサイル防衛 増強しても限界はある」というものです。
 しかし、問題は「限界」があることではありません。そもそも北朝鮮に対するミサイル防衛(MD)は不可能であり、発射されたら「お手上げ」なのですから、そのための予算も装備も全く無駄だと、なぜ言わないのでしょうか。

 防衛省の予算は「5年連続の増額要求で、弾道ミサイル防衛の増強に力を入れたのが特徴」であり、「ミサイル防衛の強化は必要だが、どれだけ強化しても北朝鮮がその裏をかくようなミサイル技術を開発する可能性はあ」り、「際限のない競争になりかねない」し、「厳しい財政事情を考えれば、ミサイル防衛の増強にもおのずと限界がある」から、「軍事面だけでなく、外交的手段との組み合わせで対応するしかな」く、「日本の国力に見合ったミサイル防衛のあり方について、国会で徹底的に議論する必要がある」というのが、この社説の趣旨です。
 何という、腰の引けた主張でしょうか。ミサイル防衛(MD)は必要だが、カネがないから国力に見合ったものにするべきだというわけです。
 どうして、「そんなものは無駄だからカネをつぎ込むのは反対だ」と書かないのでしょうか。軍事的に対応するのは不可能であるばかりか間違いで、唯一の解決策は外交的手段しかないのですから。

 そもそも、日本は北朝鮮に近すぎます。この点で、遠く離れているアメリカなどとは決定的に異なっています。
 近いから、もし北朝鮮がミサイルを発射すれば7~8分で着弾します。それも、迎撃ミサイルが待ち構えているところに向けて発射されるとは限らず、日本海側に並んでいる原発が狙われるかもしれません。
 これをどうやって、撃ち落とすのでしょうか。移動式であれば、どこからいつ発射されるか分からないものを。

 毎日新聞の社説も、「その対策が効果的なものなのか、慎重に検討する必要がある」として、「2段構えをとっている」「日本のミサイル防衛システム」について説明しています。「まず、イージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)で、高度100キロ以上の大気圏外で迎撃する。そして、失敗した場合に、地上配備型の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で、高度十数キロの大気圏内で撃ち落とすという態勢だ」というわけです。
 これに対して、「北朝鮮が移動式発射台から前兆なくミサイルを撃つため、兆候を把握しにくくなっていること」、「北朝鮮がミサイルを通常の軌道よりも高く上げて近くに落とす撃ち方を始めたこと」で「この方法で日本に撃たれると、高く上がった分だけ落下速度が増し、今のシステムでは迎撃は難しくなる」という二つの問題点を指摘しています。
 いずれも、対応する時間が十分にあるという前提での議論ですが、そんな時間はありません。発射されてから着弾するまで10分以下しかないのですから。

 この「時間の壁」を突破できるということが証明されない限り、MDについての議論は荒唐無稽なものとなります。しかも、発射台に設置されたロケット以外では、これまでミサイル発射の事実が10分以内に確認されたことは一度もありません。
 そのような情報が確認されるのは、何時間も経ってから韓国を通じてというのが通例です。これで、どうしてミサイル発射に対応できるのでしょうか。
 もしそれが可能であったとしても、迎撃ミサイルよりも多くの数が発射されれば対応できず、射程距離以外には届かず、届いたとしても速度の速いミサイルを撃ち落とすのは技術的に難しく、日本国内で破壊すれば残骸が国土の上に降り注ぐことになります。これらの問題を解決できるのでしょうか。

 しかも、この社説が指摘しているように、「どれだけ強化しても北朝鮮がその裏をかくようなミサイル技術を開発する可能性はある。際限のない競争になりかねない」というのが現実です。そして、すでにこのような無益な「競争」は始まっています。
 北朝鮮がミサイル発射実験を繰り返し、それに対抗するということで韓国はTHAAD(高高度防衛ミサイル)を配備しようとしています。米韓両軍による合同軍事演習も行われ、それへの対抗として北朝鮮は潜水艦発射ミサイル(SLBM)の発射実験を行い、さらに、それへの対抗措置として自衛隊隊がMDの開発・配備のための多額の防衛予算を要求しているというのが現状です。
 このような軍拡競争によって軍事的緊張は激化し、不穏な情勢が高まり、日本の安全度が低下し続けていることは明らかです。必要なことは、それをさらにエスカレートさせるのではなく、逆転させることではありませんか。

 そのためには、無駄なMD構想などで国民に幻想を持たせず、外交的手段しか解決策がないことを明言しなければなりません。北朝鮮を軍事的に挑発することのないように韓国やアメリカに進言し、直ちに直接対話に応ずるようアメリカに要求するべきです。
 また、韓国との関係を改善して連携を強めることも必要であり、広島を訪れたオバマ大統領と同様に、安倍首相は従軍慰安婦問題の解決のために訪韓してナヌムの家を訪問し、元慰安婦の方とハグするぐらいの行動をとるべきではないでしょうか。安倍首相としてはやりたくないことでしょうが、極東の平和や国の安全のためにこれくらいの行動をとることができなければ一国の指導者とは言えません。

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10月3日(土) 「海外で戦争する国」づくりに向けて着実に進む具体化 [軍事]

 「海外で戦争する国」づくりに向けて、次々と手が打たれてきています。これが、「普通の国」の普通の姿なのでしょうか。

 このような国づくりは、システム、ハード、ソフトの面で総合的に進められています。そのうち、この間の重点はシステムを作ることでした。
 その中心にあったのは戦争法制の整備です。この課題は戦争法の成立と公布によって、ひとまず達成されました。
 このシステムづくりを確かなものとするために、憲法9条を葬り去ろうとするでしょう。「海外で戦争する国」となっても、今後も執拗に憲法の条文そのものを変えることが目指されるのは、そのためです。

 「海外で戦争できる国」づくりのための次の課題は、システムの作動を具体化するためのハードとソフトの整備です。10月1日に防衛装備庁が発足しましたが、これもハード整備の一環だと言えます。
 武器技術の研究・開発や調達と輸出を一元的に管理することによって、軍需産業を育成しつつ輸出増につなげながら武器のコストを下げて自衛隊の装備を高度化しようというわけです。こうして、経済成長のために武器の輸出促進が目的とされ、日本は正真正銘の「死の商人」国家への道を歩み始めることになります。
 こうして日本は、軍備管理・軍縮を目指す国としてのあり方を転換する方向を選びました。「経済大国」でありながら「軍事大国」にはならないという世界史的実験を放棄することになったのは誠に残念です。

 同じ10月1日、米原子力空母ジョージ・ワシントンの後継として、ロナルド・レーガンが横須賀基地に入港しました。海上自衛隊の最新鋭ヘリ空母「いずも」が先導しての入港です。
 原子炉2基を動力源としており、水素爆発を起こした福島第1原子力発電所の1号機に匹敵する出力があると見られています。首都近くの洋上に原発が浮かんでいるようなものでしょう。
 横須賀基地には、米海軍のイージス艦3隻が追加配備される計画もあるといいます。沖縄の辺野古での新基地建設と同様に在日米軍基地の強化であり、米軍とともに「海外で戦争する国」になるための準備活動の一環にほかなりません。

 「海外で戦争できる国」づくりに向けてのソフト面の整備も着々と進められてきました。それは「戦争できる社会」づくりと「戦争できる人」づくりの両面で進行中です。
 そのために狙われてきたのがマスコミと教育でした。NHKのニュースが「安倍チャンネル」に変わってしまったことや戦争を肯定し賛美する育鵬社版の教科書を採択させようとする動きが強まっていることは、このような社会と人づくりの一環にほかなりません。
 人づくりといえば、福山雅治さんと俳優の吹石一恵さんの結婚について「この結婚を機に、ママさんたちが一緒に子供を産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれたらいいなと思っています。たくさん産んで下さい」という菅官房長官の発言もありました。「戦争できる人」としての兵士を供給するために「産めよ増やせよ」という戦前の発想そのものではありませんか。

 戦争法の整備は「海外で戦争する国」づくりの重要な部分ではありますが、その一部でしかありません。そのような国を作るために具体化が図られようとしている全体の姿をきちんと見ておく必要があります。
 このような総合的な動きの全体を阻止するためには、戦争法を廃止させるとともに、安倍政権を倒して新しい政府に取り換える必要があります。そのためにも、野党の連携・協力によって何としても「国民連合政府」を実現しなければなりません。

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