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10月3日(木) 消費増税8%の本質は庶民増税・企業減税にほかならない [消費税]

 「生活が大変になる」と、マスメディアは大騒ぎです。安倍首相が来年4月から5%の消費税を8%に引き上げることを最終的に明らかにしたからです。

 消費税が3%引き上げられれば8兆円の負担増になるといいます。しかも、今までのように減税と抱き合わせということではなく、今回は純粋の増税になりますから国民の負担感はさらに大きなものになるでしょう。
 「だから、あの時反対すべきだったんじゃないか」と言いたくなります。消費増税に賛成し、それを焚きつけたマスメディアは自らの罪の大きさを反省するべきでしょう。
 「でも、総選挙と参院選の2回の国政選挙で承認されたのではないか」と言いたい人もいるでしょう。しかし、この消費増税問題は、民主党に対する懲罰(総選挙)やアベノミクスへの期待感(参院選)などの陰に隠れ、マスコミが「ねじれ解消」を騒ぎ立てたために、参院選でも十分な争点にはなりませんでした。

 今回の消費増税そのものは、昨年夏の3党合意によって決まっていました。ですから、本来の責任は、増税に合意した野田前総理と谷垣前自民党総裁、それに山口公明党代表にあります。
 しかし、安倍首相はその路線を踏襲することなく、今回、60人からの有識者の意見を聴取したうえで最終的に8%への引き上げを決断し、10月1日夜の記者会見で正式に発表したわけです。もともと安倍首相は消費増税に積極的な「財政再建派」ではなく、経済成長による税収増を重視する「上げ潮派」に近かったため増税には消極的で、消費増税によって景気が腰折れすることを恐れていたからです。
 今回の安倍首相の決断によって、消費増税は「野田増税」から「安倍増税」に性格を変えたと言って良いでしょう。もし、増税によって景気回復が遅れ、デフレから脱却できなかったとしたら、その責任は安倍首相が負うことになります。

 それにしても、奇異なことです。今回の消費増税は「税と社会保障の一体的改革」だったはずなのですから……。
 それがいつの間にか、経済成長のための消費増税へと大きく変質してしまいました。増税の目的であった財政再建や社会保障の充実は、一体、どうなってしまったのでしょうか。
 財政は再建されるどころか、5兆円の経済対策とセットになったため借金が増え続けることになります。社会保障は充実されるどころか、年金など切り下げられる部分もあり、利用者の負担が増えます。

 それだけではありません。5兆円を超える経済対策には被災地の災害復旧だけでなく東京五輪に対応する交通・物流ネットワークの整備なども組み込まれ、バラ撒き型の公共事業が目白押しです。
 また、経済対策を名目にした法人減税が押し込まれ、復興法人税の1年前倒し終了やその後の法人実効税率の引き下げという企業減税が組み込まれています。今回決定された消費増税8%の本質は、庶民増税・企業減税にほかならないと言うべきでしょう。
 安倍首相は記者会見で「法人対個人という考え方を私はとらない。企業収益が伸びていけば、雇用が増え、賃金が増えていけば家計も潤う」と強調しました。しかし、いずれも「……すれば」という仮定の話にすぎません。一体どこに、そうなるという保障があるのでしょうか。

 今回の決定に際して、安倍首相は財務省や自民党の税制調査会、公明党などの抵抗や反発を抑え込むことに成功したようです。しかし、世論の反発を抑え込むことはできるのでしょうか。
 このようなあからさまな庶民増税・企業減税が国民の理解を得られるのでしょうか。消費増税の是非をめぐる攻防は、来るべき臨時国会での大きなテーマとなるにちがいありません。

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8月11日(土) 「一体改革」という「改革(リフォーム)詐欺」によって消費増税関連法は成立したけれど [消費税]

 ロンドン五輪の喧噪の陰に隠れて、いつのまにか消費増税関連法が成立してしまいました。こんなに多くの人が批判し、国民の多数が反対しているのに……。

 今日の『朝日新聞』を見て、呆れてしまいました。2面と3面に、「伸びぬ税収 歳出拡大」「財政再建 険しい道」「思い重税 細る家計」「節約生活 次は消費税」「地方・企業も深刻」「社会保障の充実 限定的」「給付抑制の議論 再浮上も」、8面には「課題、山積みのまま」「公共事業に転用の恐れ」「買い控えで景気悪化も」「低所得者対策は先送り」、9面にも「保険料含め年30万円負担増」「所得低いほど家計に影響」という見だしが並んでいたからです。
 今回の「一体改革」には、これだけの問題があることを『朝日新聞』も認めているのです。それなのに、どうしてこれを支持し、その成立を焚きつけてきたのでしょうか。
 なぜ、「民主、自民の2大政党が、与野党の枠を越え、難題処理にこぎつけたことをまずは評価したい」(社説「一体改革成立 『新しい政治』の一歩に」)などと書くのでしょうか。民自2大政党の密室談合と合意によって議会制民主主義が破壊され、「新しい」「難題」が生み出されたというのに……。

 財政赤字を放置すれば「将来にツケを回す」ことになるのは明らかですが、ここまで赤字を拡大させたのは自民党の利益誘導型バラマキ政治ではありませんか。その尻ぬぐいを国民にさせようという魂胆が間違っています。
 税収を増やして借金を減らさなければならないこともハッキリしていますが、それがどうして消費税の増税ということになるのでしょうか。支払い能力のある金持ちや大企業への増税という「応能負担」によって庶民増税を避けなければ、家計と中小企業は大打撃を被り、ますます景気は悪くなって税収は減り、将来へのツケを増やすことになってしまうでしょう。
 今日の『日経新聞』1面のコラムは「再生への一里塚」という表題になっていますが、実際には日本経済の「崩壊への一里塚」となる可能性が高いのではないでしょうか。かつて、3%から5%への消費増税と9兆円の負担増によって税収の伸びが抑えられ、景気が低迷して「失われた20年」となってしまったように……。

 しかし、消費増税法が成立したからと言って、それで増税の実施が正式に決まったわけではありません。増税を阻む手段は、まだ残っています。
 第1に、増税法の付則には「経済成長率で名目3%、実質2%を目指す」という「景気条項」があります。この経済成長率は過去10年間で一度も達成されていませんから、この「条件」をクリアーするのは簡単なことではないでしょう。
 第2に、増税に反対する民意を示し、反増税政権を生み出すチャンスが必ずあります。「近いうちに」実施されるはずの解散・総選挙、来年の夏には必ず実施される参院選で反増税の民意を明らかにし、増税の閣議決定を阻止したり、増税停止法を成立させたりすることが可能です。

 そして何よりも、その実施が近くなれば、消費増税の問題点は今以上に明らかになり、反対世論はさらに大きなものとなるでしょう。そのためには、これで諦めてしまうのではなく、消費増税反対運動をさらに大きく盛り上げることが必要です。
 来るべき総選挙は、消費増税阻止のための「関ヶ原の決戦」となることでしょう。この国会で消費増税に反対して内閣不信任決議案を提出した野党6党は、手を携えてこの「決戦」に備えてもらいたいものです。

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7月2日(月) 日本をマインドコントロールしようとしている「ザイム真理教」の脅威 [消費税]

 恐るべき「妖怪」が、日本を徘徊しているように見えます。政党と政治家、財界とマスコミ、多くの国民をマインドコントロールしてしまった「ザイム真理教」という「妖怪」が……。

 「オウム真理教」とは異なって、「ザイム真理教」は新興宗教ではありません。宗教ではありませんから、教祖もいないし、教典もありません。
 しかし、人々の心の奥深くに入り込んでその心理と行動を左右します。このような洗脳ないしはマインドコントロールによって、人々は自ら進んで破滅の道に入り込もうとしています。
 その先頭に立っているのが、財務相時代に洗脳されてしまった野田首相であり、谷垣自民党総裁であり、参院選前に消費増税10%と口走って大敗を招いた菅前首相です。まるで、笛の音でおびき寄せて子供たちを連れ去ってしまった「ハーメルンの笛吹男」のように、人々を増税へとおびき寄せ、とんでもない世界に連れ去ろうとしているわけです。

 人々が連れて行かれようとしている世界は、一体、どのようなものなのでしょうか。『東京新聞』6月29日付には「増税で暮らし重症化」という記事が出ていて、次のように書いていました。

 これで消費税が引き上げられれば家計の負担増は2016年時点で11年と比べて年間10万円以上となり、人々の生活は一層苦しくなる。長引く景気低迷とデフレにあえぎ、無駄も削減できない現状は、人の体調にたとえれば「肥満と血流低下に苦しむ慢性疾患」の状態だ。この症状のまま消費税増税という重荷を背負うことになれば、人々の暮らしや日本経済の重しとなりかねない。

 「家計負担」の増大についても、次のように指摘しています。

 社会保障と税の一体改革法案が参院に送られ、消費税増税議論に注目が集まるが、今後増えていく負担は消費税だけでない。今後次々に導入されるさまざまな増税項目が家計にのし掛かる負担増は全体でどれだけになるのか。民間シンクタンクの試算をもとに、年収ごとの影響を探った。

 というわけで、下のような「試算」が掲載されています。大和証券が試算した消費税10%時の家計の負担増は、消費税の引き上げ、消費税以外の税負担増、社会保障関連の負担増を合計していくらになるでしょうか。

○どちらか一方が働く夫婦と子供2人の場合
 年収300万円   24万9800円
 年収500万円   32万8900円
 年収800万円   43万1200円
 年収1000万円  61万6800円
 年収1500万円  75万8200円

○共働き夫婦と子供2人の場合
 年収800万円   44万8700円
 年収1000万円  52万6600円
 年収1500万円  70万3200円

 つまり、どの年収階層でも、ほとんど1ヵ月分近くの収入が消えることになります。これが、消費税が10%になる2016年の現実なのです。
 低所得者層には、それなりの対策を行うとされていますが、その内容は未定です。その場合でも、50~70万円もの負担増となる年収1000万円以上の中間層は対象になりません。
 「ザイム真理教」に洗脳された人々の目には、この現実が目に入らないのでしょうか。このような負担増を受け入れるかどうかが、今、問われているというのに……。

 その結果、『東京新聞』が指摘するように、家計の負担は増え、人々の暮らしは苦しくなり、日本経済の重しとなって財政収入の低下をもたらすことでしょう。ますます景気は低迷し、国家財政の赤字は増え、社会保障サービスは低下あるいは不安定化し、不景気と収入減を繰り返す「悪魔のサイクル」に落ち込んでしまうに違いありません。

 「オウム真理教」の麻原彰晃こと松本智津夫は、すべての魂を救済するとして日本支配を夢見て毒ガスのサリンを撒き、多くの人々に災厄を与えて犯罪者となりました。他方、「ザイム真理教」の野田首相は、財政再建を夢見て消費増税を強行し、多くの人々に重荷を負わせて日本経済を破壊することになるでしょう。

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6月8日(金) 国民不在の談合による政治決着は許されない [消費税]

 民主・自民・公明3党による、消費税増税法案などについての修正協議がスタートしました。他の野党を抜きにした舞台裏での談合であり、このような形での政治決着は許されません。

 民自公3党は6月15日までの取りまとめを目指していますが、社会保障分野で意見の隔たりは大きく、協議は難航するとみられています。特に、民主党がマニフェストで掲げた最低保障年金や後期高齢者医療制度の廃止などをめぐって、民自両党の意見の隔たりには大きなものがあります。
 野田首相は、G20出席のためにメキシコに向かう前日の15日までに、消費増税法案の衆院通過を図りたい考えですが、充分な時間がありません。協議がまとまるかどうかは微妙なところです。
 唯一、可能な方法は、社会保障分野での協議を先送りすることです。一部で提案されている「国民会議」などを設置して社会保障改革については1年かけて議論しようという案がこれに当たります。

 そうなれば、消費増税法案だけを先行決着させることができます。しかし、これには2つの障害があります。
 一つは、民主党幹事長の輿石さんです。輿石さんが、このような形でまとめるように動くでしょうか。
 もう一つは、民主・自民両党の内部がこの線でまとまるのかということです。今でも、民主党の幹部は「社会保障分野で合意しないまま、消費税増税法案の採決をすることはあり得ない」と話しており、自民党の若手も解散・総選挙を先送りすることになるような決着を受け入れないかもしれません。

 3党の協議がまとまったら、民主党も自民党も、それぞれの党内で了承する手続きを取ることになっています。社会保障改革の先送りと消費増税の先行決着で合意されたとしても、両党内が紛糾することは避けられません。
 そうなれば、輿石さんの思うつぼです。衆議院での採決自体を先送りし、通常国会を延長せずに会期を閉じてしまうかもしれません。
 そのような動きが見えたら、自民党は野田首相の問責決議案か内閣不信任案を出すでしょう。逃げる輿石、追う自民党という構図になります。

 この時、陣頭指揮に立つはずの野田首相はメキシコに行っており、そこから事態の推移を見守ることになります。しかし、地球の反対側から、日本の政局が良く見えるのでしょうか。
 メキシコから帰ってきたら、自らの「政治生命」が風前の灯になっていることに気がついて愕然とするかもしれません。もし、そうなったにしても、それは他の野党や国民を蚊帳の外に置いた談合政治への当然の報いだと言うべきでしょう。
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6月6日(水) 国民は消費増税のウソに気づき始めたのか [消費税]

 興味深い世論調査結果が報道されていました。今日の『朝日新聞』です。

 それによれば、野田内閣の支持率は27%だそうです。驚きました。
 その「低さ」にではなく、「高さ」にです。まだ、野田内閣を支持している人が3分の1弱もいるなんて?
 おまけに、前回調査より1ポイント増えたというのですから、呆れてしまいます。このような国民だから、簡単に騙されてしまうのかもしれません。

 しかし、興味深いのはこちらの方ではなく、もう一つの消費増税について聞いた方の回答です。消費増税法案を「今国会で成立させるべきだ」という人は17%にとどまり、「成立にこだわるべきではない」という人は72%に達したというのです。
 法案への賛成も32%にすぎず、反対は56%だと言うではありませんか。消費増税法案に反対が57%だという『毎日新聞』の世論調査の結果と、ほとんど一致しています。

 このほか、消費増税法案に賛成の人でも「今国会で成立させるべきだ」は48%、「成立にこだわるべきではない」は44%と意見が分かれました。
 自民党との修正協議を進めることについても、賛成41%、反対42%と伯仲しています。さすがに、民主支持層は62%対28%で、自民支持層では51%対37%と賛成が上回りました。しかし、無党派層では32%対45%と、反対の方が上回っています。

 野田首相のウソに気づき始めた国民も増えてきているということでしょうか。税と社会保障の一体改革なんて、徹頭徹尾、ウソだらけなのですから……。
 「一体」と言いながら、今、衆議院で採決がめざされているのは消費税率の引き上げに関連する法案です。消費増税だけが先行していて、どこが「一体」なのでしょうか。
 まあ、それも当然と言えば当然なのです。そもそも、社会保障改革は、消費増税を国民に受け入れさせるための方便にすぎなかったのですから……。

 その社会保障改革もウソです。いまだ「改革」の全体像は不明ですが、これまでに明らかにされている内容は社会保障サービスの切り下げが主で、とても「改革」の名に値するものではありません。
 しかも、自民党はそれについてさえ、最低保障年金などマニフェストを撤回せよと迫っています。自民党との消費増税談合に走る野田首相は、これに屈服して受け入れるそぶりを見せています。
 結局、民主・自民の談合によって実現するのは、消費税の引き上げと社会保障サービスの切り下げということになるでしょう。一体、これが「一体改革」などと言えるのでしょうか。

 消費増税によって財政赤字が解消されるかのように説明されているのも、真っ赤なウソです。財政赤字は1000兆円とされていますから、消費税を5%引き上げても13.5兆円の税収増で「焼け石に水」にすぎません。
 しかも、消費増税による増収分は、本来は増え続ける社会保障財源に回すためのものです。もし、財政赤字の穴埋めに使えば、「消費税は社会保障に」という一体改革の方針に反し、目的外使用ということになるでしょう。
 そのうえ、消費増税による負担増はデフレの下で被災に打ちひしがれている国民生活を直撃し、税収全体を大きく減少させる可能性があります。そうなれば、財政赤字はもっと増えることになります。

 ここに指摘したウソは、マスコミの記者なら当然知っているはずの事柄ばかりです。そのことを知りながら、野田政権のウソを拡散しているマスコミは、野田政権と同罪だと言わなければなりません。
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4月3日(火) 社会保障改革のための増税は所得の再分配に役立つものでなければならない [消費税]

 「成長と財政再建で大連携を」
 このような表題の下に、『日経新聞』4月2日付で岡部直昭客員コラムニストは、またも「政府、与野党、そして日銀は脱デフレの名目成長目標を共有し、地球規模の成長戦略と財政再建で大連携するときである」と主張しています。だから、消費増税を、というわけです。
 昨日のブログで指摘した「将来へのツケを減らすための消費増税」というペテンの典型だと言ってよいでしょう。

 消費増税は財政再建を目的としたものではなく、社会保障改革のための財源を賄うためだとされているからです。しかも、長期にわたるデフレの下、阪神大震災で打ちひしがれ、復興増税の負担を強いられ、TPPによって外国からの攻勢にさらされようとしているこの時、消費増税は中・長期的には景気の悪化を招く可能性の方が大きく、税収増ではなくさらに財政を悪化させるにちがいありません。
 そのうえ、消費税の税率アップによる社会保障改革については、「そもそも社会保障の財源に充てるために消費税を引き上げるのが適切なのか」という大きな論点があります。これは、『東京新聞』4月1日付の社説「なぜ消費税引き上げなのか」が提起している問題でもあります。
 この社説は、「増税分を社会保障に回すのはもっともらしく見えます」としながら、次のように反論しています。

 「しかし、社会保障が『政府の所得配分』機能そのものである点を踏まえれば、その財源も所得再配分にふさわしい税目によって賄われた方が望ましい。それは所得税や法人税です。
 高所得者により重い負担を求める累進構造を備えた所得税や利益を出した法人に課す法人税を財源に、政府が弱者への安全網を整える。それこそが所得再配分、すなわち社会保障の原理原則であるからです。」

 所得の再分配によって社会の平等化を図ることは、社会保障のみならず、政府による施策全体に貫かれるべき理念でしょう。まして、社会保障においておや、というわけです。
 とりわけ、新自由主義政策と規制緩和によって貧困化と格差の拡大が大きな社会問題となっている今日の日本において、これらの問題こそが解決されるべき最大の課題になっています。税と社会保障の一体改革もまた、その解決に資するものでなければなりません。
 逆進性のある消費税の増税は低所得者の税負担を増大させ、貧困化をさらに進め、格差をいっそう拡大させることになるでしょう。そのような「一体改革」は「改革」の名に値しません。

 『東京新聞』の社説が主張するように、「高所得者により重い負担を求める累進構造を備えた所得税や利益を出した法人に課す法人税」によってこそ、貧困化の是正と格差の縮小を図ることができます。この点でも、消費増税は理念なき逆立ち増税だと言わなければならないでしょう。

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4月2日(月) 消費税増税の目的は借金の返済なのか、社会保障の財源なのか [消費税]

 「門出に心苦しいのは過去から転がってきた国の借金だ。1千兆円に迫る雪だるまを止めようと、消費増税の法案が提出された。……借金の先送りで苦しむのも、差し当たりきついのも若い世代である」
 これは『朝日新聞』4月1日付「天声人語」に書かれていたものです。昨日のブログで紹介した『日経新聞』3月30日付の実哲也編集委員の記事「先送り 若い世代にツケ」と同じ趣旨だと言ってよいでしょう。

 しかし、ここには大きな嘘があります。「嘘」というのが不適切なら、「思い違い」あるいは「ミスリード」と言っても良いでしょう。
 それは、「1千兆円に迫る雪だるまを止めようと、消費増税の法案が提出された」という部分です。そうなのでしょうか。消費増税は「借金」の返済を目的とした増税なのでしょうか。
 もちろん、そうではありません。今回の消費増税は「税と社会保障の一体改革」であって、増税による財源は社会保障の「改革」に充てられることになっています。

 それでは、今回の消費増税によって、社会保障の財源が全てまかなえるのでしょうか。それはどのような形で社会保障を「改革」し、福祉サービスの充実に充てられるのでしょうか。
 それは、今も不明です。将来の社会保障については、そのビジョンも制度設計も不明確なまま、とにかく消費増税に向けての結論を急ぎ、野田首相は遮二無二「年度末までの法案提出」を目指してきたからです。
 そのうえ、たとえ消費増税によって税収が増えたとしても(それ自体、極めて難しいことは指摘してきた通りですが)、年金など必要な財源は今後増え続けますから、それをまかなうことができるに過ぎません。

 「将来へのツケを減らすための消費増税」というのは「真っ赤な嘘」です。こんな「嘘」を繰り返して消費増税を正当化するようなペテンはもうやめるべきでしょう。

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4月1日(日) 若い世代に先送りされる「ツケ」とは何か [消費税]

 『日経新聞』の3月30日付の記事「消費増税 避けられない選択」には、「先送り 若い世代にツケ」という表題が付けられています。消費増税を避ければ、若い世代にツケを先送りすることになるというわけです。
 しかし、本当に先送りされる「ツケ」とは何でしょうか。それは、消費増税によって、かえって増えてしまうようなものではないでしょうか。

 この記事の執筆者である実哲也編集委員は、「世界で最悪レベルの財政状況に加えて、世界最速で進む人口の高齢化。増加が避けられない医療年金の費用を誰かが負担しなければならない」と書いています。だから、消費増税は「避けられない選択」なのだというわけです。
 財政状況の逼迫はその通りですが、でも、その「誰か」がどうして庶民でなければならないのでしょうか。なぜ、消費税だけが「負担」のための税制なのかが、全く説明されていません。
 それ以外の「選択」、たとえば金持ちが株で儲けた金融資産への課税、大企業への優遇税制の是正や課税強化などが完全に「選択」肢から排除されています。「負担」可能な人々を除外したうえで、どうして負担することが難しい庶民に幅広く押し付けようとするのでしょうか。

 もう一つの大きな問題は、消費税を増税すれば必ず税収が増え、財政状況の悪化を防ぎ、社会保障を安定させることができるかのように書かれていることです。まるで消費増税は「打ち出の小槌」のようなもので、これさえあれば全ての財政問題が解決できると思い込んでしまっているかのようです。
 しかし、同じ日の『朝日新聞』3月30日付に掲載されている記事「教えて! 消費税 国の赤字はなくなるの?」では、「野田政権が考える消費増税をすれば、日本の財政は安定するのだろうか」と問い、赤字はなくならないと答えています。
 財政の安定度を測るのは「基礎的財政収支」(プライマリーバランス=PB)で、国の借金が減れば「PBが黒字化」することになります。しかし、「PBは今回の消費増税でも黒字化はせず、借金残高は増え続けていく」というわけです。

 つまり、今回の消費増税によっても『日経新聞』実哲也編集委員の言う「ツケ」は減らないのです。ですから、「消費税は10%に上がった後、さらに増税される可能性もある」というのが、『朝日新聞』の見通しです。
 野田政権が消費増税法案に「さらなる税制改革を実施するため、16年度をめどに必要な法制上の措置を講じる」という一文を入れようとしたのは、まさにそのためだったのです。具体的には、さらに7%引き上げて消費税を17%にしたいということでしょう。
 これこそ、「若い世代にツケ」を先送りすることにほかなりません。今回の消費増税法案によって、将来的には消費税を5%から17%にまで引き上げる道筋を付けようというのですから。

 今や若者の貧困化が進み、バイクを買えずに暴走族にもなれない(だから、暴走族は減少しています)というご時世です。もし消費税が上がり続けたら、若い世代の生活はさらに苦しくなり、消費は停滞し、不景気になって税収はますます減少するでしょう。
 今でも消費税分を価格に転嫁できない業者などは消費税を払えず、滞納率が増えています。今後、税率がアップすれば、もっと滞納は増え、消費税を負担できない業者は廃業せざるを得なくなるでしょう。
 こうして、小規模の自営業者は壊滅状態に陥り、購買力のある中間層は縮小していくにちがいありません。このような形で破壊された日本社会を「若い世代」に手渡そうというのでしょうか。

 それこそが、本当の意味での「ツケ」の先送りなのではないでしょうか。「消費増税教」によってマインドコントロールされている『日経新聞』の編集委員には、このような厳しい現実も眼に入らないのでしょうか。



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3月31日(土) こんな時に消費税を増税してどうする [消費税]

 民主党は、消費税増法案についての議論を打ち切り、法案は昨日閣議決定されました。年度内の提出に政治生命をかけてきた野田首相の目論見は、ひとまず達成されたということになるでしょう。

 しかし、前途は多難です。連立相手の国民新党は分裂状態に陥り、小沢グループの副大臣・政務官4人をはじめ約20人も党の役職の辞表を提出するなどしたように、国会審議でも民主党内から矢が飛んで来るでしょうし、採決でも多くの造反が出ると見られています。当然でしょう。
 そもそも、東日本大震災と福島第一原発の過酷事故で東北の人々が打ちのめされ、生活も成り立たないこんな時に、どうして消費税を引き上げようというのでしょうか。税金を引き上げて被災者からもふんだくろうという、その根性が許せません。
 義捐金や補償金などでかつかつの生活をしている人の苦労、明日をも知れぬ不安の中で、今日を生き抜かなければならない被災者の苦難を、野田首相はどれだけ分かっているのでしょうか。

 消費増税は「税と社会保障の一体改革」として打ち出されていますから、社会保障の安定や充実のためだと思っている人は多いでしょう。しかし、実際には、4月から社会保障のサービスは切り縮められます。
 消費税によってどのように社会保障を改革していくのか。そのビジョンも明らかではありません。
 民主党内での論議ではこの原点が次第に曖昧になってしまい、ひたすら消費増税法案を通すことが自己目的化してしまったように見えます。公務員制度改革による労働基本権の付与が給与削減を受け入れさせるための「疑似餌」に使われたように、社会保障の改革は消費税の引き上げを呑ませるための「疑似餌」に過ぎないのです。

 『朝日新聞』3月29日付朝刊に「教えて! 消費税 本当に税収は増えるの?」という記事が出ていました。その答えは「97年度から消費税収は毎年10兆円ほどで安定している。だが、税収総額は97年度の53.9兆円を超えたことはない」というものです。
 ようやく、新聞でもこのような事実が報じられるようになりました。遅すぎるとはいえ、報じられないよりはましです。
 今後の見通しについても、消費税率を8%、10%に引き上げた場合、「税収総額が増えるかどうかははっきりしない」というのが、この記事の結論でした。それなのに、「消費増税法案の国会への提出を了承した」ことは、「半歩前進だ」というのが、『朝日新聞』の立場です(3月29日付社説「増税法案了承 批判だけでは無責任だ」)。

 消費増税を一貫して主張し続けている野田首相の応援団である『日経新聞』の3月29日付一面に掲載されたコラム「消費増税 避けられない選択 民・自は成立に動け」も、「これ以上、消費増税を先送りすることは許されない」として、民主・自民の協調を呼びかけています。そして、「野田首相と谷垣総裁が党内をどうまとめていくか。その力量に国の浮沈がかかっている」と、焚きつけるのです。
 「国の浮沈がかかっている」というのはその通りです。しかし、消費増税によって、「国」が浮かび上がることができるとどうして言い切れるのでしょうか。
 この記事とは逆に、消費増税によって「国」が沈んでしまうことはないのでしょうか。消費税を3%から5%に引き上げて不景気を招き、結局、税収減となって財政赤字を増やしてしまった97年の時のように……。

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12月20日(火) 出でよ、「鼠小僧」! [消費税]

「鼠小僧」と言っても、皆さんよくご存知の、あの盗人のことではありません。最近、話題になっている「ロビンフッド税制」のことです。
 「ロビンフッド」は、日本で言えば、さしずめ「鼠小僧」でしょう。ということで、これは「鼠小僧税制」のことになります。

 昨日書いたように、消費税の税率を引き上げても、税収は増えないどころか減る可能性の方が大きいのです。社会保障の財源を確保し財政破綻を阻むためには、消費税を高くしてはならないというのが歴史の教えるところでした。
 それでは、税収を増やすためには、どうしたら良いのでしょうか。昨日紹介した三橋さんはGDPを増やすために積極的な公共投資を行うべきだと主張しています。
 同時に、「デフレで雇用不安や社会不安が継続する以上、ほとんどは貯蓄に流れてしまう」として、「子ども手当のような巨額な所得移転は即刻中止すべきだ」と書いています(三橋貴明『増税のウソ』145頁)。そうでしょうか。

 私は、富めるものから貧しいものへの再分配政策による「巨額な所得移転」こそが、今の日本では最も必要なのではないかと思っています。そうしても、「ほとんどは貯蓄に流れてしまう」ことはなく、消費に回って国内需要を高め、景気回復に結びつくと思うからです。
 年収200万円以下の人が5年連続で1000万人を超え、生活保護受給者が205万人で過去最多という現状では、収入が増えても貯蓄に回す余裕がありません。現に、「家計に一銭の蓄えもない」貯蓄ゼロの世帯は2005年に25%にまで上昇し、今では3割くらいになっていると見られています。
 「デフレで雇用不安や社会不安が継続する以上、ほとんどは貯蓄に流れてしまう」という三橋さんの現状認識は甘い、と言わざるを得ません。将来への備えより現在の必要を充たす方を優先せざるを得ないほどに、日本の貧困化が進んでいるからです。

 このような「巨額な所得移転」のためには、富めるものから徴収し、貧しいものへと分け与える「鼠小僧」のような税制が必要とされます。その一つが、投機目的の国際通貨取引に対して課税を強化するトービン税(ロビンフッド税)で、イギリスでは税率を平均0.05%とすれば年間2500億ポンド(日本円で約36兆円)の税収が見込めるとされています。 国内の株売買などの金融取引にも課税を強め、所得税の累進課税の強化、資産家への贈与税の増税、旧物品税のような贅沢品への課税強化、大企業への減税の取りやめと各種優遇税制の廃止、内部留保への課税などの税制改革と組み合わせれば、巨額な税収増を図ることができます。これを低所得者や中小企業の支援と減税に回せば内需を拡大することができ、社会保障財政の財源確保や財政再建に差し向けることもできるようになるでしょう。
 可処分所得を増やし、外需依存ではなく内需の拡大を図り、景気を良くすることこそ、税収増に結びつき、経済と社会を立て直し、国家財政の破綻を防ぐ最善の道ではないでしょうか。「鼠小僧税制」は、そのための重要な手段となるにちがいありません。

 金持ちが豊かになればそのおこぼれが巡り巡って社会全体の底上げに繋がるというトリクル・ダウン理論は、新自由主義の猛威によって惨めに破産してしまいました。その結果、格差が拡大したために日本の「億万長者は10年前の3倍に」(『週刊金曜日』2011.11.18、26頁)なっているそうですから、「鼠小僧」が活躍する余地は充分にあるのではないでしょうか。

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