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9月25日(月) 「憲法と民主主義を守る八王子市民連合(準備会)」が発足した [解散・総選挙]

 遅ればせながら、昨晩の相談会において「憲法と民主主義を守る八王子市民連合(準備会)」が発足しました。来る解散・総選挙に向けて、市民と野党の共闘実現のために活動を開始することになります。
 国会前集会でのコーラーとして有名な菱山南帆子さんをはじめ、10人以上の方が呼びかけ人に名を連ねました。私もその1人です。

 この市民連合の意義と目的は3つあります。その一つはアベ暴走政治をストップさせて「憲法と民主主義を守る」ことです。
 安倍内閣は、通常国会で共謀罪を強行成立させ、森友学園・加計学園疑惑に蓋をして憲法違反の大義なき解散を強行しようとしています。これにノーを突きつけて安倍首相の退陣を実現するために、来る解散・総選挙では立憲野党の躍進、自公両党とその補完政党の敗北を実現しなければなりません。
 28日とされている解散は、天皇の国事行為として衆院解散を定めたにすぎない憲法7条を悪用し、憲法53条に基づいて4分の1以上が要求した臨時国会を開催せず、国務大臣や国会議員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条に反する憲法違反の解散です。このような違憲の解散を断罪するとともに、安倍首相に鉄槌を下し、国会から逃げ回って来た安倍内閣を打倒する好機としなければなりません。

 市民連合の2つ目の目的は、総選挙で勝利して安倍内閣を打倒するために市民と野党の共闘を実現することです。このような共闘なしには勝利できず、野党がバラバラで闘えば安倍首相の思うツボです。
 選挙や国会勢力において自民党は強く野党は弱く、「一強多弱」と言われてきました。しかし、自民党の有権者対比での「絶対得票率」は衆院の小選挙区でも25%弱にすぎません。
 約4分の1の有権者から支持されているにすぎないのに多数を占めてきたのは、同じく約4分の1の支持を集めている野党がバラバラだったために自民党が漁夫の利を占めてきたからです。野党が共闘して候補者を一本化し、「これなら勝てる」という展望を示すことができれば、諦めて投票所に足を運ばず棄権した半分近くの有権者を呼び戻して勝利することができます。そのことは、市民と立憲野党との共闘によって勝利を勝ち取って来た参院選1人区や新潟県知事選、仙台市長選で実証されています。

 そして、3つ目の目的は、市民が選挙活動に取り組む手段と機会を提供することです。衆院選は党派簡によって競われる選挙ですから、特定の政党を支持してない市民や無党派の人々が選挙にかかわるには困難があり、これまでは議員の後援会や勝手連のような形で関与するのが一般的でした。
 しかし、特定の政党や議員を支持していなくても、安倍首相の暴走に危機感を抱き9条改憲の目論みをストップさせたい、この間の暴走政治の責任を追及したい、強権政治を止めさせて民主主義を守りたい、自民党にきついお灸を据えたい、安倍さんに怒りの一発をくらわしたいと考えている市民は多くいます。このような人々に、その怒りと憤りをぶつけることのできる手段と機会を提供することが必要です。
 それが市民連合の役割ではないでしょうか。特定の政党ではなく、立憲主義を守る立場を表明している全ての政党を応援し、自民党と公明党、それを補完するような「野党」の当選を阻むことによって改憲勢力を3分の2以下として9条改憲を発議できないようにしなければなりません。

 八王子市民連合は、まだ準備会の段階です。これから多くの市民の方の参加を呼び掛けて本格的な態勢を作っていくことになります。
 当面、共闘の呼びかけをもって各政党への要請活動を行い、記者会見で発足したことを明らかにします。9月30日の午後4時から、JR八王子駅北口でキックオフ宣伝を行って正式に発足する予定です。
 アベ暴走政治に怒りと憤りを持ち、憲法と民主主義を守りたいと願っている八王子市民の参加を呼びかけます。政治は変えられます。変えようとして立ち上がり、諦めないかぎり。

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9月22日(金) 4野党が共闘すれば東京の25選挙区で21議席獲得できるという試算を現実のものに [解散・総選挙]

 これほど評判の悪い解散も珍しいのではないでしょうか。違憲、身勝手、自己都合、保身、逃走、打算などの言葉が飛び交っていますが、どれも今回の解散の問題点を表現するものです。
 一言で言えば、自分とカミさんや友達を守るために国会審議を吹っ飛ばした。これが今回の「アベ暴走解散」の本質です。
 大義なき解散に自民党までもが振り回され、大混乱の中で各党が走り出し、すでに選挙本番の様相となっています。この選挙の結果がどうなるのか、東京の選挙区について注目の予測がネットにアップされました。

 東京の25小選挙区で各党がバラバラで戦った場合には「自民が13選挙区、都民Fが12選挙区で得票数が最も多くなり」ますが、「4党共闘」が成立した場合には「自民は2選挙区、都民Fは5選挙区」にとどまり、「4党共闘」は「18選挙区で得票数が最も多くなる」との予測が示されています。「自民、新党が拮抗。4党共闘実現ならば圧勝! 衆院東京新区割の得票数シミュレーション【第48回衆議院総選挙】」という表題で9月21日午前7時に配信された「選挙ドットコム」による試算です。
 しかも、「自民がトップの14区、17区、都民Fがトップの18区でも、得票差は、わずか100票前後と逆転する可能性も高く、1選挙区あたり、3万~4万票を獲得している共産の集票力は、大変大きいことが明確となりました」と指摘されています。3区で逆転すれば、「4党共闘」は21議席も獲得して圧勝することができるということです。
 この試算は「都民F(若狭新党)」が東京の25選挙区すべてに候補者を擁立することを前提にし、先の都議選の公認候補者50人及び純粋推薦候補者の11人の得票数を合算して、選挙区ごとに算出しています。また、自民、公明、民進、共産、自由、社民、おおさか維新の得票数は16年参院選の比例得票数を使用し、公明票については、自民票にも都民F票にも合算せず、そのままにしてあります。

 単純な足し算とはいえ、この試算は極めて重要なことを教えています。立憲野党4党はバラバラで戦ってはならず、共闘すれば必ず勝てるということです。
 まさに、「活路は共闘にあり」を実証するような試算結果ではありませんか。立憲野党4党はこれを試算にとどめることなく、現実のものにしなければなりません。
 「選挙ドットコム」も「共産の集票力は、大変大きい」と指摘しているように、このような試算になったのは共産党の「集票力」によるものです。実際、先の都議選では「都民F」による突風が吹き荒れたにもかかわらず共産党は善戦健闘し、民進党の5議席に対して19議席も当選させています。東京における「4党共闘」の推進力は共産党であり、共産党抜きに立憲野党が勝利することは不可能です。

 「4党共闘」のためには候補者の一本化が必要ですが、候補者の取り下げなどによる「事実上の一本化」であってはなりません。基本的な政策の合意が必要です。
 2009年に民主党が躍進して与野党逆転を実現し、野党連合政権を実現した時の解散・総選挙では、300小選挙区のうち248の選挙区で共産党が候補者を立てず、民主党に対して事実上アシストする形になりました。今回の総選挙でも、民進党はこのような形での暗黙の協力を期待しているのかもしれません。
 しかし、政策合意抜きの事実上のアシストは政権交代後の民主党の変節を牽制することができず有権者の期待を裏切ることになり、大きな傷を残しました。このような失敗を繰り返さないためには、政権交代後の変節や裏切りを抑止できるだけの明確な政策合意が不可欠です。

 しかもこの間、立憲野党4党は、党首や書記局長・幹事長会談なので合意を積み重ね、2016年6月1日の党首会談では安保法制廃止、アベノミクスや強権政治、憲法改悪に反対する4つの柱での「共同政策」を確認し、通常国会では15本の議員立法を提出したり市民連合との政策協定を結んだりしてきました。今年の6月8日にも、安倍9条改憲反対や総選挙での協力について確認しています。
 前原民進党代表は理念・政策の一致しない政党とは協力できないと言っていますが、別の政党ですから理念が一致しないのは当然としても政策では一致できる点があり、事実、一致してきたではありませんか。今度の総選挙でこのような合意や一致点を踏まえて共闘を組むことは、市民や公党間の約束を守るという信義の点でも、一致点を積み重ねてきたという実績の点でも必要であり可能なことではないでしょうか。
 とりわけ、今回の解散・総選挙での最大の争点は「アベ」であり、安倍首相による暴走の継続と国会・国民無視のやりたい放題をこれ以上許して良いのかが問われています。民進党衆院議員のパーティ―で前原さんは「もう、四の五の言いません。選挙になるようです。政策の議論を戦わせなくてはいけないと思いますが、今回の選挙はただ一点。安倍(晋三)さんの好きにこれ以上させていいのか、だと思います。……こういう人を日本のトップとして居続けさせていいのか、という選挙にしたい。私は政策も国家像も大事だけれども、根底にあるのは怒りです」と述べたそうですが、そのためには市民と野党とがガッチリスクラムを組んで安倍さんを包囲し、自公両党をせん滅する必要があります。

 ようやく、野党4党の幹事長・書記局長らが会談し、小選挙区の候補一本化に向けて努力することが確認されました。民進の大島敦幹事長が「小選挙区なので与党と野党が1対1の形に持ち込むことが望ましい。どうすればそれができるか模索していきたい」と応じています。
 会談後、大島幹事長は「一本化を目指すとまでは言わない。慎重に対応したい」と語り、共産党の小池晃書記局長は「共通政策や相互推薦・相互支援で本気の共闘をする協議を進めたい」と述べ、候補一本化には共通政策などが必要だとの考えを改めて示しています。すでに合意してきた共通政策があるのですから、それを基に「一本化を目指す」ための協議を開始すべきでしょう。

 力を合わせれば勝てるという試算を現実のものとするために、「根底にある怒り」を大切に、「四の五の言わず」直ちに行動を起こしていただきたいものです。しっかりとした本気の野党共闘を実現して、「こんなはずではなかった」と安倍首相を慌てさせホエヅラをかかせるような選挙結果を勝ち取ろうじゃありませんか。

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9月19日(火) 安倍首相の自己都合による「モリ」「カケ」疑惑隠し解散で返り討ちを [解散・総選挙]

 不意打ちを狙っていたのでしょうか。突然の解散表明です。
 安倍首相は9月28日に予定されている臨時国会召集直後の衆院解散の可能性を明らかにしました。正確な日付は国連総会出席のための訪米から帰国した後になりそうですが、臨時国会中に解散されることは確実で、最も早い場合は10月10日公示、22日投票になります。

 突然の解散表明には野党だけでなく、自民党もびっくりしているようです。地方では選挙準備が間に合わず、大慌てだと言われています。
 それもそうでしょう。憲法9条に自衛隊の存在を書き込んで2020年に改正施行するという目標を明らかにした安倍首相は衆院の改憲議席3分の2を維持して改憲発議するために、来年12月の衆院議員の任期切れ直前まで解散を避けるのではないかと見られていたからです。
 しかし、臨時国会最終盤での「森友」「加計」学園疑惑、南スーダンでの自衛隊PKO日報の隠ぺい問題や共謀罪法案の強行採決などで内閣支持率が急落し、都議会議員選挙で歴史的な惨敗を喫しました。こうして「潮目」が変わったために、このままでは政権維持が困難になり、来年9月の自民党総裁選での3選もおぼつかなくなるのではないかと恐れ、「改憲より政権」を選択したということではないでしょうか。

 この解散については、「大義がない」「北朝鮮情勢が不安定な時に政治空白を生むことになる」などの批判があります。解散を決断したのは安倍首相の個人的な都合によるものですから、このような批判が出るのは当然です。
 安倍首相にとっては個人的な事情が大事なのであって、「大義」や「政治空白」などはどうでもい良いと考えているのでしょう。まして、自民党の混乱や地方組織の反発などは意に介していません。
 自民党など与党の都合や思惑によって解散が決まれば「党利党略」ということになります。しかし、今回の解散は安倍首相夫妻の都合や思惑による解散ですから、究極の「個利個略」「私利私欲」解散だと言うべきでしょう。

 その都合や思惑とは何でしょうか。それは「森友」「加計」学園疑惑隠しということにつきます。安倍首相は「丁寧に説明する」と繰り返してきましたが、疑惑はほとんど事実ですから、どのように説明しても晴らすことはできません。
 ですから、延長可能であった通常国会を無理やり閉じてしまい、憲法53条の規定に従って野党が要求した臨時国会の開催からも逃げ回ってきました。しかし、秋の臨時国会は開かないわけにはいかず、開けばまたもや安倍夫妻のアキレス腱である「森友」「加計」疑惑への追及が蒸し返され、安倍首相のみならず夫人の昭恵さんや「腹心の友」である加計孝太郎さんが窮地に立つ可能性があります。
 そうなれば、いったんは持ち直したかに見える内閣支持率も再び急落し、政権維持すら危うくなる危険性が出てきます。安倍首相としては、このような事態をなんとしても避けたいと思ったにちがいありません。

 もちろん、今なら「勝てる」というより、「それほど負けない」という思惑も働いたでしょう。与党で3分の2という「改憲勢力」を維持できなくても過半数は確保でき、政治責任を問われずに政権を維持することもできるだろうという見通しがあるから解散しようとしているのです。
 その根拠の一つは野党の側の体制です。民進党は前原新執行部が発足したばかりで「山尾ショック」があり、離党者も出ているなど混乱が続いています。
 都議選と同様に「非自民」の受け皿になるかもしれない小池新党はまだ結成されておらず、共産党が求めている立憲野党の共闘体制もできていません。北朝鮮による核・ミサイル実験という「援軍」も期待でき、これらは政治的に利用可能ですから、このスキをついて不意打ちに出れば勝機があると計算したのではないでしょうか。

 このように徹頭徹尾、自己都合を優先させた「個利個略」「私利私欲」解散ですから、大義も正当性もありません。この点を野党が批判するのは当然ですが、しかし、「受けて立つ」というような受け身の姿勢でとらえるのは間違いです。
 というのは、この解散は野党の側が追い込んで来た結果であり、その成果でもあるからです。先の通常国会での「森友」「加計」学園疑惑の追及や都議選での惨敗、内閣支持率の急落などがなければ、臨時国会での論戦を嫌がることはなく、それによる内閣支持率の再下落を恐れることもなかったでしょう。
 「今のうちに」とスキを狙っているのは、野党の選挙態勢が整って共闘が成立したら厳しい選挙になるということが分かっているからです。昨年の参院選の1人区などのような形で市民と野党との共闘体制が整わないうちに、一挙に決着をつけようとして不意を突いてきたのです。

 安倍首相の「一強体制」の揺らぎを生み出して「解散・総選挙に追い込む」というのが、市民と立憲野党にとってのこれまでの獲得目標でした。講演で「早く来い来い総選挙」と言っていた私からすれば、臨時国会での冒頭解散は大歓迎です。
 昨日アップした論攷「『水に落ちた安倍は打て』―安倍内閣打倒に向けての追撃戦が始まった」で、私は「安倍内閣打倒に向けての追撃戦が始まったのです。そのための陣立てこそ市民と立憲野党との共闘であり、この『勝利の方程式』によって『受け皿』を提供することが今後の課題になります」と書きました。慌てず騒がず、アベ暴走政治をストップさせ立憲政治を回復させるための絶好のチャンスとして、早急に共闘体制を確立する必要があります。
 この「追撃戦によって『水に落ちた』安倍首相を打ち、その緒戦で勝利すれば9条改憲の野望も打ち砕くことができるにちがいありません」とも書きましたが、まさにこの「緒戦」が解散・総選挙なのです。ここで「勝利」すれば、「9条改憲の野望」を打ち砕くことは十分に可能です。

 そのカギは何といっても、市民と野党が力を合わせて選挙を闘うことができるかどうかにかかっています。この解散・総選挙というチャンスを無にしてはなりません。
 早急に野党共闘に向けての話し合いを開始し、安倍首相による「不意打ち」を「返り討ち」にしていただきたいものです。活路は共闘にしかなく、安倍内閣打倒と立憲政治の回復という一致点で合意できるすべての市民と野党が手を結び力を合わせることこそ、「勝利の方程式」なのですから。

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12月19日(金) 総選挙での投票率の低さを生み出した原因は他にもある [解散・総選挙]

 総選挙での得票率の低さについて、「低投票率で無意味な選挙に抗議」したのだというプラスの評価をした論評を目にしました。ネットで流れている東洋経済特約記者(在ニューヨーク)のピーター・エニスさん へのインタビュー記事「総選挙で日本人は愚かでない選択をした」http://toyokeizai.net/articles/-/55943?page=2です。
 なるほど、そのような見方もあるのか、と思いました。「彼らは、今回の選挙が『ジェリー・サインフェルド的選挙』(アメリカのコメディアンによる長寿テレビ番組にまつわる表現で、何の意味も持たない選挙の意) だということが分かっていたのです。そのため、家から出ないことを選んだのです」というのですから……。

 確かに、そのような面があったと思います。棄権という「沈黙の艦隊」は、動かないことによって無言の異議申し立てを行ったということ、有権者の半分近くがこのような意思表示を行ったことの意味を安倍首相は十分に理解するべきでしょう。
 そのような側面を考慮に入れれば、今回の選挙によって信任が得られたなどということは言えません。まして、「白紙委任」を受けたなどと強弁することは絶対に許されません。
 52.66%という投票率は選挙そのものの正当性を疑わせ、代表制民主主義の機能不全を憂慮させるに十分な数字です。このような選挙で選ばれた議員たちは、日本国憲法の前文でうたわれているような「正当に選挙された国会における代表者」だと言えるのでしょうか。

 このような低投票率を生み出した背景と要因について、昨日のブログでも維新の党と橋下代表の責任について書きました。しかし、総選挙で投票率の低さを生み出した原因はそれだけではありません。
 悪天候や投票時間の繰り上げの増加、市町村合併などの影響で投票所が減って遠くなったなど、他にもあります。加えて、以下のような背景や原因が考えられます。
 そのいずれも、改善しようとすればできることであり、それを改めれば選挙への関心を高めて投票率を上げることが可能です。今後、投票率を高めるためには、以下のような問題点を意識的に改善することが必要でしょう。

 その第1は、与党の責任です。とりわけ安倍首相の責任は大きいと思います。
 今回の選挙では、「一見」すれば争点がないように見えました。それは、安倍首相が消費増税の延期やアベノミクスの継続による景気回復など、国民の反対しにくい課題を争点に据え、集団的自衛権の行使容認、改憲、TPPへの参加、沖縄での新基地建設、農業・医療・労働分野での規制緩和など、他の重要な争点を隠す「争点隠し戦術」に出たからです。
 そのために、わざわざ投票所に足を運ぶ必要性を感じなかった有権者が増えたということではないでしょうか。しかも、事前に「自民300議席をうかがう」などと報じられれば、「それならわざわざ行く必要もないだろう」と思った人が増えても不思議ではありません。

 第2は、野党の責任です。とりわけ民主党と「第三極」の責任には大きなものがあります。
 「第三極」への失望と凋落が投票率の低下に結びついたのではないかということは、昨日のブログで指摘しました。それ以上に、もっと大きな責任は民主党にあったと言えるでしょう。安倍首相の暴走に対する選択肢を提起できず、政治が変わるという期待も可能性も有権者に示すことができなかったわけですから……。
 小選挙区で候補者の擁立が少なかったという点が決定的です。加えて、政策的に大きな違いがある維新の党などと選挙協力を行ったことも、有権者にとっては当選目当ての「野合」と映ったことでしょう。
 裏切りのイメージ、政策的な曖昧さ、候補者擁立の失敗、小手先の選挙協力、加えて、海江田党首の影の薄さと魅力のなさ。これでは有権者を引き付けることができず、選挙への関心を高めることもできなかったはずです。

 第3に、制度の責任です。とりわけ小選挙区制という選挙制度が、この点でも大きな問題を抱えています。
 戦後、衆院選の投票率は60%台後半から70%台で推移してきましたが、小選挙区比例代表並立制が導入された1996年に初めて60%を割ります。50%台になったのは、03年、12年に続いて今回が4度目になるなど、この制度の下で投票率の低下が際立っていますが、このことは制度導入前から予想されていたことです。
 現に、私は拙著『一目でわかる小選挙区比例代表並立制』(労働旬報社、1993年)で、「はじめから当選を競い合うような政党が二つくらいしかなく、出てくる候補者が毎度おなじみで、しかもその当落がほぼ予想できるということになれば、人々の選挙への興味と関心は大幅に減退するでしょう。中小政党が排除され、自分の願いを託せる候補者がいず、二大政党が競い合っていてもそのどちらも支持できないという人の場合、はじめから『投票するな』といわれているようなものだからです。当然、投票率は下がります」(78頁)と指摘しました。残念ながら、この指摘が当たってしまったというわけです。

 第4に、意外に思われるかもしれませんが、行政の責任にも大きなものがあります。とりわけ日ごろから政治的な争点を避けてきたことが、有権者の政治への態度に微妙な悪影響を与えているのではないかと思われます。
 集団的自衛権や憲法9条をめぐって、9条の会主催の講演会への後援とりやめ、「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の俳句の公民館便りへの掲載拒否などが相次いだことを覚えておられる方も多いでしょう。その際の理由は、政治的なテーマで意見の違いがあるということでした。
 しかし、政治にかかわるどのような問題であっても賛否両論があることは避けられず、それを理由に後援や掲載をとりやめれば、市民や住民を政治から遠ざけることになってしまいます。このような形で普段は有権者を政治から「隔離」しておきながら、選挙になった途端に「政治に関心を持ちましょう。選挙に行きましょう」と言い出すことの滑稽さが、自治体などの行政担当者に分かっているのでしょうか。

 このように、投票率を低下させる背景や原因にはこと欠きません。投票所に足を運ばず棄権する有権者の責任を問う前に、まず政治や行政にかかわる側がその責任をきちんと自覚し、その改善に向けて早急に着手することこそ、いま求められていることではないでしょうか。

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12月18日(木) 史上最低の投票率を生み出した責任の一端は維新の党にもある [解散・総選挙]

 投票率がこんなに低くて、国民の信任を得たと言えるのだろうか。衆院選の結果を見た人の多くが、そう思ったことでしょう。

 だって、選挙での投票率は小選挙区で52.66%、比例代表で52.65%にすぎず、有権者の半分弱は投票所に向かわなかったのですから。その結果、小選挙区で自民党が222議席を得たにもかかわらず有権者内での割合(絶対投票率)は24.5%、68議席を獲得して11議席も増やした比例代表にいたっては、たったの17.0%にすぎませんでした。
 つまり、有権者の4分の1、4人に1人以下の投票で自民党は過半数を越える多数議席を獲得したことになります。「こんなのインチキじゃないか」と、多くの人がそう思ったことでしょう。
 このような投票率の低さと、その報道に“ぶち切れ” たのが橋下徹大阪市長です。自分が選ばれた大阪市長選では投票率の低さが散々問題にされたのに、今度の総選挙での投票率の低さについての批判が弱いと、次のように文句を言ったそうです。

 「投票率のところの報道が弱い。メディアは過去最低の投票率だった出直し市長選を『意味がない』と散々批判したのだから、今回も、もっと批判するべきだ」と持論を展開。記者団とのやり取りでヒートアップしていき、「(衆院選は意味がないと)言えよ」と迫った。記者団から「出直し市長選について『意味がない』とは言っていない」との声が上がると、「じゃあ、出直し市長選について『意味がある』と断言しろよ」と怒りをあらわにした。やりとりをしていた記者が「(断言)しません」と返すと、橋下氏は「終わり」と “ぶち切れ” 記者団に取材を打ち切り、足早に立ち去った。

 選挙の投票率が低いことについてもっと問題にすべきであり、批判的な報道が少なすぎるという点については、私もそう思います。しかし、そのことを批判する資格が橋下さんにあるのでしょうか。
 というのは、この投票率の低さを生み出した原因の一端を、橋下さん自身も負うべき立場にあるからです。共同代表を務めている維新の党など「第三極」の凋落と不振が、今回の投票率の低下の重要な一因でした。
 今回の選挙では、前回の選挙と比べて有権者の投票数が小選挙区で488万票(6.66ポイント)、比例代表で544万票(6.66ポイント)減少しています。他方で「第三極」は、前回と比べて小選挙区で710万票、比例代表で1013万票も減らしています。

 このうち、維新の党は小選挙区で262万票、比例代表で388万票の減少です。どちらも、今回票を減らした政党の中では最大となっています(ただし、次世代の党については前回と比較できません)。
 これらの減少分がすべて棄権に回ったとは限りませんが、そのかなりの部分を占めているとの推測も一概には否定できません。前回の総選挙で期待を集めて大躍進した日本維新の会をはじめとした「第三極」が、その後有権者の期待を裏切ったために選挙に嫌気がさして投票所に足を運ばなかったことは十分に考えられるからです。

 前回の総選挙後、日本維新の会は共同代表を務めていた橋下さんによる従軍慰安婦肯定発言などを機に凋落し、もう一人の石原共同代表や平沼さんなどの極右勢力が分裂して次世代の党を結成しました。この次世代の党が支持を集められなかったことが、棄権増大の一因であったかもしれません。
 また、前回の総選挙で健闘し、小選挙区で4議席281万票、比例代表で14議席524万票を獲得したみんなの党も、今回の選挙では姿を消してしまいました。みんなの党から分かれた江田元幹事長らは結いの党を結成して日本維新の会に合流し、江田さんは橋下さんとともに維新の党の共同代表となりました。
 残った人々はみんなの党を解党して散り散りとなり、元代表の渡辺喜美さんは落選しています。まことに無残な末路ですが、そのために投票先を失って棄権してしまった支持者も少なくなかったことでしょう。

 というような事情を考えれば、橋下さんの発言は「天に唾する」ものだと言うべきです。棄権の増大と低投票率を生み出した原因の一つを自ら作っているかもしれないのに、その問題点を報道することが少なすぎると文句を言っているのですから……。
 この橋下さんの批判に応えて、ぜひメディアの皆さんには投票率がなぜこのように低くなったのか、その原因や背景を究明する報道に努めていただきたいものです。そうすれば、旧日本維新の会と現維新の党の共同代表であった橋下さん自身の責任も、自ずと浮かび上がってくるにちがいありませんから……。

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12月17日(水) 「安倍さん、サンキュー」と、私が共産党委員長ならそう言うかもしれない [解散・総選挙]

 何度も言うようですが、総選挙の結果、勝ったのは共産党です。私が共産党の委員長なら、「安倍さん、サンキュー」と言うことでしょう。
 だって、安倍さんが突然、解散・総選挙に打って出なければ、こういう結果にはならなかったのですから。安倍首相が任期満了まで我慢していたら、あと2年間、自民党の議席は減らず、共産党の議席は増えなかったはずですから……。

 最も安倍首相に恨みをぶつけたいと思っている人は、次世代の党の平沼赳夫党首でしょう。19議席もあった衆院の議席が17も減って、たった2議席になってしまったのですから。
 落選した石原慎太郎最高顧問は引退の記者会見を開きましたが、元々引退するつもりでしたからサバサバした表情だったそうです。しかし、平沼さんは怒りが治まらないんじゃないでしょうか。
 特定秘密保護法の可決・成立に際しては、野党でありながら安倍首相の応援団として行動するなど、「自民党野党支部」として自民党を右に引っ張る役割を演じました。このような極右政党を見限ったところに、日本の有権者の見識と良識が示されています。

 次世代の党とは反対に、今回の解散・総選挙の恩恵を最も受けたのは共産党でした。安倍首相は、国民の反発を買うような暴走を続けた挙句、それに対する審判を下す機会を国民に提供したからです。
 いわば、有権者の不安と反発を高めるだけ高めてからの解散でした。野党には準備ができていないということを見越しての奇襲攻撃だったと言って良いでしょう。
 しかし、実は総選挙に向けての準備をしていた政党が一つだけありました。11月初めの「赤旗祭り」で衆院比例代表選挙の第1次候補を発表していた共産党です。
 消費再増税、9条改憲、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法、原発再稼働など、世論調査をすれば反対が多くなる政治課題のどれについても、安倍首相は強行する姿勢で臨んできました。これに真正面から反対するだけでなく具体的な対案を示してきたのが共産党で、そのことを国民はしっかりと見ていたのです。

 このような「暴走政治」と共産党との対決構図をくっきりと浮き立たせてきたのも、安倍首相自身でした。安倍さんが、国民世論を無視して強権的な姿勢を強めなければ、国民はこれほど強くは反発しなかったでしょう。
 国民が危機感を高めて反発を強めることがなければ、共産党への支持がこのような形で高まることもなかったかもしれません。今回の選挙で230万以上も票を増やし、13議席も上乗せすることはできなかったと思われます。
 また、共産党との「共同」の輪に、古賀誠さん、加藤紘一さん、野中広務さんなどの自民党幹事長OB、第一次安倍内閣での法制局長官だった宮崎礼壱さんや小泉政権での法制局長官だった阪田雅裕さん、防衛庁長官官房長などの旧防衛官僚だった柳沢協二元内閣官房副長官補、『戦後史の正体』というベストセラーの作者で外務省国際情報局長や防衛大学校教授を歴任した旧外務官僚の孫崎享さん、改憲派として知られていた小林節慶応大学名誉教授、二見伸明元公明党副委員長などを続々と参加させたのも、言ってみれば安倍首相の「功績」でした。このような現象は安倍首相の極右民族主義的改憲論者としての言動と集団的自衛権の行使容認に向けての解釈改憲などの「暴走」がなければ考えられなかったことであり、この点でも安倍首相の「功績」には大きなものがあったと言って良いでしょう。

 そのうえ今度は、次世代の党という「極右政党」をぶっ潰し、共産党の大きな躍進を招いたわけですから、志位委員長ならずとも「サンキュー」と言いたくなるのではないでしょうか。そのためにわざわざ国会を解散して選挙したわけではないでしょうが、結果的にはそうなっています。
 そのことを知ってか知らずか、安倍首相はこれからも「この道」を進もうとして意欲を燃やしています。それが結果的に国民の不安と反発を招き、良心的保守層や共産党などの反対勢力を増やし、その「共同」に大きく「貢献」していることに気付くこともなく……。

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11月16日(火) 安倍首相の目論見に反し、極右を減らして左翼を増やした総選挙結果 [解散・総選挙]

 総選挙の結果をどう見たらよいのか。私のところにも、色々と取材が来ています。
 昨日の連合通信の取材には、「寝込みを襲うように解散した安倍政権の『作戦勝ち』」だと答えました。確かに、与党で3分の2を超える絶対多数の議席維持に成功したのですから、基本的には「作戦勝ち」です。
 しかし、総選挙結果を子細に検討すると、必ずしもそうとばかり言えない事実も見えてきます。昨日のブログで、「安倍首相にとっては、『めでたさも中くらいなり』という心境かもしれません」と書いたのは、そのためです。

 昨日のブログで示した選挙結果の表を良くご覧ください。これを見ればすぐ分かるように、今回の選挙で最も議席を増やしたのは共産党で13議席増、最も減らしたのは次世代の党で、17議席減という一人負けの惨敗です。
 政策的な立ち位置からすれば、共産党は国会内で最左翼であり、次世代の党は海外で「極右政治家」とみなされている石原慎太郎元都知事をはじめ、「ネトウヨのアイドル・田母神閣下」などを候補とする極右政党でした。したがって、このような議席の増減に従って選挙の結果を端的にいえば、国会内での手ごわい反対勢力である左翼を増やし、「是々非々」で政権の応援団にもなる極右を減らしたということになります。
 国会を解散して総選挙を実施しなければこのような結果にはならず、少なくともあと2年間は安倍政権にとって好ましい勢力関係を維持できました。しかし、突然の解散・総選挙によって安倍首相はこのような勢力関係を変えるリスクを犯し、共産党や民主党の議席を増やして左翼の比重を高めたわけで、まことに皮肉な結果になったと言うべきでしょう。

 さらに詳しく今回の総選挙での票の動きを見ると、次のようなことが分かります。いずれも、新聞などではほとんど注目されていない重要なポイントです。
 今回の選挙の投票率は52.7%で前回よりも6.6ポイント、約500万票減少しました。他方で、前回の2012年に日本維新の会、みんなの党、日本未来の党で約2000万票(比例)を得票した「第三極」は、今回の総選挙で維新の党、次世代の党、生活の党で約1000万票と半減しています。
 これら3党が失った票の半分(約500万票)は棄権に回り(そのために棄権が500万人、6.6ポイント増えたわけです)、残りの約半分(400万票)は、今回得票を増やした共産(237票)、自民(104万票)、公明(19万票)、民主(15万票)に投じられたと思われます。このうち共産党が増やした得票数は半分以上の237万票ですから、比例代表での票の変化を見れば、今回の総選挙での勝者は共産党であったということ、有権者の共産党への期待がいかに大きかったかということがはっきりと示されています。

 また、自民党は「圧勝」したとされていますが、議席総数で2議席、小選挙区では222議席と15議席減らし、小選挙区の得票数も2546万票で18万票の減少です。小選挙区での得票数の推移を見れば、自民党は政権を失った09年に522万票も減らしただけでなく、12年に166万票減、そして今回も18万票減と一貫して票を減らしてきました。
 それにもかかわらず多数議席を獲得できたのは比較第1党が議席を独占できるという小選挙区制のカラクリのためであり、今回も48.1%の得票率で75.3%の議席を得ています。この間、有権者は自民党にダメを出し続けているにもかかわらず、その意思は全く議席に反映されていないということになります。
 今回は小選挙区で得票数だけでなく議席も減らしたわけですが、それでも自民党が「圧勝」できたのは比例代表で11議席増の68議席を獲得したからです。しかし、増やした得票数は104万票で、共産党が増やした票の半分にも及びません。

 つまり、安倍首相が進めているアベノミクスによる一定の受益とその「おこぼれ」に対する期待は確かにあり、それは比例代表での104万票増に反映されているわけですが、しかし、アベノミクスに対する危惧と反対も強く、安倍首相の暴走にストップをかけてほしいという有権者の願いの方が2倍以上も多かったということになります。
 確かに、安倍首相は「寝込みを襲うよう」な突然の解散・総選挙によって与党全体としての現状維持に成功しました。しかし、それはアベノミクスに対する異議申し立ての機会としても有効に活用され、国会の勢力関係を変えて強力な反対者の登場を促す結果となっています。
 それは、安倍首相の目論見を大きく覆すものだったと言って良いでしょう。やはり、総選挙の結果は必ずしも安倍首相の「作戦勝ち」とは言い切れない側面を持っていたということになります。

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12月15日(月) 2014年総選挙の結果をどう見るか [解散・総選挙]

 昨日、注目された2014年衆院選の投開票が実施されました。その結果は以下のようになっています。これを、どう見たらよいのでしょうか。

    自民 民主 維新 公明 共産 次世代 生活 社民 改革 無所属 合計
    291  73  41  35  21  2  2  2   0   8  475
    -2  +11  -1  +4  +13 -17 -3  ±0  ±0  -7
公示前 293  62  42  31  8  19  5  2   0   17  479

 第1に、自民党は予想されていたような300議席突破はならず、当選前の293議席より2議席減らして291議席となりました。選挙中盤の予測によって「揺れ戻し」が生じたようで、選挙前よりも議席を減らしたわけですから勝利したわけではありません。
 同時に、単独での安定多数を維持していますから、依然として強権的で強引な国会運営を行う基盤を得たことになります。「信任を得た」と言い張ってスピードアップする危険性もあり、これまで暴走してきた安倍首相にガソリンを注入するような形になってしまったかもしれません。
 しかし、安倍首相は景気回復の一点に争点を絞って支持を求めており、今回の自民党への投票は「アベノミクスで景気が良くなるなら、もう少し様子を見てみよう」というもので、一種の「執行猶予」による支持であったと思われます。それを勘違いして、集団的自衛権や原発再稼働などで新たな「暴走」を始めれば、その時こそ大きなしっぺ返しを食らい、自民が全滅した沖縄の小選挙区のようなことになるでしょう。

 第2に、公明党は選挙前の31議席から4議席増やして35議席になりました。その結果、与党では2議席増の326議席で衆院議席の3分の2を超え、参院で否決された法案の再可決が可能な勢力を維持しています。
 与党としての勢力にほとんど変化はありませんが、その内部で公明党の比重が増えたことには意味があります。これまでの安倍首相の暴走に不安を感じた国民の一部が、「ブレーキ役」としての期待をかけたのでしょう。
 しかし、それは錆びついていて十分に作動するとは限らないということは集団的自衛権の閣議決定に至る過程で示されており、関連法の改定でどれだけ効くかは不明です。消費再増税に際しての「軽減税率導入」という約束とともに、今後の対応が試されることになるでしょう。

 第3に、民主党は選挙前の65議席から11議席増やして73議席になりましたが、予想されていたほどには議席回復がなりませんでした。党内には敗北感が漂い、小選挙区で当選できなかったばかりか比例で復活もできずに議席を失った海江田万里代表は辞意を表明しています。
 有権者の期待を裏切って失望を買った民主党政権の後遺症を癒すにも、野党の再編や選挙協力を進めるためにも、2年間は短かすぎたということでしょうか。この点では、安倍首相による「今のうち解散」という戦術にまんまとはまってしまったということができます。
 加えて、消費増税や原発再稼働、TPP参加などの政策には民主党も反対しているわけではなく、改憲についての党内の意見も割れており、安倍首相の暴走に対してブレーキなのかアクセルなのか不明だという曖昧さがあります。海江田代表のキャラクターもあって支持は盛り上がらず、維新の党から批判されるなど選挙協力は不発で、十分な結果を生むには至らなかったということでしょう。

 第4に、このようななかで、一人気を吐いたのが日本共産党です。共産党は公示前の議席を倍増させただけでなく、小選挙区の1議席を含めて13議席も増やして21議席となり議案提案権を獲得しました。
 今回の選挙で最も議席を増やしたのが共産党であったということからすれば、勝ったのは共産党で、今度の選挙は共産党のための選挙だったということができます。アベノミクスなど安倍首相が進もうとしている「この道」に対して、「もう少しやらせてみよう」と思った有権者は自民党に、「あまり行き過ぎては困る」という有権者は公明党や民主党に、「ブレーキをかけて止めてもらいたい」と考えた有権者は共産党に入れたということでしょう。
 これまでも政策的には「自共対決」と言うべき構造が存在していましたが、今回の選挙での有権者の投票行動においても、これからの国会での勢力分野としても、一段と「自共対決」の構図が鮮明になってきたということができます。しかも、与野党の力関係はあまり変わらなかった一方で、野党内では「自民党野党支部」のような次世代の党が19議席から17議席も減らして2議席となるなど様変わりしており、共産党が活躍できる余地は格段に高まったと言えるでしょう。

 与党で現状維持を達成したものの、自民党の議席を減らしてしまった安倍首相にとっては、「めでたさも中くらいなり」という心境かもしれません。それとも、野党内での応援団を減らして手ごわい強敵を増やしてしまったわけですから、「こんなはずじゃなかった」と思っているでしょうか。
 選挙前にあった「何のための解散なのか」という疑問は、「何のための解散だったのか」という不満となって自民党内に高まるかもしれません。今回の選挙で自民党は議席を減らす一方で、逆に議席を増やしたのは共産党(13議席増)と民主党(11議席増)、それに公明党(3議席増)だけだったのですから……。


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11月14日(日) 重大事故を起こす前の今なら、まだ間に合うのだから [解散・総選挙]

 いよいよ、総選挙の投票日になりました。日本の命運を決める「決戦の日」を迎えたわけです。
 この総選挙での争点はただ一つです。安倍首相を先頭とする「ネオナチ勢力」に日本を乗っ取らせて良いのか、ということです。

 安倍政権の2年間で、日本では確実にきな臭い空気が漂うようになりました。2年前にはなかった国家安全保障会議と国家安全保障局が新設され、特定秘密保護法の成立・施行、集団的自衛権行使容認の閣議決定、辺野古での新基地移設のための調査開始などがあり、3年連続で防衛費が増えて自衛隊が水陸両用車やオスプレイを購入しようとしています。
 消費税は8%に増税され、年金の支給額は減り、物価が高くなって生活が苦しくなり、福祉サービスも切り下げられました。確かに、企業は323兆7000億円もの内部留保をため込んで連合傘下の民間大企業正規男性労働者の賃金は上がったかもしれませんが、物価高に追い付かず16か月連続での実質賃金低下となり、GDPの成長率は2期連続のマイナスでインフレと経済不況が共存するスタグフレーションの危険が高まっています。
 安倍首相は3.11の原発事故に何も学ばず、川内原発の再稼動を行おうとしているだけでなく成長戦略のために原発の海外輸出を売り込んできました。女性の活躍推進を言いながら労働者派遣法を改定して非正規化を進め働く女性の困難を増やそうとし、地方の創生を言いながらTPP条約で農産物の関税撤廃に道を開いて農村の荒廃を招こうとしています。

 これが、第2次安倍政権の2年間ではありませんか。これからも、「この道」を進んで行って良いのでしょうか。
 安倍首相が「この道しかない」というのは、間違った歴史認識に基づいて平和憲法と周辺諸国を敵視し、アメリカの言うことには逆らえず、大企業の利益ばかりを優先し、国民の生活や福祉、自由、民主主義、人権を守ろうとする意思がないからです。このような人には、「この道」とは全く異なる平和で民主的、国民本位で持続可能な「別の道」を思い描くことも、実行することもできません。
 安倍首相が進もうとしている「この道」は、ナチス・ドイツと共に歩んで大きな過ちを犯した戦前の「日本を取り戻す」ことになり、「ネオナチ勢力」にこの国を明け渡すことを意味しています。「この道」は国民の多くが望まず、これまでの自民党による保守政治の枠組みさえ踏み越えるもので、北東アジアの平穏と戦後国際秩序の維持を求めるアメリカの意向にも反し、国際社会から孤立せざるを得ず、日本を自滅へと引きずり込む最悪の選択となるでしょう。

 もし、今度の選挙で自民・公明の与党が圧勝して「一強多弱」が強まれば、安倍首相は政策実現の速度を上げ、経済や安全保障に関する法案を次々と成立させるにちがいありません。首相の暴走は、さらに加速されることになります。
 しかし、共同通信社の世論調査では「望ましい選挙結果」について「与党と野党の勢力が伯仲する」が47.2%で最多となり、与党が野党を上回る」の34.9%を上回っていました。国民の多くは、このような結果を望んでいないのです。
 国会に巨大与党が生まれれば政府や与党に気の緩みが生じ、国会の緊張感が失われて問題のある法案が十分に審議されないまま成立し、国民の声が届きにくくなります。野党による政権のチェック機能は低下し、与党内の力関係も変わって公明党が安保政策などでこれまで以上に譲歩を迫られるようになるでしょう。

 このような「道」を進んではなりません。安倍首相に300以上の議席を与えることは、暴走を続けるバスのドライバーに危険ドラッグを吸わせるようなものです。
 そうなれば、重大事故を起こすことは必定です。道路から飛び出してひっくり返り、内外2310万人もの犠牲者を出してようやく止まった戦前の大失敗を繰り返すことになってしまいます。
 そうなれば、乗客である国民も大きな被害をこうむるのは確実です。運転手を放り出して、直ちにブレーキを踏み込まなければなりません。

 それが今日の投票です。今こそ主権者としての力を示し、自らの運命を切り開くべき時なのです。
 重大事故を起こす前の今なら、まだ間に合うのですから……。

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11月13日(土) 日本共産党があるじゃないか [解散・総選挙]

 総選挙の投票日も、いよいよ明日に迫ってきました。この選挙でどのような選択を行い、どのような審判を下すのかが問われています。

 今回の選挙について、有権者の関心が低く争点が不明確だという指摘があります。どの政党に入れたら良いのか、誰に投票すべきなのかが分かりにくく、とりわけ小選挙区での選択肢が少なすぎるという声もあります。
 しかし、そんなことはありません。選択肢として、ちゃんと日本共産党があるじゃありませんか。
 あるのに目に入らないのは、最初から除外してしまっているか、知らず知らずのうちに無視してしまっているか、あるいは、古い「反共」意識にとらわれ偏見を持っているからではありませんか。党名などにこだわらず、争点と政策を基準に選ぶという態度に徹すれば、共産党が自民党に対抗できる最有力な選択肢であるということが理解できるはずです。

 選択肢が少なく見えるのには、もう一つの理由があります。共産党以外の野党が自民党に対抗できるような政策を打ち出していないため、政治を変えたい、安倍首相の暴走政治を止めたいという人にとっての選択肢にならないからです。
 この点でも、民主党の責任は大きいと言うべきでしょう。民主党は自民・公明との「3党合意」によって消費増税を含む「一体改革」を認めていますから再増税そのものには反対できず、TPP参加表明や原発の再稼動をはじめ、尖閣諸島の国有化で対中関係の緊張をもたらしたのも民主党の野田首相の時でした。
 ですから、安倍首相を厳しく批判できないという弱みがあります。それ以外の、維新の党や次世代の党などの「第3極」は自民党より右だったり、「第2自民党」だったり、「自民党野党支部」(浜さん)だったりして、自民党に対抗しているわけではなく反自民の選択肢にはなりません。

 そのために、これらの野党は安倍首相の暴走をストップさせるためのブレーキ役を演ずることは不可能です。それどころか、下手をすれば応援団やアクセルになってしまう危険性があります。
 したがって、政策的に見れば安倍首相と真っ向から対決し、それにブレーキをかけることができるのは共産党しかありません。自民党と共産党以外に他の野党が候補者を立てていたとしても、ブレーキ役としては選択肢にならないのです。
 とはいえ、小選挙区での当選可能性という点では、別の意味が生じます。共産党以外の候補者でも、小選挙区で当選すれば自民党の議席増を阻む役割を演ずることができるからです。

 そのような可能性がある場合には、共産党以外の他の野党の候補者も選択肢としての意味があることは否定しません。より小さな悪によって、より大きな悪を阻止するという考え方もありますから……。
 しかし、万に一つの可能性があるならば、小選挙区でも共産党に入れることを選択するべきでしょう。そのようなわずかな可能性にでも賭けなければ、決して奇跡は生まれないからです。
 また、自民党と共産党だけが候補者を立てている25の小選挙区では、躊躇なく反自民の票を共産党候補に集中するべきでしょう。そのようにしてこそ、安倍政治に対する有権者の不信任をはっきりと示すことができるからです。

 もちろん、比例代表ではまったく事情が異なります。そこに投じられた票のほとんどは無駄になって「死ぬ」ことはないからです。
 今回の総選挙の最大の争点は「安倍首相」であり、そこで問われている選択は安倍首相による暴走政治の是非にほかなりません。そして、真正面から対決している共産党しか、安倍首相に対するブレーキ役を演ずることができないということも明らかになってきています。
 ですから、選択肢がないと不満に思っている有権者の皆さんには、こう言いたいと思います。「そんなことはない。日本共産党があるじゃないか」と……。


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