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10月11日(火) 草の根で根腐れを起こしていただけでなく幹も腐っている自民党 [自民党]

 一昨日の『しんぶん赤旗』10月9日付をご覧になった方は驚かれたことと思います。一面の真ん中に私の顔写真が出ていたからです。
 悪いことをして手配写真が載ったわけではありません。「白紙領収書」問題についてコメントしたからです。

 そのコメントは、以下のようなものでした。「政権腐敗 原理までねじ曲げ」という見出しがついています。

 高市早苗総務相は「法律上の問題は生じない」などと答弁しましたが、一般の人が同じ方法で脱税などをして、「国会議員もやっている」といったらどうするのか。高市氏は自ら「 白紙領収書」を使っったことを指摘されて開き直っていますが、警察が人のものを盗んで“泥棒にならない”というようなもの。政治資金の所管閣僚としての資格はありません。
 一つの政治勢力が巨大な力を持つと、こういう形で腐っていきます。その政治家たちが長期に政権を取り、憲法の平和主義や基本的人権などの大原理までねじ曲げ、国民の命や暮らしを脅かしています。
 今回の問題の追及も含め、共産党の活躍は際立っています。同時に「一強多弱」をもたらす現行の小選挙区制のもとでは、野党共闘こそ、腐敗する与党に対抗するための、まさに王道なのです。

 この私のコメントが掲載されている記事の見出しは「自民の常識は国民の非常識」となっていました。それでは「国民の常識」とはどのようなものなのでしょうか。
 ネットで公開されているMFクラウド会計のHPでは、「領収書を白紙で出した場合のリスク」について次のように解説されています。

 もしも何らかの理由で白紙の領収書をもらったとしても、自分で記入するのは絶対にやめましょう。その行為は犯罪になります。領収書は法律上の証拠書類です。発行者以外の誰かが勝手に記入したり、書き換えたりすると「文書偽造」という刑法違反の罪になります。税務調査で発覚するかどうかはともかく、仮に本当に支払った金額を記入したとしても、罪になります。まず、重加算税が課されます。重加算税とは、仮装や隠蔽の事実があるときに課される追加課税です。場合によっては逮捕されたり、刑罰や罰金に処せられたりすることもあります。白紙といっても通常は、領収書作成者の住所、名称、電話番号などが書かれてあることが多いようです。このような領収書にたいしても、金額はもちろんのこと、日付も記入するべきではありません。

 ここにはっきりと書かれているではありませんか。「白紙の領収書をもらったとしても、自分で記入するのは絶対にやめましょう。その行為は犯罪になります」と。
 これが「国民の常識」なのです。ところが、この「犯罪」を取り締まる立場にあるはずの高市総務相は、共産党の小池書記局長に追及されて「法律上、領収書の発行側の作成方法は規定されておらず、法律上の問題は生じない」と居直ってしまいました。
 「盗人猛々しい」とはこのことでしょう。法律にわざわざ書いてないのは、誰にでもわかるようなこんな不正をまさか国会議員が犯すとは考えていなかったからです。

 それなのに、堂々と「白紙領収書」に勝手に書き込むという「犯罪」を犯していました。それも、参院予算委員会で追及されて事実を認めた菅官房長官、稲田防衛相、高市総務相の3人だけでなく、安倍内閣の大臣と副大臣30人が白紙領収書を発行していたという報道もあります。
 しかし、不正を追及されて「悪うございました」と謝るのかと思ったら、「問題ない」と居直ってしまいました。「犯罪」を犯しただけでなく、それを反省し謝罪して責任を取るどころか居直るという二重の罪を犯したことになります。
 富山市議会の例もあるように、政務活動費の架空請求や不正使用などでも白紙領収書への記入や領収書の書き加えなどが問題となり、議員の辞職が相次ぎました。不正を犯したことは許されませんが、その責任を認めて辞職しただけ国会議員よりはましだったというべきでしょうか。

 いずれにしても、地方議員のみならず国会議員や大臣に至るまで「『文書偽造』という刑法違反の罪」を犯していたことは明らかです。自民党は草の根で根腐れを起こしていただけでなく、幹まで腐りきっているということになります。
 「刑法違反の罪にな」るのに、それが「犯罪」であるということさえ理解できず、反省して責任を取ることもせずに開き直っているのが、自民党という政党の現在の姿なのです。これを許してしまって良いのでしょうか。
 小選挙区制という選挙制度に助けられ、「一強多弱」に胡坐をかくことができるという構造こそが問題なのです。「白紙領収書」の発行が「慣例」になっていたという驚くべき実体こそ、緊張感の欠落した巨大与党がどこまで腐敗・堕落してしまうのかを典型的に示していると言わざるを得ません。

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7月3日(金) 自民党「文化芸術懇話会」での発言が示す安倍政権の危険性 [自民党]

 まったく、開いた口が塞がらないと言いたくなります。何も言う気がしなくなるほど、呆れてしまいました。
 ということで、ブログの更新をサボっていたわけではありません。別に書くべき原稿があって、しばらく更新をお休みしていました。

 サッカー女子のワールドカップで、イングランドのオウンゴールで「なでしこジャパン」は決勝に進出することになりました。これは、驕り高ぶった安倍政権の「オウンゴール」だったと言うべきでしょうか。
 自民党本部で開かれた若手議員による勉強会「文化芸術懇話会」のことです。ここでの講師として呼ばれた百田尚樹さんや若手議員の発言が大きな批判を引き起こしました。
 「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番だ。文化人や民間人が不買運動、日本を危うくするマスコミはとんでもないと経団連などに働きかけて欲しい」「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはならないことだが、沖縄のどっかの島が中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ」などという発言を読んで、「よくこんなことを、平気で言えるもんだ」と、呆れた人も多かったでしょう。これが「文化人」で作家であったり、国会議員であったりするのですから……。

 問題はさし当り3点あります。第1に、政府に批判的な報道機関に対する統制と弾圧のススメです。
 そもそも権力の監視を使命とする報道機関は政府に批判的なのが普通ですから、これは報道の自由そのものの否定につながります。国会議員は監視されている権力者に属する人々ですから、その活動を規制するようなことは口が裂けても言ってはならないはずです
 しかも、厳重注意処分を受けた大西英男衆院議員は自らの発言について「問題があったとは思わない」と反論し、「日本の国を過てるような報道に対しては広告を自粛すべきだと個人的には思う」と繰り返すなど、処分された後も反省がありません。「反省だけならサルにもできる」というのに、猿にも劣る人々だと言うべきでしょう。

 第2に、沖縄に対するあからさまな敵意とデマの数々です。「普天間飛行場は何もない田んぼの中にあった。商売になるということで周囲に人が住みだした」など、「本当にそう思っているのか」と信じがたいようなことが次々と百田さんの口から飛び出してきました。
 デマとしか言いようのない間違った事実を堂々と口に出して恥じないような人を、どうして勉強会の講師に呼んだのでしょうか。この人を呼んで話をさせればこれくらいの暴言を吐くだろうということは、事前に予想がついたはずではありませんか。
 デマを振りまいて沖縄の人々を貶めた百田さんは、自らの発言をきちんと謝罪するべきでしょう。このような人を講師に招いた勉強会を党本部で開いた自民党も、その最高責任者である安倍総裁も、沖縄の人々に対して責任を明らかにし、明確に謝罪するべきです。

 第3に、この勉強会を開いた議員たちも講師であった百田さんも、みな安倍首相の仲間であり、その応援団だということです。そもそもこの勉強会自体が、秋の総裁選での安倍首相の再選をめざして気勢を上げるために開かれたものだと言われています。
 どのような人々が安倍首相を支持し、何を考えているのかが、今回の騒動を通じてはっきりと見えるようになりました。安倍首相がこれらの人々の言動をきちんと批判し、謝罪しなければ、「やはり仲間なんだな」と国民に思われるだけです。
 言論・報道の自由の大切さも分からず沖縄のことも良く知らない人々が「戦争法制」の成立を目指し、沖縄での新基地建設を強行しようとしているわけです。国民の多くが不安を覚え、沖縄の人々が反発するのも当然でしょう。

 問題は安倍首相本人にあり、自民党「文化芸術懇話会」での発言は安倍政権の危険性をはっきりと示しています。「類は友を呼ぶ」と言われる通り、安倍首相の周りに集まっている人々こそ日本を危うくさせる元凶にほかなりません。
 「戦争法制」を葬り去り、沖縄での新基地建設を阻止するだけでなく、このような安倍政権を打倒することこそ日本を救う道なのです。「文化芸術懇話会」をめぐる一連の経過は、そのことを再確認させることになったと言うべきでしょう。

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2月27日(金) 相次ぐ自民党元重鎮の安倍首相に対する懸念と批判 [自民党]

 毎日新聞2月24日付夕刊に、福田康夫元首相のインタビュー記事が大きく出ていました。2月23日に豊島区民センターで行われた9条の会東京連絡会での講演で、自民党幹事長のOBなどによる安倍首相に対する批判について紹介し、「次に登場する可能性があるのは福田元首相でしょう。どこかで突撃取材でもしたらどうでしょうか」と発言しました。 
 実際にはこのころ、すでに毎日新聞の記者によって福田元首相に対する取材がなされていたということになります。「過去の反省なければ、未来展望も重み失う」と題されたこの記事で、福田さんは次のように述べています。

 −−しかし最近の日本、その「和の心」を忘れているように見える。ずばりうかがいますが、集団的自衛権行使容認などの安保政策の変更は、アジアの安定に影響を与えませんか。

 福田氏 和を乱すようなことをすれば当然、問題視されるでしょうが、今まで議論してきたような内容の安保政策なら問題ないでしょう。ただ、今年から法制を含めて具体的議論をするようですから、あまりにも変わったことをやり始めたら、周辺国は疑念を抱きます。ここはよく考えて、70年かけて積み上げてきたアジア諸国との信頼関係を壊さないようにしないと。

 −−その戦後70年の節目にあたり、安倍首相は新たな談話を出します。過去の「村山談話」「小泉談話」で述べられた「植民地支配と侵略」「痛切な反省」といった文言を生かすべきかどうかが焦点になっています。

 福田氏 今の段階でとやかく言う必要はないと思いますが、「3点セット」は欠かすことができない。すなわち「過去の反省」「戦後70年の評価」「未来への展望」です。過去の反省なくして戦後の歩みの評価もできないし、未来への展望も、重みを失う。この三つがなければ談話の意味がありません。だからこれまでの談話と、そうそう変わったものにはならないでしょう。過去の談話は「閣議決定したものではない」という指摘もあるが、その時々の首相が言ったということは、国家としての意思、見解の表明です。それをころころ変えるようでは信頼されません。繰り返しになりますが、日本は70年も努力を重ね、アジア諸国の信頼を取り戻してきた。それを一気に失うかもしれない。国内だけでなく、国際社会をも納得させるものでないといけないんです。ならば、これも答えはおのずから出てくるでしょう。

 −−同感です。安倍談話とともに靖国神社参拝問題も焦点になりそうです。

 福田氏 靖国の存在自体を否定することはない。ただ先ほど言った過去の反省とアジアとの信頼関係で考えなければ。靖国神社は追悼が中心の施設です。安倍首相は「追悼と平和祈念」と言って参拝されたが、平和を祈るのは、別の場所のほうがいいのではないか。小泉内閣で僕が官房長官だった2002年、有識者懇談会から「別の追悼祈念施設をつくるべきだ」との答申を頂いたが、この考えは、今も生きていると思います。

 −−アジアの多様性に触れられましたが、今の自民党内、安倍さんとその周辺に物を申しにくい、党内から多様性が失われた、と言われています。

 福田氏 いや、いざという時が来れば、議員の皆さんはきちんと言いますよ。それに決して安倍さんは力任せに突っ走ろうなんて思っていない。ただメディアが黙っていれば、国民も皆「これでいいんだ」と思う。最近そういうの多いよね。

 また、河野洋平元自民党総裁も、2月24日に名古屋市で講演し、自民党は右翼政治だと強い懸念を示しました。これについて、東京新聞2月25日付は次のように報じています。

 河野洋平元衆院議長は24日、名古屋市で開かれた共同通信きさらぎ会で講演し、安倍晋三首相が今夏発表する戦後70年談話に関し、過去の「植民地支配と侵略」への反省を明記した戦後50年の村山富市首相談話の表現を踏襲するよう求めた。安倍首相の政権運営をめぐっては「自民党がこれ以上『右』に行かないようにしてほしい。今は保守政治と言うより右翼政治のような気がする」と強い懸念を表明した。
 河野氏は、戦後60年の小泉純一郎首相談話も「植民地支配と侵略」に言及していることを踏まえ「日本の歴史認識が十年刻みで変わることはありえない。どういう文言で談話を書くかは決まり切ったことだ」と述べた。旧日本軍による従軍慰安婦問題に関する1993年の河野官房長官談話について「はっきりとした裏付けのないものは書かなかった」と述べ、「強制性」を認める文言は盛り込まなかったと強調。「強制性についての(当時の)文書は見つからなかった。しかし、強制性が全くなかったかと言えば、いくつか具体的なものはある」とした。
 日米関係に関しては「(オバマ政権に対し)歴史修正主義者ではないと明確に伝え、懸念を払拭(ふっしょく)するのは非常に重要だ」とした。靖国神社参拝問題に関し、国立の戦没者追悼施設の新設を検討すべきだとの考えも示した。

 さらに、山崎拓元自民党副総裁も、集団的自衛権行使容認の法制化を目指す与党協議など、一連の動きに対して、次のように警鐘を鳴らしています。ウェッブに公開されている『週刊朝日』2015年3月6日号からの抜粋を紹介しておきましょう。

――安倍首相は国会で、集団的自衛権行使の具体例として、ホルムズ海峡の機雷除去を挙げ、「わが国が武力攻撃を受けた場合と同様に深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況にあたりうる」と語った。

 集団的自衛権行使の要件には、日本と「密接な関係にある他国」が武力攻撃され、国の存立が脅かされることが挙げられています。
 石油の輸送ルートであるホルムズ海峡に機雷がまかれれば、日本の存立が脅かされる「存立事態」だといいますが、その場合、どこが「密接な関係にある他国」に当たるのか。ホルムズ海峡を通る国は全部になってしまう。これまでの政権の常識からしたら、「密接な関係にある他国」とは安保条約を結んでいるアメリカのことを指していたのに、それが安倍政権では世界中どこでもということになってきている。「グレーゾーン事態」の議論では、政府はオーストラリアも防護対象と言いだしています。その理屈だと、今ならヨルダンも入ってしまうかもしれない。際限がなくなってしまう。
 そもそも9条のある今の憲法では集団的自衛権の行使はできません。やりたいなら、憲法改正するしかない。民主主義の国なのだから是非を国民投票で問えばいい。戦後70年の外交安保政策の大転換を、閣議決定でなし崩しにやるべきではない。去年の閣議決定は間違いでした。
 安倍首相は今、戦闘地域へも自衛隊を派遣しようとしている。つまり武力行使をするということ。「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という9条1項の内容に踏み込んできている。
 安倍首相は、自分がしていることの恐ろしさをわかっていない。「戦後以来の大改革」などと言って、タブーを破った快感に酔いしれて、個人の名誉心でやっているのです。

 山崎さんは、昨年1月6日付のインタビューでも、集団的自衛権について、次のように語っていました。

 ―― 安倍首相は、集団的自衛権の行使容認に向け前のめりになっています。どう見ていますか?

 まったく説明不足。私は「解釈改憲」については反対です。日本は世界に冠たる法治国家。その法治の根幹は、最高法規たる憲法にこそある。憲法の地位が揺らぐということは、法治ということを考えた場合、大問題だと考えています。
 もうひとつ。この解釈改憲というものは、とりわけ集団的自衛権についての解釈というものは、国際法上認められている権利ではあるものの、日本の場合は憲法9条に照らして、その行使ができないということになっている。これは歴代政権において解釈が確立されているんです。
 誤解のないように言っておくと、内閣法制局が確立したのではなく、その都度、内閣が閣議決定しているのです。つまり、従来の解釈に基く法律を出す場合は、内閣法制局が審査し、それを閣議にかけて国会に提出する。歴代内閣はこれを繰り返してきた。
 なおかつ、この解釈に関する国会質疑が、政権が替わる度ごとに行われており、時の内閣総理大臣が答えています。内閣法制局長官が答えることがしばしばあったのは事実だが、しかし、その時には『ただ今、内閣法制局長官が答弁したとおり、我が内閣におきましては、集団的自衛権の行使はいたしません』として、歴代総理が明言している。つまり、総理が決めること。法制局長官が決めることではない。
 歴代政権の中で、もっとも理念右翼と目されている安倍政権がこの解釈を変える。するとその次にはもっとも左翼と目される総理が誕生するかもしれない。そうなると、また変える。つまり、憲法が、時の政権の解釈によって、その都度変わってくる。もちろん、その部分だけではないでしょう。例えば、基本的人権の一部に関しても、あるいは認めないという解釈をする政権ができるかもしれない。≪そんなバカな解釈改憲はできない≫とその時の法制局長官が抵抗すると、安倍総理がやったのと同じように更迭して、『俺の言った通りに見解を出す奴を起用する』ということになりかねない。“悪しき前例”を作ろうとしているんです。これを認めるべきではない。

 これまでも、古賀誠、野中広務、加藤紘一などの自民党元幹事長が安倍首相に対して批判を繰り返してきました。これに、福田康夫元首相、河野洋平元自民党総裁、山崎拓元自民党副総裁が加わったということになります。
 自民党の現役議員たちは、これら先輩の懸念や批判をどう受け止めているのでしょうか。「いざという時が来れば、議員の皆さんはきちんと言いますよ。それに決して安倍さんは力任せに突っ走ろうなんて思っていない」という福田さんの発言が、単なる希望的観測にすぎないということでなければ良いのですが……。

拙著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』(学習の友社、定価1300円+税)、3月1日刊行。
購入ご希望の方は学習の友社http://www.gakusyu.gr.jp/tomosya.htmlまで。


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4月20日(日) 保守であった自民党は極右の「安倍一族」に乗っ取られたことに気が付いていないのか [自民党]

 自民党は保守政党でした。でも、それは過去の話であり、今日の自民党はもはや保守政党ではなくなりました。安倍首相とそのお仲間である「安倍一族」に乗っ取られて極右政党になってしまったからです。

 その象徴的な例は自民党の憲法草案にあります。この草案は2012年4月に改定されました。
 その前の自民党憲法草案を起草したのは、自民党を離れる前の舛添要一さんでした。その舛添さんは、昨年末に『憲法改正のオモテとウラ』(講談社現代新書)という著書を出して、現行の自民党憲法草案を真っ向から批判しています。
 それもそうでしょう。「国防軍を保持する」「国際的に協調して行われる活動……を行うことができる」として、自衛隊を通常の軍隊に変えて多国籍軍に参加できるようにし、「軍人その他公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため……国防軍に審判所を置く」として軍法会議を設置し、「家族は、互いに助け合わなければならない」として道徳を押し付けるなど、立憲主義、国民主権、民主主義、基本的人権、平和主義を全て否定するアナクロニズムに満ち満ちているのですから……。

 これを舛添さんが批判するのは、保守の立場からです。批判される自民党憲法草案は、極右のマニフェスト同然だからです。
 先の都知事選挙で、自民党と公明党は当選を最優先して舛添さんを推薦しました。これに対抗して立候補した田母神さんは、「安倍首相は自分を支持しているはずだ」と言い、「安倍一族」の百田さんや極右・壊憲論者の石原元都知事は田母神さんを応援しました。
 このような構図からすれば、2012年4月以前の自民党憲法草案は「舛添草案」であり、その時に改定された新しい草案は「田母神草案」だったということになります。この時の改定は、保守の「舛添憲法草案」から極右の「田母神憲法草案」への変更を意味していたのです。

 今、自民党が改憲草案として打ち出してきているのは、この「田母神憲法草案」です。それと並行して強行されてきた国家安全保障会議設置法、特定秘密保護法などの立法改憲も、武器輸出3原則の防衛装備移転3原則への変更、「積極的平和主義」に基づく新防衛計画の大綱や新中期防衛力整備計画の閣議決定、水陸両用車の導入などの軍事力の強化、さらには集団的自衛権の行使容認のための解釈改憲にしても、かつての自民党と一味違う「田母神」的改憲路線の具体化であり、都知事選で田母神さんが胸を張って言ったように、それは安倍首相も支持している極右路線にほかなりません。

 アメリカでの講演で、安倍首相は「私を右翼の軍国主義者と呼びたいなら呼んでいただきたい」と居直りました。戦後の日本は軍国主義の否定から出発していますから、そのトップリーダーは「右翼の軍国主義者」であってはならないはずです。
 かつてであれば許されざる公言をして恥じない指導者に乗っ取られてしまったことに、自民党は気が付いていないのでしょうか。そうであるなら、今こそ声を大にして言いたいと思います。
「自民党よ、目を覚まして、まともな保守政党に戻れ!」と……。

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4月19日(土) すべての間違いは「日本を取り戻す」という誤った目標を掲げたところから始まった [自民党]

 「日本を取り戻す」というのが、一昨年の総選挙での自民党のスローガンでした。それは、安倍首相の目標でもあります。

 「取り戻す」と言うからには、以前の日本のことでしょう。これから作るとか、生み出すというのではないのですから……。
 過去に存在していなければ、「取り戻す」ことは不可能です。「取り戻す」対象は将来の日本ではないのです。
 つまり、安倍首相にとって目指すべき目標は過去であって、未来ではありません。その政治が後ろ向きの時代錯誤となるのは、ここからきています。

 「取り戻す」目標とされるからには、善きものでなければなりません。悪しきものであれば、「取り戻す」のではなく捨て去るべきでしょうから……。
 しかし、過去の日本は必ずしも善きものではありませんでした。というより、戦後の日本は戦前・戦中の日本を否定し、そこからの転換を目指して再出発しました。
 これが「戦後レジーム」であり、戦後の政治や社会の基本的な枠組みとなったものです。安倍首相は第1次内閣で「戦後レジーム」からの脱却を目指し、第2次内閣でそれ以前の「日本を取り戻す」という目標を掲げたのです。

 このような安倍さんからすれば、戦前・戦中の日本は、「取り戻す」対象としてふさわしい善きモデルでなければなりません。したがって、過去の再評価と美化が生ずるのは必然でしょう。
 そのためには、過去の歴史を改ざんし、それを正当化するための作業が必要になります。悪しき過去を直視して反省しようとする態度は自虐史観であると非難され、侵略戦争と植民地支配の歴史は修正され、正当化されることになります。
 その結果として、周辺諸国との関係を悪化させ、国際社会の信頼を失い、国際的な孤立化を深めているのが、今日の日本の姿です。そのような問題を生み出す根底にあるのが、「日本を取り戻す」という誤った戦略目標にほかなりません。

 今日の日本は、「戦後の国際秩序にそぐわない奇妙なことを言い、やっている特異な国」とみられ始めています。国際社会から後ろ指をさされるような隘路に入り込んでしまった根本的な原因は、「日本を取り戻す」という後ろ向きの目標を掲げた自民党の政権復帰を許したことであり、アナクロニズムに凝り固まった極右の民族主義者たる安倍首相をその先頭に立たせてしまったことにあります。


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9月22日(火) 政官財癒着の利益誘導型政治と構造改革路線の両方に対する反省が前提 [自民党]

 土曜日からの連休。シルバーウィークなのだそうです。
 仕事の関係で、今日は研究所に出勤しました。今日から後期の授業が始まっているはずなのに、多摩キャンパスは静かなものです。

 連休とはいっても、普段の休日と変わりません。今月中に、論文を2本、仕上げなければなりませんから、家にいるというだけの「休日」です。
 それでも、土曜日には、デビュー50周年記念という中村紘子さんのピアノ・リサイタルでサントリーホールに行きました。ここには、7月にもモスクワ管弦楽団のコンサートで来たばかりですが、どちらも知人に招待してもらったからです。
 正直に申せば、音楽の善し悪しはよく分かりません。そんな私にも、中村さんのピアノは、芳醇なウィスキーの香りが上り立つような円熟味あふれる熟達した演奏だったような気がしました。

 ところで、自民党の総裁選挙です。西村、河野、谷垣の3人の方が立候補しています。
 一方で「世代交代」、他方で「全員野球」が叫ばれています。しかし問題は、それによって何をめざし、何を実現しようとするのか、ということでしょう。
 自民党の敗北は、古い自民党のやり方と新しい自民党のやり方の両方が国民によって拒否されたために生じました。この両者に対する反省と、そのいずれでもない政治のあり方が示されなければ、自民党の再生は不可能でしょう。

 古い自民党のやり方とは、政(族)・官・財(業)の癒着による利益誘導型政治です。これは、旧日本型とでも言うべき開発主義的経済発展の政治でした。
 新しい自民党のやり方とは、新自由主義的な構造改革路線です。これは、アメリカ型とでも言うべき規制緩和と民営化の政治でした。
 このいずれもが失敗し破綻したために、自民党は歴史的な役割を担うことができなくなったのです。したがって、旧日本型とアメリカ型の両者に対する反省と、そこからの転換が前提とされなければなりません。

 民主党が掲げている旗印は、「官僚政治の打破」と「生活が第一」です。前者は旧日本型に代わるものであり、後者はアメリカ型が生み出した問題の解決を目指すものです。 つまり民主党は、それなりに、旧日本型とアメリカ型に代わる「第三の道」を指し示していました。だからこそ、総選挙で国民の支持を得ることができたのです。
 一方では、官僚に対する政治の優位を打ち出し、新しい政・官関係を生み出そうとする模索が続いています。他方では、構造改革が生み出した貧困と格差の拡大を是正するために、再分配政策に着手しようとしています。

 自民党は、このような民主党に対抗する新しい政治の姿を示さなければなりません。官僚政治を打ち破り国民の生活を立て直すことができるような「もう一つの選択肢」を示すことができるかどうかが、今回の総裁選挙では問われているはずです。
 しかし、候補者の誰一人として、そのような問題意識を持ち合わせているようには見えません。「世代」と「派閥」に目が奪われ、時代が提起している課題を自覚できていないということです。
 ここに、自民党の最大の危機があるというべきでしょうか。このままでは、誰がなっても、自民党が勢いを盛り返すのは難しいように見えます。
 
 なお、以上の点について、詳しくは、24日(木)の夜、アジア記者クラブでの講演でお話しさせていただくつもりです。関心のある方は、渋谷区勤労福祉会館までお越しいただければ幸いです。

9月15日(火) 麻生さんの暴言・失言は初めから分かっていたはずなのに [自民党]

 今日は、アメリカでの「リーマン・ショック」からちょうど1年になります。そして明日は麻生内閣最後の日ということになります。
 約1年前、福田前首相から託された解散・総選挙を先延ばしし、結局、麻生首相は総選挙で未曾有の敗北を招いてしまいました。これについて、今日の『日経新聞』は次のように書いています。

 当初は就任直後の内閣支持率の高いうちに衆院を解散しようと模索した首相。最大の誤算は、大規模な経済対策が支持率維持に結びつくとの自負から解散先送りを選んだことだ。解散を先送りするうちに失言が相次ぎ、施政者にとって大切な有権者からの共感を一気に失った。

  「解散先送り」は大失敗でした。昨年の今頃、解散を選択していれば、少なくとも、「失言が相次ぎ、施政者にとって大切な有権者からの共感を一気に失」うというようなことはなかったでしょうから……。
 それにしても不思議なのは、麻生首相の「失言」です。このような形で、「有権者からの共感を一気に失」う可能性があることは、最初から分かっていたはずでしょうに……。
 現に、昨年の今頃、雑誌の編集部からインタビューされた私は、次のように述べています。

 今度の選挙ではっきりしていることは、自民党にとって勝利はなく、負けをどの程度に押さえられるかということだけです。麻生さんが暴言・失言で新首相としての人気を失う可能性もありますから、自民党にとっては厳しい選挙でしょう。(「巻頭インタビュー 総選挙で問われるもの」『建設労働のひろば』No.68、2008年10月号)

 わたしはここで、「麻生さんが暴言・失言で新首相としての人気を失う可能性もあります」と言いました。約1年前に私が予測できたほどですから、自民党の中でこのような心配をした人もいたにちがいありません。本人の麻生さんだって、「暴言・失言で新首相としての人気を失う可能性」に気がついていたはずです。
 それなのに、何故、このような人をトップリーダーに選んでしまったのでしょうか。どうして、麻生首相は自重自戒せず、あのような形で失言を繰り返してしまったのでしょうか。
 1年近くも前から、「自民党にとっては厳しい選挙」であることが分かっていたのに、ズルズルと今日に至ってしまったのが実状です。それほどに、危機意識が希薄だったということなのかもしれません。

 この点からしても、自民党は歴史的役割を終え、退場することを運命づけられていたのだといわざるを得ないでしょう。「二大政党制論」に幻惑された人々は、盛んに自民党の再起を論じていますが、そんなことがあってはなりません。
 そもそも、ポスト小泉を争った「麻垣康三」の最後の1人である谷垣禎一さんが後継総裁候補に名乗りを上げること自体、古い自民党の姿そのものではありませんか。これでは、再起など不可能でしょう。
 このような自民党に対しては、次のような言葉を贈りたいと思います。前掲の私のインタビューの先の方で述べた部分になります。

 もし、自公両党で過半数を失って政権交代となると、自民党の方が分裂の危機におちいります。というより、この機会に分裂させ、完膚なきまで打ちのめさなければなりません。94年の村山政権の時は、せっかく社民党が首相を握ったのに自民党が許容する政策の枠内でしか動けず、その延命と復権を手助けする結果になりました。この轍をふむべきではありません。野党になった自民党が再起不可能になるくらい決定的な打撃を与えるべきです。

 とはいえ、自民党は今では、分裂する元気もなさそうです。

9月1日(火) 水に落ちた犬は打て [自民党]

 苔むした岩の上に鷹が止まっている。これが、総選挙後の自民党の姿ではないでしょうか。

 今回の総選挙の結果で自民党にとって深刻なのは、若手の議員が軒並み落選してしまったことです。前回初当選した83人のうち、今回も再選されたのはわずかに10人にすぎず、新たに当選した新顔はたったの5人です。
 つまり、119人の衆院議員のうち、1年生が5人で2年生が10人の合計15人にすぎないのです。最も多いのは、5回当選の21人、次いで4回当選の18人となっています。
 自民党は中堅とベテラン主体の政党となって、世代交代に失敗しました。その中堅の中には極端なタカ派もおり、ベテラン議員(苔むした岩)と「靖国派」と言われるようなタカ派議員(鷹)の党に変質してしまいました。

 逆に、民主党は若くて新鮮な議員が大量に誕生しています。初当選組は143人に上りますが、特に、若者と女性が多いという点が注目されます。
 今回の総選挙では女性が54人当選して最多となり、当選者に占める割合も11%と、初めて二桁になりました。
 これは民主党が自民党の大物議員の対立候補として女性を積極的に擁立し、40人も当選させた結果です。新議員の平均年齢も全体で0.3歳若返りましたが、このうち民主党は49.4歳と最も若くなっています。

 今回の民主党の大勝は「小沢戦略」の成功だと見られています。私もそう思いますが、しかし、それは若くて魅力的な新人議員の発掘という点にとどまりません。
 第1に、「生活が第一」という方向に民主党の基本路線を転換させ、新自由主義的な政策へのシンパシーを封印したことです。
 第2に、地方の首長選挙での相乗りを禁止するなど、与党との対決姿勢を明確にしたことです。
 第3に、小選挙区での競合を極力避け、他の野党との選挙協力を推進したことです。
 そして第4に、先に指摘したような新人議員の発掘と女性候補の擁立があります。

 代表時代の小沢さんは、福田首相との「大連立」を志向し、それが受け入れられないと代表辞任を表明するなどの失敗もありました。しかし、民主党内の批判と説得を受け入れて方向転換しました。また、西松建設問題によって足をすくわれそうになりましたが、ギリギリの段階で代表を辞任するという選択を行い、民主党を救いました。
 このような小沢さんの決断がなかったなら、今回の民主党の大躍進は実現しなかったにちがいありません。これらの決断もまた「小沢戦略」の一部であり、それが上手くいったがゆえの民主党の成功だったと言えるでしょう。
 今後とも、「生活が第一」の旗を掲げ続け、構造改革によって痛めつけられた国民生活の立て直しに全力を注いでもらいたいものです。これを含めて、自民党政治からの転換をどれだけ実現できるかが、これから問われることになるでしょう。

 次の政治決戦は来年の参院選です。今回の結果を基にした共同通信のシミュレーションによると、改選121議席のうち、民主党は75議席を占め、非改選と合わせて135議席になって過半数を大きく上回るそうです。
 非改選と合わせた党派別の勢力予測では、自民党75議席、公明党15議席となっていますが、これは自公協力がなされた今回の選挙に基づく試算です。次の参院選で選挙協力がなされる可能性は少なく、獲得議席はさらに減るでしょう。

 「朽ちかけた岩」と「鷹」しか残っていない自民党を、さらに追い込むことが必要です。次の参院選で最終的な引導を渡すための「小沢戦略」を、ぜひ編み出していただきたいものです。
 魯迅も書いているではありませんか。「打落水狗」(水に落ちた犬は打て)と……。



7月16日(木) 衆院解散前に自民党の方が解散されたようになったりして [自民党]

 開催されるのかどうか。開かれたとして、何が決まるのか、何も決まらないのかが注目されています。自民党の両院議員総会のことです。

 いよいよ、解散・総選挙に向けての最後のヤマ場にさしかかったようです。このヤマを超えられるかどうかによって、麻生首相の手による解散が可能になるかどうかが決まるでしょう。
 反麻生勢力の中川秀直元幹事長らは、両院議員総会の開催に必要な国会議員の署名を執行部に提出しました。署名は133人で、与謝野馨財務・金融相や石破茂農水相の2閣僚や鳩山邦夫前総務相が含まれているそうです。
 これに対して自民党の執行部は握りつぶしてしまうか、両院議員総会に代わる「総括の場」を開くことでお茶を濁すか、先延ばしして時間切れを狙うか、いずれではないかとみられています。21日までに、両院議員総会は開催されるのでしょうか。

 よしんば、両院議員総会が開催されたとしても、それがどのようなものになるかは分かりません。執行部は、都議選敗北などについての責任を明らかにして陳謝し、次期衆院選に向けた決意を述べるなど、ガス抜きの場にすることを狙うでしょう。
 中川さんたちは、総裁選を前倒しして看板を取り替えようとするでしょうが、署名した人々の全てがこのような考えだというわけではありません。現に、自民党津島派会長は「(津島派で)署名した人の大多数は、純粋に麻生首相と意見交換したいという気持ちだ。総裁選とか、総理をどうするかを念頭に置くなら同調できない」と述べています。
 もし開かれたとしても、両院議員総会は紛糾するにちがいありません。混乱のうちに閉会が宣言され、看板を取り替えることもできず、分裂状態を克服することもできず、選挙戦に突入せざるを得なくなる可能性、大です。

 自民党と連立を組んできた公明党は、この状態を苦々しく見ていることでしょう。自民党の混乱と反麻生の動きは、自民党とともに麻生内閣を支えてきた公明党からしても大きなマイナス要因になるからです。
 分裂選挙になって反麻生の立場で選挙に臨んだ場合、公明党の支援を受けられるのでしょうか。今頃、公明党は選挙支援を交換条件に、反麻生派を押さえにかかっているにちがいありません。
 反麻生勢力の議員は、どこまで突っ張れるのでしょうか。総選挙を目前にして、自民党執行部から公認を撤回されたり支援を拒まれたり、公明党からも支援されなくなるなどというリスクをおかす覚悟があるのでしょうか。

 もがけばもがくほど深みにはまる「あり地獄」状態はまだ続いているようです。衆院が解散される前に、自民党の方が解散されてしまったかのような状況になりつつあります。

 なお、「現代日本の働き方を問う―規制緩和下の労働と生活」という統一テーマの下、駒澤大学で開かれる労務理論学会第19回全国大会http://wwwsoc.nii.ac.jp/jalm/n_jalm/19komazawa3.pdfにおきまして、明後日7月18日(土)午前9時半からの特別シンポジウムで「労働再規制の構造とプロセス」について報告する予定です。これは駒澤大学経済学部との共同企画で一般の方の参加も可だということですので、関心のある方にご出席いただければ幸いです。



7月19日(土) 自民党の政策的破綻と組織的瓦解が始まった [自民党]

 いよいよ、追いつめられてきたということではないでしょうか。福田首相と自民党です。
 やることなすこと、上手くいきません。お先真っ暗、というところでしょう。
 起死回生を狙った洞爺湖サミットですが、ほとんど評価されていません。政権浮揚効果もなく、各社の世論調査での内閣支持率は微増に終わりました。

 マスコミによるあれだけの宣伝にもかかわらず、この程度の効果しか上がらなかったわけです。外交パフォーマンスによって内閣支持率の回復を図ろうとした福田さんは、がっかりでしょう。
 主要国(G8)が地球温暖化対策について「2050年に世界の温室効果ガス半減」との長期目標を「世界で共有する」ことを首脳宣言に盛り込み、アメリカも同意したかのような体裁を取り繕いました。しかし、7月11日に米環境保護局は温室効果ガスの排出規制は不適当との見解を公表し、経済や就業に悪影響があるという理由で07年4月の連邦最高裁判決を拒絶しました。
 サミットでの「共有」合意は、外向けのポーズにすぎなかったということでしょう。ブッシュ大統領は「2枚舌」を使った、ということになりましょうか。

 先日は、全国で漁業者が一斉休漁という「ストライキ」を行いました。これについても、福田さんは無策です。
 漁民は燃料の値上げに音を上げたわけですが、暫定税率の撤廃によって折角下がった石油の価格を再可決によってわざわざ引き上げたのは自公両党ではありませんか。あの時、暫定税率の復活などということをやらなければ、確実に燃料代は今よりも安かったはずです。
 いや、元はといえば、これもブッシュ大統領とそれに追随した小泉元首相の誤りでした。イラク戦争によって原油の供給量が減り、値が上がることを見越した投資ファンドが価格を引き上げたからです。

 「第3次石油危機」の始まりではないか、と言われています。それだけではありません。
 「第1次食糧危機」の始まりかも知れません。アメリカの対外政策と新自由主義の誤りは、平和を脅かしただけではなかったのです。
 安定した職と食が失われようとしています。国民は、将来に向けての不安を抱え、飢えに苦しむことになる可能性が高まっています。

 しかし、政権は無策です。京都市の講演会で伊吹文明幹事長は、消費税増税は必要だが、それは総選挙の後に先送りしたいという趣旨で、「選挙に勝とうと思うと、一種の『目くらまし』をやらないとしょうがない」と述べました。
 まともな打開策がないから、有権者を欺く「目くらまし」に頼るしかなくなっているということなのでしょうか。嘘をついてでも、選挙に勝ちさえすれば良いということなのでしょう。
 それをまた、政権党の幹事長があけすけに言っているのです。国民を馬鹿にし、見くびるのもいい加減してもらいたい、と思います。

 こんな自民党ですから、身内にさえ見限られ始めているようです。自民党支部の一部で、政策への不満から支部大会で「解散決議」を可決する動きが出ているからです。
 埼玉県松伏町の自民党松伏支部は7月5日、支部大会を開いて松井正雄幹事長が提出した「自民党松伏支部解散決議」を出席者全員の賛成で可決しました。高橋昭男支部長は、「年金問題、医療制度、天下り問題など、いまの自民党の政策は、国民生活と大きくかけ離れていて不信感がある。私たち下部組織の声にも、耳をかさない。中央組織は、もっとしっかりするべきだ」と語ったそうです。
 このような動きは、今後も強まるかもしれません。政権党における政策的な破綻と組織的な瓦解が始まっているということでしょうか。

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