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9月21日(木) 対談 「安倍改憲」を阻む道と「なくす会」の運動 [消費税]

〔以下の対談は、私と消費税をなくす全国の会事務局長の木口力さんとでなされたものです。消費税をなくす全国の会の機関紙『ノー消費税』第313号、2017年9月号、に掲載されました。〕
 
 「全国の会」は9月30日に第28回総会を迎えます。総会を前に、東京都議選(7月2日投開票)後の情勢と「全国の会」が果たした役割などについて、法政大学の五十嵐仁名誉教授(大原社会問題研究所元所長)と「全国の会」の木口力事務局長が話し合いました。(8月4日)

 都議選の自民大敗で潮目変わった

 ―7月2日投票の都議会議員選挙で自民党の歴史的大敗という結果を喫し安倍内閣への厳しい審判が下されましたが。

 五十嵐 そうですね。都議選で潮目が変わった。自民党が歴史的惨敗を喫しました。私は「驚天動地」の結果だったと言っています。都民は「安倍よ、アバヨ」という結果を出したわけです。
 その敗因は一つではなく、重層していました。築地市場移転問題の混迷にみられる都政の闇、「森友」「加計」問題にみる安倍首相夫妻の国政私物化、南スーダンへのPKO派遣での日報隠蔽(いんぺい)問題などの政治と政治家の劣化です。
 都議選で「今度ばかりは」という「非自民」票は都民ファーストへ行き、「きつい一発を」という「反自民」票は共産党に投じられました。これまで新党ができて伸びると埋没してきた共産党が32年ぶりに連続議席増となった。ぶれない反アベ・反自民、築地再整備という一貫した対応、市民と野党との共闘の成果などがあげられると思います。

 木口 今話されたような情勢をつくりだすうえで私たちも全力を尽くしてきました。今年になって、役員会で都議選は、東京の問題であるとともに、安倍政権の国政私物化・情報隠蔽、共謀罪・憲法9条改悪での暴走に審判を下す絶好の機会と話し合ってきました。
 そのことを「会報」等で全国各地の会員、読者に知らせ、それぞれの思想・信条に基づいて、「なくす会」や会員とともにたたかおうと呼びかけてきました。「全国の会」も毎月の東京・巣鴨駅での定例宣伝で訴えてきました。
 街頭では、「暮らしは大変。スーパーの安売りを探して買い物に行く」と怒りが寄せられます。そして「森友、加計問題の実態が次々明らかになり、本当に許せない。もう安倍首相の顔も見たくない」と声が寄せられ、激励が相次ぎました。

 9条改憲への「逆風」 運動の成果

 ―こうした情勢はどうしてもたらされたのでしょうか。

 五十嵐 安倍首相は「戦争する国」づくりへと着々と手を打ってきました。起承転結で理解できます。まず日米同盟の機密を守るための特定秘密保護法をつくり(起)、安保法制で自衛隊がアメリカ軍とともに地球のどこへでも出動できるようにし(承)、「共謀罪」法によって反対運動を押さえる(転)。そして、仕上げの「結」が9条改憲です。これで決着させようとしてきたわけですが、最後のところが怪しくなってきました。内閣改造で切り抜けようとしていますが、「9条改憲の意図」そのものは変わっていません。思いのほか「逆風」が強まってきたから、必死に頭を下げて突破しようとしているわけです。
 しかし、この「逆風」の強まりというのが大事で、これはこれまでの運動によって生み出された成果だと言えます。振り返ってみますと、2008年の「派遣村」、11年の福島原発事故を契機にした反原発・原発ゼロをめざす運動、13年の秘密保護法に反対する運動が15年の「安保闘争」につながり、17年の「共謀罪」反対の運動に結び付いているわけです。これらの運動を引き継いで、9条改憲に反対する運動が発展してきているのではないでしょうか。
 このようななかで市民と野党との共闘が生まれてきた。とりわけ、15年の「安保闘争」の中で「野党は共闘」という声が市民の中から沸き上がってきました。この野党共闘に立憲野党としての共産党が含まれている―これが重要で、いままでにない大きな特徴です。共産党が安保法の成立直後に国民連合政府構想を打ち出して展望を示したことも、大きな意義を持ちました。
 この共闘の構想が16年の「5党合意」で具体化され、この年の参院選での1人区すべてでの統一候補の実現へとつながりました。そして新潟知事選での勝利など市民と野党との統一の流れは広がり、その後の世論の変化に大きな影響を与えてきました。これがアベ暴走政治追及の運動がつくってきた大きな成果であり、運動の到達点だと思います。

 木口 私たちは、消費税一点での個人加盟の市民団体ですが、増税反対とともに、戦争法(安保法制)廃止、共謀罪阻止の署名、抗議、要請などにもとりくみ、大きな役割を発揮してきました。
 なぜ「会」が戦争法や共謀罪に反対するのか。1つは、「消費税、憲法変えれば戦争税」と訴えてきたように、消費税が戦争の財源になっているからです。さらに、戦争はいうまでもなく人の命を奪うとともに、暮らし・福祉・教育をズタズタにしてしまうからです。戦前、軍事予算は平時の2~3割から、第2次大戦が始まると7割になり、終戦直前は85%になっていました。増税反対では、8%増税後の2回目の生活実態調査にとりくみ、「生活が苦しくなった」方が84%にのぼり、「医療の負担が重い」と答えた方が7割を超えていることを明らかにし、社会にアピールしてきました。
 この間、私たちは消費税10%を世論と運動で2度食い止めてきました。これは7割以上の増税反対の世論、消費税廃止各界連とともに10%中止の1064万人の国会請願署名、野党4党が「今年4月の増税反対で一致」し、安倍政権を追いつめてきたためです。
 「会」独自には、2月、6月に野党4党に生活実態を届け、「10%中止・当面5%に」を要請してきました。

 これからの課題は?

 ―これからのたたかいですが、課題は。

 五十嵐 安倍首相は「戦争する国」づくりのために消費税を上げて防衛費を増やしてきました、これにたいしてどう闘うかが私たちの課題です。この間の運動の経験と教訓からすれば、市民と立憲野党との共闘が「勝利の方程式」になっています。違いを前提にした共同、リスペクトしエールを交換できる関係を築く。都議選でも6選挙区で統一し、21選挙区で党派間での支援・共闘があり、勝手連の動きもありました。党派の違いを越えて勝つために力を合わせる新しい政治文化が生まれてきています。
 消費税に反対するとともに、それに頼らない税収増の構想を同時に訴える必要があります。たとえば金融取引に対する課税です。累進課税の強化や内部留保に対する課税なども必要です。取りやすいところから取るのではなく、「とるべきところから取る」ことが必要で、反消費税の運動でも市民と野党との共闘を実現しなければなりません。

 木口 私たちも増税反対とともに安倍暴走内閣ストップの運動の一翼を担っていきます。
「なくす会」は、消費税を廃止することが目的です。当面10%中止・5%にもどすことを求めています。そのためには、国会の力関係を変えることが必要です。
 増税反対の世論と運動を広げ、選挙では、自公与党を少数にし、私たちの要求を掲げる政党・議員を多数国会に送りだすことです。そのため市民と野党共闘の前進に力をつくします。
野党4党の党首会談で「17年4月からの消費税10%への引き上げに反対する」(16年5月20日)で一致したことは、私たちに大きな励ましを与えています。
 さらに市民連合と野党4党との間で「貧困の解消、累進所得税、法人課税、資産課税のバランスの回復による公正な税制の実現(タックスヘイブン対策を含む)」(16年6月7日)で一致したことは大きな意味をもちます。
 10%増税まで2年あります。学習会や宣伝・対話を広げ、1千万人を超えた各界連の署名とともに、「会」独自に進めている「10%中止・当面5%に」の署名をすすめ、地元国会議員や地方議会要請などにも旺盛にとりくみます。
 当面9月30日の全国総会にむけて、「草の根の会、会報読者、会員」を増やし、大きな会をつくるようにしたいと思っています。 

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