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9月7日(木) 北朝鮮危機でどのようなことがあっても軍事衝突だけは避けなければならない [国際]

 相変わらず北朝鮮危機が国民を不安な気持ちに追い込んでいます。襟裳岬の東方に落下したミサイル発射に続いて「水爆」実験が行われ、ICBMの発射実験の兆候が見えるという報道もありました。
 このような北朝鮮の行動は断じて許されません。国連を中心として国際社会が団結し、危機の鎮静化を図ることが急務になっています。

 「米朝の軍事衝突が絵空事でなくなった」との見方が強まっています。軍事的な挑発行為が繰り返されエスカレートするなかで、意図せざる偶発的な衝突が生ずる危険性も高まってきました。
 しかし、いかなる状況の下でも、軍事衝突だけは絶対に避けなければなりません。今最も必要なことは、戦争につながる可能性を高めるのではなく衝突回避のために努力することです。
 北朝鮮がミサイル発射や核実験を繰り返しているのは、アメリカの圧倒的な軍助力を恐れ、自国の安全保障と体制維持に大きな不安を感じているからです。そうであれば、このような恐れや不安を低めるための措置を取ることこそが必要なのであり、軍事を含めた「圧力」を強めて危機を煽ることは完全な逆効果になります。

 トランプ米大統領は「あらゆる選択肢」があると言って、軍事的な手段を否定していません。場合によっては、北朝鮮を攻撃する可能性があることを示唆しています。
 韓国は北朝鮮の指導部を直接攻撃する部隊を新設する方針を明らかにし、THAADの追加配備を行い原子力空母の派遣をアメリカに要請しています。日本政府も陸上イージスの導入を目指し、日米韓の共同訓練や連携強化など軍事的対応策を強め、石破さんは核兵器の持ち込みについての議論を始めるべきだと言い出しています。
 北朝鮮が危機感を高めることが分かっているのに、日米韓こぞって軍事的な圧力を強めて脅しつけようとしているわけです。当然、北朝鮮は反発して軍事的な対抗措置を強めますから、危機は沈静化するどころかエスカレートするばかりです。

 もちろん、アメリカも北朝鮮も軍事的な解決を望んでいるわけではありませんし、そうしてはなりません。もし、戦争になれば韓国に甚大な被害が出るだけでなく、日本も攻撃され、その影響はアジアのみならず世界全体に及ぶことになるでしょう。
 日本にとって軍事的な選択肢はありえず、非現実的なものです。それにもかかわらず、安保法の成立によって「日本の安全に重大な影響がある場合」や「重大な危機にさらされた場合」には、集団的自衛権を行使して米軍を支援することになっています。
 現在の自衛隊は安保法成立以前の自衛隊ではなく、日米軍事協力の意味も大きく変質しました。「今の内なら攻撃されることはない」と考えてトランプ大統領が北朝鮮への攻撃を決断した場合、巻き込まれるのは自衛隊だけではなく日本と日本人全体なのです。

 いささかでもそのような危険を生んではなりませんが、そのために安倍首相は何をしてきたのでしょうか。「これまでにない深刻かつ重大な脅威」とか「異次元の圧力」などと勇ましい言葉を繰り返し、対話を拒んで圧力強化一本やりの対応に終始してきただけではありませんか。
 「出口」のない圧力強化は「暴発」を招くだけです。少なくとも、相手にとって「挑発」と受け取られ、反発して危機感を高めるような行動を慎むだけの冷静な対応が必要なのではないでしょうか。
 トランプ米大統領と一体となって北朝鮮を刺激することは、日本にとってのリスクを高めるだけです。スイスのロイトハルト大統領は4日、北朝鮮情勢をめぐる問題の解決に向けて仲介役を務める用意があると明らかにしましたが、本来これは平和憲法を持つ日本の総理大臣こそが言うべき言葉だったのではないでしょうか。

 北朝鮮が戦争への突入覚悟で危機を高めていくということは考えにくく、いずれは対話へと舵を切ることでしょう。駆け込み実験でアメリカに到達できるICBMの開発などを終えることをめざし、それまでは何があっても屈しないと腹を固めているのかもしれません。
 もしそうなら、いくら「圧力」を強めても無駄です。アメリカとの直接交渉を働きかけ、体制維持を約束して自国の安全保障への不安を和らげ、無理をして軍事力を増強する必要はないのだということを分からせることの方が、衝突回避にとってずっと効果的なのではないでしょうか。

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9月2日(土) 市民と野党との共闘重視の「ニュー前原」にならなければ民進党の再生は困難だ [民進党]

 注目された民進党の代表選挙が終わりました。当選したのは、予想されていた通り前原誠司元外相です。
 「昔の名前で出ています」と、古い歌を歌っていてはいけません。市民と野党との共闘を重視し推進する「ニュー前原」とならなければ、新しい執行部の下で民進党の再生を実現することは難しいでしょう。

 代表選での得票は、前原さんが国会議員、国政選挙の公認候補予定者、党員・サポーター、地方議員による投票の全てで枝野幸男前幹事長を上回って502ポイントとなり、総計851ポイントの過半数を制しました。枝野さんは332ポイントでしたが、東京での地方議員票、党員サポーター票では上回り、今後の党運営に影響する国会議員票でも前原さんが83票、枝野さんが51票で、予想よりも善戦したと見られています。
 今回の代表選は蓮舫代表の辞意表明を受けて実施されもので、新代表は9月末に召集される予定の臨時国会、10月の衆院3補選(青森4区、新潟5区、愛媛3区)の対応など、党勢の立て直しに向けての手腕が問われます。
 特に3つの補選については、蓮舫前代表が6月に、共産、自由、社民3党の党首と会談して総選挙でも「4野党が協力して候補者調整を行う」ことなどで合意しています。枝野さんはこの合意に基づいて連携を進めると主張していましたが、前原さんは見直す考えを示していました。

 このように、今回の党首選では共産党との選挙共闘が争点の一つになりました。このこと自体が、日本政治における新たな段階を示しています。
 これまでであれば、このような形で民進党と共産党との共闘への対応が問われることもなく、それが代表選での大きな焦点に浮かび上がることもなかったでしょう。それが代表を選ぶ基準の一つとされ重要な争点となったところに、市民と野党との共闘が極めて重要な政治課題となっていることが示されています。
 その点では、民進党の代表選は前進的な変化の中で闘われたということが言えるでしょう。この変化をさらに前へと進めるのか、それともここでストップさせてしまうのかが、民進党だけでなく市民と立憲野党の全体に問われています。

 そもそも、このような新たな政党連携に向けての動きは安保法(戦争法)反対運動の中から自然に沸き上がってきました。「戦争法廃案」と合わせて、次第に「野党は共闘」という声が高まってきたのです。
 それは「力を合わせなければ勝てない」という冷静な現状認識に基づき、「力を合わせることができる」という共通の立場と一地点の形成を踏まえたものでした。そして、市民と立憲野党は「力を合わせれば勝てる」という可能性に賭けたのです。
 こうして、政治への失望が希望に変わり、新たな共闘によって支持を拡大すれば勝てるという「勝利の方程式」が編み出されました。その後の5党合意、参院選1人区での11人当選、新潟県知事選、仙台市長選などによって、単に可能性を生み出すだけでなく実際に勝利を勝ち取れることが実証されました。

 このようななかで民進党内にも変化が生じ、前原さんも以前の前原さんではなくなりました。北海道5区補選の投票日前日、共産党の小池書記局長や穀田国対委員長とともに宣伝カーの上で演説した前原さんの姿が記憶に残っています。
 一時は「犬猿の仲」で決別した小沢一郎さんとの関係を修復したとのニュースもありました。こうして「ニュー前原」への変身が注目されたものです。
 その前原さんは、さっそく10月の補選にどう対応するのか、共産党などの立憲野党との選挙協力をどうするのかが問われることになります。最近では、党内の保守系議員たちが望む「日本ファーストの会」との協力関係構築を目指す考えに傾いているとも言われていますが、これまでの経緯を尊重し約束を守って「ニュー前原」の道を歩み続け、立憲野党の統一候補擁立に踏み出す以外に民進党再生の道はありません。

 すでに、多くの地域や選挙区で市民や立憲野党などによる共闘実現に向けての努力が積み重ねられ、衆院小選挙区で市民連合などの共闘組織が誕生するなど具体的な成果が生まれています。東京では25選挙区中19の選挙区で、神奈川・埼玉・千葉ではすべての小選挙区で、このような組織ができました。
 野党共闘を是とし、そのために努力してきた誠実な民進党員や地方組織も存在しています。このような地域や選挙区の実情を無視することは許されず、また選挙で勝利したいのであれば、無視することはできないでしょう。
 有権者の支持を得ようとすれば、支持が得られるような方針を掲げて行動せざるをえないからです。安保法の廃止など一致できる政策ではすでに一定の合意があり、選挙協力に向けての約束は公党間でのものですから、それを一方的に反故にすることは許されません。

 信義を重んじず、約束を守らないような人も政党も信頼を失います。理念が異なる別の政党であっても、政策が一致すればその範囲内で共に行動することは可能です。
 だからこそ、アベ暴走政治をストップさせ、立憲主義を守るという一点での共同を進めてくることができたのではありませんか。それを否定してひっくり返し、元に戻そうとしてはなりません。
 これからは、前原さんをとりまく民進党内の保守系議員などとの綱引きが始まるでしょう。私たちとしては、再び「野党は共闘」の声を高め、統一への流れを強めていくしかありません。

 歴史は「見ている」ものではなく「作るもの」であり、問うべきは「どうなるか」ではなく「どうするか」です。そして、「どうするか」を判断する基準、いわば「リトマス試験紙」は安倍首相です。
 安倍さんが「青くなる」かどうかで判断するべきでしょう。市民と野党が力を合わせ、内閣打倒にまで安倍首相を追い込んでいかなければなりません。
 そのために必要なことは何でもやるべきです。間違っても安倍さんを手助けしたり、喜ばせたりするようなことをしてはなりません。

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9月1日(金) 日米同盟のみに依存して目先の圧力強化にこだわってはならない [国際]

 「北朝鮮に関する日米の利害はミサイル問題などで必ずしも一致してこなかった。米国は中国とは安保理でも協議を深めており、日米同盟のみに依存して目先の圧力強化にこだわれば、はしごを外されかねない。」

 これは「国連で安保理担当の政務官を4年前まで務め、交渉の舞台裏に詳しい川端清隆・福岡女学院大教授(国際政治)」の発言です。昨日の『朝日新聞』8月31日付に掲載されていました。
 川端さんが指摘する通り、「日米の利害はミサイル問題などで必ずしも一致」していません。大陸間弾道弾(ICBM)が開発される以前から、日本は短距離や中距離ミサイルの射程内に入っており、余りにも北朝鮮に近いためミサイル防衛は技術的にほとんど不可能だからです。
 したがって、トランプ米大統領にはICBMがアメリカ大陸に届くようになる前に軍事的手段を行使する選択肢があったとしても、すでにミサイルの射程内に入っている日本にはそのような選択肢はあり得ません。安倍首相には、このような違いが分かっているのでしょうか。

 中国との関係も、アメリカと日本では大きく異なっています。「米国は中国とは安保理でも協議を深めて」いると川端さんは指摘されていますが、逆に安倍首相は中国を敵視し、その包囲網づくりを外交政策の重要な柱としてきました。
 北朝鮮危機が高まったために慌てて中国との関係を強めようとしていますが、足元を見透かされるだけです。ここでも、安倍外交は破綻していると言わなければなりません。
 北朝鮮の核開発やミサイル実験を抑制し、朝鮮半島の非核化を実現するために中国との協力関係をどう打ち立てていくのかという長期的な戦略を欠いたまま、ひたすら包囲網づくりに精を出してきたのが間違いだったのです。その結果、北朝鮮危機打開のために協力できるような信頼関係を失ってしまいました。

 さらに川端さんは、「日米同盟のみに依存して目先の圧力強化にこだわれば、はしごを外されかねない」と指摘されています。誰によって「はしごを外され」るのかと言えば、それはアメリカです。
 安倍首相は「北朝鮮に対話の用意がないことは明らかで、今は圧力をさらに高める時だ」と強調し、トランプ大統領もツイッターで北朝鮮との「対話は解決策ではない」と書いて再び態度を硬化させました。2度の電話による日米首脳会談で、トランプ大統領は安倍首相に説得されたのかもしれません。
 しかし、マティス米国防長官は「我々は外交的解決を決してやめていない」と述べて、交渉による解決を目指す米政府の姿勢を改めて強調しました。マクマスター米大統領補佐官(安全保障担当)も「米国は北朝鮮問題の平和的解決を優先する」と語っています。

 かたくなに「対話」を否定する安倍首相の態度は極めて特異なものであり、まるで危機の激化と緊張関係の強化を望んでいるかのようです。その対応は冷静さを欠き、国民に対して危機感を煽る異常な姿勢が際立っています。
 歴史を振り返って見れば、いつの時代でも権力者は自らの利益のために紛争を起こし、危機感を煽りたててきました。安倍首相も例外ではなく、自らの利益のために北朝鮮との紛争を利用し、危機を煽り立てているかのようです。
 「森友」「加計」学園疑惑や都議選での敗北、内閣支持率の低下などで守勢に立った内政から外政へと国民の目を転じ、頼りになる指導者を演じて支持回復を図ろうとしているのではないでしょうか。北朝鮮危機を軍事費の増大や軍備の強化、軍需産業の拡大、ひいては9条改憲に結びつくような世論作りに利用しようとしているように見えます。

 国民に不安を与えないこと、安全や安心への配慮よりも自らの政治的な思惑を優先しているから、北朝鮮危機を本気で解決する気がないのです。ただひたすら圧力強化のみを主張し、日米共同演習など軍事的な対応をちらつかせながら北朝鮮を屈服させようとするばかりです。
 このような対応はまさに「武力による威嚇」そのものであり、憲法9条に反しています。日本が「はしごを外され」国際的に孤立する前に、このような対応を転換するか、安倍首相を交代させなければなりません。

 これについて、『日刊ゲンダイ』8月30日付で私は次のようにコメントしました。
 「日本国内が過剰に反応すればするほど、北朝鮮の思うツボですよ。騒ぎを起こして、世界に見せつけようというのが北の狙いなのですから。それに、国民が不安を感じざるを得なくなってしまったのは外交・安保政策の失敗にあるのに、安倍政権は不安を煽って対外緊張を支持率回復につなげようとしている。ひどい話です」(政治学者の五十嵐仁氏)

 なお、9月の講演などの予定は以下の通りです。お近くの方や関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

9月2日(土)13時 横浜市上郷・森の家:神奈川革新懇
9月3日(日)13時30分 横浜市市民活動支援センター:横浜市中区革新懇
9月9日(土)14時 レインボープラザ北九州:北九州革新懇
9月10日(日)13時 千葉土建船橋習志野支部会館:船橋革新懇
9月24日(日)14時 あ~ちぷらざ東京土建板橋支部会館:なかいた・ときわ台9条の会

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