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9月25日(月) 「憲法と民主主義を守る八王子市民連合(準備会)」が発足した [解散・総選挙]

 遅ればせながら、昨晩の相談会において「憲法と民主主義を守る八王子市民連合(準備会)」が発足しました。来る解散・総選挙に向けて、市民と野党の共闘実現のために活動を開始することになります。
 国会前集会でのコーラーとして有名な菱山南帆子さんをはじめ、10人以上の方が呼びかけ人に名を連ねました。私もその1人です。

 この市民連合の意義と目的は3つあります。その一つはアベ暴走政治をストップさせて「憲法と民主主義を守る」ことです。
 安倍内閣は、通常国会で共謀罪を強行成立させ、森友学園・加計学園疑惑に蓋をして憲法違反の大義なき解散を強行しようとしています。これにノーを突きつけて安倍首相の退陣を実現するために、来る解散・総選挙では立憲野党の躍進、自公両党とその補完政党の敗北を実現しなければなりません。
 28日とされている解散は、天皇の国事行為として衆院解散を定めたにすぎない憲法7条を悪用し、憲法53条に基づいて4分の1以上が要求した臨時国会を開催せず、国務大臣や国会議員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条に反する憲法違反の解散です。このような違憲の解散を断罪するとともに、安倍首相に鉄槌を下し、国会から逃げ回って来た安倍内閣を打倒する好機としなければなりません。

 市民連合の2つ目の目的は、総選挙で勝利して安倍内閣を打倒するために市民と野党の共闘を実現することです。このような共闘なしには勝利できず、野党がバラバラで闘えば安倍首相の思うツボです。
 選挙や国会勢力において自民党は強く野党は弱く、「一強多弱」と言われてきました。しかし、自民党の有権者対比での「絶対得票率」は衆院の小選挙区でも25%弱にすぎません。
 約4分の1の有権者から支持されているにすぎないのに多数を占めてきたのは、同じく約4分の1の支持を集めている野党がバラバラだったために自民党が漁夫の利を占めてきたからです。野党が共闘して候補者を一本化し、「これなら勝てる」という展望を示すことができれば、諦めて投票所に足を運ばず棄権した半分近くの有権者を呼び戻して勝利することができます。そのことは、市民と立憲野党との共闘によって勝利を勝ち取って来た参院選1人区や新潟県知事選、仙台市長選で実証されています。

 そして、3つ目の目的は、市民が選挙活動に取り組む手段と機会を提供することです。衆院選は党派簡によって競われる選挙ですから、特定の政党を支持してない市民や無党派の人々が選挙にかかわるには困難があり、これまでは議員の後援会や勝手連のような形で関与するのが一般的でした。
 しかし、特定の政党や議員を支持していなくても、安倍首相の暴走に危機感を抱き9条改憲の目論みをストップさせたい、この間の暴走政治の責任を追及したい、強権政治を止めさせて民主主義を守りたい、自民党にきついお灸を据えたい、安倍さんに怒りの一発をくらわしたいと考えている市民は多くいます。このような人々に、その怒りと憤りをぶつけることのできる手段と機会を提供することが必要です。
 それが市民連合の役割ではないでしょうか。特定の政党ではなく、立憲主義を守る立場を表明している全ての政党を応援し、自民党と公明党、それを補完するような「野党」の当選を阻むことによって改憲勢力を3分の2以下として9条改憲を発議できないようにしなければなりません。

 八王子市民連合は、まだ準備会の段階です。これから多くの市民の方の参加を呼び掛けて本格的な態勢を作っていくことになります。
 当面、共闘の呼びかけをもって各政党への要請活動を行い、記者会見で発足したことを明らかにします。9月30日の午後4時から、JR八王子駅北口でキックオフ宣伝を行って正式に発足する予定です。
 アベ暴走政治に怒りと憤りを持ち、憲法と民主主義を守りたいと願っている八王子市民の参加を呼びかけます。政治は変えられます。変えようとして立ち上がり、諦めないかぎり。

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9月22日(金) 4野党が共闘すれば東京の25選挙区で21議席獲得できるという試算を現実のものに [解散・総選挙]

 これほど評判の悪い解散も珍しいのではないでしょうか。違憲、身勝手、自己都合、保身、逃走、打算などの言葉が飛び交っていますが、どれも今回の解散の問題点を表現するものです。
 一言で言えば、自分とカミさんや友達を守るために国会審議を吹っ飛ばした。これが今回の「アベ暴走解散」の本質です。
 大義なき解散に自民党までもが振り回され、大混乱の中で各党が走り出し、すでに選挙本番の様相となっています。この選挙の結果がどうなるのか、東京の選挙区について注目の予測がネットにアップされました。

 東京の25小選挙区で各党がバラバラで戦った場合には「自民が13選挙区、都民Fが12選挙区で得票数が最も多くなり」ますが、「4党共闘」が成立した場合には「自民は2選挙区、都民Fは5選挙区」にとどまり、「4党共闘」は「18選挙区で得票数が最も多くなる」との予測が示されています。「自民、新党が拮抗。4党共闘実現ならば圧勝! 衆院東京新区割の得票数シミュレーション【第48回衆議院総選挙】」という表題で9月21日午前7時に配信された「選挙ドットコム」による試算です。
 しかも、「自民がトップの14区、17区、都民Fがトップの18区でも、得票差は、わずか100票前後と逆転する可能性も高く、1選挙区あたり、3万~4万票を獲得している共産の集票力は、大変大きいことが明確となりました」と指摘されています。3区で逆転すれば、「4党共闘」は21議席も獲得して圧勝することができるということです。
 この試算は「都民F(若狭新党)」が東京の25選挙区すべてに候補者を擁立することを前提にし、先の都議選の公認候補者50人及び純粋推薦候補者の11人の得票数を合算して、選挙区ごとに算出しています。また、自民、公明、民進、共産、自由、社民、おおさか維新の得票数は16年参院選の比例得票数を使用し、公明票については、自民票にも都民F票にも合算せず、そのままにしてあります。

 単純な足し算とはいえ、この試算は極めて重要なことを教えています。立憲野党4党はバラバラで戦ってはならず、共闘すれば必ず勝てるということです。
 まさに、「活路は共闘にあり」を実証するような試算結果ではありませんか。立憲野党4党はこれを試算にとどめることなく、現実のものにしなければなりません。
 「選挙ドットコム」も「共産の集票力は、大変大きい」と指摘しているように、このような試算になったのは共産党の「集票力」によるものです。実際、先の都議選では「都民F」による突風が吹き荒れたにもかかわらず共産党は善戦健闘し、民進党の5議席に対して19議席も当選させています。東京における「4党共闘」の推進力は共産党であり、共産党抜きに立憲野党が勝利することは不可能です。

 「4党共闘」のためには候補者の一本化が必要ですが、候補者の取り下げなどによる「事実上の一本化」であってはなりません。基本的な政策の合意が必要です。
 2009年に民主党が躍進して与野党逆転を実現し、野党連合政権を実現した時の解散・総選挙では、300小選挙区のうち248の選挙区で共産党が候補者を立てず、民主党に対して事実上アシストする形になりました。今回の総選挙でも、民進党はこのような形での暗黙の協力を期待しているのかもしれません。
 しかし、政策合意抜きの事実上のアシストは政権交代後の民主党の変節を牽制することができず有権者の期待を裏切ることになり、大きな傷を残しました。このような失敗を繰り返さないためには、政権交代後の変節や裏切りを抑止できるだけの明確な政策合意が不可欠です。

 しかもこの間、立憲野党4党は、党首や書記局長・幹事長会談なので合意を積み重ね、2016年6月1日の党首会談では安保法制廃止、アベノミクスや強権政治、憲法改悪に反対する4つの柱での「共同政策」を確認し、通常国会では15本の議員立法を提出したり市民連合との政策協定を結んだりしてきました。今年の6月8日にも、安倍9条改憲反対や総選挙での協力について確認しています。
 前原民進党代表は理念・政策の一致しない政党とは協力できないと言っていますが、別の政党ですから理念が一致しないのは当然としても政策では一致できる点があり、事実、一致してきたではありませんか。今度の総選挙でこのような合意や一致点を踏まえて共闘を組むことは、市民や公党間の約束を守るという信義の点でも、一致点を積み重ねてきたという実績の点でも必要であり可能なことではないでしょうか。
 とりわけ、今回の解散・総選挙での最大の争点は「アベ」であり、安倍首相による暴走の継続と国会・国民無視のやりたい放題をこれ以上許して良いのかが問われています。民進党衆院議員のパーティ―で前原さんは「もう、四の五の言いません。選挙になるようです。政策の議論を戦わせなくてはいけないと思いますが、今回の選挙はただ一点。安倍(晋三)さんの好きにこれ以上させていいのか、だと思います。……こういう人を日本のトップとして居続けさせていいのか、という選挙にしたい。私は政策も国家像も大事だけれども、根底にあるのは怒りです」と述べたそうですが、そのためには市民と野党とがガッチリスクラムを組んで安倍さんを包囲し、自公両党をせん滅する必要があります。

 ようやく、野党4党の幹事長・書記局長らが会談し、小選挙区の候補一本化に向けて努力することが確認されました。民進の大島敦幹事長が「小選挙区なので与党と野党が1対1の形に持ち込むことが望ましい。どうすればそれができるか模索していきたい」と応じています。
 会談後、大島幹事長は「一本化を目指すとまでは言わない。慎重に対応したい」と語り、共産党の小池晃書記局長は「共通政策や相互推薦・相互支援で本気の共闘をする協議を進めたい」と述べ、候補一本化には共通政策などが必要だとの考えを改めて示しています。すでに合意してきた共通政策があるのですから、それを基に「一本化を目指す」ための協議を開始すべきでしょう。

 力を合わせれば勝てるという試算を現実のものとするために、「根底にある怒り」を大切に、「四の五の言わず」直ちに行動を起こしていただきたいものです。しっかりとした本気の野党共闘を実現して、「こんなはずではなかった」と安倍首相を慌てさせホエヅラをかかせるような選挙結果を勝ち取ろうじゃありませんか。

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9月21日(木) 対談 「安倍改憲」を阻む道と「なくす会」の運動 [消費税]

〔以下の対談は、私と消費税をなくす全国の会事務局長の木口力さんとでなされたものです。消費税をなくす全国の会の機関紙『ノー消費税』第313号、2017年9月号、に掲載されました。〕
 
 「全国の会」は9月30日に第28回総会を迎えます。総会を前に、東京都議選(7月2日投開票)後の情勢と「全国の会」が果たした役割などについて、法政大学の五十嵐仁名誉教授(大原社会問題研究所元所長)と「全国の会」の木口力事務局長が話し合いました。(8月4日)

 都議選の自民大敗で潮目変わった

 ―7月2日投票の都議会議員選挙で自民党の歴史的大敗という結果を喫し安倍内閣への厳しい審判が下されましたが。

 五十嵐 そうですね。都議選で潮目が変わった。自民党が歴史的惨敗を喫しました。私は「驚天動地」の結果だったと言っています。都民は「安倍よ、アバヨ」という結果を出したわけです。
 その敗因は一つではなく、重層していました。築地市場移転問題の混迷にみられる都政の闇、「森友」「加計」問題にみる安倍首相夫妻の国政私物化、南スーダンへのPKO派遣での日報隠蔽(いんぺい)問題などの政治と政治家の劣化です。
 都議選で「今度ばかりは」という「非自民」票は都民ファーストへ行き、「きつい一発を」という「反自民」票は共産党に投じられました。これまで新党ができて伸びると埋没してきた共産党が32年ぶりに連続議席増となった。ぶれない反アベ・反自民、築地再整備という一貫した対応、市民と野党との共闘の成果などがあげられると思います。

 木口 今話されたような情勢をつくりだすうえで私たちも全力を尽くしてきました。今年になって、役員会で都議選は、東京の問題であるとともに、安倍政権の国政私物化・情報隠蔽、共謀罪・憲法9条改悪での暴走に審判を下す絶好の機会と話し合ってきました。
 そのことを「会報」等で全国各地の会員、読者に知らせ、それぞれの思想・信条に基づいて、「なくす会」や会員とともにたたかおうと呼びかけてきました。「全国の会」も毎月の東京・巣鴨駅での定例宣伝で訴えてきました。
 街頭では、「暮らしは大変。スーパーの安売りを探して買い物に行く」と怒りが寄せられます。そして「森友、加計問題の実態が次々明らかになり、本当に許せない。もう安倍首相の顔も見たくない」と声が寄せられ、激励が相次ぎました。

 9条改憲への「逆風」 運動の成果

 ―こうした情勢はどうしてもたらされたのでしょうか。

 五十嵐 安倍首相は「戦争する国」づくりへと着々と手を打ってきました。起承転結で理解できます。まず日米同盟の機密を守るための特定秘密保護法をつくり(起)、安保法制で自衛隊がアメリカ軍とともに地球のどこへでも出動できるようにし(承)、「共謀罪」法によって反対運動を押さえる(転)。そして、仕上げの「結」が9条改憲です。これで決着させようとしてきたわけですが、最後のところが怪しくなってきました。内閣改造で切り抜けようとしていますが、「9条改憲の意図」そのものは変わっていません。思いのほか「逆風」が強まってきたから、必死に頭を下げて突破しようとしているわけです。
 しかし、この「逆風」の強まりというのが大事で、これはこれまでの運動によって生み出された成果だと言えます。振り返ってみますと、2008年の「派遣村」、11年の福島原発事故を契機にした反原発・原発ゼロをめざす運動、13年の秘密保護法に反対する運動が15年の「安保闘争」につながり、17年の「共謀罪」反対の運動に結び付いているわけです。これらの運動を引き継いで、9条改憲に反対する運動が発展してきているのではないでしょうか。
 このようななかで市民と野党との共闘が生まれてきた。とりわけ、15年の「安保闘争」の中で「野党は共闘」という声が市民の中から沸き上がってきました。この野党共闘に立憲野党としての共産党が含まれている―これが重要で、いままでにない大きな特徴です。共産党が安保法の成立直後に国民連合政府構想を打ち出して展望を示したことも、大きな意義を持ちました。
 この共闘の構想が16年の「5党合意」で具体化され、この年の参院選での1人区すべてでの統一候補の実現へとつながりました。そして新潟知事選での勝利など市民と野党との統一の流れは広がり、その後の世論の変化に大きな影響を与えてきました。これがアベ暴走政治追及の運動がつくってきた大きな成果であり、運動の到達点だと思います。

 木口 私たちは、消費税一点での個人加盟の市民団体ですが、増税反対とともに、戦争法(安保法制)廃止、共謀罪阻止の署名、抗議、要請などにもとりくみ、大きな役割を発揮してきました。
 なぜ「会」が戦争法や共謀罪に反対するのか。1つは、「消費税、憲法変えれば戦争税」と訴えてきたように、消費税が戦争の財源になっているからです。さらに、戦争はいうまでもなく人の命を奪うとともに、暮らし・福祉・教育をズタズタにしてしまうからです。戦前、軍事予算は平時の2~3割から、第2次大戦が始まると7割になり、終戦直前は85%になっていました。増税反対では、8%増税後の2回目の生活実態調査にとりくみ、「生活が苦しくなった」方が84%にのぼり、「医療の負担が重い」と答えた方が7割を超えていることを明らかにし、社会にアピールしてきました。
 この間、私たちは消費税10%を世論と運動で2度食い止めてきました。これは7割以上の増税反対の世論、消費税廃止各界連とともに10%中止の1064万人の国会請願署名、野党4党が「今年4月の増税反対で一致」し、安倍政権を追いつめてきたためです。
 「会」独自には、2月、6月に野党4党に生活実態を届け、「10%中止・当面5%に」を要請してきました。

 これからの課題は?

 ―これからのたたかいですが、課題は。

 五十嵐 安倍首相は「戦争する国」づくりのために消費税を上げて防衛費を増やしてきました、これにたいしてどう闘うかが私たちの課題です。この間の運動の経験と教訓からすれば、市民と立憲野党との共闘が「勝利の方程式」になっています。違いを前提にした共同、リスペクトしエールを交換できる関係を築く。都議選でも6選挙区で統一し、21選挙区で党派間での支援・共闘があり、勝手連の動きもありました。党派の違いを越えて勝つために力を合わせる新しい政治文化が生まれてきています。
 消費税に反対するとともに、それに頼らない税収増の構想を同時に訴える必要があります。たとえば金融取引に対する課税です。累進課税の強化や内部留保に対する課税なども必要です。取りやすいところから取るのではなく、「とるべきところから取る」ことが必要で、反消費税の運動でも市民と野党との共闘を実現しなければなりません。

 木口 私たちも増税反対とともに安倍暴走内閣ストップの運動の一翼を担っていきます。
「なくす会」は、消費税を廃止することが目的です。当面10%中止・5%にもどすことを求めています。そのためには、国会の力関係を変えることが必要です。
 増税反対の世論と運動を広げ、選挙では、自公与党を少数にし、私たちの要求を掲げる政党・議員を多数国会に送りだすことです。そのため市民と野党共闘の前進に力をつくします。
野党4党の党首会談で「17年4月からの消費税10%への引き上げに反対する」(16年5月20日)で一致したことは、私たちに大きな励ましを与えています。
 さらに市民連合と野党4党との間で「貧困の解消、累進所得税、法人課税、資産課税のバランスの回復による公正な税制の実現(タックスヘイブン対策を含む)」(16年6月7日)で一致したことは大きな意味をもちます。
 10%増税まで2年あります。学習会や宣伝・対話を広げ、1千万人を超えた各界連の署名とともに、「会」独自に進めている「10%中止・当面5%に」の署名をすすめ、地元国会議員や地方議会要請などにも旺盛にとりくみます。
 当面9月30日の全国総会にむけて、「草の根の会、会報読者、会員」を増やし、大きな会をつくるようにしたいと思っています。 

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9月19日(火) 安倍首相の自己都合による「モリ」「カケ」疑惑隠し解散で返り討ちを [解散・総選挙]

 不意打ちを狙っていたのでしょうか。突然の解散表明です。
 安倍首相は9月28日に予定されている臨時国会召集直後の衆院解散の可能性を明らかにしました。正確な日付は国連総会出席のための訪米から帰国した後になりそうですが、臨時国会中に解散されることは確実で、最も早い場合は10月10日公示、22日投票になります。

 突然の解散表明には野党だけでなく、自民党もびっくりしているようです。地方では選挙準備が間に合わず、大慌てだと言われています。
 それもそうでしょう。憲法9条に自衛隊の存在を書き込んで2020年に改正施行するという目標を明らかにした安倍首相は衆院の改憲議席3分の2を維持して改憲発議するために、来年12月の衆院議員の任期切れ直前まで解散を避けるのではないかと見られていたからです。
 しかし、臨時国会最終盤での「森友」「加計」学園疑惑、南スーダンでの自衛隊PKO日報の隠ぺい問題や共謀罪法案の強行採決などで内閣支持率が急落し、都議会議員選挙で歴史的な惨敗を喫しました。こうして「潮目」が変わったために、このままでは政権維持が困難になり、来年9月の自民党総裁選での3選もおぼつかなくなるのではないかと恐れ、「改憲より政権」を選択したということではないでしょうか。

 この解散については、「大義がない」「北朝鮮情勢が不安定な時に政治空白を生むことになる」などの批判があります。解散を決断したのは安倍首相の個人的な都合によるものですから、このような批判が出るのは当然です。
 安倍首相にとっては個人的な事情が大事なのであって、「大義」や「政治空白」などはどうでもい良いと考えているのでしょう。まして、自民党の混乱や地方組織の反発などは意に介していません。
 自民党など与党の都合や思惑によって解散が決まれば「党利党略」ということになります。しかし、今回の解散は安倍首相夫妻の都合や思惑による解散ですから、究極の「個利個略」「私利私欲」解散だと言うべきでしょう。

 その都合や思惑とは何でしょうか。それは「森友」「加計」学園疑惑隠しということにつきます。安倍首相は「丁寧に説明する」と繰り返してきましたが、疑惑はほとんど事実ですから、どのように説明しても晴らすことはできません。
 ですから、延長可能であった通常国会を無理やり閉じてしまい、憲法53条の規定に従って野党が要求した臨時国会の開催からも逃げ回ってきました。しかし、秋の臨時国会は開かないわけにはいかず、開けばまたもや安倍夫妻のアキレス腱である「森友」「加計」疑惑への追及が蒸し返され、安倍首相のみならず夫人の昭恵さんや「腹心の友」である加計孝太郎さんが窮地に立つ可能性があります。
 そうなれば、いったんは持ち直したかに見える内閣支持率も再び急落し、政権維持すら危うくなる危険性が出てきます。安倍首相としては、このような事態をなんとしても避けたいと思ったにちがいありません。

 もちろん、今なら「勝てる」というより、「それほど負けない」という思惑も働いたでしょう。与党で3分の2という「改憲勢力」を維持できなくても過半数は確保でき、政治責任を問われずに政権を維持することもできるだろうという見通しがあるから解散しようとしているのです。
 その根拠の一つは野党の側の体制です。民進党は前原新執行部が発足したばかりで「山尾ショック」があり、離党者も出ているなど混乱が続いています。
 都議選と同様に「非自民」の受け皿になるかもしれない小池新党はまだ結成されておらず、共産党が求めている立憲野党の共闘体制もできていません。北朝鮮による核・ミサイル実験という「援軍」も期待でき、これらは政治的に利用可能ですから、このスキをついて不意打ちに出れば勝機があると計算したのではないでしょうか。

 このように徹頭徹尾、自己都合を優先させた「個利個略」「私利私欲」解散ですから、大義も正当性もありません。この点を野党が批判するのは当然ですが、しかし、「受けて立つ」というような受け身の姿勢でとらえるのは間違いです。
 というのは、この解散は野党の側が追い込んで来た結果であり、その成果でもあるからです。先の通常国会での「森友」「加計」学園疑惑の追及や都議選での惨敗、内閣支持率の急落などがなければ、臨時国会での論戦を嫌がることはなく、それによる内閣支持率の再下落を恐れることもなかったでしょう。
 「今のうちに」とスキを狙っているのは、野党の選挙態勢が整って共闘が成立したら厳しい選挙になるということが分かっているからです。昨年の参院選の1人区などのような形で市民と野党との共闘体制が整わないうちに、一挙に決着をつけようとして不意を突いてきたのです。

 安倍首相の「一強体制」の揺らぎを生み出して「解散・総選挙に追い込む」というのが、市民と立憲野党にとってのこれまでの獲得目標でした。講演で「早く来い来い総選挙」と言っていた私からすれば、臨時国会での冒頭解散は大歓迎です。
 昨日アップした論攷「『水に落ちた安倍は打て』―安倍内閣打倒に向けての追撃戦が始まった」で、私は「安倍内閣打倒に向けての追撃戦が始まったのです。そのための陣立てこそ市民と立憲野党との共闘であり、この『勝利の方程式』によって『受け皿』を提供することが今後の課題になります」と書きました。慌てず騒がず、アベ暴走政治をストップさせ立憲政治を回復させるための絶好のチャンスとして、早急に共闘体制を確立する必要があります。
 この「追撃戦によって『水に落ちた』安倍首相を打ち、その緒戦で勝利すれば9条改憲の野望も打ち砕くことができるにちがいありません」とも書きましたが、まさにこの「緒戦」が解散・総選挙なのです。ここで「勝利」すれば、「9条改憲の野望」を打ち砕くことは十分に可能です。

 そのカギは何といっても、市民と野党が力を合わせて選挙を闘うことができるかどうかにかかっています。この解散・総選挙というチャンスを無にしてはなりません。
 早急に野党共闘に向けての話し合いを開始し、安倍首相による「不意打ち」を「返り討ち」にしていただきたいものです。活路は共闘にしかなく、安倍内閣打倒と立憲政治の回復という一致点で合意できるすべての市民と野党が手を結び力を合わせることこそ、「勝利の方程式」なのですから。

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9月18日(月) 「水に落ちた安倍は打て」―安倍内閣打倒に向けての追撃戦が始まった [論攷]

〔以下の論攷は、『日本科学者会議東京支部つうしん』No.599、2017年9月10日号、に掲載されたものです。〕

 20世紀の中国を代表する作家・魯迅は「水に落ちた犬は打て」(打落水狗)と書きました。「凶暴な犬が溝に落ちたら、弱っているうちにさらに追い討ちをかけるべきだ」という意味です。今の安倍政権についても、こう言いたいと思います。「水に落ちた安倍は打て」と。
 「官邸支配」を打ち立て、自民党内と国会内での2重の「一強体制」の下で5年に及ぶ長期政権を実現した安倍首相でした。それが驕りや緩みを生み、9条改憲の表明、政治や行政の歪み、強権的な国会運営、暴言やスキャンダルの頻発などをもたらし、国民の批判や失望を招いています。
 通常国会で追及された「森友」「加計」学園疑惑では首相夫妻の関与と忖度による政治の私物化が疑われました。南スーダンPKOでの日報問題では稲田防衛相の隠ぺいへの関与と文民統制の空洞化、共謀罪法案では委員会採決を省略した強行成立など、数々の問題も明らかになりました。それらに対する国民の怒りが爆発したのが、東京都議選でした。
 自民党は歴史的惨敗を喫しましたが、その敗因は一つではありません。築地市場問題の混迷など「都政の闇」を生み出した自民党都連への批判、9条改憲や国政の現状への異議申し立て、そして安倍首相本人に対する不信や嫌悪などが積み重なっての大敗でした。だからこそ、過去最低の38議席を15も下回る23議席にまで転落したのです。
 これらの結果、安倍内閣支持率が大暴落し、政治の潮目が変わりました。安倍内閣打倒に向けての追撃戦が始まったのです。そのための陣立てこそ市民と立憲野党との共闘であり、この「勝利の方程式」によって「受け皿」を提供することが今後の課題になります。
 すでに、11の参院選1人区、新潟県知事選や仙台市長選などで勝利するという実績を上げてきました。このような共闘によって保守票が逃げることもなく、無党派層を引き付けることができるということは実証済みです。その効果を高めるために共闘のレベルを上げ、本気になって力を合わせなければなりません。
 共闘の実現は民進党になってからの大きな成果であり、旧民主党とは異なる重要な到達点でした。重要なことは民進党が共闘に本腰を入れることです。新しい代表の選出が野党共闘を確固とした基盤の上に据え、「党再生の好機」を生み出していただきたいものです。
 安倍政権を打倒するという大目標を実現するためには、これまで以上に政策的な一致点の水準を高め、幅を広げなければなりません。必要なのは、こうすれば勝てるという確信がもてるようにすることです。そうすれば、諦めていた人々に勇気を与え、政治や選挙への参加を促すことができるでしょう。
 政治の現状に対する不満や批判をどのように受け止め、解決に向けての展望を示すことができるかが問われています。9条改憲をめぐって「激突の時代」が始まりました。追撃戦によって「水に落ちた」安倍首相を打ち、その緒戦で勝利すれば9条改憲の野望も打ち砕くことができるにちがいありません。


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9月16日(土) 戦後国際政治において失敗続きだったアメリカの後追いをしても失敗するだけだ [国際]

 安倍首相の9条改憲構想は、アメリカの尻馬に乗って日本を「戦争する国」「戦争できる国」にするためのひとつながりの「物語」の完結編を意味しています。日本を「戦争する国」「戦争できる国」にするためには、法律や制度などのシステム、戦闘部隊や軍備、基地などのハード、若者への教育やマスコミによる国民の意識や世論形成などのソフトという3つの領域での整備が必要になります。
 憲法を変えることは、このシステム変更の中核をなしています。この「物語」は起(特定秘密保護法)、承(安保法)、転(共謀罪法)、結(9条改憲)という形で、最後の段階を迎えつつあると言ってよいでしょう。

 このような「物語」は、多極化し世界の秩序維持をもはや一国では担えなくなったアメリカからの分担要請であるとともに、アメリカのような国になって世界の中心で活躍したいと願う安倍首相の個人的な野心も反映しています。それは憲法を変えた最初の首相として歴史に名を残したいという願望にも通ずるものです。
 その「モデル」はアメリカですが、安倍首相にとってはオバマのアメリカより以上にトランプのアメリカこそが、理想的なパートナーであるにちがいありません。「アメリカ第一」を掲げて排外主義と人種差別を公言するトランプ米大統領は、安倍首相のと「うり二つ」なのですから。
 しかし、日本がその後を追おうとしている第2次世界大戦後のアメリカは失敗の連続でした。成功しているならともかく、失敗ばかりしてきたアメリカの後を追っていけばやはり失敗するに決まっているではありませんか。

 戦後国際政治におけるアメリカは失敗の連続でした。主なものでもベトナム戦争、9.11の同時多発テロ、イラク戦争などがあります。いずれも、自国民の多くが犠牲になり、それをきっかけに国力を弱め、国際的な地位を低下させてきました。
 ただし、9.11同時多発テロでアメリカは被害者であって、テロを引き起こしたのは中東地域出身の犯人たちでした。とはいえ、何故あのような形でアメリカが狙われたのかと言えば、その背景にはアメリカによる中東政策の失敗がありました。
 戦後のアメリカは、中東だけでなくアジア、中南米、アフリカなど地球規模で、中央情報局(CIA)などを使った隠然とした工作や海兵隊などを用いた公然とした介入を行ってきました。このような工作や介入にたいする積年の恨みや怒りがあったからこそ、アメリカがテロの対象として狙われたのです。

 このように、多年にわたる「世界の憲兵」としてのアメリカの活動は感謝されるどころか激しい敵意と怨念を生み出してきたということを忘れてはなりません。しかも、この9.11同時多発テロ事件はブッシュ大統領による「対テロ戦争」を引き出し、さらに中東への介入を強めてアフガン戦争を泥沼化させました。
 そして、その後に始まったイラク戦争は、さらに大きな失敗を生み出すことになります。核や化学兵器などを開発して貯蔵しているという「濡れ衣」によってフセイン政権が攻撃され打倒されましたが、そのような「大量破壊兵器」は発見されませんでした。
 日本政府も支持したこの戦争によってフセイン政権は倒されましたが、それによって中東地域に平和と安定が訪れたというわけではありません。混乱がさらに拡大し、その結果、二つの大失敗がもたらされることになります。

 その一つは、「イスラム国(IS)」というモンスター(怪物)が誕生し、増大していったことです。その母体は「イラクの聖戦アルカイダ」だと言われるように、イラク戦争がなければおそらく誕生することのなかった怪物でした。
 もう一つは、北朝鮮の金正恩労働党委員長による核とミサイル開発への暴走です。イラクのフセイン政権やリビアのカダフィ政権などの崩壊を目の当たりにして恐怖を覚えた金正恩氏は、核兵器とその搭載が可能でアメリカに到達できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発によらなければ北朝鮮の体制維持は不可能だと思い込み、その開発に狂奔する決意を固めたにちがいありません。
 結局、イスラム国と金正恩氏は、戦後におけるアメリカの外交・軍事政策の失敗が生み出した二つの「怪物」だったのです。それを退治しようとしてアメリカと同様の外交・軍事政策を取れば、その失敗をさらに上塗りして問題の解決を遅らせるだけでしょう。

 安倍首相には、このような戦後国際政治に対する反省もアメリカの失敗についての認識もありません。あるのはアメリカに対する追従と中国への敵意だけです。
 アメリカの失敗の結果、世界が大きく変化し多極化してきており、これまでとは異なったアプローチが必要になってきているということも全く理解できていません。古めかしいアメリカの栄光の復活を夢見て、そのおこぼれにあずかろうとしているだけです。
 トランプ米大統領はアメリカの失敗から抜け出そうとして、その失敗を別の形で繰り返そうとしています。北朝鮮を口汚くののしって軍事的な圧力を強め、その尻馬に乗った安倍首相は圧力一本やりの強硬路線を主張するばかりです。

 出口のない緊張の高まりによって、偶発的な衝突の可能性が高まってきています。トランプ米大統領が核のボタンに手をかけないことを祈りつつ、一刻も早く対話路線に転換し、交渉による解決の糸口を見つけ出してもらいたいものです。
 このような非軍事的な解決策の模索こそが、戦後アメリカの失敗の歴史から抜け出す唯一の道なのです。アメリカの後追いではなく日本独自の立場から非軍事的な解決を促しその実現を目指すことこそ、憲法9条の平和主義を尊重し擁護すべき義務を有している日本の首相のとるべき態度ではないでしょうか。

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9月14日(木) 安倍9条改憲構想の危険性を直視しなければならない [憲法]

 自民党の憲法改正推進本部は12日に全体会議を開いて、安倍首相が打ち出した憲法9条1項、2項を維持して自衛隊の存在を明記する構想について、次の9条論議の際に条文の形の試案として提示する方針を確認しました。ただし、会議では戦力不保持と交戦権の否認を定めた2項の削除を求める意見も続出し、ほぼ3対2の割合だったと言われています。

 かなりの異論が出たことでも分かるように安倍首相の求心力は低下していますが、それにもかかわらず執行部は従来の「スケジュール」を変更していません。安倍首相の低姿勢はポーズだけで、9条改憲に向けての歩みは続いていることになります。
 油断せずに改憲阻止に向けての取り組みを進めなければなりませんが、前回のブログで「『安倍9条改憲NO!』というのは改憲や9条の変更一般に反対するのではなく、それには賛成する人であっても安倍首相が今行おうとしている9条の改憲には反対だ」という趣旨だと書きました。一般の改憲と安部首相が現在進めようとしている9条改憲とは、どこがどう違うのでしょうか。
 安倍9条改憲の危険性とは何か、それはどのようなものなのか。これについて、私の意見を明らかにしておきましょう。

 先ず第1に、安倍首相が進めようとしているのは、通常の「改憲」ではなく憲法理念を破壊する「壊憲」だということです。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の「3大原理」は現行憲法の基本をなすものであって、それを変更することは「憲法の改正」ではなく「新憲法の制定」を意味することになります。
 現行憲法といえども「不磨の大典」ではなく、96条には「改正」手続きが定められています。国会の衆参両院での各3分の2以上の多数で発議され、国民投票によって過半数以上の賛成が得られれば条文を変えることが可能です。
 しかし、憲法前文に「これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」と書かれているように、日本国憲法が寄って立つ「原理」に反する「一切の憲法、法令及び詔勅」は「排除」されなければなりません。安倍首相の9条改憲構想は平和主義という現行憲法の骨格となっている原理を改変しようとするものですから「改正の限界」を踏み越えるもので、「改憲」ではなく「壊憲」であって許されるものではありません。

 第2に、現行の9条をそのままにして新たに自衛隊の存在を書き加えた場合、「後法優先の原則」によって憲法9条の1項と2項は空文化するということです。法律には後から制定された条項が改正前の条項とことなる場合に後法が優先されるという「後方優先の原則」がありますが、憲法も同じです。
 安倍首相は「9条はそのままで自衛隊の存在を書き加えるだけだから、今までと変わらない」と言っていますが、そうではありません。後から書き加えた方が効力を持ちますから、9条2項の戦力不保持と交戦権の否認は空文化しほとんど無効になります。
 今までと変わらないのではなく、大きく変わるのです。その目的は9条2項を無きものにして自衛隊を普通の軍隊にしようとすることにあり、事実、自民党憲法改正推進本部の船田元本部長代行は第1段階で自衛隊の存在を書き込み、第2段階で2項を削除する2段階論が安倍首相の9条改憲構想だと説明しています。

 第3に、ここで書き込まれる自衛隊は以前の自衛隊ではなく、2015年9月19日に成立した安保法によって変質し、集団的自衛権の行使が一部容認された自衛隊だということです。いつでもどこでも、どのような形でも、海外に出かけて行って米軍とともに「後方支援」や「防護」活動に従事できる新しい自衛隊です。
 9条改憲によって憲法に位置付けられ公共性を付与されれば、このような変質はさらに進むことになります。集団的自衛権の行使容認は、部分的なものではなく全面的で包括的なものになるでしょう。
 自衛隊が保有できる武器などの「戦力」が拡大され、他国に脅威を与えるような長距離戦略爆撃機や攻撃型空母、核兵器の保有、徴兵制の導入なども違憲ではなくなります。自衛隊は「普通の軍隊」となって、9条2項との矛盾が拡大し、やがて船田さんが言うところの9条改憲の第2段階、すなわち2項の削除が課題とされることになるでしょう。

 第4に、朝鮮半島危機に巻き込まれる危険性が高まるということです。私たちが安保法に反対したのは米軍が始めた戦争に自衛隊が巻き込まれることを心配したからですが、このとき想定されていたのは中東やアラビア半島での地域紛争でした。
 しかし、今では事情が大きく変わり、半島は半島でもそれはアラビア半島ではありません。戦争の危機が急速に高まっているのは朝鮮半島であり、もし戦争になれば巻き込まれるのは自衛隊だけでなく日本国民全体なのです。
 そもそも、安保法の審議のとき安倍首相はこの法律によって日米同盟の絆が強まれば抑止力が高まり、日本周辺の安全保障環境は改善されると約束していたではありませんか。しかし、それが大嘘だったことは、いま私たちが目撃し体験している通りです。

 第5に、国民生活への大きな影響が生じます。9条によって回避されてきたさまざまな負担が、急速な軍事化によって国民のもとへと押し寄せてくるにちがいありません。
 すでに第2次安倍内閣になってから軍事費は1兆円以上も増え続け、今では5兆2000億円を突破しました。自衛隊の存在が9条に書き込まれれば財政面での制約はなくなり、本来であれば医療介護教育育児などの社会保障や福祉に回るべき予算が削られ、9条によって得られていた「平和の配当」は消滅することになります。
 国防と自衛隊への協力は国民の義務、公共の役務となって市民生活を拘束することになるでしょう。自衛隊の活動に協力するための徴用、基地拡張のための土地の接収や収容、軍事機密保護のための知る権利の制約、報道の自由や市民活動の制限、防衛技術の研究と軍需産業のための軍産学共同の推進、教育とマスコミへの軍事的価値の浸透なども進んでいくにちがいありません。

 安倍首相や自民党の憲法改正推進本部は自衛隊に対する従来の政府解釈を変更しないと言っています。だから、憲法に自衛隊の存在を書き込んでも、現状からの大きな変化はないのだと。
 以上に見たように、これは大きな嘘です。単に自衛隊の存在を憲法に書き込むだけだという現状維持的なものではなく、平和主義という憲法の根本原理を破壊し、国民生活に悪影響を与え、極東と世界の平和に大きなマイナスをもたらすものとなるでしょう。
 その危険性をしっかりと直視しなければなりません。この国が戦後の出発点において確認し世界に向けて明らかにした侵略戦争への反省と不戦の誓いを守り切ることができるかどうかが、いま私たち1人1人に問われているのです。

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9月12日(火) 安倍9条改憲NO!全国市民アクションによる3000万人署名運動の成功を [憲法]

 安倍9条改憲を阻止するための署名活動が始まりました。3000万人を目標とするこの署名運動の成功を呼びかけます。
 日本の人口は今、1憶2000万人強です。その約4の1の3000万人の署名を集めようというわけですから、非常に大きな目標を掲げたことになります。

 9月8日に中野ゼロホールで開かれた実行委員会のキックオフ集会には私も参加しました。1500人が集まってホールに入れなかった人も出たようですが、発起人の皆さんの訴えや松元ヒロさんのミニ・ライブなどもあって大いに盛り上がりました。
 翌9日に飛行機で北九州に飛んで「レインボープラザ」で開かれた北九州革新懇の総会で講演し、終わってすぐに小倉駅まで送っていただき、新幹線で新大阪まで戻りました。駅近くのビジネスホテルで一泊し、翌10日には新幹線で東京駅に出て、千葉県の長津田を経由して新京成線の薬園台という駅に降り、習志野駅との間にある千葉土建船橋習志野支部会館での船橋革新懇の総会で講演しました。
 大変な移動距離です。安倍9条改憲をめぐる激突の時代が始まり、このような形での強行軍の講演も増えてきました。

 5月3日の憲法記念日に安倍首相は9条の条文をそのままにして自衛隊の存在を書き込み、2020年には改正施行したいという改憲構想を明らかにしました。その後、東京都議選での歴史的な惨敗や内閣支持率の急落によって潮目が変わったため、低姿勢に転じて内閣改造による局面の転換を図りました。
 8月3日には、第3次安倍第3次改造内閣が発足しています。「ダイサンジ」が二つも重なった新しい内閣の出発でした。
 大きな「惨事」が起きそうな内閣が発足したわけですが、その中心は9条改憲の目論みです。新内閣の発足に当たって安倍首相は「スケジュールありきではない」と表明して国民の不安を和らげようとしていますが騙されてはなりません。

 アベ暴走に対する「逆風」が強まってきたために、一時的に頭を下げ低い姿勢で乗り切ろうとしているだけです。足元を見れば、9条改憲に向けての歩みは止まっていません。
 事実、自民党の高村副総裁は8月29日に横浜市内で講演し、先ず今秋の臨時国会に自民党の改憲案を取りまとめ、来年の通常国会に原案を提出して衆参両院の憲法審査会で議論した上で発議に持ち込みたいとの考えを表明しました。また、9月6日夜(日本時間7日未明)、訪問先のイランの首都テヘランで、10月の衆院トリプル補選の勝敗が党内の憲法改正論議や衆院解散戦略に与える影響はなく、自民党改憲案策定は10月下旬以降に「条文形式で示したい」と言明し、来年の通常国会で憲法改正の発議を目指す考えを改めて明らかにしています。
 自民党の憲法改正推進本部は今日、約1ヵ月ぶりに議論を再開して安倍首相の改憲案をめぐる論点を整理するなど、改憲スケジュールはいささかも変更されていません。ここには、一方で安倍首相が低姿勢を示して国民を油断させ、他方で高村副総裁が改憲に向けての実務を指揮して着実に前進を図るという任務分担が見られます。

 マスコミには安倍9条改憲が難しくなったかのような報道もなされています。しかし、安倍首相の「死んだふり改憲」に騙されてはなりません。
 確かに、潮目の変化によって当初の目論見通りに9条改憲を強行することが難しくなったことは事実です。しかし、高村副総裁の言葉にも明らかなように自民党は改憲の目論みを諦めたわけではなく、そのスケジュールが変更されたわけでもないのです。
 これからも安倍首相は「反省」を口にし、国民を惑わせて反対運動の勢いを弱めようとするかもしれません。しかし、何回も口にしてきた「反省」の言葉を一度として実行したことのないのが安倍首相でした。

 自ら実行しないのであれば、実行しなければならないところにまで私たちが追い込んでいかなければなりません。そのための大きな武器となり力となるのが、「安倍9条改憲NO!」を掲げた3000万人署名です。
 「安倍9条改憲NO!」というのは改憲や9条の変更一般に反対するのではなく、それには賛成する人であっても安倍首相が今行おうとしている9条の改憲には反対だというのであれば署名していただこうということで、書名運動の焦点を絞ったものです。憲法9条の1項と2項を空文化させ日本を「戦争する国」「戦争できる国」に変えようとする安倍首相の野望を打ち砕くために、3000万人署名への協力とその成功を訴えたいと思います。

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9月9日(土) 民進党の山尾不倫疑惑による離党騒動で安倍さんはニンマリしているにちがいない [民進党]

 前原新代表を選んで船出したばかりの民進党でした。港を出る前に浅瀬に乗り上げ、座礁しそうです。
 何とか危地を脱して、大海原に乗り出してもらいたいものです。前原さんも保守派へのリップサービスなど面舵いっぱいの操舵ではなく、市民と野党との共闘という本筋を堂々と進んでいただきたいものです。

 都議選での歴史的惨敗と内閣支持率の急落によって窮地に陥った安倍首相は、北朝鮮によるミサイル発射や核実験を巧妙に利用し、支持率挽回を狙ってきました。事前に察知していたにもかかわらずミサイル発射を国民に知らせなかったのは、衝撃を大きくしてショックを与えるためだったと思われます。
 いわば「困ったときの北朝鮮頼み」です。自身への疑惑から目を逸らさせて支持率を回復するために、ワラにもすがる思いで金正恩政権にすがっているのではないでしょうか。
 安倍首相は国民の不安を和らげるための努力をするどころか、逆に無駄で無益な「ミサイル避難訓練」など不安を掻き立てています。これについて、私は『日刊ゲンダイ』9月1日付で、次のようにコメントしました。

 「北朝鮮の危機を煽ることで、国内でくすぶるモリカケ疑惑などから国民の目をそらすことが目的でしょう。冷静に考えれば、避難訓練でミサイルから逃れられないことは分かるはずです。しかし、こういったことを続けると、国民は思考停止状態に陥る可能性がある。『政府の言うことを聞かないと危険だ』と刷り込まれてしまうのです。」

 また、翌9月2日付の『日刊ゲンダイ』でも、私は次のようにコメントしました。

 「北朝鮮のミサイル発射に『圧力だ』と前のめりになっているのも、『アベノミクス加速だ』『人づくり革命だ』などとスローガンを次々と掲げているのも根っこは同じ。内政、外交ともに打つ手なしのお手上げ状態を隠すためには目先を変えるしか方法がないのです。北朝鮮問題では、そんな安倍政権の限界が如実に露呈していると言っていいでしょう。」

 このような安倍首相への格好の援護となったのが、民進党を離党した山尾志桜里元政調会長の不倫疑惑です。安倍首相を追撃するために、船長を変えて「いざ、追撃へ」と出港した途端に、座礁しかかってしまったのですから。
 「水に落ちた犬は打て」という魯迅の言葉があります。「水に落ちた犬」のようになった安倍首相からすれば、「打たれる」どころか「救いの手」を差し伸べられたようなものです。
 海の向こうでは北朝鮮の金正恩による無法行為が続き、永田町では野党第1党の民進党が自らこけようとしています。「内政、外交ともに打つ手なしのお手上げ状態」に陥っていた安倍首相はニンマリして、一息ついているにちがいありません。

 しかし、その安倍首相の周辺でも、不穏な動きが目立ち始めています。首相秘書官の今井さんが反旗を翻したとか、国家安全保障局の谷内局長が辞意を漏らしたという噂などが報じられました。
 また、安倍首相ベッタリで首相の「お気に入り」とされていたNHKの岩田明子さんが、『文芸春秋』10月号の「政界激変前夜~NHK解説委員の直言~失速への転機は2015年秋だった」という特集で「安倍総理『驕りの証明』」という記事を書いています。これについては、「安倍さん!ウラジオストックに行ってる間に 岩田明子が裏切りましたぜ」などと話題を呼んでいます。
 もともと沈みかかっていたのは、安倍首相の方だったのです。「水に落ちた犬」である安倍首相を、市民や他の野党とともに「打つ」のが野党第1党である民進党の役割ではありませんか。

 山尾離党が前原新体制にとって大きな打撃になることは否定できません。しかし、それを嘆いていても事態は好転せず、安倍首相を助けるだけです。
 判断の基準となるリトマス試験紙は安倍首相です。安倍さんを喜ばせるようなことをしてはなりません。
 安倍さんが「青くなる」ようなことをするべきです。今の安倍さんが一番嫌がることをしなければなりません。それは何でしょうか。

 民進党が早急に態勢を立て直し、市民と野党の共闘を前進させるためのリーダーシップを発揮して10月の衆院補選に向けての共闘を実現することです。一日も早く、自民党に勝てる体制を確立しなければなりません。
 前原さんは憲法審議への参加や野党共闘の見直しを指示したと報じられていますが、それで勝てると思っているのでしょうか。「好きか嫌いか」ではなく「勝つか負けるか」を基準に方針を決めるのが政治家としてのリアリズムではありませんか。
 出発した途端につまずいた前原さんに、失敗は許されません。民進党内外の信頼回復を図るために、リアリスト政治家としての本領を発揮することを前原新代表に強く期待したいと思います。

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9月7日(木) 北朝鮮危機でどのようなことがあっても軍事衝突だけは避けなければならない [国際]

 相変わらず北朝鮮危機が国民を不安な気持ちに追い込んでいます。襟裳岬の東方に落下したミサイル発射に続いて「水爆」実験が行われ、ICBMの発射実験の兆候が見えるという報道もありました。
 このような北朝鮮の行動は断じて許されません。国連を中心として国際社会が団結し、危機の鎮静化を図ることが急務になっています。

 「米朝の軍事衝突が絵空事でなくなった」との見方が強まっています。軍事的な挑発行為が繰り返されエスカレートするなかで、意図せざる偶発的な衝突が生ずる危険性も高まってきました。
 しかし、いかなる状況の下でも、軍事衝突だけは絶対に避けなければなりません。今最も必要なことは、戦争につながる可能性を高めるのではなく衝突回避のために努力することです。
 北朝鮮がミサイル発射や核実験を繰り返しているのは、アメリカの圧倒的な軍助力を恐れ、自国の安全保障と体制維持に大きな不安を感じているからです。そうであれば、このような恐れや不安を低めるための措置を取ることこそが必要なのであり、軍事を含めた「圧力」を強めて危機を煽ることは完全な逆効果になります。

 トランプ米大統領は「あらゆる選択肢」があると言って、軍事的な手段を否定していません。場合によっては、北朝鮮を攻撃する可能性があることを示唆しています。
 韓国は北朝鮮の指導部を直接攻撃する部隊を新設する方針を明らかにし、THAADの追加配備を行い原子力空母の派遣をアメリカに要請しています。日本政府も陸上イージスの導入を目指し、日米韓の共同訓練や連携強化など軍事的対応策を強め、石破さんは核兵器の持ち込みについての議論を始めるべきだと言い出しています。
 北朝鮮が危機感を高めることが分かっているのに、日米韓こぞって軍事的な圧力を強めて脅しつけようとしているわけです。当然、北朝鮮は反発して軍事的な対抗措置を強めますから、危機は沈静化するどころかエスカレートするばかりです。

 もちろん、アメリカも北朝鮮も軍事的な解決を望んでいるわけではありませんし、そうしてはなりません。もし、戦争になれば韓国に甚大な被害が出るだけでなく、日本も攻撃され、その影響はアジアのみならず世界全体に及ぶことになるでしょう。
 日本にとって軍事的な選択肢はありえず、非現実的なものです。それにもかかわらず、安保法の成立によって「日本の安全に重大な影響がある場合」や「重大な危機にさらされた場合」には、集団的自衛権を行使して米軍を支援することになっています。
 現在の自衛隊は安保法成立以前の自衛隊ではなく、日米軍事協力の意味も大きく変質しました。「今の内なら攻撃されることはない」と考えてトランプ大統領が北朝鮮への攻撃を決断した場合、巻き込まれるのは自衛隊だけではなく日本と日本人全体なのです。

 いささかでもそのような危険を生んではなりませんが、そのために安倍首相は何をしてきたのでしょうか。「これまでにない深刻かつ重大な脅威」とか「異次元の圧力」などと勇ましい言葉を繰り返し、対話を拒んで圧力強化一本やりの対応に終始してきただけではありませんか。
 「出口」のない圧力強化は「暴発」を招くだけです。少なくとも、相手にとって「挑発」と受け取られ、反発して危機感を高めるような行動を慎むだけの冷静な対応が必要なのではないでしょうか。
 トランプ米大統領と一体となって北朝鮮を刺激することは、日本にとってのリスクを高めるだけです。スイスのロイトハルト大統領は4日、北朝鮮情勢をめぐる問題の解決に向けて仲介役を務める用意があると明らかにしましたが、本来これは平和憲法を持つ日本の総理大臣こそが言うべき言葉だったのではないでしょうか。

 北朝鮮が戦争への突入覚悟で危機を高めていくということは考えにくく、いずれは対話へと舵を切ることでしょう。駆け込み実験でアメリカに到達できるICBMの開発などを終えることをめざし、それまでは何があっても屈しないと腹を固めているのかもしれません。
 もしそうなら、いくら「圧力」を強めても無駄です。アメリカとの直接交渉を働きかけ、体制維持を約束して自国の安全保障への不安を和らげ、無理をして軍事力を増強する必要はないのだということを分からせることの方が、衝突回避にとってずっと効果的なのではないでしょうか。

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