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4月25日(火) 共謀罪で恐るべき監視社会が当たり前になってしまうという悪夢 [国会]

 国会の衆院法務委員会で、共謀罪の審議が進んでいます。特に目立つのは、自民党による慣例を無視した強引な国会運営です。
 野党の反対を押し切って、職権で刑事局長を参考人登録したり、職権で委員会を開いたり、強引に参考人質疑の開催を決定したり、異様なやり方が続いています。これは、何としても今国会中に成立させたいという安倍首相の執念を示すものですが、同時に、このような強引なやり方が野党の反発を強めて世論の警戒心を高め、逆に審議を遅らせるという側面も生まれています。

 異常で強引な運営が行われているのは、正常で普通の運営方法では会期中での成立が危ぶまれるからです。それだけ、この共謀罪法案には問題が多くあります。
 先週の21日に共謀罪法案を審議した衆院法務委員会で、盛山正仁法務副大臣は「一般の人が(共謀罪の捜査の)対象にならないということはない」と明言しました。「一般の方が対象になることはない」と繰り返し強調してきた安倍首相や菅官房長官、金田法相の発言を否定したのです。
 井野俊郎法務政務官も「捜査の結果、シロかクロかが分かる」と、一般の人に対する捜査の可能性を示唆しました。捜査してみなければ怪しいかどうかわからないと言っているわけで、「一般の人」が捜査対象になるのは避けられません。

 それだけではありません。法務委員会で民進党の階猛議員が枝野幸男議員と少々相談をしたとき、それを見ていた自民党の土屋正忠理事が大声でこう叫んだのです。「あれは、テロ等準備行為じゃねえか!」
 共謀罪については「話し合うだけで罪になる」危険性が指摘されてきました。土屋議員の野次は、議員2人の話し合いを「テロ等準備行為」だと恫喝したわけで、まさにこのような危険性を裏付けるものでした。
 たとえ話し合わなくても、準備行為に当たるとみなされるような連絡がメールやラインで送られていれば、それを読んでいなくても「共謀」の罪に問われる可能性があります。そして、このようなメールなどを幅広く監視できるシステムが、すでに存在していることが、今日の『朝日新聞』で次のように報じられました。

 調査報道を手がける米ネットメディア「インターセプト」は24日、日本当局が米国家安全保障局(NSA)と協力して通信傍受などの情報収集活動を行ってきたと報じた。NSAが日本の協力の見返りに、インターネット上の電子メールなどを幅広く収集・検索できる監視システムを提供していたという。

 報道によると、NSAは60年以上にわたり、日本国内の少なくとも3カ所の基地で活動。日本側は施設や運用を財政的に支援するため、5億ドル以上を負担してきた。見返りに、監視機器の提供や情報の共有を行ってきたと指摘している。
 たとえば、2013年の文書では、「XKEYSCORE」と呼ばれるネット上の電子情報を幅広く収集・検索できるシステムを日本側に提供したとしている。NSAは「通常の利用者がネット上でやりとりするほぼすべて」を監視できると表現している。ただ、日本側がこのシステムをどう利用したかは明らかになっていない。

 このような「通常の利用者がネット上でやりとりするほぼすべて」を監視できるシステムが、今のところ、どのように使われているかは不明です。もし、共謀罪が成立すれば、このようなシステムが全面的に活用され、「ネット上でのやり取り」が監視されることになるでしょう。
 すでに、街中には数多くの監視カメラが作動しています。通信傍受法の「改正」によって盗聴の対象が拡大され、知らないうちに通信の内容が傍受される危険性が高まっています。
 超小型発信機によって位置を測定できるGPS(全地球無線測位システム)も犯罪捜査で使われています。3月15日に最高裁は令状なしでの使用は違法だとの統一判断を示して歯止めをかけましたが、共謀罪が成立すれば捜査手段として活用することが合法化されるにちがいありません。

 さらに、コンピューターに蓄積されたビッグデータの犯罪捜査への活用も図られるでしょう。このデータには、ネット通信での情報、監視カメラによる映像、盗聴による音声、そしてGPSによる所在情報など、多様な個人情報が含まれることになります。
 これらの情報を用いて犯罪の計画、準備、相談をでっち上げ、「共謀」した罪によって社会から抹殺することは、今までよりもずっと容易になるでしょう。「犯罪」は犯される前に取り締まられ、当局の判断に応じて恣意的に「犯罪者」が作られることになります。
 監視されていることに気づかず、権力者にとって不都合な言動を行ったとたん「テロ等準備」のための「共謀」を行ったかどで逮捕される、などという恐るべき監視社会が当たり前になるという悪夢が現実となるでしょう。

 たとえそうならなくても、そうなるかもしれないと国民に思わせることが本来の目的なのかもしれません。監視を恐れて不都合な言動を行わず、従順な国民が増えていけば、このような法律の発動さえ必要なくなるのですから……。
 でも、そのような社会になれば、権力の暴走を抑えることができなくなり、民主主義は死滅することになるでしょう。自由な言動が圧殺された息苦しい社会の出現こそ戦争前夜を予示するものであったことを、今こそ思い出す必要があるのではないでしょうか。

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4月21日(金) あまりにもひどい安倍逆走政権の驕りと独善 [内閣]

 目に余ると言うしかありません。あまりにもひどい安倍政権の逆走ぶりです。
 この間の国会審議などで、閣僚などの暴言や問題発言が相次ぎました。ざっと名前を挙げれば、金田法相、稲田防衛相、今村復興相、鶴保沖縄北方相、山本地方創生相、古屋自民党選対委員長などです。もちろん、安倍首相自身がその筆頭であることは言うまでもありません。

 辞任した政務官も2人います。務台復興政務官と中川経済産業政務官です。
 中川俊直議員は父親の中川秀直議員も女性スキャンダルで辞任しています。議員の椅子を受け継いだだけでなくスキャンダルまで「世襲」したわけで、まったく呆れてしまいます。
 国会審議が止まって、自民党は慌てました。早く離党届を出させようと躍起になっていますが、それで幕引きを図るつもりなのです。

 閣僚でも、辞任すべき候補者が山積です。国会で嘘ばかり言っている稲田防衛相、共謀罪についてまともな答弁ができない金田法相などは、早急に辞任すべきです。
 学芸員を侮辱して、その発言の全てが嘘だったことが判明した山本地方創生相もとっとと辞任するべきでしょう。イギリスの大英博物館について間違った発言をしていたわけですから、日本の名誉を傷つけ泥を塗った「国辱大臣」じゃありませんか。
 こんなにひどい状況になっても、安倍内閣の支持率はそれほど下がっていません。だからこそ、安倍首相はじめ大臣たちは平気で嘘を言ったり誤魔化したり居直ったりしているわけです。

 その理由は色々ありますが、制度的な背景は小選挙区制と内閣人事局の二つです。小選挙区制によって国会議員に対する党幹部の支配力が強化され、内閣人事局によって官僚に対する官邸の統制力が強められました。
 その結果、国会内と役所内での「官邸支配」が成立しました。自民党内でも、キャリア組と言われる高級官僚なども、首相官邸に楯突けなくなったのです。
 これが今話題の「忖度」を生み出す制度的な装置になりました。官邸の思惑を察知して先回りし、その意向を汲んで実現のために汗をかいて点数を稼ごうとする行動スタイルが構造化したために数々の疑惑が生じたというわけです。

 このような「忖度の構造化」に加えて、マスコミに対する恫喝と懐柔、野党の分断と民進党のふがいなさがあります。一部のマスコミは官邸の広報機関に変質し、安倍首相の応援団になってしまいました。
 野党の中でも日本維新の会は、与党よりも民進党を批判することに勢力を費やしています。野党が一致して与党を追及する形になっていないことが、安倍さんをどれだけ助けているか分かりません。
 内閣支持の多くは他の政権よりも良さそうだという消極的なものです。野党が明確な受け皿を提示できていない結果であり、野党第1党である民進党の責任は大きいと言わなければなりません。

 これに加えて、最近の内閣支持率回復の原因として注目すべきは、朝鮮半島危機の高まりです。トランプ米大統領は不人気を挽回する策としてシリア爆撃を敢行し、北朝鮮に対する軍事的圧力を強め、半島危機を煽っています。
 安倍首相も危機をもてあそぶ「瀬戸際外交」を批判することなく、トランプ大統領への支持を表明して日本国民の不安を高めています。もし朝鮮半島で戦争が勃発すれば膨大な死者が生まれ、日本は壊滅的な被害を受けるにちがいありません。
 日本にとって軍事的選択肢はあり得ず、戦争阻止のために命を懸けるべき日本の指導者が危機を利用するなどということは断じて許されません。攻撃される恐れがないアメリカと直接攻撃のリスクが大きい日本との違いを、安倍首相は分かっているのでしょうか。

 アベ暴走政治は、もはや議会制民主主義の破壊や平和への逆行をもたらす「逆走政治」へと変質しつつあります。その危険性はますます高まっているにもかかわらず、日本国民の多くはそのことに気づいていません。
 国民が直面している真の危機は、朝鮮半島にあるのではなく国内にあるのです。その危機を生み出している責任の一端は、安倍首相の暴走を黙認して甘やかしてきた国民の側にもあるということに、そろそろ気づくべきではないでしょうか。

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4月14日(金) 共謀罪法案の審議が抱える3つの弱点と1つの壁 [国会]

 いよいよテロ等防止罪という形で「化粧直し」された共謀罪法案が国会に提出されます。自民党の「オウンゴール」続きで予定されていたスケジュールより大幅に遅れました。
 今日、衆院法務委員会で共謀罪の趣旨説明が行われることになっています。すでに3回も廃案になっていますから、与党からすれば「4度目の正直」を目指したいところでしょうが、その前途には「3つの弱点と1つの壁」が立ちはだかっており、そうは「問屋が卸さない」でしょう。

 3つの弱点のうちの一つは法案自体にあります。政府の説明は嘘ばかりで、全く説得力を持ちません。
 実際に罪を犯さなくても計画して準備したと認められれば、捕まえることが可能です。それを認めるのは取り締まる側で、その取り締まりは思想や内心にまで及び、このような法律を制定すれば近代刑法の基本が崩れ、市民や市民運動までが監視の対象となり、モノ言えぬ世の中、政府にとって邪魔なものを排除することのできる社会が出現することになります。
 組織犯罪防止条約の批准やテロ対策を名目にしていますが、組織犯罪とはマフィアなどの経済犯罪であってテロを対象としているわけではありません。この条約を批准しているからといってテロが防げるわけではなく、批准していない日本はすでに多くのテロ対策のための法律を持っていますから今世紀に入ってテロ事件などは起きていず、オリンピック招致の際に安倍首相が胸を張って言ったように、「東京は世界で最も安全な都市」になっています。

 2つめの弱点は、この法案を担当する法務省の金田法務大臣です。金田法相はこの法案の内容を全く理解していず、すでにこれまでの国会審議で明らかになったように、きちんとした説明をする能力を持っていません。
 金田法相は、まだ法案が出ていないからきちんとした説明ができないのだ、本格的な審議は法案が提出されるまで差し控えて欲しいという趣旨の文書を配ったという「前科」があります。大臣が立法府の審議に注文を付けるのかと批判され、撤回して謝罪しました。
 いよいよ法案が提出されるわけですから、本格的な審議が始まり「まだ法案が出ていないから」と逃げ回ることはできなくなります。この法案をめぐっては与党の「オウンゴール」が目立っていますが、本格的な審議が始まって金田法相にまともな答弁ができるのか、自民党執行部としてはヒヤヒヤものでしょう。

 第3の弱点は、与党の一角を占めている公明党です。公明党は国会に提出する以上は成立に全力を尽くすと言っていますが、内心ではそれほど積極的ではなく、腰が引けています。
 もともと、公明党は前の国会から継続審議中の民法改正案と性犯罪を厳罰化する刑法改正案の審議を優先すべきだという立場でしたから、この法案の優先順位は高くありません。そのために与党間の協議に手間どって閣議決定や国会提出が遅れてきたという経過があります。
 この共謀罪法案は「平成の治安維持法」とも言われていますが、その治安維持法によって公明党の支持団体は大きな被害を受けた過去があります。創価学会の創設者である牧口常三郎初代会長は治安維持法違反と不敬罪で逮捕され、獄中で死亡しました。この苦い過去からすれば、やがては創価学会も監視や取り締まりの対象にされてしまうのではないかとの懸念や危惧はぬぐい切れず、公明党支持者の間にも不安があります。

 以上の3つの弱点を強めているのが、通常国会直後に予定されている都議選という「壁」です。都議選の結果はその後の国政選挙に大きな影響を与えてきており、今回の選挙は「都民ファーストの会」を率いる小池都知事による旋風が巻き起こって大きな注目を集める政治イベントになろうとしています。
 共謀罪の成立を目指している与党にとっても、この選挙への影響は意識せざるを得ません。都議会への進出から政治の舞台に登場してきた公明党にとしては最も重視する選挙であり、「離党ドミノ」が止まらず苦戦が予想されている自民党にとっても死活をかけた選挙戦になることでしょう。
 その選挙の前に共謀罪成立に向けて遮二無二強行突破することは、自滅覚悟の「自爆路線」を選択するのでなければ難しいでしょう。この法案がそれほどの緊急性や必要性があるのかという声は、与党の中からも聞こえてきます。

 外交面でも、北朝鮮をめぐって危機的な状況が高まっています。安倍首相の約束と全く逆に、安保法成立以降も日本周辺の安全保障環境は改善せず、悪化を続けるばかりです。
 トランプ政権の樹立を歓迎していた安倍首相ですが、4月16日には東京で日米経済対話が始まります。2国間交渉の開始によってどのような要求が突き付けられるのか、予断を許しません。
 26日からは安倍首相のロシア訪問も予定されていましたが、シリア空爆への支持表明によって実現が危ぶまれています。行ったとしても、大きな成果は期待できないでしょう。

 内政外交ともに、八方ふさがりの状況が強まっています。アベ政治の「黄昏」が訪れてきているということでしょうか。
 このような閉塞状況の下で始まった共謀罪の国会審議です。その前途は決して容易ではなく、野党が結束して対応し、市民とともに手を携えて反対運動を強めていけば、廃案に追い込むことは十分に可能です。
 「2度あることは3度ある」と言うではありませんか。共謀罪を廃案にして、「3度あることは4度ある」ということを証明したいものです。

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4月11日(火) 朝鮮半島危機の元凶はトランプ米大統領と安倍首相だ [国際]

 シリアに対する違法な「濡れ衣戦争」を仕掛けたトランプ米大統領は、北朝鮮に対しても軍事攻撃を行う構えを見せています。たとえ限定的であったとしても、もし北朝鮮に対する軍事攻撃が実施されれば、韓国や日本に対する報復攻撃は避けられません。
 多大の死傷者や物的被害が出ることは明らかです。この朝鮮半島危機はトランプ米大統領によって引き起こされたものであり、それを制止すべき安倍首相も追随の姿勢を示し、危機の抑止ではなく拡大に手を貸しています。

 シリア攻撃は北朝鮮に対する警告だとして、アメリカは原子力空母カール・ビンソンを西太平洋に派遣しました。現在、過去最大級の米韓合同軍事演習も実施されており、これがいつ「演習」から「実戦」に変わるかわからないという状況です。
 カール・ビンソンは世界最大の空母で、航空機を90機も搭載できます。艦隊を組む他の艦艇と合わせれば、一国の空軍並みの戦力となります。
 このような軍事力の自国周辺へ展開は北朝鮮にとっては大きな脅威となることは明らかです。北朝鮮が主権国家への侵害だと批判するのも当然です。

 これが警告や圧力にとどまるのかが、日本に住む我々にとっての最大の関心事です。一旦、朝鮮半島で戦端が開かれれば、過去の朝鮮戦争とは全く違った展開を示すことになるからです。
 攻撃への報復として、長距離砲がソウルに打ち込まれたり、弾道ミサイルが日本に飛来する事態も十分に考えらます。ソウルは北朝鮮との国境に近く大砲の射程距離に入っており、日本に対してもミサイルが発射されれば防ぐとは不可能です。
 先日実施された弾道ミサイルの発射実験を行ったのは、在日米軍への攻撃を担当する部隊であることが明らかにされています。朝鮮半島危機に対して日本も無関係でいることはできません。

 この危機をどのようにして避けるべきかが問題です。トランプ政権はオバマ政権の戦略的忍耐という政策を転換して、「あらゆる選択肢を考慮に入れる」と表明しています。
 しかし、この「選択肢」に「軍事的手段」はあっても「外交的手段」はありません。新たなオプションとして「戦争」が含まれていますが、「対話」は含まれていないのです。
 北朝鮮の核開発によって同じような北朝鮮攻撃の危機が高まった1994年には、カーター元大統領のピョンヤン訪問によって事態が打開されました。この時の経験を思い出し、アメリカは特使を派遣して北朝鮮との直接対話に乗り出すべきでしょう。

 トランプ大統領のシリア攻撃を支持し北朝鮮に対する恫喝を後押ししている安倍首相は、日本人の生命や安全よりもアメリカに対する追随を優先していると言わなければなりません。日本の最高責任者として許されない無責任な対応です。
 これほどに国民の戦争への不安を高めている責任は、トランプ大統領の強硬な態度とそれを批判することも制止することもなく、唯々諾々と追随している安倍首相にあります。日本に及びつつある危機を直視し、戦争ではなく対話をトランプ大統領に強く求めること以外に日本の安全を確保する道がないということを、安倍首相は分かっているのでしょうか。

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4月9日(日) トランプ米大統領によるシリア空爆の背景と意図 [国際]

 トランプ大統領がまたも暴走(逆走?)しました。シリアに対して巡航ミサイル59発を発射し、うち23発が目標に命中したと言われています。
 攻撃の理由はシリア政府軍が毒ガスを使用したのではないかという疑惑です。毒ガスなど化学兵器の使用は許されず、断固として糾弾しなければなりません。

 テレビでは、子供たちをふくむ市民が犠牲となり、治療を受けている映像が流れました。しかし、この化学兵器がシリア空軍の空爆によって用いられたという証拠は全くありません。
 政府軍は国連監視下で化学兵器の廃棄を進めてきましたから、このような兵器を持っていない可能性が高いと言えます。逆に、このような監視下にないヌスラ戦線(アルカイダ)など、現地を支配していた反政府勢力がこのような兵器を隠し持っていた可能性の方が高いのではないでしょうか。
 その兵器の貯蔵庫が空爆によって破壊され、それが流れ出して周辺の住民が被害を受けた可能性も否定できません。今後、国連の調査などで真相が解明される必要がありますが、一方的に政府軍の仕業と断定した今回のミサイル攻撃は、かつてイラクで始めた時の「濡れ衣戦争」を思い出させるような誤ちの繰り返しにほかなりません。

 トランプ大統領はどうしてこのような強硬手段に出たのでしょうか。その理由は軍産複合体に近い共和党の主流派や好戦的な世論の支持を回復するためだったと思われます。
 このところ、中東諸国からの入国制限は司法の抵抗によって阻まれ、国境の壁を建設するための予算は議会によって認められず、目玉政策であったオバマケアの廃止も断念に追い込まれ、世論の支持率は30%台に落ち込んでしまいました。それを逆転するためのチャンスを狙っていたトランプ大統領にとって、化学兵器の使用を口実にしたシリア攻撃は格好の手段だったということではないでしょうか。
 国連の決議もなく議会の決定もない今回の攻撃への批判もありますが、他方で好戦的な勢力による支持も高まっています。議会承認が遅れていた保守的な最高裁判事の信任は、この攻撃後一挙に決着してしまいました。

 しかし、このような攻撃によってシリア情勢を解決することはできません。ロシアとの対立を深め、アサド政権に対するアメリカの影響力を弱めるだけです。
 かつての、イラクでの「濡れ衣戦争」は泥沼化を深め、イスラム国の前身であるイラクの聖戦アルカイダというモンスターを生み出しました。今回も、シリアへのこれ以上の軍事介入は同様の混乱と泥沼化を引き起こすだけでしょう。
 アメリカはシリア情勢を打開する「出口戦略」を持っていません。今回の攻撃も、国務省の体制が整わず、国家安全保障会議(SNC)からバノンが追い出されるなど安全保障をめぐる体制と政策が未確立な「間隙」を突いたトランプ大統領の「暴走」であったように見えます。

 このようなトランプの「暴走」による「濡れ衣戦争」に対して、安倍首相は直ちに支持を表明しました。これも、かつてのイラクに対する「濡れ衣戦争」への日本の対応を彷彿とさせるような光景です。
 しかし、それがいかに大きな誤りであったかは、すでに歴史によって証明されています。今回も大きな間違いであったことが、いずれ歴史によって証明されるにちがいありません。
 今回のシリア攻撃は北朝鮮に対しても米国単独で攻撃に出る可能性を示して牽制するためのものであったと見られています。日本政府としてはこのような攻撃が北朝鮮に対しても行われないよう、慎重な対応が必要だったのではないでしょうか。

 いずれにしても、シリアへの空爆は「人殺しをやめさせるため」という名目で人殺しを行ったことは明白です。このようなデタラメな論理で武力攻撃を繰り返す愚をいつまで続けるつもりなのでしょうか。
 殺し合いは新たな殺し合いの原因を生み出すだけです。国際政治においてそれにストップをかける役割こそ、この日本が果たさなければならないというのが、憲法の平和主義が命ずるところなのではないでしょうか。

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4月5日(水) 森友学園問題の背後に横たわっている構造的要因と力学 [スキャンダル]

 福島からの「自主避難者」に対して「自己責任」だと言いながら「裁判でも何でもやればいい」と声を荒げる復興相、教育勅語を歴史教育だけでなく道徳教育の教材とすることも可だとする文科相、自衛隊員の危険を顧みず虚偽答弁を繰り返す防衛相、共謀罪についてまともな答弁もできない法務相、これらの大臣を批判することもなく弁護する官房長官。そして、国有地払い下げに関する森友学園問題で疑惑の渦中にある安倍首相夫妻。
 安倍政権の迷走、大臣の驕りと居直り、安倍首相の思い上がりが目に余ると言わなければなりません。どうしてこうなってしまったのでしょうか。

 このような驕りや思い上がりを生み出す背景に、国会と自民党での「一強多弱」状況があります。また、政府・与党に対しても「官邸支配」が行き渡っています。
 立法府でも行政府でも、安倍首相にものが言えない、逆らえない構造が出来上がっているわけです。このような権力構造こそが、権力者の意向を汲んで自ら進んでその実現を図る「全自動“忖度”機」(菅野さん)を作動させてしまったのではないでしょうか。
 このマシンは国会と政府だけでなく地方の行政機関に至るまで、隅々にいきわたっています。それを作動させたものこそ、内閣総理大臣夫人・昭恵さんの関与だったのではないでしょうか。

 このような構造を生み出した第1の要因は小選挙区制です。この選挙制度によって国会と自民党内での「一強多弱」構造が出来上がりました。
 小選挙区制によって第1党は選挙で有利になり、少数政党は不利になります。強いものはますます強くなり、与党は衆院で3分の2以上を占めています。
 参院でも与党は過半数を占めていますから、与党の思い通りの運営が可能です。安倍首相に楯突けば次の選挙で公認されない可能性がありますから自民党内でも異論は生じず、安倍さんなどはやりたい放題で、その意向をおもんぱかり先回りして実現を図ろうとする力学が働くことになります。

 第2の要因は内閣人事局です。これが新設された結果、官僚の人事が一手に握られ、人事を通じての「官邸支配」の構造が出来上がりました。
 官僚にとって最大の関心事はお金ではなく出世です。その能力は、いかに政治家の意向を先取りしてそれを実現できるかという点で推しはかられます。
 政治家の圧力に対して目立たないように応えること、政治家や上司などの意向を推し量って秘かに実現させることが優秀な官僚の条件になります。もちろん、国会などで問題になっても知らぬ存ぜぬで逃げ切り、将来的に報われる可能性があれば多少の泥をかぶることもいとわない力学が働くことになります。

 第3の要因は思想的共鳴です。直接的な利害関係や利益の供与などがなくても、目指す目標や事業の内容などについて思想的に共鳴する部分が大きければ大きいほど、その意図を汲んで便利を図ろうという構図が出来上がります。
 森友学園の小学校設立の申請に対して様々な便宜が図られましたが、それはこの小学校が森友学園という戦前型の愛国教育を目指していたからです。このような小学校の実現を応援したいと思う人々が、陰に陽に籠池前理事長の意向に応えるために汗をかいたということではないでしょうか。
 塚本幼稚園での教育講演会で有名な右派論客がこぞって講演し推薦文をアップしたのも、当初安倍首相が好意的な対応を示したのも、首相夫人の昭恵さんが「名誉校長」を引き受けた(その後辞任)のも、そして真偽が疑問視されている「100万の寄付」(首相夫妻は否定しています)も、おそらくお金の力ではなく思想の力だったと思われます。教育理念や教育内容、教育方針への共鳴があったからこそ、その実現を図るために小学校設立申請や用地の取得などで便宜を図ってやろうという力学が働くことになります。

 このような構造と力学の結果として、森友学園による瑞穂の国記念小学院設立のスピード認可や国有地の格安払い下げという問題が発生したのではないでしょうか。この問題の背後には、政治改革の失敗と巨大与党の誕生、政官関係の歪み、政治の右傾化と教育の戦前回帰という奥深い要因が横たわっていることを見逃してはなりません。


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4月3日(月) 大統領の犯罪を弾劾して逮捕した韓国と首相夫妻の疑惑を究明できない日本 [スキャンダル]

 片や、パククネ大統領を罷免して逮捕した韓国。片や、首相夫人だけでなく首相自身に対しても関与していたのではないかという森友学園についての疑惑を究明できない日本。
 どちらの方がましか。三権分立と民主主義がきちんと機能しているのがどちらの方であるかは明らかでしょう。

 韓国の憲法裁判所はパク大統領の罷免を決定し、検察特別捜査本部は罷免された前大統領を収賄などの容疑で逮捕しました。監獄にぶち込まれてしまったというわけです。
 友人らの国政介入に始まった一連の問題は、初めて現職の大統領が罷免され、直後に逮捕され収監されるという異例の事態に至りました。韓国で大統領経験者が逮捕されたのは3人目になります。
 韓国政府は臨時閣議で大統領選の投開票日を5月9日とすることを決めました。世論調査では最大野党「共に民主党」のムンジェイン前代表がリードしています。現在、予備選が行われており、早ければ今日にも「共に民主党」の候補者が決まる見通しです。

 一方の安倍首相夫人ですが、表立った活動を控えて所在不明となっています。3月27日に国会内で開かれたイベント「全国高校生未来会議」の出席を、発起人でもあったのに直前に取りやめ、4月1日に静岡市で予定していた講演会も中止になるなど相次いでキャンセルしました。
 23日までほぼ毎日投稿していたフェイスブックも、森友学園の籠池前理事長に反論したコメント以来、発信がありません。これまでどんなに批判されても発信してきましたから、更新がないのは使うことを禁じられたのではないかと見られています。
 人前から姿を消した昭恵さんは、どこで何をしているのでしょうか。私邸周辺や公邸では目撃されず、千葉県の宗教団体の施設に身を寄せているという情報が飛び交っています。

 森友学園問題に対する昭恵さんの関与についてはもはや否定することができず、夫人付の官邸職員・谷査恵子さんを犠牲にして逃げ延びようという思惑は完全に失敗しました。谷さんが昭恵夫人の代理で「公務」として籠池泰典理事長からの口利き要請に応じていた事実が次々と明らかになっているからです。
 谷さんは2015年11月に籠池理事長宛にファクスを送っていましたが、これには森友学園の定期借地契約について財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から得た回答などが記載されていました。「陳情を受けて役所に問い合わせる」という典型的な「口利き」です。
 これに対して菅官房長官は「忖度以前のゼロ回答」と答弁しましたが、本当のゼロ回答なら「財務省に問い合わせることはできない」と書いていたはずです。問い合わせても「財務省からは回答がなかった」というのが「ゼロ回答」でしょう。

 しかも、このファクスは首相官邸から発信されていました。谷さんの自宅からではありません。
 それは2015年10月26日付けで籠池さんから谷さんに出した手紙を受けてのものでしたが、そこには「定期借地契約を50年契約にした上で、早く買い取ることができないか」「賃料が高いので半額程度にしてほしい」という趣旨の要望が書かれていました。その後、これらの要求はすべて実現されており、まさに「満額回答」だったのです。
 籠池さんが谷さんにこの手紙を送ることになったのは、「昭恵さんにお電話をいただいた件ですが」「こちらに文書を送ってください」と電話があったからだという証言も出てきました。さらに、谷さん側からも籠池理事長に手紙が送られていたことが明らかになりましたが、このとき谷さんは首相官邸の公用封筒を使い「内閣総理大臣官邸 夫人付 谷査恵子」と明記していたのです。

 これらの事実を突きつけられても、菅官房長官は「谷氏の判断でやったこと」と主張し続けています。何としても昭恵夫人の関与を否定し、守り切ろうということなのでしょう。
 そのためにも、これ以上、余計なことを話したり、発信したりしてほしくないということで、口を閉ざして姿を隠すことになったのでしょう。しかし、このような官邸側の対応は国民のフラストレーションを高めているだけでなく、全責任を押し付けられている谷さんに対する同情を呼び起こし、国家公務員秘書の不満を強めるなど、新たな問題を引き起こしています。
 早く鎮静化させたいと躍起となっている安倍官邸ですが、見え透いた幕引きを図ろうとすればするほど、泥沼に落ち込んでいくにちがいありません。昭恵夫人など関係者の国会での証人喚問は不可欠です。

 もし、それが不可能であるということであれば、韓国と同様に三権分立をきちんと機能させ、検察の力によって真相を解明する以外にありません。それが民主主義というものではないでしょうか。

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4月1日(土) 英国民も米国民も自らの選択がいかに間違っていたかを知るのはこれからだ [国際]

 イギリスアメリカも、アングロサクソンの国です。第2次世界大戦前、イギリスは世界を支配する帝国であり、同様にアメリカは戦後の世界を牛耳る覇権国でした。
 しかし、この二つの国はかつての栄光と支配力を失おうとしています。その道は国民による選択の結果によるものですが、それがいかに間違ったものであったかを思い知るのはこれからのことになるでしょう。

 英国民は国民投票の結果、EUからの離脱を選択しました。先日、メイ首相は正式にEU離脱を通告し、2年間の交渉期間中に合意を目指しています。
 しかし、この合意はイギリスにとって過酷なものとなり、国民は自らの選択に対するツケを払わされるにちがいありません。EU首脳部はイギリスに続いて離脱する国が出ることを警戒していますから、離脱がいかに割に合わないものであるかを示そうとするからです。
 トゥスク欧州理事会常任委員長(EU大統領)が31日、離脱協定と通商協定を並行して協議するを認めないと表明したように、イギリスは大きな譲歩を求められ、それを受け入れなければ交渉はまとまりません。イギリスとの合意を犠牲にしても自らの存続を確実にし結束を固める道をEUが選択することは火を見るよりも明らかです。

 米国民は大統領選挙の結果、共和党のトランプ候補を選択しました。総得票数ではクリントン候補の方が多かったとはいえ選挙人の数で上回り、現行の選挙制度に基づいて当選したのはトランプさんです。
 過激で差別的な発言は選挙キャンペーン用で、当選すればまともになると見られていたフシもありました。実際には、中東6カ国からの入国制限、メキシコとの壁の建設、オバマケアの見直しなど、選挙中の公約の実現を目指して大統領令が署名されています。
 しかし、共和党主流派とのギクシャクもあっていずれも頓挫しており、支持者の期待は裏切られ続けています。政権の前途には暗雲が漂い、民主党から政権を奪い取った時点でトランプさんの役割は終わってしまったかのようです。

 イギリスとアメリカで生じた驚天動地の選択は世界を震撼させました。それぞれの国内だけでなく、世界中の人々の反発と不安を高めています。
 英国の離脱はEU崩壊と極右の台頭を懸念する人々の反発を強め、一定の揺れ戻しを生み出しました。アメリカ国内でもトランプ新政権に対する警戒と反発が生じ、支持率はかつてない低さになっています。
 公的権力の介入を排して規制緩和を推し進め、新自由主義によって貧困と格差を拡大してきた戦後政治の第2段階は、その病状を極大化させ、末期症状を呈してきているように見えます。このような「過渡期」を経て、どのような第3段階が姿を現すかが問われているのではないでしょうか。

 日本も例外ではありません。トランプ大統領は31日、日本や中国などを対象とする貿易赤字を制限する大統領令に署名しました。
 これによって保護主義的な通商政策が本格的に始動することになります。4月上旬に開催される予定の日米経済対話の中で、日本に対して厳しい要求がなされることは避けられません。
 日本でも、公的権力の介入を排して民営化や規制緩和を進め、新自由主義によって貧困と格差が広がってきました。このような戦後政治の第2段階の行き詰まりは、わが国でも明らかになっています。

 第2次安倍内閣の4年間によって、日本国民は安倍首相を選んだことがいかに間違った選択であったかを十分に学んだはずです。それはイギリスやアメリカに先んじており、アベ政治の暴走による害悪は「これから」ではなく、「これまで」も事実として積み重なってきました。
 そこからの脱出路がどこにあるのか、どのようにしたら脱出できるのかを発見し、英国民や米国民に示すのが、先んじて害悪を被って来た日本国民の責務でしょう。これこそが、通常国会後半戦における最大の課題だということになります。

 なお、4月の講演などの予定は以下の通りです。お近くの方や関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

4月1日(土)18時30分 船橋勤労市民センター:選挙で変える4区船橋市民の会
4月13日(木)18時30分 多摩市民館:川崎市多摩区・麻生区革新懇
4月14日(金)18時30分 全理連ビル:渋谷9条の会
4月16日(日)13時30分 新潟市ユニゾンプラザ:新潟県革新懇
4月22日(土)14時 甲府市ピュア総合(男女共同参画推進センター):山梨革新懇
4月28日(金)18時30分 八王子労政会館:八王子合同法律事務所

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