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3月4日(土) 塚本幼稚園を応援していた「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」 [スキャンダル]

 共産党の小池書記局長による鴻池祥肇元防災担当相の事務所の面会記録の暴露は大きな反響を呼びました。すかさず、鴻池さんは会見を開き、働きかけを受けた事実を認めながらも「口利き」については否定していました。
 しかし、鴻池側と籠池理事長らとのやりとりが記された「陳情整理報告書」によれば、事務所は籠池さんと国の交渉を仲介し、籠池さんや国との接触は2年半で25回に上り、「上から政治力でお願いしたい」「土地評価額を低くしてもらいたい」「高過ぎる。何とか働き掛けて欲しい」などと要求していたことが明らかになりました。実際に「口利き」があり、その通りになったということです。
 また、ウェブ上では「親友が経営、昭恵夫人が名誉園長の学校法人に特区指定、37億の土地がタダに」という情報が流れており、「安倍首相に“第二の森友学園”疑惑! 」と話題になっています。安倍昭恵夫人が名誉校長を務めている「御影インターナショナルこども園」という保育施設の運営である加計学園の件ですが、いずれこれも国会などで追及されるかもしれません。
http://lite-ra.com/2017/03/post-2957.html

 ということで、昨日の続きです。第5の疑惑は、どうして森友学園だけがこのような特別扱いを受けたのかという核心に関わる問題です。
 その答えは、籠池理事長の教育方針が日本会議などの極右勢力の望む方向と一致し、安倍夫妻をはじめ、これらの勢力がこぞって協力したり応援したりしていたからです。塚本幼稚園の異様で特殊な教育を幼稚園だけでとどめず小学校以上の学校教育に持ち込もうという計画が今回の騒動の出発点ですが、このような時代錯誤でおぞましい教育内容を良しとする勢力が塚本幼稚園に総結集していました。
 そのことを明瞭に示している事実があります。それは塚本幼稚園で行われていた「教育講演会」です。
 http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/lecture/

 このホームページには、「お子さんの教育は保護者の方々のしつけ、けじめに非常に影響されます。塚本幼稚園では、子供たちが将来立派な人間として成長し、我が国を率先して引っ張って行ける人材を共に育てるため、保護者の方々にもご成長していただきたく、著名な先生をお呼びし、講演をしていただいております」と、講演会の目的が書かれていました。対象は子供たちではなく「保護の方々」であり、「ご成長していただきたく、著名な先生をお呼びし」ているというわけです。
 それでは、どのような「著名な先生」が呼ばれ、どのような話をしていたのでしょうか。「過去の講演」として紹介されている主なものは、以下のようになっています。

平成28年11月19日:百田尚樹先生講演会「日本危うし。将来を担う子供達の時代を見据えて〜現代日本にとって危うく足りないものとは〜」
平成26年4月26日:曽野綾子先生講演会「人間を造るもの」
平成25年9月21日:平沼赳夫先生講演会「私の人生、生き方、心の持ち方」
平成25年6月22日:青山繁晴先生講演会「日本の出番をつくる」、青山繁晴
平成25年5月25日:竹田恒泰先生講演会「私の憲法論」
平成24年10月27日:渡部昇一先生講演会「修身について」
平成24年5月12日:中西輝政先生講演会「どうすれば、日本を良い国にできるのか」
平成23年11月3日:櫻井よしこ先生講演会「日本よ、勁(つよ)き国となれ」
平成23年5月7日:武(ママ)田恒泰先生講演会「日本はなぜ世界で一番人気があるのか」
平成21年5月9日:田母神俊雄先生講演会「国防理念なき日本民族の将来」
平成20年11月15日:中山成彬先生講演会「日教組の影と功罪」
平成20年6月22日:米長邦雄先生講演会「歴史と伝統、そして幸せの原点は家庭にあり」

 このように、百田尚樹、曽野綾子、平沼赳夫、青山繁晴、竹田恒泰、渡部昇一、中西輝政、櫻井よしこ、田母神俊雄、中山成彬、米長邦雄などの名前がずらりと並んでいます。これに安倍昭恵さんが加わり、安倍晋三さんもこのラインナップに仲間入りするはずでした。
 実は、森友学園からの陳情要請を暴露して渦中の人となった鴻池祥肇さんも、2008年7月12日に塚本幼稚園で開かれた「教育再生地方議員百人と市民の会」第10回定期総会で基調講演をしていました。まさに「右派論客」の総登場という豪華さであり、「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の勢ぞろいといったところでしょうか。
 一幼稚園の講演会というには「立派」すぎるメンバーであり、森友学園の「総裁・理事長」である籠池さんの人脈と影響力のすごさをうかがい知ることできます。

 注目されるのは、この講演会に元NHK経営委員だった作家の百田尚樹さんが名を連ねていることです。NHKの関係者が関わっていたのは百田さんだけではありません。
 今もNHKの経営委員を務めている長谷川三千子埼玉大学名誉教授、日本会議代表委員も顔を出しています。長谷川さんは、昨年4月29日の『第11回「昭和の日」記念式典』で基調講演を引き受けています。
 そのテーマは「神やぶれたまはず―昭和精神史を考える」というもので、パネルディスカッションのパネラーには百田尚樹、曾野綾子、青山繁晴、竹田恒泰など、右派の論客がズラリと並んでいました。
http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/lecture/

 塚本幼稚園はネトウヨ的な右派論客の巣窟だったのです。その組織的な結びつきは日本会議であり、精神的な紐帯は教育勅語であり、掲げられたシンボルは安倍昭恵総理大臣夫人でした。
 この幼稚園の何が支持され評価されていたのかは、推薦の言葉を見れば一目瞭然です。ホームページに掲載されていた「推薦の声」を紹介しておきましょう。

中山成彬先生 衆議院議員(元文部科学大臣)
 「私も塚本幼稚園を訪問したときのことを鮮明に覚えています。園児の成長に合わせた、いろいろ画期的な取組に感銘をうけました。子供たちが暗唱した教育勅語やその他の名文は子供たちの成長につれ、人生の祈り節に子供たちの良き同伴者として励まし続けていくことでしょう。幼児の頃の頭の柔らかい時に、人生の道案内になるような漢詩、美しい詩歌等を覚えさせることは、とても良いことだと考えます。(中略)子供たちの一生が幸せなものでありますように、持って生まれた可能性を十分に開花させられる人生でありますように心からお祈り致します。」

田母神俊雄先生 軍事評論家 元航空自衛官 第29代航空幕僚長
 「私は昨年塚本幼稚園の父兄参観日に幼稚園の教育の様子を見せていただきました。教育勅語の暗唱や論語の授業、そろばん、ラグビーの練習などを見て、塚本幼稚園では真に日本人づくりの教育が実施されていることを実感いたしました。「三つ子の魂百まで」の諺があるとおり幼児教育は人格形成上極めて重要です。籠池園長の明確な教育方針のもと、伸び伸びと育った園児の皆さんは今後大きく成長してくれるでしょう。国際化の時代にあって日本人のアイデンティティーを持っておくことは必要不可欠です。ご父兄の皆様は今後とも誇りある日本人を育てることを目指し、子供たちの無限の可能性を伸ばしてやって頂きたいと思います。」

西村眞悟先生 衆議院議員 元防衛政務次官
 「ここで過ごした三年間は、皆さんの生涯にとってまことに貴重です。何故なら、幼い頃の思い出こそ、一生を貫く「力」だからです。皆さんが、大きな声で読んだ論語の教え、また、教育勅語の尊い精神は、これから、楽しい時も、苦しい時も、悲しい時も、いつも生涯にわたって皆さんを支えるありがたい「心の力」です。この尊い教えを身につけた皆さんは、ご家族の宝であると同時に日本の宝です。皆さん、祖国日本への愛と、ご恩ある先生への感謝、友達への友情を忘れず頑張ってください。」

竹田恒泰先生 慶應義塾大学 大学院法学研究科講師
 「塚本幼稚園は、日本で最も素晴らしい幼稚園の一つです。そのような素敵な幼稚園で学ぶことができた卒園生の皆様、きっと立派な日本人になられるでしょう。小学生になっても、これまで学んできた事を忘れず、しっかりと勉強してください。勉強すれば何かが変わるはずです。皆さまが、将来の日本を支える、強くて優しい大人に成長するよう、期待します。」

 このような思想的な背景があったからこそ、森友学園は評価され応援されていたのです。これらの人々をはじめ、安倍夫妻のシンパシーを忖度する形で様々な便宜が図られたのではないでしょうか。
 もちろん、「安倍晋三記念小学校」という幻の命名や「安倍昭恵名誉校長」という肩書は、このような配慮や便宜が求められる際には、最大限利用されたにちがいありません。そのことによって、小学校設立の認可が容易になり、格安での用地取得が可能になり、戦前型軍国主義教育が是認されたとすれば、安倍夫妻の道義的責任は免れません。

 それでは、「画期的な取組に感銘をうけ」(中山成彬)、「真に日本人づくりの教育が実施」(田母神俊雄)、「教育勅語の尊い精神」(西村眞悟)、「日本で最も素晴らしい幼稚園の一つ」(竹田恒泰)などと絶賛されている塚本幼稚園の実態はどのようなものだったのでしょうか。次回は、この幼稚園での教育の実態に迫ってみることにしましょう。


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