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2月13日(月) 早春の日向路を行く [旅]

 昨晩、宮崎での旅を終えて帰宅しました。「早春」の旅のはずが、寒波の襲来によって冷たい風が吹き、「厳寒」の旅のような寒さでした。
 旅の目的は「第81回憲法と平和を考えるつどい」での講演です。地方紙『宮崎日日新聞』本社ビルにある「宮日ホール」で開催されました。

 宮崎では、えびの高原や高千穂を訪問したことがあります。鹿児島での講演のついでに、大学院時代の先輩が車で案内してくれました。
 鹿児島から山道を通ったり高速道路を飛ばしたりしての宮崎訪問です。いわば「裏口」から入ってきたようなものでした。
 今回は宮崎空港からの宮崎市訪問ですから、「表玄関」から入ったことになります。空港には日本科学者会議(日科)宮崎支部の木下宮崎大准教授が出迎えて下さり、そのまま車で平和台公園の「平和の塔(八紘一宇の塔)」に案内していただきました。

 「八紘一宇の塔」は「紀元2600年」の記念事業として1939(昭和14)年5月に着工され、1940(昭和15)年11月に完成しています。塔は予想よりもずっと大きなもので、いかにもアジア侵略のシンボルとされた過去を物語るようでした。
 普段は中に入れないのですが、この日は許可を得て中に入ることができました。案内して下さったのは「八紘一宇」の塔を考える会の税田会長と会員の杉尾兵庫教育大名誉教授で、中に設置されている神話などをモチーフにした石膏レリーフについて説明していただきました。
 レリーフには軍艦なども掘られており、軍事力や戦争を否定していないし隠そうとしてもいなかったことがうかがわれます。塔の周りにはめ込まれている石は日本全国だけでなく、当時植民地だった台湾や朝鮮、侵略していた中国、南米からも集めれ、これら各国から略奪してきた石を返そうという運動が取り組まれています。

 この日の夜、打ち合わせを兼ねて宮崎の地鶏をご馳走になりました。焼き鳥などもおいしかったのですが、この時に飲んだ焼酎「茜霧島」の味が忘れられず、翌日、店頭で見つけて自宅に発送しました。
 講演会は2月11日の午前中で、日科宮崎支部と宮崎民主法律家協会の主催によるものです。毎年、2月11日の「建国記念の日」と5月3日の憲法記念日に開かれているそうです。
 すでに81回を数えているということで、その回数の多さに驚きました。翌朝『毎日新聞』を見たら、宮崎版に「護憲 改憲 考える 各地で講演や集会」という見出しで、この講演の様子が報じられていました。

 これで私の仕事は終わりです。しかし、せっかく宮崎までやって来たのですから、このまま帰ってしまうのはもったいない。「早春の日向路の旅」を楽しむことにしました。
 ところが、2月11日の宿が取れません。2連休の週末だっただけでなく、宮崎には巨人軍などのプロ野球の球団がキャンプをしていて、おまけにこの日は長島さんまでやってきたためにファンが殺到したのでしょう。
 仕方なく、延岡まで足を延ばすことにしてようやくホテルを確保できました。延岡は旭化成の「企業城下町」で、転勤族相手のホテルが沢山あったからだと思います。

 延岡の駅は工事中でしたが、町は何となくレトロな雰囲気が漂い、ホテルの横には1970年創業の「スタンドバー」があり、その向かい側の食堂の上には「青春の門」という大きな看板がかかっていました。何となく懐かしい感じがしたものです。
 延岡は東北の平藩から移封された内藤藩のお城があったところで、城跡には「千人殺し」という大きな石垣が残っていました。外敵に攻められた時、一部の石を引き抜けばたちどころに崩れて千人を殺すことができるというのです。
 翌日は西日本マラソンがあるということで近くの駐車場にはテントが張られ、ホテルのすぐ裏では「十日えびす」の出店が並んでいました。こういう催しがある中でよくホテルがとれたものだ、それも「じゃらん」のポイントを差し引いて3万3000円という格安のホテルが、と思ったものです。

 翌日は延岡から各駅停車で宮崎まで戻り、そこで特急電車「海彦山彦号」に乗り換えて青島まで行きました。青島神社を訪問した後、路線バスで鵜戸神宮を訪ね、そこからまた路線バスに乗って宮崎空港へと至るルートです。
 JR九州は儲かっているのか、車両が良いです。延岡から乗った各駅停車は全て前向きのリクライニングで、まるで駅ごとに停まる特急列車のようでした。
 前夜に買ったカップ焼酎「あなたにひとめぼれ」を水で割ってチビリチビリやりながら、日向灘に照り映えるまばゆい朝の光を眺めて至福のひと時を過ごしました。途中、モノレールの線路ようなものの上にソーラー・パネルが並んでいましたが、これも晴れる日が多い宮崎ならではの光景でしょうか。

 こうして青島に到着したのですが、そこは無人駅で駅前の荷物預り所も閉まっています。シーズンオフだからなのかもしれませんが、「新婚旅行の聖地」として旅行者が殺到した往時の賑わいは感じられませんでした。
 土産物屋のおじさんに教えてもらった「鬼扇」という磯料理屋で海鮮丼を食べ、バスに乗り込んで鵜戸神宮に向かいました。青島周辺の「鬼の洗濯岩」は有名ですが、同じような地形を何カ所かで目にすることができます。
 鵜戸神宮からの帰り、バスを待つ間、上り口にあったお店でサザエのつぼ焼きを食べました。持っていたカップ焼酎「木挽き」を取り出して「これ飲んでもいいですか」とおばさんに聞いたら、「温めましょうか」と言ってレンジで「チン」してくれました。私の心も「チン」されたように、暖かくなったものです。

 帰りの飛行機から下を見たら、日向灘に沿って海岸線が南北にまっすぐ伸びていました。前日からこの日にかけて、その海岸線に沿って行ったり来たりしたことになります。
 旅行中、テレビで日米首脳会談の様子を見ました。握手するとき、笑顔の安倍首相がトランプ大統領に手をさすられる映像を見て、飼い主に首筋を撫でられて嬉しそうにしっぽを振りながらクンクンと鳴いている犬の姿を思い出したのは私だけでしょうか。

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