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2月13日(月) 早春の日向路を行く [旅]

 昨晩、宮崎での旅を終えて帰宅しました。「早春」の旅のはずが、寒波の襲来によって冷たい風が吹き、「厳寒」の旅のような寒さでした。
 旅の目的は「第81回憲法と平和を考えるつどい」での講演です。地方紙『宮崎日日新聞』本社ビルにある「宮日ホール」で開催されました。

 宮崎では、えびの高原や高千穂を訪問したことがあります。鹿児島での講演のついでに、大学院時代の先輩が車で案内してくれました。
 鹿児島から山道を通ったり高速道路を飛ばしたりしての宮崎訪問です。いわば「裏口」から入ってきたようなものでした。
 今回は宮崎空港からの宮崎市訪問ですから、「表玄関」から入ったことになります。空港には日本科学者会議(日科)宮崎支部の木下宮崎大准教授が出迎えて下さり、そのまま車で平和台公園の「平和の塔(八紘一宇の塔)」に案内していただきました。

 「八紘一宇の塔」は「紀元2600年」の記念事業として1939(昭和14)年5月に着工され、1940(昭和15)年11月に完成しています。塔は予想よりもずっと大きなもので、いかにもアジア侵略のシンボルとされた過去を物語るようでした。
 普段は中に入れないのですが、この日は許可を得て中に入ることができました。案内して下さったのは「八紘一宇」の塔を考える会の税田会長と会員の杉尾兵庫教育大名誉教授で、中に設置されている神話などをモチーフにした石膏レリーフについて説明していただきました。
 レリーフには軍艦なども掘られており、軍事力や戦争を否定していないし隠そうとしてもいなかったことがうかがわれます。塔の周りにはめ込まれている石は日本全国だけでなく、当時植民地だった台湾や朝鮮、侵略していた中国、南米からも集めれ、これら各国から略奪してきた石を返そうという運動が取り組まれています。

 この日の夜、打ち合わせを兼ねて宮崎の地鶏をご馳走になりました。焼き鳥などもおいしかったのですが、この時に飲んだ焼酎「茜霧島」の味が忘れられず、翌日、店頭で見つけて自宅に発送しました。
 講演会は2月11日の午前中で、日科宮崎支部と宮崎民主法律家協会の主催によるものです。毎年、2月11日の「建国記念の日」と5月3日の憲法記念日に開かれているそうです。
 すでに81回を数えているということで、その回数の多さに驚きました。翌朝『毎日新聞』を見たら、宮崎版に「護憲 改憲 考える 各地で講演や集会」という見出しで、この講演の様子が報じられていました。

 これで私の仕事は終わりです。しかし、せっかく宮崎までやって来たのですから、このまま帰ってしまうのはもったいない。「早春の日向路の旅」を楽しむことにしました。
 ところが、2月11日の宿が取れません。2連休の週末だっただけでなく、宮崎には巨人軍などのプロ野球の球団がキャンプをしていて、おまけにこの日は長島さんまでやってきたためにファンが殺到したのでしょう。
 仕方なく、延岡まで足を延ばすことにしてようやくホテルを確保できました。延岡は旭化成の「企業城下町」で、転勤族相手のホテルが沢山あったからだと思います。

 延岡の駅は工事中でしたが、町は何となくレトロな雰囲気が漂い、ホテルの横には1970年創業の「スタンドバー」があり、その向かい側の食堂の上には「青春の門」という大きな看板がかかっていました。何となく懐かしい感じがしたものです。
 延岡は東北の平藩から移封された内藤藩のお城があったところで、城跡には「千人殺し」という大きな石垣が残っていました。外敵に攻められた時、一部の石を引き抜けばたちどころに崩れて千人を殺すことができるというのです。
 翌日は西日本マラソンがあるということで近くの駐車場にはテントが張られ、ホテルのすぐ裏では「十日えびす」の出店が並んでいました。こういう催しがある中でよくホテルがとれたものだ、それも「じゃらん」のポイントを差し引いて3万3000円という格安のホテルが、と思ったものです。

 翌日は延岡から各駅停車で宮崎まで戻り、そこで特急電車「海彦山彦号」に乗り換えて青島まで行きました。青島神社を訪問した後、路線バスで鵜戸神宮を訪ね、そこからまた路線バスに乗って宮崎空港へと至るルートです。
 JR九州は儲かっているのか、車両が良いです。延岡から乗った各駅停車は全て前向きのリクライニングで、まるで駅ごとに停まる特急列車のようでした。
 前夜に買ったカップ焼酎「あなたにひとめぼれ」を水で割ってチビリチビリやりながら、日向灘に照り映えるまばゆい朝の光を眺めて至福のひと時を過ごしました。途中、モノレールの線路ようなものの上にソーラー・パネルが並んでいましたが、これも晴れる日が多い宮崎ならではの光景でしょうか。

 こうして青島に到着したのですが、そこは無人駅で駅前の荷物預り所も閉まっています。シーズンオフだからなのかもしれませんが、「新婚旅行の聖地」として旅行者が殺到した往時の賑わいは感じられませんでした。
 土産物屋のおじさんに教えてもらった「鬼扇」という磯料理屋で海鮮丼を食べ、バスに乗り込んで鵜戸神宮に向かいました。青島周辺の「鬼の洗濯岩」は有名ですが、同じような地形を何カ所かで目にすることができます。
 鵜戸神宮からの帰り、バスを待つ間、上り口にあったお店でサザエのつぼ焼きを食べました。持っていたカップ焼酎「木挽き」を取り出して「これ飲んでもいいですか」とおばさんに聞いたら、「温めましょうか」と言ってレンジで「チン」してくれました。私の心も「チン」されたように、暖かくなったものです。

 帰りの飛行機から下を見たら、日向灘に沿って海岸線が南北にまっすぐ伸びていました。前日からこの日にかけて、その海岸線に沿って行ったり来たりしたことになります。
 旅行中、テレビで日米首脳会談の様子を見ました。握手するとき、笑顔の安倍首相がトランプ大統領に手をさすられる映像を見て、飼い主に首筋を撫でられて嬉しそうにしっぽを振りながらクンクンと鳴いている犬の姿を思い出したのは私だけでしょうか。

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2月9日(木) 通常国会のアキレス腱となった金田と稲田、それに文科省 [国会]

 通常国会で予算員会での審議が続いています。沢山の問題点が明らかになっていますが、なかでも共謀罪、南スーダンへのPKO派遣、文科省の天下り問題が焦点になりつつあります。
 いずれも、安倍政権にとってのアキレス腱になってきています。とりわけ問題の文書を配った金田勝年法相、国会答弁で居直っている稲田朋美防衛相は責任を取って辞任するべきでしょう。

 民進・共産・自由・社民の野党4党は国対委員長会談で「共謀罪」の成立要件を絞って「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐる法相の対応が「資質に欠ける」との認識で一致し、金田法相の辞任要求を自民党の竹下亘国対委員長に電話で伝えました。法案について「国会提出後に議論すべきだ」とした法務省文書を記者団に配布して批判され、撤回した不始末の責任を問われたわけです。
 この法案は「病気の予防を名目にして毒を飲ませる」ようなもので、「現代の治安維持法」にほかなりません。「一般人は対象にならない」などと言って「飲ませ」ようとしている点も、治安維持法のときとそっくりです。
 罪を犯せば捕まるというのが近代刑法の原則ですが、「犯罪」の相談をしただけで捕まえられるようにしたいというのが、この法案の目的です。「考え」や「思い」が取り締まりの対象になり、その相談内容が「犯罪」であるかどうかは捕まえる側の判断に任されます。

 論点は多岐にわたりますが、金田法相はちゃんと答えられません。「法律は得意じゃないんだ。どんな内容になるか分からないし。答えるの面倒だから、質問するのは法案が出てからにしてくれないかなー」と思ったのでしょう。法務省の役人に文書を書かせて記者団に配ってしまいました。
 行政府の責任者が立法府での法案審議について注文を付けたことになります。 政府の長でありながら「立法府の長」だと言ってのけた安倍首相と同様の大間違いです。
 法案提出前からの辞任要求は異例ですが、それだけ問題が大きいということになります。金田さんは「国会の審議テーマに注文をつけるような意図は全くない。文書を撤回し、おわびする」と改めて謝罪していますが、とっとと辞任すべきでしょう。

 辞任すべきなのは、稲田さんも同様です。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の昨年7月の日報に、南スーダン政府軍と反政府勢力との間で「戦闘が生起」と記述されていた問題で、「法的な意味での戦闘行為ではない。武力衝突だ」と説明しました。
 「一般的な辞書的な意味で戦闘という言葉を使ったと推測している。武器を使って人を殺傷したり、物を壊したりする行為はあった」とも述べています。また、防衛省が当初、日報を「廃棄した」としていたことについては「私もさらに探索するよう指示していた。隠蔽(いんぺい)との指摘はあたらない」と釈明しました。
 この日報の公開要求を行っていたのは『平和新聞』編集長の布施祐仁さんです。2月1日付でこのブログにアップした記事「政治転換の機は熟している」は、この布施さんからインタビューされたものでした。

 日報の公開要求が出されたのはPKOへの追加任務が問題にされていた頃で、安倍首相も「戦闘」ではなく「衝突」で現地は安全だと強弁していました。そのような時に「武力衝突」が明記されている文書が明るみに出れば、大騒ぎになったことでしょう。
 「こんな時に公開することはできない。廃棄したことにしよう」と考えたのではないでしょうか。その後、再調査が指示されたこともあり、いつまで隠せるかわからないから「別のところから発見されことにして公開しよう」と思ったのかもしれません。
 「見つかった」とされるのは昨年12月の末です。その後、実際に公開されるまで1カ月もかかったのは、「どのように言い逃れしようか」と頭を悩ませていたからではないでしょうか。

  稲田さんは、「戦闘行為」の有無について「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と述べています。つまり、「戦闘行為」が9条違反であるということを知っているのです。
 だから、この言葉を使うのを避けたというわけです。しかし、現地の自衛隊員は、そこで「戦闘行為」があったことを認めていました。
 言い変えによって事実をねじ曲げ、憲法違反を誤魔化し、隠ぺいした責任を回避しようとしているのが、稲田さんの答弁にほかなりません。このような「ポスト真実」による居直りを許してはなりません。

 許してならないのは、文科省の再就職あっせん問題も同様です。松野文科相は人事課OBである嶋貫和男氏の仲介について同省が「再就職支援業務」と認識し、必要な執務室や活動資金などを差配してあっせんを組織的に依頼していた可能性が高いとし、歴代の事務次官らもそれを認識していたと語りました。
 歴代の事務次官にすれば、「やっていたのは知っていたよ。悪いことだと思うわけないだろ。先輩が後輩の就職を世話してんだから。それに、いつかは私もお世話になるつもりだったし」というところでしょうか。文科省の組織ぐるみだったということです。
 それがどれほどの規模になるのか、他の省庁はどうなのか。全容解明はこれからの課題になります。

 国会と野党の真価が問われています。事実の解明と責任の追及という点でも、野党共闘の力が発揮されることを期待したいものです。

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2月8日(水) まるでジャイアンのご機嫌を取るスネ夫のような安倍首相 [首相]

 力はなく弱虫でも皆から好かれるのび太の方が良かったのではないでしょうか。まるでジャイアンのご機嫌を取るスネ夫のようになってしまうよりは。

 2月10日に安倍首相は訪米し、トランプ新大統領との首脳会談に臨むことになっています。鉄道などのインフラ(社会資本)投資で新たに4500 億ドル(約51兆円)規模の市場をつくり、70万人の雇用を生み出すというお土産を携えていくそうです。
 まさに「飛んで火にいる夏の虫」と言いたいところです。しかし、今は冬ですから「鍋」にお湯を沸かして待ち構えているところに、「カモがネギをしょって」のこのこと出かけていくようなものだというべきでしょうか。
 トランプ大統領は「愛いやつ」とでも思ったのでしょう。一緒に大統領専用機に乗ってフロリダまで出かけ、先の訪米の際に送ってもらった50万円のドライバーを使って一緒にゴルフをする予定だといいます。

 安倍スネ夫は、トランプ・ジャイアンが乱暴で家では鼻つまみ者、町内でも嫌われ者になっていることを知らないのでしょうか。誰も遊んでくれないから可哀そうだと思ったわけではないでしょう。
 乱暴者の機嫌を損ねて無理難題を押し付けられてはかなわないから、おべっかを使ってサービスしようと考えているにちがいありません。そのためのお土産です。
 でも、トランプ・ジャイアンに眉をひそめている町内の皆さんには、どう映るでしょうか。同類だと見られて、一緒に顰蹙を買い、嫌われてしまうことにならないでしょうか。

 すでに、アベスネ夫はトランプ・ジャイアンが当選した直後に、ご機嫌うかがいのためにニューヨークまですっ飛んでいきました。揉み手をしながら「信頼できる指導者だ」と請合った姿を世界中に晒してしまったのです。
 その「信頼」がどのようなものであったのかは、その後のジャイアン的な言動によって暴露されました。安倍さんはトランプのマジックに幻惑され、「信頼」を得るためのサクラとしてうまく利用されてしまったのです。
 「こいつは使える」と、トランプ・ジャイアンは思ったにちがいありません。またもや、世界をたぶらかすための道化として安倍スネ夫を活用するつもりなのでしょう。

 それにしても、訪米前の安倍首相はスネ夫以上の卑屈さだというべきでしょう。まだ何を求められるのか分からないのに、相手が求める以上のものを差し出そうとしているように見えます。
 アメリカの雇用拡大のための投資プロジェクトに使うお金があるのなら、どうして日本の雇用拡大のために使おうとしないのでしょうか。日本国民である沖縄県民の声を聴かずに、どうして新基地建設を求めるアメリカの要求にばかり応えようとするのでしょうか。
 安倍さんは日本の首相なのにトランプさんと声を合わせて「アメリカ・ファースト」と叫んでいるように見えます。日本の首相なのだから「ジャパン・ファースト」と言ってほしいところですが、しかし、今のグローバル化し相互依存が強まっている世界では「自国ファースト」ではやっていけないのが現実です。

 そんな時、「自分さえよければ他がどうなっても構わない」と公言し、乱暴で差別的な言動で鼻つまみ者になっているのがトランプ大統領です。後ろ指をさされてどこからも相手にされなくなっている嫌われ者を両手に一杯お土産物を抱えて訪問し、遊びの相手をしようとしているのが安倍首相です。
 新政権発足早々、評判を落として孤立気味になっているトランプ・ジャイアンは喜ぶでしょうが、周りからどう見られるかが心配です。トランプのアメリカとともに安倍の日本も、世界の孤児への道を歩み始めることになってしまうのではないでしょうか。

 ジャイアンに取り入ってスネ夫になろうとするのは大きな間違いです。元の、のび太のままで良いのではないでしょうか。


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2月7日(火) 野党共闘の前進を目指す春闘 [論攷]

〔以下の論攷は、金属労働研究所が刊行する『金属労働研究』通巻第141号、2017年1月号、に掲載されたものです。〕

 はじめに

 2017年春闘は、これまでにない新たな情勢の下で闘われます。春闘ですから賃金の引き上げと労働条件の改善に向けて集中的な取り組みを行うことは当然ですが、それに加えて、二つの新たな課題に取り組む必要があるからです。
 その一つはアベ「働き方改革」への対応であり、もう一つは野党共闘の前進です。いずれの課題も働く人々の環境改善のみならず、国民生活と日本の進路を左右する重要な意味を持っています。
 労働組合運動が春闘で取り組むべき課題と国民的な政治革新の課題とがコラボレーションする新しい状況が生まれているということです。このことを自覚しながら、春闘に対する取り組みを従来以上に強めることが期待されています。

 アベ「働き方改革」への対応

 安倍首相が政治の重用課題として掲げている「働き方改革」には二面性があります。それは労働の規制緩和だけでなく、部分的には再規制を含んでいるからです。「残業代ゼロ法案」や裁量労働制の拡大、解雇の金銭解決の導入の目論みなどとともに、春闘での賃上げや最低賃金の引き上げ、労働基準法36条の見直しによる残業規制の強化なども提起されていることに注意しなければなりません。
 労働条件の悪化を無視できなくなるとともに、労働側の支持拡大という狙いによるものですが、批判や反対だけでは済まされない対応が必要となっていることも事実です。電通の過労自殺問題などを通じて働き方への関心が高まっているのはチャンスでもあります。
 労働側としては、アベ「働き方改革」の狙いを暴露するとともに限界や不十分性を突破するための運動を展開することが必要です。賃上げと最低賃金1500円以上の実現、残業の上限規制や勤務間インターバル制度の導入、非正規労働者の正規化や均等待遇の実現などが春闘での課題となります。

 野党共闘の前進を

 労働組合運動が春闘で取り組むべきもう一つの課題は政治的要求の実現であり、野党共闘の前進です。真の「働き方改革」のためにも、4野党が共同で提出した長時間労働規制法案の成立など政治への働きかけが必要です。同時に、「残業代ゼロ法案」への反対や社会保障サービスの切り下げの阻止などの政治課題もあります。
 「逆走」し始めているアベ暴走政治をストップさせ、労働者の要求を実現する民主的な政府をめざさなければなりません。そのためにも解散・総選挙で勝利できるような野党共闘を実現する必要があります。
 すでに昨年の参院選と新潟県知事選での市民と野党の共闘によって「勝利の方程式」が示されました。今後、この「方程式」を解いて正しい「解」を導き出す必要があります。そのためには、政策協定を結んで「明確な争点」を掲げ、相互に推薦したり支援したりすることによって「本気の共闘」を生みださなければなりません。

 むすび
 
 アベノミクスは破綻し、得意の外交でも袋小路に陥るなど、安倍政権は末期症状を呈しています。日露交渉は失敗に終わり、何を言い出すかわからないトランプ米新政権も発足しました。
 臨時国会でのTPP承認や年金削減法の採択で国民との溝を深め、カジノ解禁法では公明党との確執も生まれました。慰安婦像の設置をめぐって日韓関係は悪化し、内外情勢は混迷を深めています。まさに、政治転換の機は熟しているというべきでしょう。
 このようなときにこそ、労働組合運動はその真価を発揮しなければなりません。2017年春闘への取り組みを強めて、政治転換の先陣を切ってもらいたいものです。これまでにない新たな情勢の下では、これまでにない新たな運動が求められているのですから……。

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2月2日(木) 新しい拙著『活路は共闘にあり―社会運動の力と「勝利の方程式」』(学習の友社)が刊行された [日常]

 以前にこのブログで予告した新しい拙著が刊行されました。『活路は共闘にあり―社会運動の力と「勝利の方程式」』という本です。
 主な論攷は、労働者教育協会が出している『学習の友』という雑誌に連載されたものです。その縁もあって、学習の友社から刊行していただきました。

 私の前の著作『対決 安倍政権―暴走阻止のために』も、学習の友社から刊行されています。今回の新著は、この続編にあたります。
 市民と野党との共闘の意義を明らかにし、それを生み出した社会運動の力に焦点を当てたものです。終章は「トランプ現象」について新たに書き下ろしました。
 本稿執筆後、トランプ氏はアメリカの大統領となり、世界を巻き込んで猛威を振るっています。まるで「地獄の釜の蓋」が開いてしまったような大混乱が生じています。

 「一体、これからどうなってしまうのだろうか」と、不安や懸念を抱いている方も多いと思います。この問題を考える手がかりが、本書から得られるかもしれません。
 興味と関心のある方は、本書を手に取ってご笑覧いただければ幸いです。定価は1300円(税別)となっています。
 最後に、本書の目次を掲げておきますので、参考にしていただければ幸いです。なお、書店などでは入手しにくいかもしれませんので、下に連絡先を示しておきましょう。

〒113-0034 東京都文京区湯島2-4-4
学習の友社
TEL:03-5842-5641 FAX:03-5842-5645

『活路は共闘にあり―社会運動の力と「勝利の方程式」』(学習の友社)目次
はしがき
序章 共闘の弁証法
 野党共闘の始まりと暗転
 共産党を含む野党共闘の成立
 参院選での共闘が実現した背景と要因
 新潟県知事選で明らかになった共闘の威力と「勝利の方程式」
 弁証法的な発展と未来への希望
第1章 反転攻勢に向けての活路が見えた―16年参院選の結果と平和運動の課題
 はじめに
 1 与党と自民党
 2 野党の選挙協力
 3 安倍首相の勝因はどこにあったのか
 4 選挙後の展望と課題
第2章 「手のひら返し」の「壊憲」暴走を許さない―容易ならざる段階での憲法運動の課題
 はじめに
 1 容易ならざる段階を迎えた―参院選の結果をどう見るか
 2 安保法の廃止と発動阻止に向けて
 3 「壊憲」策動を阻止するために―憲法原理の破壊は許されない
 4 「護憲+活憲」による憲法運動の発展
 むすび
第3章 今日における社会変革の担い手は誰か―なぜ多数者革命なのか
 はじめに
 1 市民と市民革命
 2 現代の市民革命としての多数者革命
 3 多数者革命の課題と可能性
第4章 労働組合運動はなぜ重要なのか
 はじめに
 1 労働組合とは何か
 2 労働組合運動の領域
 3 労働組合運動が取り組むべき課題
 むすび
第5章 現代の多様な社会運動の意味
 はじめに
 1 社会運動とは何か
 2 今日における社会運動の特徴
 3 民主主義の揺りかご
第6章 戦後 70 年、国民のたたかい―それを受け継ぐことが、私たちの務め
 はじめに
 1 戦争に反対し平和を守るたたかい
 2 基地反対闘争と「平和的生存権」を守るたたかい
 3 人権と民主主義を守るたたかい
 4 人間らしい生活と労働を求めて
 むすび
終章 「トランプ現象」と大衆運動
 社会運動と選挙
 「アラブの春」から始まった社会運動の再生
 欧米における市民運動の発展と政治の変化
 内外情勢の弁証法的発展と新たな政治の可能性
あとがき

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2月1日(水) 政治転換の機は熟している [論攷]

〔以下のインタビュー記事は、日本平和委員会が発行している『平和新聞』第2128号、2017年1月15・25日合併号、に掲載されたものです。〕

 世界は「第三の段階」に

 今年は一言でいえば、「チャンスと飛躍の年」です。現在の国際政治は、戦後の「第三の段階」のとば口に差しかかっているからです。
 1970年代のオイル・ショック以降、それまでのケインズ主義を背景にした公共事業で有効需要を創出して経済成長を図る修正資本主義的な路線(第一の段階)が壁にぶつかり、政府はなるべく経済に介入しないで民間に任せるという新自由主義的な規制緩和、民営化路線が徐々に台頭してきました。この流れはソ連崩壊で一気に加速し、90年代以降、新自由主義とグローバリズムは世界の隅々に広がりました(第二の段階)。この弱肉強食の新自由主義路線の結果、強欲資本主義となって資本の力が強くなり、富が一極に集中し、貧困や格差が拡大しました。
 これに対する大衆の不満や反感がネガティブな形で出てきたのが、英国のEU離脱や米大統領選挙でのトランプ氏当選です。また、シリア内戦による難民の流入やイスラム国(IS)の勢力拡大による各国でのテロなどを背景に、欧州でナショナリズムや排外主義が強まり、極右勢力が台頭する事態も生まれています。
 他方、1%の富裕層のための政治から99%の人々のための政治に変えなければならないという動きも強まっています。ギリシャやスペインでは新しいリベラル・左派勢力が台頭し、米大統領選挙の民主党予備選挙では自らを「民主的社会主義者」と呼ぶサンダース氏が若い世代の熱い支持を受けて大健闘しました。
 行き詰まった新自由主義とグローバル化路線を打開する「第三の段階」に向けて、この二つの流れが激しくぶつかり合っているのが現状です。いわば絶望と希望がせめぎ合うような過渡期において、リベラル・左派勢力が新しい政治の活路を切り拓くチャンスが生まれているのです。

 「勝利の方程式」見えた

 日本でも、安倍政権による暴走政治の破たんが明らかになってきました。
 一番の破たんは、政策の目玉としてきたアベノミクスです。安倍首相はまだ「道半ば」で「エンジンをふかす」などと言っていますが、実際にはこれだけ長くやっても成果が上がっていません。最大の問題は、大企業の内部留保と富裕層の資産だけが増え、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費がいっこうに上向いてこないことです。大企業や富裕層がもうかれば、富が国民全体にしたたり落ちて経済が成長するという「トリクルダウン理論」は、完全に破たんしてしまいました。
 安倍政権が「働き方改革」を最重要課題に位置付けると表明せざるを得なくなったのも、破たんの現れです。規制緩和で非正規雇用を増やし、貧困と格差を広げ、働く人々の困難な状況を作り出してしまったからです。非正規の若者は結婚や出産をあきらめざるを得ない状況に追い込まれ、深刻な少子化により持続不可能な社会になりつつあります。このままいけば「来世紀には日本人はいなくなる」という試算もあるくらいです。そういう中で「働き方改革」を掲げざるを得なくなった。ここにアベノミクスが生み出した矛盾があります。
 他方、安倍暴走政治から抜け出す活路が示されたのが、去年の参議院選挙と新潟県知事選挙でした。市民と野党が明確な争点を掲げて本気の共闘をすれば勝てるというのが、両選挙の教訓です。参院選挙は、まだ突貫工事でプレハブを建てるような初歩的な共闘でしたが、それでも野党の1人区での勝利は、前回(2013年)の2選挙区から11選挙区に増えました。
 この「勝利の方程式」が大きな成果を生む可能性があるのが、次の総選挙です。今度は十分な準備時間がありましたし、年明けから野党4党の政策協議も始まりました。安倍暴走政治の破たんが明らかになり、安倍首相の解散戦略も齟齬をきたしています。不意打ち解散の可能性は消えていませんが、いつ解散するかをうかがうのではなく、逆に市民と野党の共闘で解散に追い込んでいくというのが、通常国会での獲得目標になると思います。
 政治転換の機は熟しており、あとはこの「勝利の方程式」をきちんと解いて、正しい「解」を導き出すだけです。小選挙区制は多数党に有利ですが、得票がある一定の割合を超えると一気に変わるという特徴もあります。2009年に民主党が政権交代を実現させたように、野党が安倍政権を終わらせて政権を奪取することは可能です。日本でも、平和と民主主義、立憲主義、そして個人の尊厳を尊重する政治への転換のチャンスが生まれているのです。
 安倍政権はマスメディアを使って嘘とごまかしの情報を流し続ける「偽ニュース」や「ポスト真実」によってしか支持を維持できなくなっています。NHKのニュースだけを見ていると、アベノミクスや安倍外交などがうまくいっているかのような印象を持ってしまいます。このような錯覚を打ち破って暴走政治の実態を暴露し、事実を多くの市民に伝えていくことが重要になっています。

 安保問い直すチャンス

 平和や安保の分野でも、安倍暴走政治は行き詰まり、新しい転換の可能性が生まれています。
 安倍政権は「これは戦争法ではなく、戦争を抑止するものだ」と言って多くの反対を無視して戦争法を強行採決しました。しかし、その後、北朝鮮のミサイル発射は急増し、中国の尖閣諸島周辺での活動も活発化しており、「抑止力」が働いていないことは明らかです。むしろ、「挑発力」となって緊張を高め、軍拡競争の悪循環を招く要因となっています。
 昨年末の国連総会で核兵器禁止条約の交渉を開始する画期的な決議が採択されましたが、日本は唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、米国の顔色をうかがってこれに反対しました。これも、安倍外交の破たんの一例です。
 こうしたなかで、米国に追随する日米安保の本質、植民地的従属状態と言っても過言ではない日米地位協定や日米合同委員会の問題性が明かになってきました。加えて、米トランプ政権の誕生で駐留経費(思いやり予算)のさらなる負担を要求される可能性もあり、日本の安全保障のあり方が根本から問い直される状況が生まれています。
 確かに、野党間で日米安保に対する考え方に違いがありますが、「東アジア共同体」のような地域の平和協力の枠組みを目指していくことや、日本の主体性を高める方向で日米地位協定を改定したり、日米合同委員会の透明性を高めて米軍の要求を密室で押し付けられるような現状を見直したりすることは十分に可能だと思います。
 こうした政策を一つひとつ実現していくことで、安保体制という軍事同盟に頼らない対話と交渉による非軍事的な安全保障を実現し、東アジアにおける平和で安定した国際環境を広げていかなければなりません。


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