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1月5日(木) アメリカ大統領選挙でのトランプ当選をどう見るか(その2) [論攷]

〔以下の論攷は、2016年12月25日付の『はちおうじ革新懇話会』第72号に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

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 こうして、日本と同様にアメリカでも、アクセルばかりでブレーキなしの「暴走車」が登場することになりました。日本では夏の参院選の結果、衆参両院で自民党が過半数を占めています。アメリカでも大統領選挙と同時に実施された上下両院議員選挙によって共和党が多数になっています。
 しかも、「運転手」はどちらも「右にしかハンドルが切れない」極右の指導者です。太平洋を挟んだ日米両国で容易ならざる事態が生まれたことになります。それへの警戒や反発もあって、アメリカ国内では反トランプ・デモが起きました。
 他方、ヨーロッパでは極右の動きが強まり、影響力が拡大しています。最近のイタリアの国民投票では極右の「五つ星運動」の躍進もあって憲法改正案が否決され、レンツィー首相が辞任しています。また、オーストリアの大統領選挙では、リベラルな緑の党出身のファン・デア・ベレン候補が当選したものの、自由党のホーファー候補も48.3%を獲得して、極右勢力が政権の座を狙えるほどの支持を拡大していることが明らかになりました。
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 しかし、これらは世界で生じている政治現象の表層にすぎません。その底流ではグローバリズムと新自由主義、緊縮政策、独裁や差別主義などに反対する新たな運動が流れ出していることを見逃してはなりません。
 その予兆は、北アフリカでのアラブの春、アメリカでのオキュパイ運動、香港の雨傘革命、台湾でのひまわり学生運動などの新たな大衆運動によって示され、ヨーロッパでの反緊縮運動や韓国のパク・クネ大統領辞任要求の大規模集会などに受け継がれています。そこから、スペインのポデモス、イギリス労働党左派のコービン党首、アメリカでのサンダース現象、ドイツンの首都ベルリンでの社会民主党・左翼党・緑の党による左派3党連立市政実現などの新たな動きも生じました。
 今はまだ、過渡期にすぎないのです。しばらくの間、紆余曲折があり混乱は避けられません。そのようななかで、極右の台頭によって右への転落が選択されるのか、それとも左派による対抗と再生が生ずるのかかが争われることになるでしょう。
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 その意味では、「せめぎあいの時代」の始まりだというべきかもしれません。この時代における私たちの課題は、一刻も早くこの過渡期・混乱期を抜け出すことです。そのために、平和への希望と未来への夢を語り合えるような脱出路を見出す必要があります。
 日本で発展しつつある市民と野党の共闘は、このような脱出路の探求にほかなりません。それは貧困や格差の是正と平和、民主主義を求める政治変革の動きとして、国際的な動向とも響きあうものになっています。
 その成否を決めるのは市民の力です。革新懇運動の発展によって市民の力を結集し、新しい局面を切り開こうではありませんか。そうすれば、来る2017年を平和で民主的な世界を生み出す希望の年とすることができるにちがいありません。

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1月4日(水) アメリカ大統領選挙でのトランプ当選をどう見るか(その1) [論攷]

〔以下の論攷は、2016年12月25日付の『はちおうじ革新懇話会』第72号に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 予想外の結果だったと言って良いでしょう。アメリカ大統領選挙でのトランプ候補の当選です。来年の1月20日にはトランプ政権が発足しますが、それがどのような政権になるのか、いま世界は固唾を飲んで見守っている状況です。
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 トランプ候補が当選したのは、グローバリズムと金融資本主義を背景とした新自由主義や緊縮政策などによって貧困と格差が拡大したためだと見られています。トランプ現象は一種のポピュリズム(大衆迎合主義)にほかなりませんが、既成政治の外から人々の不満や要求をすくい上げて政治に届ける回路の一つでもあります。過激な発言や嘘とデマも散りばめながら、それまでのアメリカ政治に失望した人々の期待をかき集めた結果だったとも言えるでしょう。
 逆に、クリントン候補の敗因は、元大統領夫人で上院議員や国務長官も務めた既成政治家のエリートだったという点にあります。しかも、女性初の大統領としての期待は高いものでしたが、女性であるが故の「ガラスの天井」にはじき返されたという面もあったでしょう。そのうえ、「チェンジ」を掲げて大統領になったにもかかわらず現状を打破できず、「チェンジチェンジ詐欺」などと非難されているオバマ大統領の後継者だったのも不利に働いたように見えます。
 それにもかかわらず、得票総数ではクリントン候補の方が200万票も多かったという事実は重要です。実は多数派であったのに選挙で負けてしまったのは、選挙制度の不備というしかありません。当選するのは得票数の多い候補者ではなく、それによって州ごとに選ばれた選挙人の多い候補者であるという間接選挙の問題点が、ここにはっきりと示されています。このようなカラクリが小選挙区制でもっと大きな規模で生ずることは、皆さんご存知の通りです。
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 当選後は「国民すべての大統領なる」と言って過激な言動を控えたため、「良いトランプに変わったのではないか」との見方が広まりました。訪米して私的な会見を行った安倍首相も「信頼できる指導者」だと請合いました。しかし、その「化けの皮」は直ぐにはがれ、安倍首相はトランプの「手品」の「サクラ」として利用された形となって世界中に恥をさらしています。
 トランプ新政権の陣容は共和党主流派と極右との連立であり、差別主義者やタカ派、財界人や富豪、元軍人のオンパレードとなっています。このような陣容の政府がどのような政策を打ち出すことになるのでしょうか。世界は大きな危惧と不安を抱きながら注目しています。
 日本に対しては、TPP条約からの離脱の言明や在日米軍の撤退可能性への言及などが注目されました。国会ではTPP条約が成立しましたが、アメリカの離脱で全く無意味になっています。
 在日米軍の経費を全額負担しなければ出ていくというのなら、出て行ってもらえばいいじゃありませんか。そうすれば、平和と安全の実現を軍事力によってではなく、周辺諸国との関係改善と友好親善の強化、つまり非軍事的な外交手段による安全保障という新しい「自主防衛」に向けてのチャンスが生まれることでしょう。

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1月1日(日) 引き続き、共同の実現に向けて全力で走り続ける [日常]

 明けまして、おめでとうございます

 昨年は、疾風怒涛の1年でした。1月の八王子市長選挙への立候補に続いて、5月には東京革新懇と共に全国革新懇の代表世話人になりました。
 1月末には、拙著『いま蘇る社会運動のチカラ―活路は統一にあり』(学習の友社)を刊行する予定です。お目に留まることがありましたら、ご笑覧いただければ幸いです。
 引き続き、共同の実現に向けて全力で走り続ける所存です。本年も忙しい1年になりそうですが、よろしくお願いいたします。

2017年元旦



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