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10月2日(日) 参院選の結果と今後の政治課題―参院選の歴史的意義、どう発展させていくか、都知事選惨敗結果もふまえて考える(その4) [論攷]

 〔以下の論攷は、8月13日に行われた講演の記録です。社会主義協会『研究資料』No.26,9月号、に掲載されました。4回に分けてアップさせていただきます。〕 

 新たな共同の展望

 参院選で負け、絶好のチャンスと思われた都知事選でも負けて、戦争法廃止、憲法改悪阻止の闘いをどうしていくのか。次の闘いに向けた態勢をどうつくるかが問われている。これからの課題は、アベ政治のさらなる暴走に歯止めをかけながら、本格的に政権交代への準備を始めることであり、市民+野党による共同の拡大、政策的一致、国会内での協力、選挙への取り組みなどを進めていくことだ。
 野党共闘での不一致点は多い。しかし、先の通常国会では民進党・共産党・社民党・生活の党が共同し、戦争法廃止法案を始め、介護職員等処遇改善法案、保育士処遇改善法案、選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案、金融商品取引法改正案など多岐にわたる15本の法案を共同提案している。これをもっと広げていくことが必要だ。今後、野党によって樹立される新しい政府がどのような政策を実施していくのか、そういう基盤づくりにつながる。
 臨時国会でも、野党側の共同提案で新しい法案をどんどん出していけばいい。国会審議も一緒に連携して臨む。とりわけ政策的準備が重要で、通常国会での共同提出法案や参院選での確認事項を踏まえ、臨時国会での法案提出などを進めながら、外交・安全保障、米軍基地、自衛隊、税制、TPP,エネルギーなどの基本政策での合意形成に努めることが必要だ。 
 選挙では、10月の東京10区の衆院選補欠選挙と福岡6区の補欠選挙、さらに解散・総選挙や首長選挙でも野党の統一候補を立てるなど、共同を拡大していくことが課題となっている。候補者の選定や擁立に向けての話し合いを今からでも進めていかなければならない。
 朝日新聞調査では、安倍首相の方が「他よりよさそう」という回答が46%で、「野党に魅力がなかったから」がまだ71%もある、ここが大きな問題で、争点を提起するときにアベノミクスの失敗追及や反対だけでは支持は広がらない。戦争法反対、改憲阻止などの反対、阻止だけではなく、その後をどうするのか。反対して阻止したあと、豊かで明るい希望が持てる社会が生まれてくるのか。積極的なビジョンや構想を打ち立てていかなければならない。主体的な力を強めることは当然だが、そういう政策的な魅力を高める、アベ政治後のビジョンを提示して明るく夢のある未来像を積極的に打ち出していかなければならない。
 これまで政党関係者や支持者も、民進・共産・社民・生活の党と住み分けていて、市民運動はなるべく政党にかかわらないように一定の距離を置いてきた。これが戦争法反対、参院選、都知事選を通じて結びつくようになってきている。顔見知りになり、信頼関係も生まれた。この結びつきを、これからも大切にしなければならない。
 私は今年1月、八王子市長選に立候補したが、共産党・社民党・維新の党・生活の党・生活者ネットが支援してくれた。民主党は党としては支援しなかったが、有田芳生参院議員が個人的に応援してくれた。無党派の市議も一緒に闘った。そこで顔見知りになり、親しくなって人間関係が深まった。
 これをそのままにして、さよならするのではもったいない。これまで、戦争法反対の運動と参院選、都知事選でつくりあげた市民や野党間の多様なつながり、信頼関係を大切にし、さらにこれからの選挙の取り組みにも生かしていく。選挙共闘の取り組みへと発展させていかなければならない。
 また、大衆運動での一点共闘を拡大することも、「草の根」からの連合政権の土台づくりになる。今年の5月のメーデーでは、全労連のメーデー集会と全労協のメーデー集会で事務局長がお互いにエールを交換した。そういう動きも生まれてきている。これを発展させて、統一メーデーを実現してほしい。
 原水禁運動も原水禁と原水協がいまだに別々にやっている。まだ、いろいろとギクシャクするところもあるだろうが、一緒にやれるように努力してほしい。いろいろな大衆運動でも共同・統一を進めていくことができるのではないか。とくに今回の参院選で統一候補を擁立したところでは、連合傘下の労働者も全労連傘下の労働者も一緒に選挙を闘ったわけで、そういう共同の経験を生かしていかなければならない。
 今後、戦争法廃止・改憲阻止に向けて、まず問題になるのが戦争法の発動阻止の課題だ。当面、11月に南スーダンへのPKO部隊の派遣、駆けつけ警護や宿営地の共同防衛の問題がある。安保法に基づく新たな任務についての訓練も始まろうとしている。このままでは日本という国の形が変わってしまう。
 自由で民主的な平和国家としてのこの国のあり方は、安保法によって既に変質を始めている。憲法の原理と理念を破壊する「壊憲」策動を許さないだけでなく、安保法の全面的な発動を阻止することが必要だ。同時に、「壊憲」派への批判を強める。
 憲法学習は、ぜひ自民党の憲法草案を教材にしてほしい。「改憲案はどうあってはならないか」を示しているからだ。自民党がいかに馬鹿な政党で、とんでもないことを言っているかがはっきりと分かる。逆に言えば、現憲法がいかに優れているかがよく理解できる。ぜひ現憲法と自民党憲法草案を対比して学習し、憲法改憲阻止の闘いを広げていってほしい。

 むすびに

 参院選は「関ケ原の合戦」だと言っていたが、「天下分け目のたたかい」は始まったばかりだ。本格的な対決は次に持ち越しとなった。今後あり得る解散・総選挙がさらなる決戦の場となる。
 今年中に総選挙があるかもしれないし、年末選挙も云々されている。安倍首相は、参院選では「壊憲」を持ち出せなかったから、次の総選挙で正面から「壊憲」を打ち出し、これで勝ったら胸を張って「壊憲」を進められる、と思っているかもしれない。そうできるかどうかは、これからのわれわれの闘いしだいだ。
 そこで一番重要なことは、参院選での成果を確信に教訓を学ぶことだ。より効果的で緊密な共闘・候補者を選定し、勝てる共闘を模索していくことが必要だ。参院選の候補者擁立は急ごしらえだった。全部の1人区で統一候補がそろったのは5月31日で公示の約3週間前にすぎない。突貫工事でつくった「プレハブ住宅」のようなものだ。これから本格的な風雪に耐える「新しい建物」をつくる。本格的な野党共闘だ。総選挙がその試金石になる。始まったばかりの野党共闘は緒戦で一定の成果を上げた。今後、どう発展するかはこれからの取り組み如何にかかっている。
 今回の参院選での得票を基に、『北海道新聞』は総選挙で共闘した場合の議席を試算している。それによれば、北海道内では野党側が10勝2敗になるという(7月19日付)。総選挙での野党共闘が実現すれば、アベ暴走政治をストップさせ、新しい政権をつくれる見通しは十分にあり、大きな可能性がある。総選挙に勝利すれば、共同の政府樹立に向けて新しい展望も開けてくる。そのためにいま努力することが、私たちの責務だと思う。


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