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6月30日(木) 現代の多様な社会運動の意味(その1) [論攷]

〔以下の論攷は、『学習の友』2016年7月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップさせていただきます。〕

 はじめに

 「勝手に決めるな」「民主主義とは何だ」「これだ」
 国会正門前の路上にあふれた人々が大きな声をあげていました。安保法制(戦争法)反対運動で、普通に見られた光景です。このようなコールや異議申し立てこそ、社会運動の姿にほかなりません。
 このような運動は国会正門前だけでなく全国の津々浦々で、老若男女を問わず多種多様な問題を掲げて、いろいろな形で取り組まれてきました。なぜ、人々はこのようにして声を上げ、要求を訴えるのでしょうか。政治に対して異議を表明するのでしょうか。
 現代の社会においては、様々な運動が展開されています。それは政治が多くの問題を抱えていることの現れですが、同時に社会が健全であることの証明でもあります。どうしてそう言えるのでしょうか。その背景と意味について考えてみることにしましょう。

1、社会運動とは何か

 エクササイズとムーブメント

 運動とは何でしょうか。モノが変化すること、空間的な位置を変えること、人が動くことです。動くことによって変化が生ずる、あるいは変化を生じさせるために動くこと。これが運動です。
 人々が個人の健康維持や増進を求めて動くのも運動です。これは英語で言えば、エクササイズに当たります。動くことによって、自らの肉体に変化を生じさせることをめざしています。
 人々が社会の健康維持や増進を求めて動くのも運動です。これはムーブメントでしょう。動くことによって、社会のあり方に変化を生じさせることをめざしているからです。
 この両者の目的は共通しています。それは、個人や社会の健全なあり方を維持する、より健康にする、あるいは悪いところを直すことにあります。そのために声を発し、立ち上がって一歩を踏み出すところから、運動は始まります。

 目標と主体

 社会運動は一定の目標を達成するために実施される集団的な行動です。その目標は、何かを実現するための促進的なものであったり、何かに反対するための阻止的なものであったりします。目標とされるテーマは様々ですが、大きくは具体的な利益と抽象的な理念に分かれます。待機児童の解消や最低賃金の引き上げを求める運動は前者であり、報道の自由を守る運動や戦争法に反対する平和運動は後者だと言えるでしょう。
 運動を担う主体は様々で、構成員によって運動の目標や性格も異なります。労働者階級を主体とする労働運動も社会運動の構成部分ですが、ストライキという強力な闘争手段を持ち搾取や抑圧の一掃を目指している点で、他の運動とは異なっています。青年運動や学生運動、女性運動、高齢者運動などは特定の階層によって担われるものです。
 このほか、様々な階級や階層が含まれる市民運動や住民運動などもあります。市民運動は居住している地域に関わりなく抽象的な理念に基づく運動に取り組み、住民運動の方は居住している地域での具体的な利害の実現を目標にしている場合が多いと言えるでしょう。
 このような多様な社会運動は政治の民主的変革と結びつかなければ根本的には解決しません。多様な社会運動が労働運動と結びついてこそ、新たな社会変革の可能性が切り開かれることになります。

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6月29日(水) 軽い気持ちで投票し「こんなはずではなかった」と後悔しても遅い [国際]

 これは参院選での投票のことではありません。それはこれからですから、まだ間に合います。
 イギリスの欧州連合(EU)からの離脱を決めた国民投票のことです。軽い気持ちで「離脱」に賛成票を投じたものの、その衝撃の大きさから「こんなはずではなかった」と今頃になってから後悔している人が多いのだそうです。

 国民投票の結果が明らかになってから、世界中で混乱が広がりました。離脱の手続きはこれから2年間かかるのだそうです。
 しかし、それをどのようにやるのか、具体的な方法や手続きなどは明確ではありません。何しろ、初めてのことなので「前例」など存在していないのですから。
 その間、どのような問題が生じ、それをどのように解決するのか、その影響がどの範囲にどのように広がっていくのか。これからの世界は不確実性と未知の領域に入っていくことになります。

 このような多くの問題に直面して、離脱という結果を決めたイギリス国民が戸惑いを強めているといいます。ソーシャルメディアなどには「離脱への投票を後悔している」という書き込みがあふれ、国民投票のやり直しを求める署名も350万人を突破しました。
 「残留派が勝利すると思って何も考えずに軽い気持ちで離脱派に票を投じた。(国債や株価が急落するなど)大騒動になったことを憂慮している」などの投稿がウェッブサイトなどに寄せられ、ある世論調査では離脱投票者の7%が「離脱に入れなければよかった」と悔いているそうです。「軽い気持ち」での投票がどれほど重い結果をもたらすか、参院選での投票を控えている私たちにとっても教訓的です。
 株価の下落など経済への影響が一気に表面化したため、イギリス国民が危機感を強めているからでしょう。選管に「自分の投票先を変えられないか」との問い合わせが多数寄せられているそうです。

 さらに、指導者が虚偽のPRをしていたことが判明したことも離脱支持者の不信感を募らせています。英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首は英国がEU加盟国として支払っている拠出金の額についてテレビ番組であっさりと間違いを認めました。
 また、離脱派はEU加盟国からの移民制限を主張していましたが、離脱派のダニエル・ハナン欧州議会議員もテレビ番組で、「移民がゼロになるわけではなく、少しだけ管理できるようになる」と「下方修正」したそうです。さすがに、「以前の約束とは異なる新しい判断だ」とは言わなかったようですが、嘘をついて国民を騙したという点では、安倍首相と変わりません。
 騙されているとも知らず、「軽い気持ち」で投票した結果が、現在の混乱です。後になってから「しまった」と言ってみても取り返しがつきません。

 このようなイギリス国民が味わっている後悔を、日本国民も味わうことになるのでしょうか。安倍首相は経済政策を前面に出して、「改憲隠し選挙」に徹していますから。
 アベノミクスという甘い言葉に騙され、「軽い気持ち」で投票した結果、憲法を変えられてから「しまった」と言ってみても取り返しがつきません。安倍さんにならって、私もこう言いたいと思います。
 「気を付けよう、甘い言葉と安倍首相」


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6月25日(土) イギリスのEU離脱を決めた国民投票によって示された一票の力 [国際]

 「たかが一票、されど一票」というところでしょうか。「投票しても何も変わらない」という声がありますが、ところがどっこい、イギリスの人々はその一票によって、とてつもない大きな変化を生み出すことになりました。

 23日に実施された欧州連合(EU)からの離脱の是非を問うイギリスの国民投票は即日開票され、離脱派が多数を占めました。これによってイギリスの政治や経済などへの影響が生ずるだけでなく、戦後続いてきた欧州統合の行方や世界経済にも大きな影響を与えると見られています。
 この結果を受けて世界の金融市場は大混乱に陥り、英ポンドも1985年以来の安値へと急落し、「暗黒の金曜日」となりました。イギリスのキャメロン首相は責任を取って辞任を表明しています。
 今回の結果は、シリアなどからの移民の急増がEUへの不信感を高めて離脱派を増やしたからだと見られていますが、その背景となっている中東の不安定な情勢はかつてイギリスなどの西洋諸国による植民地支配の結果として生み出されたものです。イギリスは、自らの帝国主義としての歴史によって仕返しをされたということになるかもしれません。

 昨日の東京市場の株式相場も急落し、株価の下げ幅は約16年ぶりという急激なものでした。日経平均株価は1286円33銭(7.9%)安の1万4952円2銭で、下げ幅はITバブル期の2000年4月17日(1426円)以来の大きさで、下落率は東日本大震災直後の11年3月15日(11%)以来となっています。
 これまで、アベノミクスは円安と株高に支えられてきました。今回の急激な円高と株価の下落によって、アベノミクスは最終的に破たんしたと言えるでしょう。
 伊勢・志摩サミットで安倍首相が主張した世界経済のリスクは、皮肉にも今回の金融市場の大暴落よって裏付けられた形になりました。同時に、それは日本経済と安倍首相自身にとっても、大きなリスクをもたらすことになりましたが。

 このイギリスの国民投票の結果が、今後のヨーロッパや世界にどのような影響をもたらすことになるかははっきりしていません。それがどのようなものになるにせよ、それを選び取ったのがイギリス国民の自主的な選択であったという点が重要です。
 一人一人の投票の積み重ねによって、EUからの離脱という結果がもたらされたのです。「投票しても何も変わらない」ということはなく、投票したからこそ大きく変わりました。
 変化を求めて投票すれば、事態は変わります。良かれ悪しかれ、イギリスの人々は自らの一票によって巨大な変化を生み出すことになったのです。

 私たちも、自らの未来を切り開くために一票を行使するべきでしょう。アベノミクスが何の恩恵ももたらしていないと考え、今回の事態によってそれが最終的に破たんしたというのであれば、その転換を求める一票を投ずるべきです。
 無力感に押し流され、諦めてしまってはなりません。イギリスの人々が教えてくれたように、「たかが一票、されど一票」なのですから。

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6月23日(木) アベノミクスが失敗したことは安倍首相自ら認めている [参院選]

 参院選が始まりました。最大の争点はアベノミクスだと、安倍首相は訴えています。
 それは「道半ば」だから、これからさらに「エンジンを吹かす」必要があるのだと。
 そのために信を問うのが、今度の選挙の主たる目的だというわけです。同じ与党の公明党も、アベノミクスの成果を隅々にまで行き渡らせることが必要だと訴えています。

 しかし、アベノミクスが成功したか失敗したかという問題についての答えは、すでに安倍首相によって与えられています。6月1日の記者会見で、消費再増税の延期が発表されたからです。
 アベノミクスが成功して成果をあげていれば、消費再増税を延期する必要はありませんでした。それを延期したのは、成功せず成果をあげられなかったからです。
 このことについては、すでにこのブログでも指摘しました。その際に紹介した安倍首相の次のような「断言」は、繰り返し思い出されるべき重要な発言です。

 「18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。」

 アベノミクスの成否を判断する基準は、消費増税の延期を表明した2014年11月の記者会見でのこの「断言」にほかなりません。「必ずやその経済状況をつくり出すことができる」と言っていたのに、できなかったというのが事実によって示された結果です。
 何故できなかったのか。アベノミクスが失敗したからです。
 こんな簡単なことが、どうして分からないのでしょうか。成功し果実があったというのであれば「新しい判断」などせず、「断言」した通りに「確実に実施」すればよかったではありませんか。

 「3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる」と言っていたのにできなかったアベノミクスです。この先「3年間」、そのエンジンをさらに吹かしてみても同様の失敗に終わるだけです。
 いや、もっと大きな新たな失敗が待ち受けているにちがいありません。すでに金融の異次元緩和は手詰まりとなってマイナス金利が導入され、アベノミクスのマイナス面もあらわになりつつあります。
 それは短期的な応急措置でしたから、多少の副作用を伴っても効果を上げれば問題がないとされていました。しかし、長期化すれば副作用は大きなものとなり、マイナスの効果が目立つようになります。それを避けるためには、できるだけ早く政策を転換し、アベノミクスから抜け出さなければなりません。今がそのチャンスなのです。

 安倍首相はアベノミクスを掲げて2013年の参院選、2014年の衆院選で勝利しました。しかし、実際に強行したのは特定秘密保護法の成立であり、集団的自衛権の行使容認の法制化でした。
 同じように、今度の参院選でもアベノミクスを前面に掲げて勝利し、悲願である改憲に突っ走ろうと考えているのでしょう。「2度あることは3度ある」と言いますから。
 日本の有権者は、このようなインチキな手口にまたも騙されてしまうのでしょうか。今度こそ、安倍首相の嘘に騙されることなく、「3度目の正直」にしたいものです。

 アベノミクスを断罪して政策転換を求める結果を出すことは、もう安倍首相の嘘には騙されないぞという有権者の決意を伝えることになります。同時に、そのような嘘に騙されない有権者の賢明さを示すことでもあります。
 嘘を見抜く目を持っていただきたいと思います。そして、騙されることなく本当の狙いを見抜く力を持っていることを、私たちの1票によって示そうではありませんか。

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6月22日(水) 参院選が公示され日本史上に残る政治決戦の火ぶたが切られた [参院選]

 本日、参院選が公示され、7月10日の投票日までの選挙戦がスタートしました。この選挙について、これまで私は「戦後最大の政治決戦」と言ってきました。
 しかし、それ以上の大きな意義と重要性があると思うようになりました。この選挙の結果いかんでは、これからの日本の進路が大きく変わるからです。

 日本の命運を左右するという意味では、「戦後最大」ではなく、「日本史上最大」と言っても良いような大きな決戦ではないでしょうか。
 過去の歴史においても日本の命運を左右するような決戦が行われ、その結果、日本の進路は大きく変わってきました。たとえば、源氏と平家が覇を競った源平の合戦があり、天下分け目のたたかいであった関ケ原の合戦があり、徳川幕府を倒して近代の幕開けとなった戊辰戦争がありました。
 いずれも、二つの大きな勢力が日本の進路をかけて真正面から激突しています。今回の参院選も、与野党に分かれた勢力が日本の進路をかけて真正面から激突する形になっています。

 このような対決の構図が出来上がったのは、戦争法制定などのアベ暴走政治に反対する大きな運動の盛り上がりがあったからです。それを背景に「野党は共闘」という声が高まり、市民に押される形で野党共闘が成立して新しい局面が切り開かれました。
 まさに、市民による政治変革の可能性が生じたわけです。ある種の「市民革命」であると言われるゆえんがここにあります。
 被支配層の怒りと異議申し立てが増大しただけでなく、支配層の側の綻びと統治能力の枯渇があらわとなって人々の行動力が高まりました。このような「革命」の条件が拡大しただけでなく、それが選挙への取り組みに結び付けられたという点に従来にない新しさが示されています。

 これ以外にも、今回の参院選では「初めて」というものが3つあります。その一つは18歳選挙権の開始であり、二つ目は野党共闘の成立であり、そして3つ目は改憲発議の現実的危険性です。
 新たに18歳と19歳が選挙権を得たために、約240万人の若者が投票できるようになりました。これらの人々にはぜひ投票所に足を運んで一票を投じていただきたいものですが、与党に投じたのでは何も変わりません。
 今の政治のあり方に不満を覚え、現状を変えてほしいと考えるのであれば、与党ではなく野党に投票すべきです。幸い、今回の選挙ほど与野党間の対決構図がはっきりしていて争点が明確になっている選挙はありませんから、選択に迷うことはほとんどないでしょう。

 このような明確な与野党の対立構図が出来上がったのは、野党共闘のお陰です。ただし、選挙前の討論会に出席した9党のうち、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党、新党改革の3党は野党ですが、その政策や主張からすれば与党の別動隊にすぎません。
 真の野党として、自民・公明に対抗できる政策と展望を示しているのは、野党共闘に加わっている民進党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎と仲間たちの4党です。この4党は市民連合とも政策協定を結び、参院選の32ある1人区の全てで統一候補を立てました。
 参院選では、1人区だけでなく複数区や比例代表でも、与党の候補者ではなく野党共闘に属する政党の候補者を当選させる必要があります。自民党と公明党の当選者を改選議席の半数である61議席以下に減らせば、文句なしに安倍首相の責任を問い、辞任に追い込んでアベ政治をストップさせることができます。

 たとえそうならなくても、最低限、改憲発議可能な参院での3分の2以上の議席の獲得を与党に許してはなりません。そのためには、自公だけでなく改憲に前向きなおおさか維新と日本のこころの4党の獲得議席を78議席以下にする必要があります。
 自民党は結党以来改憲を党是としてきましたが、国民投票法が制定されていなかったために実際には改憲を実施することができず、衆参両院でも改憲発議に必要な3分の2以上の議席を有することはありませんでした。しかし、第1次安倍政権での国民投票法制定と第2次安倍政権になってからの法改正によって制度的条件が満たされ、一昨年暮れの衆院選挙で与党が3分の2以上の議席を得て政治的条件の半分が実現しています。
 もし、参院で改憲勢力が3分の2以上の議席を得ることができれば最後に残されていた政治的条件の半分が得られることになり、そうなった場合には次の国会で憲法審査会を再開させて改憲に向けての動きを開始したいと、政党討論会で安倍首相は明言していました。つまり、今回の参院選は実際に憲法を変える作業を始めることができるという現実的な危険性の下で実施される初めての選挙だということになります。

 昨日のブログで、世界的な投資家のジム・ロジャースさんが「日本に必要なのは変化です」と言い、「私が10歳の日本人なら、両親を説得して日本を逃げ出すでしょう。なぜなら、新しいリーダーが出てこない限り、40歳になった時の日本経済は悪夢だと思うからです」と指摘していることを紹介しました。「悪夢」は「日本経済」だけに限られているわけではありません。
 戦争法の制定に次ぐ改憲によって、本当の「悪夢」がやってこようとしています。それがどのようなものかは、ユーチューブに流れている映像https://www.youtube.com/watch?v=h9x2n5CKhn8を見れば一目瞭然です。
 ここでは、衛藤晟一内閣総理大臣補佐官、長瀬甚遠元法務大臣、城内実外務副大臣、稲田朋美政調会長など自民党中枢の人々が「いよいよ、ほんとうに憲法を変える時がきた」「国民主権、基本的人権、平和主義の3つをなくさなければならない」「日本にとって一番大事なのは国体だ」「尖閣諸島を軍事利用しよう」などと叫んでいるではありませんか。このような目論見を許すかどうか問われているのが、今回の選挙なのです。

 歴史的な政治決戦となっている今回の参院選では、日本史上に残るような結果を出さなければなりません。「あの時、歴史が変わったのだ」と、後世の人々が感謝を込めて振り返ることのできるような結果を。
 「悪夢」のような未来ではなく、希望に満ちた未来を切り開くための一票を。それが可能なのは今を生きる私たちだけであり、そうすることによって未来を変えることができるのも私たちであるということを忘れないようにしたいものです。

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6月21日(火) 「外からの視点」によって明確にされた安倍辞任の必要性 [首相]

 いよいよ明日、参院選が公示されます。この選挙は日本の命運をかけた極めて重要な政治決戦です。
 その結果、与党を敗北させて安倍首相に責任を取らせ、辞任に追い込むことができるかどうかが、最大の焦点になります。その必要性をはっきりと示しているのが、今日の『朝日新聞』に掲載された2人の外国人識者の発言です。

 「アベノミクス考 外からの視点」という表題の下に、2人の方が登場しています。そのうちの1人、元WSJコラムニストのジェームズ・シムズさんは「いま、第3の矢は行方不明です」と指摘しながら、次のように述べています。
 「やはり安倍政権にとって、経済は、憲法改正や安全保障、戦後レジームからの脱却といったことを実現させるための道具でしかないのでしょう。しかし、日本経済の真の立て直しは、正面から取り組まなければとてもできない極めて大きな課題です。国外の投資家は、構造改革に向けた安倍政権の本気度をいま見極めています。」

 経済は「道具」で、本当に実現させたいことは「憲法改正や安全保障、戦後レジームからの脱却といったこと」なのだという指摘です。まさに、その通りでしょう。
 安倍首相は「日本経済の真の立て直し」に「正面から取り組」むつもりなど、最初からなかったのです。アベノミクスは新「富国強兵」のための「道具」であり、経済の立て直しは軍事大国化のために必要だという位置づけにすぎなかったのですから。
 したがって、いくら「安倍政権の本気度」を「見極め」ようとしても、それはとうてい無理なのです。安倍さんの目的は今も変わらず、一貫して「憲法改正や安全保障、戦後レジームからの脱却といったこと」に置かれているのですから。

 もう一人の著名な「国外の投資家」として知られるジム・ロジャーズさんの意見はどうでしょうか。彼の主張はもっと明確です。
 記事の見出しは「お札の増刷『異常』 このままでは破綻 改革進め門戸開け」というものでした。ここで、ロジャースさんは次のように指摘しています。
 アベノミクスについて「正直、がっかりしています」と答え、「安倍首相は、経済を再興させ、海外と競える環境を作り出すと公言していたのに、結局、何もやらなかったと思います。やったことは増税、そして税金で道路や橋を造り続け、お札をじゃぶじゃぶ刷り続けたことくらいでした」と述べ、「この間も日本が抱える問題は大きくなっています。人口が減って高齢化が進む一方で、国の借金は将来の世代で返せないほど積み上がっています。安倍首相は日本を破綻に追い込んでいると、私は思います」と語っています。

 また、マイナス金利については、「マイナス金利政策で経済を良くすることはできないと断言できます。それは日本だけでなく、他国でも同じことです。国の借金が増え続け、自国通貨も下落して物価が上がる。おまけにマイナス金利で財布の中身まで寂しくなって、日本はどうやって生き残るつもりですか」というのが、彼の意見です。
 「日本は投資先としてもう魅力はないのでしょうか」という問いには、「良い兆候が見つかるまでは手を出さないつもりです」と答え、「良い兆候とは?」との質問に、「たとえば、安倍首相が辞任するか、彼自身が変わるかです。危機は変化する好機でもあります。本当の危機に直面して、日本が良い方向に変化していくことができるかを私は見ています」と続けています。
 変わらなければならないというわけです。「良い方向に変化していくことができるか」が、「本当の危機に直面」している日本の課題なのです。

 しかし、アベノミクスのエンジンをさらに吹かすと言っている安倍首相が、この先「変わる」可能性はありません。「安倍首相が辞任するか、彼自身が変わるかです」といってみても、後者の可能性は全くありません。
 とすれば、「安倍首相が辞任する」しかないということになります。安倍さんに変わる新しいリーダーに日本の政治をゆだねることでしか、「良い方向に変化」する可能性は生まれてこないのです。
 ロジャースさんも「日本に必要なのは変化です」と言い、「私が10歳の日本人なら、両親を説得して日本を逃げ出すでしょう。なぜなら、新しいリーダーが出てこない限り、40歳になった時の日本経済は悪夢だと思うからです」と指摘しています。安倍首相「自身が変わる」可能性について、実はロジャースさんも全く想定していないからです。

 ロジャースさんとは異なって、日本で生まれ育ち、これからもこの国で生きていかなければならない人々にとって、日本を逃げ出すという選択肢はありません。となれば、「安倍首相が辞任する」以外に、悪夢を避ける道はないということになります。
 「40歳になった時の日本経済は悪夢だと思う」のであれば、唯一の選択肢である安倍辞任に向けて力を尽くすしかないのです。それこそが残されたたった一つの希望であり、その最大のチャンスが間もなくやってこようとしています。


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6月20日(月) 沖縄から発せられた6万5000人の怒りと悲しみの声にどう応えるのか [在日米軍]

 「安倍晋三さん、本土に住む皆さん、今回の事件の第2の加害者は誰ですか。(沖縄に基地を押しつける)あなたたちです。沖縄に向き合っていただけませんか。」

 被害女性と同じうるま市に住む名桜大4年の玉城愛さんが壇上で声を振り絞り、このように訴えると拍手と指笛がわき起こりました。昨日、那覇市で開かれた女性強姦殺害事件に対する抗議の県民大会です。
 強い怒りと深い悲しみを胸に約6万5000人が集まり、「二度と同じような事件が起こることは許さない」と、日米両政府に対して憤りの声を上げました。そしてその声は「本土に住む皆さん」である私たちにも向けられていることを忘れてはなりません。

 「米軍人・軍属による事件、事故が多い中、私の娘も被害者の一人となりました。なぜ娘なのか、なぜ殺されなければならなかったのか。今まで被害に遭った遺族の思いも同じだと思います。被害者の無念は、計り知れない悲しみ、苦しみ、怒りとなっていくのです。それでも、遺族は、安らかに成仏してくれることだけを願っているのです。次の被害者を出さないためにも『全基地撤去』『辺野古新基地建設に反対』。県民が一つになれば、可能だと思っています」という被害女性のお父さんからのメッセージも代読されました。その時、会場は静まりかえったといます。皮肉にも、容疑者逮捕から1カ月となるこの日は「父の日」でした。
 私にも娘が2人います。突然、このような理不尽な形で娘の命が奪われるなんて、想像もできません。
 将来ある若い娘の命が突然奪われたお父さんの悲しみと怒りはいかばかりでしょうか。その心情を思うと、やるせない憤りに心が張り裂けそうになります。

 72年の本土復帰から今年5月まで、沖縄での米軍関係者による事件は5910件発生し、うち殺人や強姦などの凶悪犯罪は575件を数えます。このような事実を知ってか知らずか、安倍首相は日米同盟の強化を繰り返し、普天間飛行場の辺野古移設が「唯一の解決策」だと主張しています。
 安倍首相には、沖縄県民の怒りの声が聞こえないのでしょうか。魂の底から発せられたような県民の慟哭が届いていないのでしょうか。
 今回の大会には県議会の野党である自民党や「中立」の公明党などは参加していません。これらの政党は沖縄の人々の悲しみや憤りを共有することができず、安倍首相をはばかって基地のない沖縄を求めることができなかったのです。

 今日の『毎日新聞』には、「基地があるから同じことが繰り返される。戦後71年間、(事件をなくすために)何もできなかった自分が悔しい」という県民の声が報じられています。基地あるが故の犯罪であり悲しみであるというのは、その通りです。
 しかし、「何もできない」わけではありません。一票という「武器」があります。
 それを用いて、沖縄に基地が押し付けられている現状を変えるべきでしょう。県民の命を守ることができない安全保障は自己矛盾であり、敵意に囲まれた同盟関係など無意味なのですから。

 とはいっても、沖縄の基地問題は沖縄だけで解決することはできません。米軍基地撤去を求める沖縄の声を真正面から受け止めて米側と交渉する政府が必要であり、それに応えて新たな政策展開を実行できる米政府も求められます。
 来る参院選と米大統領選挙を、そのような新たな政府と指導者の実現に道を開く機会にできるかどうかが問われています。このせっかくの機会を、沖縄県民だけでなく「本土に住む皆さん」である私たちも、沖縄の基地問題の解決のために有効に生かさなければなりません。

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6月19日(日) 安倍首相以外の誰が見たってアベノミクスの失敗は明らかだ [首相]

 「着実に結果を出している」のに「道半ば」? それは成功でもなく、失敗でもない?
 あの目標に到達すると言って始めた政策ではありませんか。そこに到達できなければ失敗だというのが、世間の常識でしょう。

 22日公示の参院選を前に、関西プレスクラブ主催の政治討論会が大阪市内で開かれ、与野党9党の幹部が安倍政権の経済政策「アベノミクス」や憲法改正などをテーマに論戦を交わしました。この討論会には、今回の選挙から投票権を持つ18、19歳の若者も参加して各党幹部に質問をぶつけたそうです。
 そこで、自民党の稲田朋美政調会長は「アベノミクスは道半ばだが、着実に結果を出している」と強調したといいます。公明党の佐藤茂樹政調会長代理は「うまく進んでいるが、恩恵がまだ一部にとどまっている」と述べ、家計や地方経済への浸透が課題だと指摘しました。
 この自民・公明両党の幹部の発言には共通点があります。それは、アベノミクスはうまくいっているという点と、それにもかかわらず未だ目標には達していないという点です。

 これは6月1日の安倍首相の記者会見での発言と共通しています。消費増税の延期を表明した安倍首相はアベノミクスの失敗を認めず、世界経済の危機と消費腰折れのリスクを指摘して、消費増税を2019年の10月まで延期するという「新しい判断」を示しました。
 一昨年の11月18日にも安倍首相は消費増税の先送りを表明し、その是非を問うとして総選挙に打って出ました。その時に言明したはずです。
 「18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。」

 このように「断言」していたのに、「再び延期」することになりました。それは、「3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる」という「決意」が、単なる「決意」にとどまり、「その経済状況をつくり出す」ことができなかったからです。
 この2014年11月18日の記者会見で、安倍首相は「18か月後」という期限を区切って、「景気判断条項を付すことなく確実に実施」することを「断言」していました。今回の再延期がこの「断言」に反することは、誰が見てもはっきりしています。
 つまり、安倍首相は国民に向かって大きな嘘をついたということになります。それがアベノミクスの失敗に基づくものであるのか、それ以外の「新しい判断」によるものであるかはともかく、記者会見まで開いて「断言」した約束を守ることができなかったのは国民の誰もが知っている事実であり、このような形で国民を欺いたことに対するトップリーダーとしての責任をどう考えるのかが、まず安倍首相に問われなければなりません。

 次に問われるべきは、「3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる」と述べていた点です。今回の再延期によって、「その経済状況をつくり出すことができ」なかったことも明らかになりました。
 先に紹介した関西プレスクラブ主催の政治討論会でも、自民党の稲田朋美政調会長は「アベノミクスは道半ば」と発言し、公明党の佐藤茂樹政調会長代理は「恩恵がまだ一部にとどまっている」と述べています。つまり、安倍さんが約束したような経済状況を実現できなかったことを認めたわけです。
 期限を区切って首相が「断言」した約束です。それが実現できなかったということは、「3本の矢をさらに前に進めること」に失敗したからではありませんか。

 安倍首相はアベノミクスによって消費増税は必ず実行できるようにすると「断言」していたのです。この「断言」を「新しい判断」によって訂正せざるを得なかったこと自体、アベノミクスの失敗を明示しています。
 「道半ば」や「恩恵がまだ一部にとどまっている」という弁解も、目標に到達できなかったことや恩恵が行き渡っていないことを認めたことにほかなりません。つまり、アベノミクスが成功しなかったということを白状しているようなものです。
 安倍首相は、2年前の記者会見で「信なくば立たず、国民の信頼と協力なくして政治は成り立ちません」と言い、今回の記者会見でも「信なくば立たず。国民の信頼と協力なくして、政治は成り立ちません」と全く同じことを言っています。しかし、その「信」を木っ端みじんに打ち砕いてしまったのは首相自身ではありませんか。

 「国民の信頼」を得るためには、最低限、事実を隠したり歪めたりしないということが前提でしょう。嘘をつかないのも、あまりにも当然のことです。
 しかし、安倍首相は、「隠し、歪める、嘘をつく」という政治手法を常用しています。これで「信なくば立たず」などと、よく言えたものです。
 しかも、嘘をつかれた国民の方もそのことに気が付かず、お咎めなしで見逃してしまうということを繰り返してきました。これでは、「騙される方も悪い」ということになるでしょう。

 嘘をついてもペナルティを課されず、言い抜けることが許されるところから政治への信頼が崩れていきます。安倍首相の詭弁と嘘が懲罰を受けることのない今の日本が、まさにそうなっています。
 このような形で政治への信頼が失われていくところから、この国の本当の危機が生ずるのではないでしょうか。今度の参院選を、アベノミクスの失敗への責任を問い、嘘をついたら罰せられるという当然の「道徳」を通用させる機会にしなければなりません。

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6月17日(金) 共闘を恐れ積極的に語るものなし [論攷]

〔以下の談話は、『しんぶん赤旗』2016年6月15日付、に掲載されたものです。〕

 安倍首相が野党共闘に対し、ネガティブ(否定的)キャンペーンの典型をしているのは、ポジティブ(積極的)なものを打ち出せない、政策でたたかえないということです。
 トップリーダーが先頭になって、こんなネガティブをやるのは、非常に醜く、みっともない。一国の首相が、選挙でそんなことしか言えないのかと、恥ずべき行動です。
 キャンペーンの中身が野党共闘への攻撃になっているのは、それが一番怖いからです。野党共闘の威力を十分認識しているから、「民共合作」「民進に入れると共産がついてくる」などと分断、共闘の足並みを乱す攻撃を仕掛けている。
 中でも日本共産党に対して時代錯誤の攻撃を集中しているのは、共産党が野党共闘の中心で、最も怖い機関車役をしているからでしょう。機関車を攻撃して足止めすれば、共闘は止まると思っているのです。


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6月16日(木) 舛添東京都知事を辞任に追い込んだ力は何か [スキャンダル]

 昨日、舛添東京都知事は21日をもって辞職するとの意向を表明し、都議会で辞職願が全会一致で可決されました。不信任決議案の採択が確実になり、さすがの舛添さんも観念したということでしょう。
 五輪・パラリンピックを控え混乱させたくないと言って粘っていましたが、そうであるならもっと早く辞任を決断するべきだったのではないでしょうか。舛添さん本人は追及されている問題の重大性に気が付かず、背後で支えていた自民党と公明党の与党もこの問題の深刻さに思いが至らなかったために対応が後手に回ってしまいました。

 遅きに失したとはいえ、舛添東京都知事の辞職が確定して良かったと思います。一時は、不信任案が採択されても辞職せず、都議会を解散するのではないかとの観測があったほどですから。
 選挙を一回やれば50億円かかると言いますから、都議選に都知事選と2回もやったら100億円になります。都知事の公私混同と都民の税金の無駄遣いが批判されているのに、それを是正するためにまた選挙で無駄遣いするということになってはやりきれません。
 しかも、2回連続で「政治とカネ」の問題が生じ、任期の半分ほどで辞任して選挙ということになりました。猪瀬さんや舛添さんを都知事候補として担ぎ出して当選させた人々に、このお金を負担してもらいたい気分です。

 私は5月14日のブログ「こんな人は都知事になんかなるべきではなかったのだ」で、「あきれ返るばかりです。背広を着た『公私混同』そのものではありませんか。公金を何だと思っているのでしょう。舛添都知事は」と書いて批判し、「こんな人は、もともと政治家としての資質に欠けていたと言わざるを得ないでしょう。都知事などになるべき人ではなく、とっとと辞任してその職を去ってもらいたいものです」と、辞職を要求しました。
 それから約1ヵ月になります。この時点でさっさと辞職していれば、五輪などへの影響はもっと小さくて済んだのではないでしょうか。
 「第三者委員会」に丸投げして時間稼ぎをしたり、のらりくらりと言い訳したりして、何とか逃げ延びたいと考えていたのかもしれません。この往生際の悪さが都民の怒りを増幅させ、都政に混乱をもたらし、五輪などへの悪影響を拡大させてしまいました。

 しかし結局、辞任せざるを得ないところに追い込まれたのは、第1に舛添さんの公私混同や政治資金の私的流用が弁解できないほどにひどいもので、与党としても弁護することが難しかったからです。当初、自民党と公明党は知事を擁護する姿勢を示していましたが、全容が明らかになるにしたがって腰が引けていきました。
 それに輪をかけたのが舛添さんの姿勢であり、対応の仕方です。疑惑に対して真摯に向き合い誠実に回答して真実を明らかにするという姿勢は最後まで見られませんでした。
 そのために都民の怒りが爆発し、都庁に寄せられた苦情や意見は約3万1000件に達し、担当課の電話がふさがると別の課の電話番号を調べてかけてくるなど「苦情があふれ出る」(都職員)状況で、その批判の矛先は与党にも向かいました。最終的に、自民党まで不信任案を提出せざるを得ないところに追い込まれた背後には、常識では考えられないような公私混同のひどさとそれに対する都民の批判の高まりがありました。

 第2に、共産党が果たした役割の重要性を指摘しておく必要があります。舛添辞任に至った問題のそもそものきっかけになったのは、共産党が調査して明らかにした高額の海外出張費問題だったからです。
 代表質問や総務委員会での質疑など一連の追及も厳しく、他党をリードする役割を果たしました。早くから百条委員会の設置を要求して真相解明に積極的な姿勢を示し、不信任案の提出に向けて先鞭をつけ、市議会などでも決議を上げて都民の怒りを代弁してきました。
 他の党はこれに引っぱられる形となって曖昧な対応が取りづらくなり、知事も観念せざるを得ないところに追い込まれました。都議会で舛添辞任を実現する最大の力となったのは共産党議員団であり、前回の都議選で躍進して野党第1党となった威力が十分に示された結果だったと言えます。

 第3に、参院選とリオデジャネイロ五輪・パラリンピックの直前だったというタイミングの問題も大きかったと思います。疑惑の追及を曖昧にして先延ばしできるような状況ではなかったからです。
 リオ五輪は8月5日から始まり、その4年後の7月24日の開会式から東京オリンピックが開かれます。これらの行事には開催地の代表として都知事が参加しなければならず、選挙と重ならないようにする配慮が必要でした。
 しかも、6月22日からは参院選が公示され、与党としてはできるだけ選挙に悪影響が及ばないように対応する必要がありました。自民党や公明党が結局「舛添切り」に転じたのは、参院選で「舛添の巻き添え」となることを恐れたからです。

 しかし、これで自民党や公明党には「お咎めなし」ということにして良いのでしょうか。このような都知事を推薦して都政の混乱をもたらしたのは、今回が初めてではありません。
 石原、猪瀬、舛添と過去3代続いた都知事は、いずれも都政をないがしろにし、政治とカネの疑惑を引き起こしました。このような都知事候補者を推薦し、与党として支えたのは自民党と公明党ではありませんか。
 与党は候補者難もあって舛添さんに引導を渡すことをためらったようですが、自民党と公明党の責任は極め大きく、もはや都知事候補を立てたり推薦したりする資格はありません。政治家や行政官としてだけでなく、人間としても、その資質を見誤った責任を自覚し、今回は知事候補を立てるのを自粛したらいかがでしょうか。

 前回の都知事選挙で、公明党の山口代表とともに舛添推薦の演説を行った安倍首相の責任も免れません。あの時は舛添さんが最善だと考えて都民に推薦したけれど、「あの時の約束とは異なる『新しい判断』」で今度は別の候補者を立てればいいとでも考えているのでしょうか。
 今度の都知事選は、革新都政奪還と都政刷新の大きなチャンスになります。ぜひ、野党共闘の流れを受け継いで共同候補を擁立していただきたいものです。


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