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6月28日(水) 米・仏・英と同様の「左翼バネ」が都議選でも働くのか [選挙]

 個々の議員や政策より党首や代表者の人気に引き寄せられて投票態度を決めるのがポピュリズム選挙の特徴です。リーダーの人気によって「追い風」が吹けば、どのような候補者であっても当選してしまいます。
 最近行われたアメリカの大統領選挙でのトランプ当選、イギリスのEU離脱の国民投票、フランスの大統領選挙とそれに続く議会選挙がその例です。いずれも、大きな「追い風」が吹いて、選挙結果が大きく左右されました。

 日本も例外ではありません。民主党中心の連立政権から自民党が政権を奪還した2012年の総選挙もこのようなポピュリズム選挙の特徴を帯びていました。
 大阪での橋下徹さんの維新の党や名古屋での河村たかしさんが率いた減税日本などの選挙も、このようなポピュリズム選挙でした。それぞれの政党が掲げている政策や個々の議員に対する個別の人間性や信頼度に対する判断よりも、一時的な「追い風」や人気によって投票態度が決められたからです。
 こうして、一時的なブームが生じます。そのブームに乗りさえすれば、政策らしい政策も何の実績や経験がなくても、人間性や信頼度に多少の問題があったとしても、「追い風」に乗って当選してしまう例が次々と生まれました。

 「追い風」の力は恐ろしいものです。「どうしてこんな人が」と思われるような人もあれよあれよという間に当選し、議員になって議会に送り込まれました。
 それがどのような人であったのか、いかに議員としての資質を欠いていたかは、その後、スキャンダルなどの発覚によって判明することになります。大阪での維新出身議員、名古屋での減税日本に属していた議員の中からこのような例が続出していることは、皆さんご存知の通りです。
 そして、2012年総選挙で当選した自民党の「魔の2回生議員」にも、このような人が続々と現れました。最近では暴言や暴行が問題になった豊田真由子衆院議員の例があります。

 ブームや「追い風」に乗って当選した議員が「玉石混交」で、いかに議員としてだけでなく人間としても社会人としても問題のある「石」が多く混じっていたか。このことを私たちは嫌というほど目にしてきました。
 そして、今またこのようなブームが生じ、「追い風」が吹き始めています。小池百合子都知事が率いる「都民ファーストの会」に対してです。
 そこに、橋下さんの維新の党や河村さんの減税日本が巻き起こしたブームと同じような匂いを感ずるのは私だけでしょうか。それは、冒頭に挙げたアメリカやフランス、イギリスでのポピュリズム選挙に相通ずる香りでもあります。

 「都民ファーストの会」の候補者に問題があるとはかぎりません。しかし、今回も、「それぞれの政党が掲げている政策や個々の議員に対する個別の人間性や信頼度に対する判断よりも、一時的な『追い風』や人気によって投票態度が決められる」ようであれば、「政策らしい政策も何の実績や経験がなくても、人間性や信頼度に多少の問題があったとしても、『追い風』に乗って当選してしま」う例が生ずるかもしれません。
 そうすれば、やはり「「どうしてこんな人が」と思われるような人もあれよあれよという間に当選し、議員になって議会に送り込まれ」ることになるでしょう。大阪や名古屋で見た例が、あるいは自民党の「魔の2回生議員」と同じような問題が繰り返されないとは限りません。
 ポピュリズム選挙の危うさは、ここにあります。それを防ぐためには、それぞれの政党が掲げている政策、個々の候補者の実績や経験、人間性や信頼度をきちんと確かめて判断することが必要です。

 すでに、欧米での選挙ではこのような対応が生まれ、ポピュリズムに対抗する形で「左翼バネ」が作動しました。新自由主義的な規制緩和や緊縮政策、グローバリズムによる貧困と格差の拡大に反対して左翼的な解決策を求める潮流が、若者を中心として生じています。
 アメリカ大統領選挙で「民主的社会主義」を標榜したサンダース、フランス大統領選挙でのメランション候補、そして最近のイギリス総選挙でのコービン労働党党首の善戦です。いずれも、選挙戦最終盤で支持が急速に拡大しました。
 このような支持の急増には、それまで政治に絶望し関心を持たなかった若者の決起と参入が大きな役割を果たしたと見られています。欧米の若者は、自らの未来を切り開くために立ち上がったのです。

 同じような現象が、日本でも起きることを期待したいと思います。「都民ファーストの会」に「追い風」が吹いている一方、都議選でも選挙戦に入ってから「左翼バネ」が働き始めているのではないかという希望を持たせるようなデータが示されているからです。
 それは、JX通信社の代表取締役である米重克洋さんが書かれた「都議選中盤情勢 都民ファーストが第1党の勢い維持=JX通信社 東京都内世論調査第7回 詳報」という記事です。これは「1月から毎月東京都内の有権者を対象とした世論調査」を実施してきたもので、7回目の「調査は24・25日の両日、東京都内の有権者を対象にRDD方式で実施し、788人から回答を得た」そうです。
 記事によれば、「『都民ファーストの会』に投票すると答えた有権者は32.2%(前週比-2.4ポイント)に上り、『自民党』と答えた有権者19.5%(前週比+0.8ポイント)を上回った。都議選投票1週間前の時点で、引き続き第1党の勢いを維持している」とされています。「都民ファーストの会」は若干支持を落としているものの、まだ勢いを保っているというわけです。

 しかし、ここで注目されるのは、「3位以下の投票意向先」です。ここでは「共産党が12.2%(プラス4.2ポイント)とやや大きく上昇」しました。
 前回の8%から12.2%への上昇ですから、支持率が1.5倍になったということです。これについて、米重さんは「豊洲市場への移転に反対する層の一部が共産党に回ったと考えられる」と指摘していますが、小池都知事の中途半端な政策提起が共産党の政策的価値を高めることになったということでしょう。
 これ以外では、「民進党が6.0%(プラス1.3ポイント)、公明党が5.1%(プラス0.5ポイント)などとなっている」そうです。公明党はほとんど変化していませんが、民進党も1ポイント以上、支持率を増やしている点が注目されます。

 このような傾向が、選挙戦最終盤に向けてさらに強まるかどうかが今後の問題です。ぜひ「左翼バネ」を強めて、ポピュリズム選挙の悪弊を断ち切っていただきたいと思います。
 自民党の議席を減らして第1党の座を奪い取るという点で「都民ファーストの会」は一定の役割を果たせるでしょうし、そのことを期待したいと思います。しかし、「どうしてこんな人が」と思われるような人が当選して、その後の都議会が「玉石混交」になっては困ります。
 また、「今回知事が示した『築地再整備案のような豊洲移転案』は、都議選を前に支持層の離反を最小限に留めるという意味では成功している。しかし、選挙後いずれ議会での議論が必要となる、築地再開発の財源や税金投入の有無、市場機能の分担などは必ずしも明確になっていない。今回は知事の決断を『曖昧ながら肯定的に受け止めた層が多い』とすると、選挙後に再燃しかねない火種を残しているとも言える」と米重さんが指摘しているように、問題の根本的解決のためには、豊洲移転に反対し築地再整備を主張する議員が増えることが必要です。そうなれば、「築地ブランド」の維持を願いながらも選挙協力をしている公明党に引きずられて「豊洲移転」を口にせざるを得なかった小池都知事の真意にも沿うことになると思われます。

 選挙戦最終盤で、アメリカやフランス、イギリスなどで生じたような「左翼バネ」現象を、ここ日本でも生み出すことができるかどうか。カギは若者が握っています。
 政治への絶望と諦めを捨て去り、立ち上がって行動に移っていただきたいものです。現実に流されず、自らの未来を切り開くために……。

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