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4月5日(水) 森友学園問題の背後に横たわっている構造的要因と力学 [スキャンダル]

 福島からの「自主避難者」に対して「自己責任」だと言いながら「裁判でも何でもやればいい」と声を荒げる復興相、教育勅語を歴史教育だけでなく道徳教育の教材とすることも可だとする文科相、自衛隊員の危険を顧みず虚偽答弁を繰り返す防衛相、共謀罪についてまともな答弁もできない法務相、これらの大臣を批判することもなく弁護する官房長官。そして、国有地払い下げに関する森友学園問題で疑惑の渦中にある安倍首相夫妻。
 安倍政権の迷走、大臣の驕りと居直り、安倍首相の思い上がりが目に余ると言わなければなりません。どうしてこうなってしまったのでしょうか。

 このような驕りや思い上がりを生み出す背景に、国会と自民党での「一強多弱」状況があります。また、政府・与党に対しても「官邸支配」が行き渡っています。
 立法府でも行政府でも、安倍首相にものが言えない、逆らえない構造が出来上がっているわけです。このような権力構造こそが、権力者の意向を汲んで自ら進んでその実現を図る「全自動“忖度”機」(菅野さん)を作動させてしまったのではないでしょうか。
 このマシンは国会と政府だけでなく地方の行政機関に至るまで、隅々にいきわたっています。それを作動させたものこそ、内閣総理大臣夫人・昭恵さんの関与だったのではないでしょうか。

 このような構造を生み出した第1の要因は小選挙区制です。この選挙制度によって国会と自民党内での「一強多弱」構造が出来上がりました。
 小選挙区制によって第1党は選挙で有利になり、少数政党は不利になります。強いものはますます強くなり、与党は衆院で3分の2以上を占めています。
 参院でも与党は過半数を占めていますから、与党の思い通りの運営が可能です。安倍首相に楯突けば次の選挙で公認されない可能性がありますから自民党内でも異論は生じず、安倍さんなどはやりたい放題で、その意向をおもんぱかり先回りして実現を図ろうとする力学が働くことになります。

 第2の要因は内閣人事局です。これが新設された結果、官僚の人事が一手に握られ、人事を通じての「官邸支配」の構造が出来上がりました。
 官僚にとって最大の関心事はお金ではなく出世です。その能力は、いかに政治家の意向を先取りしてそれを実現できるかという点で推しはかられます。
 政治家の圧力に対して目立たないように応えること、政治家や上司などの意向を推し量って秘かに実現させることが優秀な官僚の条件になります。もちろん、国会などで問題になっても知らぬ存ぜぬで逃げ切り、将来的に報われる可能性があれば多少の泥をかぶることもいとわない力学が働くことになります。

 第3の要因は思想的共鳴です。直接的な利害関係や利益の供与などがなくても、目指す目標や事業の内容などについて思想的に共鳴する部分が大きければ大きいほど、その意図を汲んで便利を図ろうという構図が出来上がります。
 森友学園の小学校設立の申請に対して様々な便宜が図られましたが、それはこの小学校が森友学園という戦前型の愛国教育を目指していたからです。このような小学校の実現を応援したいと思う人々が、陰に陽に籠池前理事長の意向に応えるために汗をかいたということではないでしょうか。
 塚本幼稚園での教育講演会で有名な右派論客がこぞって講演し推薦文をアップしたのも、当初安倍首相が好意的な対応を示したのも、首相夫人の昭恵さんが「名誉校長」を引き受けた(その後辞任)のも、そして真偽が疑問視されている「100万の寄付」(首相夫妻は否定しています)も、おそらくお金の力ではなく思想の力だったと思われます。教育理念や教育内容、教育方針への共鳴があったからこそ、その実現を図るために小学校設立申請や用地の取得などで便宜を図ってやろうという力学が働くことになります。

 このような構造と力学の結果として、森友学園による瑞穂の国記念小学院設立のスピード認可や国有地の格安払い下げという問題が発生したのではないでしょうか。この問題の背後には、政治改革の失敗と巨大与党の誕生、政官関係の歪み、政治の右傾化と教育の戦前回帰という奥深い要因が横たわっていることを見逃してはなりません。


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