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3月24日(金) 森友学園の籠池理事長に対する喚問によって「アッキード事件」の有力な証拠が示された [スキャンダル]

 注目の証人喚問が衆参両院で実施されました。喚問では森友学園の籠池理事長による逆襲に会い、火消しを急いだ自民党は水とガソリンを間違えてかけるというミスを犯したようです。
 「総理大臣への侮辱」への報復と懲罰として、自民党の方から実施を求めるという異例の展開でした。その結果、新たな事実が次々に飛び出し、「総理大臣夫人への疑惑」を証明する有力な証拠が示され、核心がアッキーであり昭恵夫人こそがキーマンだったことが判明するという皮肉な結果になりました。
 安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、森友学園問題に関して「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」と述べていました。昭恵夫人の関与が明らかになったのですから、その言葉通り、とっとと首相も議員も辞めるべきでしょう。

 森友学園事件が安倍昭恵総理大臣夫人に深くかかわる「アッキード事件」であることを示す有力な証拠の一つは籠池理事長の証言そのものです。籠池さんは国有地取得について政治的関与があったかどうか問われ、「あったのだろうと認識しております」と答え、昭恵夫人に“口利き”を依頼していたことを次のように述べています。

 「その土地は国有地ということで、平成27年5月29日に定期借地契約を締結しました。その土地の買い上げの条件として、10年だったものをもっと長い期間へ変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。留守電でしたのでメッセージを残しました。すると後日、内閣総理大臣夫人付のタニサエコさんという方からご連絡いただき、『なかなか難しい』とのご返事をいただきました。平成27年11月17日に総理夫人付タニサエコさんからいただいたファクスでは、『大変恐縮ながら現状では希望に沿うことができない。なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております』というお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところでございます」

 ここに出てくるタニサエコさんという人物は昭恵夫人が講演をした際に幼稚園にも同行していた「谷査恵子」さんのことで、経産省から内閣府に出向していたといいます。この人が昭恵夫人の意を受けて動いていたとすれば、関係する省庁が「籠池さんの背後には首相夫人がいる」と考え、その意を“忖度”して対応したとしても不思議ではありません。
 また、籠池理事長は小学校の開校予定地を昭恵夫人と訪れたことがあるかと問われ、「土地を見て『いい田んぼができそうですね』と昭恵夫人が話したことから、『瑞穂の國記念小學院』という名前にした」と明かしました。一緒に予定地を見に行っていていたんですね。
 先日のNNNテレビでは新設される小学校の内部の映像を放映していましたが、そこには全面ガラス張りの理事長室と共に「名誉校長室」も映し出されていました。昭恵さんの「名誉校長」は「名誉職」としての単なる肩書ではなく、専用の部屋を作るほどの実質的な意味を持っていたということになります。

 さらに、籠池理事長の妻と昭恵夫人はこの問題が明らかになってからも「2月中に22回、3月中は15〜6回」もメールをやりとりしていました。2人の関係が実に密接であったことが分かります。
 昭恵夫人からのメールのなかには「御夫妻が大変なことは想像がつきますが、主人も大変なことに巻き込まれたということも理解頂きたい」「私が関わったと言うことは裏で何かあったと思われる」など、「口止めともとれるメール」もあったといいます。このメールについては、昭恵さんサイドも籠池理事長も公開してもいいと言っていますから、どういったやりとりがなされていたのか、明らかにしていただきたいものです。
 これ以外にも、稲田防衛相とは「今回の土地の事柄につきましても、稲田龍示事務所に平成28年の1月にはご相談にいっております」という証言があり、海陽学園の推薦枠の問題に関連してJR東海の葛西敬之名誉会長(海陽学園理事長)の名前も出てきました。大阪維新の会所属の大阪府議の畠成章氏(2015年9月に死去)、日本維新の会所属の東徹参院議員、自民党の北川イッセイ元国土交通省副大臣、柳本卓治参院議員の名前も出てきており、こうした政治家たちへの追及も不可欠でしょう。

 今回の事件が「アッキード事件」であったことを示す第2の証拠は、「平成27年11月17日に総理夫人付タニサエコさんからいただいた」というファクスです。その文面は、以下のようなものでした。

 「時間がかかってしまい申し訳ございませんが、財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました。
 大変恐縮ながら、国側の事情もあり、現状ではご希望に沿うことはできないようでございますが、引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。
 なお、本件は昭恵夫人にもすでにご報告させていただいております。
(中略)
4)工事費の立て替え払いの予算化について

 一般には工事終了時に精算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第、返金する」旨の了解であったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中

 これは“口利き”を断ったファクスであるから、無関係を証明するものだと菅官房長官は説明しています。このやり取りは安倍夫人とではなく「夫人付き」の谷さんとのやり取りだったから、夫人は無関係だとの弁護論もあります。
 しかし、一民間人から依頼されて「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得」るということ自体が極めて異例です。しかも、その回答の内容は詳細で、国有財産審理室長が「現状ではご希望に沿うことはできない」という「国側の事情」を懇切丁寧に説明していることが分かります。
 なぜ谷さんがこのようなやり取りにかかわったのかと言えば、それは「昭恵夫人付き」であったからであり、その方に籠池さんから資料が送られたのは谷さん個人ではなく「昭恵夫人付き」の方だったからであり、国有財産審理室長が丁寧な説明を行ったのも、問い合わせをしたのが「昭恵夫人付き」の役人だったからです。その背後に、「内閣総理大臣夫人」という威光が光り輝いていたことは否定できず、まさに「安倍昭恵」という名前は「水戸黄門の印籠」のように、決定的な意味を持っていました。

 しかも、ここには「引き続き、当方としても見守ってまいりたい」と書かれています。もし、断りのファクスであれば、ただ一言、「ご期待には添えかねます」とだけ書いて送ればよかったはずです。
 ファクスの文面からは、「できれば要望に沿いたい、役に立ちたい」という気持ちがにじみ出ています。それは谷さんも籠池理事長と昭恵さんとの親密な関係を知っているからであり、昭恵さんからも「力になって欲しい」と依頼されていたからでしょう。
 このような事情は、わざわざ「なお、本件は昭恵夫人にもすでにご報告させていただいております」と書き添えてあることからも分かります。そして最後に、「平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」と書かれていますが、その通りになりました。「引き続き」「見守った」成果が出たということではないでしょうか。

 第3の証拠は、安倍首相夫人である昭恵さんによる反論の書き込みです。昭恵夫人は籠池証人喚問がなされた3月23日の夜、自身のフェイスブックを更新して参院予算委員会の証人喚問での発言に反論しました。以下は、その書き込みの全文です。
 
 本日の国会における籠池さんの証言に関して、私からコメントさせていただきます。

1寄付金と講演料について

 私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません。この点について、籠池夫人と今年2月から何度もメールのやりとりをさせていただきましたが、寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした。私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております。
 本日、籠池さんは、平成27年9月5日に塚本幼稚園を訪問した際、私が、秘書に「席を外すように言った」とおっしゃいました。しかしながら、私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました。
 また、「講演の控室として利用していた園長室」とのお話がありましたが、その控室は「玉座の間」であったと思います。内装がとても特徴的でしたので、控室としてこの部屋を利用させていただいたことは、秘書も記憶しており、事実と異なります。

2携帯への電話について

 次に、籠池さんから、定期借地契約について何らか、私の「携帯へ電話」をいただき、「留守電だったのでメッセージを残した」とのお話がありました。籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、10年かどうかといった具体的な内容については、まったくお聞きしていません。
 籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています。その時、籠池さん側に対し、要望に「沿うことはできない」と、お断りの回答をする内容であったと記憶しています。その内容について、私は関与しておりません。
 以上、コメントさせて頂きます。
平成29年3月23日
 安倍 昭恵 

 昭恵さんは籠池さんの証言を全面的に否認しています。まさに「ガチンコ対決」であり、どちらかが嘘を言っていることになります。
 もし昭恵さんが嘘を言っているとしたら、それには「昭恵夫人付き」の2人の公務員も加担していることになります。籠池さんと昭恵さんの証言のどちらが信用できるのでしょうか。
 一方の籠池さんは、嘘をついたら逮捕されるという条件の下で証言しており、他方の昭恵さんはそのような制約や条件の無いフェイスブックでの私的な書き込みにすぎません。どちらの発言に重みがあるかは明らかです。

 籠池さんの証言を否定したいのであれば、同じ条件と誓約の下で本当のことを話すべきでしょう。フェイスブックという私的な空間での放言ではなく、国会という公的な場で籠池さんと同等の条件を付けて証言していただく必要があります。
 籠池さんの証人喚問の結果、昭恵夫人の証人喚問も不可欠になりました。嘘をついたら罰せられるという同等の条件の下で、ぜひ真実を語っていただきたいものです。

 また、この書き込みで、総務省から派遣されている公務員を「秘書」と呼んでいることにも驚きました。政府は3月14日に昭恵さんは「公人ではなく私人であると認識している」との答弁書を閣議決定したばかりではありませんか。
 その「私人」が公費で派遣されている役人を「秘書」として使っていたということになります。このような「私人」の存在が認められるのかという新たな問題も出てきます。

 さらに、「籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています」と述べています。「回答する」との報告があったのは、「当該秘書」がその必要性を感じたからであり、秘書の個人的な行動ではなかったからです。
 籠池さんと秘書との間には昭恵さんが介在していました。どのような指示や依頼があったのかは分かりませんが、昭恵さんには事後報告しておく必要性があると「秘書」が認識していたことは明らかです。
 さらに、「その内容について、私は関与して」いないと言いながら、「お断りの回答をする内容であった」ということだけは「記憶して」います。つまり、回答された内容について知っていたことになります。

 このような形で昭恵夫人の関与が明らかになった以上、安倍首相の責任は免れません。「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」という断言を撤回して陳謝するか、前言通りに潔く辞めるか、どちらかでしょう。
 そのどちらも避けるために、偽証罪で籠池さんを監獄にぶち込んで口封じし、事態の鎮静化を図るかもしれません。しかし、世論がそれを許すでしょうか。
 安倍首相は第2次安倍政権発足以来、最大の窮地に立たされてしまいました。その原因が、最も近くにいて「家庭内野党」として陰ながら首相を支えてきた昭恵さんだったというのは、まことに皮肉なことだと言わなければなりません。

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