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3月6日(月) 教育基本法の理念を否定して戦前回帰をめざす国粋主義的「愛国幼稚園」の実態 [スキャンダル]

 森友学園の深い闇について、ようやく光が当たるようになってきました。国会での追及などもあり、マスメディアやテレビのワイドショーも無視できなくなってきたのでしょう。
 この問題を国会で解明するべきだという意見は83%にも上っています。政治家の関与についても、監査委員をしていた大阪維新の会の伊藤隆弘府議などの名前が出てきました。真相解明に向けて、籠池理事長など関係者の証人喚問は不可欠です。

 さて、このブログでは一連の疑惑について検討してきましたが、そもそも森友学園が経営していた塚本幼稚園とはどのような幼稚園だったのか、その実態について見てみることにしましょう。そのような幼稚園がなぜ評価され、優遇されたのか、第6の疑惑は森友学園と国粋主義的な「愛国幼稚園」ともいうべき塚本幼稚園自体に関わるものです。
 ここで検討すべき問題の一つは戦前型の偏向教育の実態であり、第2は教育機関にあるまじき幼児虐待であり、第3は籠池理事長やその夫人のヘイト発言であり、第4は大阪維新の会や稲田朋美衆院議員との関係です。

 第1の戦前型の国粋主義的な偏向教育の実態については、すでに多くのビデオなどで国民の知るところとなっています。なかでも、大きな衝撃を持って受け止められたのが、2015年秋の運動会の映像でした。
 ここで映し出された異様な光景に、唖然とした人は多かったでしょう。「選手宣誓」を行った代表の園児4人は、次のように叫んでいました。

 「大人の人たちが他の国々に負けぬよう、北方領土、竹島、尖閣諸島を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心あらため、歴史教科書で嘘を教えないようお願いいたします。安倍首相がんばれ! 安倍首相がんばれ! 安保法制、国会通過、よかったです!」

 自民党議員の中には、このどこが問題なのかと考えている人もいるでしょう。しかし、もし「大人の人たちが戦争を始めないよう、私たちが戦争に行かされないようお願いいたします。岡田代表がんばれ! 岡田代表がんばれ! 安保法制、国会通過させないでください!」などと叫んでいたら、どうでしょうか。
 自民党議員の皆さんは黙っていなかったでしょう。国会で大問題になっていたにちがいありません。

 この「選手宣誓」について国会で質問された安倍首相は、さすがに肯定することができず「『安倍総理がんばれ』とか、園児に言ってもらいたいということはさらさらないし、私は適切でないと思う」と答弁しました。しかし、それが「学校は政治的活動をしてはならない」という教育基本法第14条に違反するというとことについては明言を避けています。

 この幼稚園では園児に教育勅語を暗唱させていたことでも知られており、幼稚園で講演したり推薦の言葉を寄せたりした右派知識人や議員の多くが、そのことを評価していました。国会で質問された稲田防衛相も個々の徳目には正しいものがあると答弁していましたが、問題は教育勅語が担っていた歴史的な役割にあります。
 それは「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」という内容を含んでおり、これこそが戦前の国粋主義と戦争遂行のための精神的な支柱とされ、軍国主義教育の手段となっていました。だからこそ、戦後、衆議院で「排除に関する決議」、参議院では「失効に関する決議」がなされているのです。
 教育勅語は戦前戦中の軍国主義教育の要であり、国民主権と対立し、教育基本法とも衝突します。その教育勅語を公教育に持ち込むことは「憲法違反だ」(小林節慶応大学名誉教授)との指摘があるのも当然でしょう。

 第2は、教育機関にあるまじき園児虐待の実態です。これについても、2月22日に民進党の玉木雄一郎議員が衆院予算委員会第4分科会で質問して以降、広く知られるようになりました。
 大阪府の公表する資料によると、大阪府下に305ある私立幼稚園全体の充足率は74%ですが、塚本幼稚園のそれは50%にすぎません。統計にも転園者続出が明らかに示されています。
 土地取引の闇よりもたくさんの転園者を生み出す「森友学園のあり方」そのものの方が、より深刻な問題だという指摘もあります。それは教育機関にあるまじき虐待ともいえるような事例が、以下のように数多く報告されているからです。

・トイレ禁止(水筒を飲まない子、帰り道で漏らす子続出)
・ウンコを丸ごと包んだパンツをそのまま鞄に入れられる
・漏らしたら下着を素手で持って帰らされるか、透明なビニール袋で見えるように鞄からぶら下げられる・犬臭いので犬を殺せと連絡
・犬の毛が入っていたからと弁当を捨てる
子供に特定の子供を虐めさせるように教える
・先生も虐めに参加する
・通名で通っている子の本名をプリントで配布し晒す
・PTAの収支が不明なので入らないと言ったら強制退園
・二万円のアルバムを子供の人数分強制購入させる
・時間内に給食を食べきれなかった子供は廊下に正座で食べさせる

 このような事例の全てが本当なのか。あまりにも酷すぎて、にわかには信じがたい思いがします。
 しかし、塚本幼稚園を自主的に退園したり強制的に退園させられたりした保護者たちは沢山いるようで、「T(塚本)幼稚園退園者の会」を結成しているそうです。
 そのうちの1人がPTAの会計報告がめちゃくちゃだったので園に説明を求めたら、副園長から「いいかげんにしろ!!」で始まる毛筆の手紙が届いたといいます。このような事例を見るにつけても、なぜ大阪府はこれほど運営実態が酷い森友学園に小学校の設置認可を与えたのか、ますます疑問が大きくなります。

 第3の問題は、籠池理事長やその夫人のヘイト発言です。これまでも塚本幼稚園の退園保護者たちは、ネット上などで塚本幼稚園の実態を告発し続けてきました。
 しかし、こうした声に森友学園は真摯に対応するどころか、公式WEBサイトに「インターネット上での当園に対する誹謗・中傷記事について」と題した文章を掲載して「投稿者は、巧妙に潜り込んだ韓国・中華人民共和国人等の元不良保護者である」と反論してきました。
 籠池理事長の妻であり塚本幼稚園副園長でもある籠池諄子さんは保護者あての便りに、「邪な考えをもった(名前は日本人なのですが)在日韓国人である・支那人である…」と書いています。副園長は「私は差別はしませんが、韓国人・中国人は嫌いです」と書いた「直筆手紙」を元韓国籍の保護者に出していました。

 また、籠池理事長は沖縄の翁長知事に対して「現知事は親中華人民共和国派、娘婿も支那の人である。もともと中共に従いたいと心から思っているので、中共の手先かもしれない」などという全くデタラメな中傷を加えています。さらに、籠池理事長が経営していた別の幼稚園では、過去に尖閣諸島を守るための請願書名を保護者に提出するよう求めていました。提出先は立ち上がれ日本だったそうです。

 第4は大阪維新の会や稲田朋美衆院議員との関係です。以上に見たような問題がありながらも、塚本幼稚園に対する評価には高いものがありました。
 一部の右派論客や国会議員が絶賛し、講演したり推薦の言葉を述べたりしていたことは、すでに前回のブログで紹介しました。それだけではありません。
 塚本幼稚園で働いていた職員が表彰されたり、感謝状を贈られたりしていました。教育内容や実態からすれば信じられないことであり、表彰したり感謝したりした人は塚本幼稚園の実際の姿を知っていたのでしょうか。

 幼稚園の先生で「素晴らしい教育を行なっている教諭」に贈られる「文部科学大臣優秀教職員賞」を受賞したのは2013年2月の時点で全国に11人しかいません。それなのに、そのうち3人が塚本幼稚園の先生で、「大阪府の推薦」で受賞しています。
 2008年の大阪府知事は橋下徹さん、2012年の大阪府知事は松井一郎さんです。この2人の知事が塚本幼稚園の先生を推薦していたことになります。
 塚本幼稚園は特別に支援が必要な児童を受け入れる「要支援児受入促進指定園」にも指定され、大阪市と大阪府から補助金を受け取っていました。この補助金支出の決定も維新の市長や府知事によってなされています。

 大阪維新の会も塚本幼稚園の特別扱いや便宜供与にかかわっていた疑いが濃厚です。同様に、稲田朋美防衛相も塚本幼稚園とのかかわりを疑われる人物の一人です。
 稲田さんが過去に何度も参加したことがあり、顧問も担当していた「保守の会」の松山昭彦会長はフェイスブックで、「国会議員になる前の稲田朋美先生は塚本幼稚園の顧問弁護士だったそうです。驚きました」とコメントしています。これが事実だとすれば、まことに驚くべきことだというべきでしょう。
 その稲田さんは、防衛大臣に就任してから塚本幼稚園に表彰状を送っています。その実態や「瑞穂の国記念小学院」問題が明らかになってから取り消す意向を示していますが、このような幼稚園を表彰したこと自体が間違いなのです。

 このように、塚本幼稚園も森友学園も教育機関という資格がないほどの異様な教育を行い、理事長・園長の籠池さんとその妻の副園長は平気でヘイト発言をするような、教育者とはいいがたい差別思想に凝り固まった人物でした。それにもかかわらず、表彰されたり感謝されたり補助金をもらったりという厚遇を受けてきたのです。
 それは小学校設立のスピード認可、言い分通りでの建設予定地の取得と異常なディスカウントなどの厚遇に通じる特別扱いでした。このような厚遇と特別扱いには政治家や官僚の暗躍や画策が疑われますが、同時にその背景には日本会議を基盤にした籠池理事長の人脈と思想的な結びつきがあり、広告塔としての安倍首相夫妻の「御威光」があったのではないでしょうか。
 一連の経過を見れば、皆で力を合わせて安倍教育改革のモデルケースである森友学園を盛り立てていこうとする共通の意思を読み取ることができます。そしてこの共通の意思を、安倍夫妻も共有していたことは疑いありません。


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